チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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色々とご都合な展開……別にいいよね?
てな訳でどうぞ。


転落一直線

本当に恐いよね。こうもエドの想定通りに事が運ぶことがね。

当日までに鎧を用意できず、予想通り生身で決闘に挑む羽目になっちゃったよ。弱い者虐めしかできない糞野郎は、それが普通だけどさ。五馬鹿も無自覚でそれをやったけど、露骨な妨害工作はしなかったことだけは美点かな?爆弾を仕掛けたジルク以外は、がつくけどね!

観客席ではユリウス、ジルク、クリス、カーラ、()()()()()の五人が見守っている。マリエとカイルは屋敷で療養している二人の看病という名目で此処にはいない。

 

ホント、エドは念入りだよな。武器も渡したマリエもいるのに、そこまでする必要があるかと聞いたら『リビアの二の舞はゴメンだ』だったからね。その時の反省から、本当にその辺は注視しているのが分かるよ。

そう言えば、ヘルトラウダさんからもサイドテールの女性が俺とエドに用があるって伝えられたし。話を聞いた限り、ノエルの双子の妹で、俺達と同じ転生者の可能性が高いレリアみたいだけど。その辺の判断も考えないとな。

それに聖樹の《守護者》は主人公(ノエル)が選んだからじゃなく、厳密には主人公(ノエル)の推薦で聖樹が決定を下す仕組みだったのはちょっと驚きだったね。ラプラス―――そのマスターのティアからの情報だけど。

 

まあ、その心配もないかな。俺はモブだし、苗木ちゃんは守っているんじゃなくて人質として確保しているだけだし。《巫女》―――ノエルと、一応レリアの推薦がないと苗木ちゃんも《守護者》を選ばないだろうしね。

ちなみに苗木ちゃんはカーラに持たせている。アイツらに預けていたら、万が一が起きたら本末転倒だからね。

そんな事を考えていた俺に、クレマン先生が心配そうな表情で話し掛ける。

 

「……本当に生身でやるつもりなの?」

「ええ。ここで中止にしたら、自動的に俺の負けになりますから」

 

俺はクレマン先生にそう言って、決闘場に佇むアロガンツに視線を向ける。趣味の悪い装飾が施され、あの無骨な迫力が皆無となっている。むしろ、負けキャラのような安っぽい雑魚感を醸し出している。

……本当に趣味が悪いな。裏でやり取りしていたルクシオンも殺意を滲ませていたし。アインホルンで暴れ回る気満々だったし。人的被害はゼロにするよう、指示してはいるけど。

俺がアロガンツと対面するように対峙すると、搭乗しているピエールの下卑た声が飛んでくる。

 

『逃げずに来たか、三流国家の三下野郎。ちゃんと時間は与えてやったんだ。準備をできなかったお前が悪いと思うよな?』

「そうだね。このまま決闘で問題ないかな?」

『ああ。お前の鎧でミンチにしてやるよ』

 

ここまで負けフラグ、死亡フラグを乱発する奴がいるだろうか?絶対にいないだろうね!

ユリウス達だけじゃなく、ノエルとティアも心配そうに見守っているが、何も問題ない。だって、全部が予定調和だからね!本当はそうなって欲しくなかったけど。

 

『……そうだ。お前らのところに犬がいたよな。面倒を見ていたのはラーダって名前の女だったか?』

「そうだけど?それがどうかしたの?」

 

俺が特に気にした様子もなくそう返すと、ピエールは露骨に舌打ちしてきたよ。

 

『あんまり調子に乗るなよ?お前が調子に乗ると、どんな不幸が来るか分からないからな?だから―――大人しく俺にぶっ殺されろ』

 

……本当に素晴らしいよ。これなら、いざというときに良心が欠片も傷まずに済むからね。

 

 

――――――

 

 

リオンとエドワードが滞在し、マリエ達が一時的に避難している屋敷。

その屋敷の玄関のドアは銃弾によって破壊されていた。

襲撃者達―――ピエールと後ろ暗い取引をしている組織の人間達はリオン達が学院に行ったのを見計らって、犬のノエルと使用人のラーダを拐おうと襲撃を掛けたのだ。

 

標的の二人以外にも、怪我で療養中のグレッグにブラッド、マリエとカイルの四人がいるが、それも大した障害にならないと判断している。むしろ、カイルも人質にしようと考えていたくらいだ。マリエ達も人質にしようとしなかったのは外交問題からでなく、後の楽しみを取っておくという意味からだ。

だが、屋敷に侵入してきた人間達はそこで待ち構えていた人物を前に、思わず動きを止めてしまっていた。

何故なら……

 

「どうした?オレがいることがそんなにおかしいのか?」

 

玄関ホールで佇んでいたのは、学院にいる筈のエドワードだったからだ。両腕に魔装を展開して、既に戦闘態勢となっているエドワードは意地の悪い笑みを彼等へと向けている。まるで地獄へと誘う悪魔のように。

 

「ああ、何で学院にいる筈のオレが此処にいるのか不思議なんだろ?アレ、グレッグの変装だから」

 

エドワードは何て事のないようにあっさりと種を明かす。

グレッグが日常生活に支障が出ない程度に回復した事と、襲撃者を捕らえる事も視野に入れた結果、グレッグをエドワードに変装させて油断を誘う計画を練り上げていた。さすがに怪我人二人とマリエとカイルだけで、襲撃者達の対処をさせるのは酷だと判断したのもあるが。

 

その為、グレッグにはカツラとバンダナ、スペアの眼鏡を使ってパッと見では気付けない程度にエドワードのフリをして決闘の現場へと向かわせた。《誓い》の対象もリオンとピエールだけで、エドワードが必ず同席すべきと含まれていなかったからでもあるが。

困惑する襲撃者達にネタバラシをしたエドワードは、両手にバチバチと雷を迸らせる。それを見た襲撃者達は直ぐに銃を構え直す。

 

「ハッ、調子に乗るなよ。アルゼルの恐ろしさを―――」

 

そんな虚勢とも取れる言葉は途中で遮られる。何故なら―――左右の扉から短機関銃を手にマリエとカイル、ブラッドとヘルトラウダが突撃したからだ。

 

「死に晒せやオラァッ!!」

 

マリエが口汚く叫ぶと同時に短機関銃の銃口が火を吹く。同時にカイル達の短機関銃も同じように火を吹いて銃弾を次々と吐き出していく。

いくら非殺傷のゴム弾とはいえ、いきなり銃弾の雨を左右から浴びせられたら堪ったものではない。更にエドワードも放電するように電撃を放ち、襲撃者達を一網打尽にする。

こうして、ピエールのお粗末な計画は頓挫したのであった。

 

 

――――――

 

 

誘拐目的の襲撃者達を撃沈させ、手足を拘束していく。

ピエールは今頃、事が自分の優位で進んでいると思っているんだろうな。実際は急転直下の崖の前へと突き進んでいるだけだが。

 

「それじゃ、色々話してもらおうか?」

「な、何をだ?」

「決まってるじゃないか。―――誰の指示で動いたのか。その誰かとどんな取引をしていたのかを、な」

 

こんなハイリスクの仕事を依頼し、同時に引き受けるってことは、それなりに関係を持ってないと不可能だからな。使い捨ての駒にやらせるには不安だし、何の繋がりのない相手に指示するのも弱味になりかねないし。

だから、コイツらとピエールは前々から繋がりを持っていると考えている。それも、表に出たら双方共に都合が悪い繋がりが、ね。

オレの意図を察してか、襲撃者のリーダーらしき男は顔を青くしながらも必死に首を横に振った。

 

「お、俺達はピエールにその場で金で雇われただけだ!悪いのは全部、ピエールの野郎なんだ!!」

 

さっそくピエールを売って逃げようとしているか。この件だけなら傷口が小さくて済むという判断からだろうけど。

でも、そうは問屋が下ろさないよ?此方は、拷問も辞さないからね!

 

「カイル、切れ味の悪いナイフを持ってきて」

「何に使うつもりなんですか?ご主人様」

「決まっているでしょ?―――コイツの鼻や腕をうすーく斬って情報を吐かせる為よ。心配しなくても、傷付けた後は綺麗に治すから。また傷付ける為にね」

 

マリエはそう言って、ニッコリと笑みを浮かべる。そんなマリエの近くでは、ヘルトラウダが器具の用意をしている。針にレンチモドキ、切れ味の悪そうなナイフ、金槌等の道具を。

 

「道具はこちらで既にご用意してあります。どれも拷問に適した道具ばかりですのでご安心を」

「爪を剥いだり、歯を抜いたりしても治癒魔法で治せるのか?」

「綺麗に治せるわよ。痛みはしばらく残っちゃうけど」

「それは素晴らしいですね。歯を何回も抜けますから」

 

オレとマリエ、ヘルトラウダの恐ろしい会話に、捕らえられた襲撃者達はガクガクと身体を震わせていく。うーん、自分が痛め付けられることに耐性がなさそうだな。ま、聖樹の恩恵で平民と外の人間に強いから当然かもしれないけど。

そう言えば、グレッグとブラッドもピエールが《紋章》を使う前までは軽くあしらえたと言っていたし……聖樹の力に胡座を掻いて怠けているのかもな。聖樹の力があれば、基本的にどうにでも出来るし。

 

「ちなみにだけど、足の痛みってかなーりキツいみたいだぞ?」

「そうなのかい?いや、足がやられたら大変だけどさ」

「それを確かめる意味でもやってみましょう。針とナイフ、爪剥ぎ、煮え滾る油、熱した鉄板、塩水……どれが辛いか分かりませんので、一通り試しましょう」

「金槌で足の指を叩くのもどうでしょう?」

「何にせよ、一通り試してみようか。議論しても答えは出ないし」

「は、話す!全部話すから、俺達を実験台にしないでくれ!!」

 

物騒な議論に襲撃者のリーダーは懇願し、お仲間達も同意するように激しく首を縦に振っている。本当に根性がないな。こっちとしてはありがたいけど、まだ治っていないのに戦闘に参加したブラッドを少しは見習え。

 

「それじゃあ、全部話して貰おうか。そのピエールと普段からどんな取引をしているかを」

 

 

――――――

 

 

本当に鎧と生身で決闘を始めたっす。リオンさんは逃げ回るようにピエールの攻撃を避けているっすけど、いつ潰されてしまうのかと不安になるっす。ノエっちも心配してるっすし。

 

「リオン、大丈夫かな……?」

『不本意ながら問題ないでしょう。不幸な制御不良で押し潰されない限りは』

 

本当にラプっちは相変わらずっすね。お二人に情報を渡していたっすのに。

 

『ピエールの排除に役立つと判断しただけです。無駄な事のリソースを減らせますし、恩を売っておけばあちらの油断も誘えますので』

「本当にやっちゃ駄目っすよ?」

『後ろ向きに検討しましょう』

「それ、全く検討してないんじゃ……」

 

ノエっちもラプっちの言動に呆れているっす。こうして話しているっすけど、人混みは避けていますし、ラプっち自身もステルスモードで他の人には見えないようにしてるっすから、気付かれる心配はないっす。

 

『どちらにせよ、ピエールが地獄を見るのは決定事項だ。それが恥辱まみれか、人生のドン底に叩き落とされるかの二択だがな』

「一方通行じゃないだけ、マシっすかね?」

 

先輩なら問答無用で地獄へと一直線に叩き落とすっすし。今回の制裁も手緩い気がするっす。

 

『あれで手緩いとは随分と頭がお花畑だな。ルクシオンもフェーヴェル家の領内で暴れ回る気満々だと言うのに』

 

…………へっ!?

 

「ら、ラプっち!?それ、マジっすか!?」

『大マジだ。奴も寝返ったフリをしただけで、実際は潜入調査だ。誓いの拘束力も、ルクシオンの行動を縛れる程ではない。故にピエールが最悪から逃れるには、ルクシオンのマスターに心の底から土下座で許しを請う以外に道はない』

 

潜入調査……領内で大暴れ……完全に出来レースっす!ピエールの負け確定の上、どっちを取ってもプライドとメンタルがズタズタになるっすよ!誠心誠意謝罪して許しを請うたら、まだ救いはあるっすけど!

 

「もしかして……家への制裁も……」

『ご想像の通りだ、ノエル。フェーヴェル家はどちらに転んでも国内の権力争いから脱落する。現当主にとってはこの上ない屈辱になる』

 

え……えげつない……えげつないっす!思いっきり罠に嵌めてるじゃないっすか!下手したらフェーヴェル家が没落するっすよ!どっちを選んでも、フェーヴェル家は大損しかしないっす!

やっぱり、あのお二人は敵に回したらいけない人達っす!外道に悪魔……その二つ名に違わぬ鬼畜ぶりっす!!私個人としては、スッゴい好ましいっすけどね!

 

「絶対、あのお二人に喧嘩を売ったら駄目っすね。仲良くしていれば、その心配はなさそうっすけど」

『本当に無駄なところで鋭いな。恐怖心を煽って、敵対させる私の作戦が台無しだ』

「絶対止めるっす!それをしたら、ラプっちも殺されるっすよ!?」

『私の心配をするのか。本当にこのマスターは色々な意味で残念だな』

「……あんまりティアをからかっちゃ駄目だよ?ラプラス」

『記録要領の片隅で検討しておきましょう』

 

 

――――――

 

 

(本当に私も甘い対応を取ってしまったな……)

 

今回の決闘の見届け人の一人であるナルシスは、誰に言うわけでもなく内心で呟く。

ホルファート王国からの留学生―――リオンとエドワードがこれからやろうとしていることは、共和国に相応の被害が出ることが予想できる。ピエールとフェーヴェル家への制裁……その内容から逆算すれば、呑まざるを得ない状況へと持っていくのは確実だ。ナルシスも三男とはいえ、名門貴族の出。情報さえ揃えれば、ある程度は推測することができる。

 

確かにピエールとフェーヴェル家の無法は目が余るところがある。今回の件も、他の国同士であれば大問題だ。それだけ、他の家でもフェーヴェル家の行動は問題となっている。それを権力と防衛における不敗神話で封殺しているだけで、普通であれば非難されて当然の行動だ。

それらの事情を加味しても……二人の計画はやり過ぎの面がある。本来であれば当主達に全てを話し、平和的な解決へとフェーヴェル家を説得させるのが筋だ。彼等の計画が上手く運んでしまえば、国自体にも被害が出てしまう。

 

しかし、ナルシスは積極的にそれをしなかった。ピエールにそれとなく引き返せるように意見したり、実家にも中立の立ち位置となるよう助言はしたが……自身が掴んでいるおおよその全容は話さなかった。上手くいけばフェーヴェル家の横暴の抑止にも繋がるし、裏切りも容易に出来なくなる。彼等もフェーヴェル家のみに要求すると公言していたのもあり、多少の被害であれば目を瞑ることにした。

仮にやり過ぎたとしても、ナルシスは敢えて見逃すつもりではあったが。その理由は……

 

(これではルイーゼ君を責められないな……)

 

ナルシスは懐から一枚の古びた写真を取り出す。当時三歳の腹違いの妹と、二つ歳上の見習い執事―――【リアリス・カルセ・グランジュ】と【エドワード・バレッタ】が写っている写真を。

 

(眼鏡を掛けていることもあって直ぐに気付けなかったが、まさか彼の面影を強く感じる子が王国にいたなんてね……リオン君の事と言い、本当に不思議なことだ……)

 

ラウルト家の令嬢―――ルイーゼがリオンに今は亡き実の弟―――【リオン・サラ・ラウルト】と重ねていることも察してはいる。本当は別人だと咎めるべきなのだが……妹の世話役として出入りしていた彼と重ねてしまっている時点で説得力は無くなっていると、ナルシスは自覚している。

何せ……彼が生きていたらこう成長していただろうと思えるくらい、二人の容姿は瓜二つなのだ。他人の空似にしては、あまりに出来すぎているくらいに。

 

とは言え、あまり肩入れするべきではない。二人は違う国の人間なのだから。

ナルシスは複雑な気持ちを抱きながらも、古びた写真を懐へとしまう。

その後、アインホルンがフェーヴェル家の領内で暴れ回っているという連絡を受け、ナルシスが遠い目で天を仰いだのは言うまでもない。

 

 

――――――

 

 

グランジュ家現当主―――【レイシス・カルセ・グランジュ】は深い溜め息を吐いていた。

 

「全くナルシスの奴……外の人間に聖樹の苗木の存在を明かしただけでなく、その所有権まで見逃しおって……挙げ句の果てに中立に立てだと?教師の仕事で腑抜けてしまったか……」

 

レイシスはフェーヴェル家程にはないにせよ、共和国至上に思想が偏っている。これまでの共和国の歴史から考えれば、自分達が優れていると過信するのも無理はない。むしろ、ラウルト家―――現当主のアルベルクのような穏健派が異常に分類されるくらいだ。

 

「まさかとは思うが……奴等に情でも湧いたのか?だとしたら、キツく言っておかないとな」

 

レイシスも今回の王国からの留学生―――エドワードとリオンの名前を把握している。同時に、ラウルト家の令嬢ルイーゼがリオンに肩入れしていることも。

ちなみに【エドワード・バレッタ】のことを知るのはグランジュ家とバレッタ家だけだ。バレッタ家は下位の貴族であること、ラウルト家の跡取りであった【リオン・サラ・ラウルト】とは大きく違うのだ。他の者が知らないのも当然のことである。

 

それらを加味しても……全く馬鹿馬鹿しいとレイシスは思う。名前が同じという理由だけで、外国の人間の肩を持つなど。これなら、没落貴族の女子生徒を追い掛け回していた事の方が可愛らしいくらいだ。

それでも、今回はナルシスの助言は聞き入れるつもりではいる。フェーヴェル家の無法は確かに目に余るのは事実で、これ以上好き勝手されるのも今後の権力争いに響くからだ。少しでも自身が優位な立ち位置に立てるよう……《巫女》を選出するレスピナス家亡き今、議長代理を務めているラウルト家も出し抜く為に。

そんな事を考えていると、ノックもなしに扉が開かれる。礼節もなく入ってきた人物に、レイシスは疲れたかのように溜め息を吐く。

 

「リアリス、ノックぐらいはしろ。仮にも当主の部屋だぞ」

「それくらい別にいいでしょ。それとも、妾との間に出来た妹だから問題とでも?」

「そんな話はしていない。これは礼儀、体裁の問題だ」

「外ではちゃんとしているからいいでしょ。それに貴族の礼儀や体裁なら、ペシミス兄さんとナルシス兄さんも同じでしょ」

 

アッシュブロンドの髪をツインテールに纏めた少女―――リアリスの屁理屈と呼べる返しに、レイシスは思わず頭を抱えてしまう。

 

「それよりレイシス兄さん。本当に来年から学院に通わないと駄目なの?勉強より冒険がしたいんだけど」

「駄目だ。貴族たる者、しっかりと教養を身に付けるべきだ」

「ラウルト家の跡継ぎのセルジュさんは、学院そっちのけで冒険者として活動しているのに?」

「他家は他家だ。ラウルト家がそうだからと言って、お前の行動が許されるわけでもない」

「だから政略結婚の道具として扱うと?妾の娘じゃ、それも難しいんじゃない?むしろ冒険者としてロストアイテムを見つけた方が、家の貢献になるんじゃない?」

「……ロストアイテムは早々に見つかりはしない」

「そうかしら?元貴族の娘が冒険者としてロストアイテムを見つけたのに?」

 

リアリスの切り返しに、レイシスは頭痛を覚えたように項垂れる。どうすれば、この無駄に口が立つお転婆な妹を丸め込めるのかと。

 

(あの見習い執事が生きていたら、上手く宥められていたのか……?)

 

そんな無意味な考えが頭を過るくらい、レイシスはリアリスの扱いに苦悩するのであった。

 

 

 




名前がなかったので勝手に作りました。オリキャラセットで。
ちなみに名前の由来はナルシス→ナルシストですので

レイシス→レイシスト
ペシミス→ペシミスト
リアリス→リアリスト

とかなり安直なネーミングで決めました。
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