チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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苗木ちゃんが人気ですねw
てな訳でどうぞ。


ダブルデートじゃね?

八月が目の前に迫り、夏期休暇が間近となっている。時刻は既に夕方で、教室の窓から夕日が差し込んでいる。普通であれば感慨深い光景だ。

 

「やっと終わった~」

「終わっても休暇らしい休暇じゃないけどな」

「夢を壊さないでくれない?」

 

隣のリオンがスッキリした表情から一転、ゲンナリとした表情に変わる。オレの現実的な一言が原因だけど。

学生時代に戻っての夏休み体験……普通であれば大なり小なり気分が高まるものだが、哀しいことに当てはまらないのがオレ達だ。

 

「そうね……この夏期休暇も頑張って稼がないと……せっかくの大金が消えて予定が全部狂っちゃったし……」

 

その筆頭が多額の罰金を背負っているマリエだ。せっかくピエールの取り巻き達から巻き上げた六百万も、おバカファイブが勝手に使って全部溶かしてしまったのだから。

 

「予定のない休みか。とても新鮮だな」

「以前は色々ありましたからね」

「この一ヶ月は何をして過ごそうか?筋トレで己を鍛え上げようかな?」

「私は共和国の武器に興味がある。それを見て回りたいものだ」

「飛行船を借りて共和国をクルージングなんてどうかな?」

 

その元凶たる五人は自由を満喫する気満々であるのが、結構酷い。本来は去年同様にダンジョンか、それとも短期のバイトに出てお金を稼いで、多額の罰金を少しでも払わないといけないのにだ。

本当に六千万の金額を甘く見ているよな。マリエが必死に遣り繰りして返済に奔走しているが、その額は微々たるもの。完済には程遠く、終わりが全く見えていないのが現実だ。

 

「ふふふ……本当にどうしようかしら?あ……リオンからの生活費だって限りがあるし、お昼も用意しないといけないから、更に食費が嵩んじゃうし……お情けの日給もしばらく振り込まれないし……前借りしたらあの五人が勝手に使っちゃうし……」

 

あまりの現実の非常さに、自業自得で陥ったマリエの表情は死んでいる。瞳は死んだ魚のように見える程だ。事実、学院がない日はダンジョンに潜って日銭を稼ごうとしたのだから。

ちなみにそのダンジョン探索には、ヘルトラウダも同行していた。日帰りとあってそんなに本格的ではなかったが、簡易な冒険に出られて本人はニコニコ顔だった。一応、知識持ちのマリエとティアが安全マージンを取っていたから、怪我やトラブルの心配はなかった。ティアが一緒だったのは生活費と学費の足しにするためだ。

閑話休題。

そんな現実を前に撃沈寸前のマリエに、カーラが無言で寄り添っている。あの五人がもたらしている苦労を間近で実感しているし、ドン底に落ちてほとんどが手のひらを返す中でマリエに寄り添っていたから当然なんだけど。

 

「なあ、エド。今のマリエを見てるとちょっと面白くないか?逆ハーレムを目指しても、幸せになるとは限らない結果を叩き出したんだし」

「面白いかどうかは別だが、かなり苦労はしているな。予想の斜め上を行く展開だけど」

 

何も知らなければ憐れかつ不憫に思えるだろうが、その内情を知っている身からすれば呆れが先に来るだろう。

何せ、中途半端な知識で主人公に成り代わって逆ハーレムを完成させたんだからな。それで初作と三作のシナリオが見事に悪い方向で壊れる寸前だったし。その尻拭いをオレとリオンがして、一応は軟着陸させることが出来たんだからな。

それで二作目の問題に対処する羽目になったけど。しかも、共和国も王国同様に悪い方向に突き進んでいたし。

そんなオレに、同じく補習を受けていたティアが話し掛ける。

 

「その苦労を仕掛けたお二人が言っても微妙っすよ。ちなみに例の罰金の理由は何なんすか?」

「決まっているだろ?―――婚約者を大勢の前で土下座させたからだ」

「スッゴい私怨だったっす」

 

私怨?これは正当な裁きだぞ?マリエの実家の借金の尻拭いまでして、思いっきり仇で返したんだからな。

 

「そうだね。俺もマリエの首が欲しかったけど、エドの制裁でマリエが真っ白になったからいいかなって」

「く、首……それはさすがにやり過ぎなんじゃ……」

 

ノエルがリオンの発言に軽く引いているが、それくらいのやらかしを続けていたんだからな。本来ならギロチン処刑ルートだったのを、何とか引き下がれる域に持っていったんだぞ。

 

「やり過ぎじゃないって。アイツらのやらかしを俺とエドが解決してやったのに、当の本人はそれを隠していたんだ。普通にキレるって」

 

リオンの言う通りだな。それをされて許せる程、オレたちは聖人君子じゃないし。

……それはそれとして、共和国のゲームシナリオという観点からしたら結構マズイ状況なんだよな。その通りに進めるかは全くの別だけど。

ノエル―――二作目の主人公が相手を見つけないと、聖樹の一番の護り手である《守護者》が実質不在のままだ。それが何をもたらすのかと聞かれれば、ラスボスと化した聖樹に太刀打ちできずに世界滅亡という破滅ルート一直線としか答えられない。

 

そんな状況にも関わらず、その肝心の《守護者》候補である恋愛候補が全滅しているというオマケ付きだ。

ロイク―――逆ハーレムルートでも《守護者》になる、ある意味正史ルートとも取れる人物は、独占欲が暴走してノエルのストーカーと化して完全な脈なしとなっている。ティアが間を取り持とうとして失敗した上、けしかけた張本人は基本放置していたからな。それでバッドエンドである監禁ルートの心理状態へと突き進んでいるから、完全に手遅れだ。

 

ナルシス先生は……趣味が先走りしてティアの追っかけをしていたせいで、ノエルの心象がマイナス状態になっていたから彼も対象外。オレとリオンが間に入ったことで一応は誤解が解けて解決したが、恋愛への発展は絶望的と見ていい。ちなみにティアがオレに一目惚れした件に関しては、少し残念そうにしつつもすんなり受け入れていた。その一番の理由が、冒険者としての話をティアからも聞けるようになったからだけど。

先輩のユーグは一年の時に関係を持たなかったから、その間にルイーゼさんと婚約が決まって実質不可能。隠しキャラらしいフェルナンさんとも接点がなく、こっちも同様に恋愛フラグそのものが成立してないので不可能だ。

 

エミールはレリアが付き合っているから論外。NTRはどう考えてもアウトだし、ティアの情報から隠れ地雷である可能性から彼も無理だ。あくまで可能性であるから、決め付けはアウトだけど。どちらにせよ、エミールも候補外に変わりはない。独占欲も見方次第では一途とも取れるからな。あっちは一途で片付けられなくなっているが。

最後にセルジュだが……彼は学院にすら通っていない。しかも彼は養子とはいえ、実家を滅ぼしたラウルト家に属する人間だ。今から接点を持たせて親密になるかすら怪しいのに……そのセルジュに関して嫌な事実が判明して、更に頭を抱えることになった。

 

そのセルジュはあろうことか、レリアと接点を持っていたのだ。何時からかは不明だが、現時点でノエルと接点がない上、彼の関心はノエルではなくレリアに向いているらしい。ちなみに情報源はラプラスだ。

そんな瓦解しまくっている中で、リオンが聖樹の苗木の《守護者》に選ばれてしまったのだから、本当に面倒極まりない状況だ。いや、ノエルを人柱にする気はないから、誤差の範囲かもしれないが。

……改めて思い返してみたが、本当にシナリオが崩壊しているよな。その一因はオレにも少なからずあるけど。

 

その一因の一人かつ、シナリオ崩壊の一番の要素とも言えるレリアは、崩壊の要素という自覚が皆無に近い。完全な身内であるにも関わらずにだ。

何でレリアは、リオン同様に自身をモブと認識しているんだろうな。一人っ子の家族が二人になるだけで、家庭環境が大なり小なり変化するというのに。それともあれか?ゲーム脳による弊害か何かなのか?

とにかく、聖樹のラスボス化は何としても防がないといけない。そうしないと、誰も幸せになれないからな。

 

「と、ところでさ、リオン……今日の帰りはティアとエドワードも一緒で、買い物に付き合ってくれない、かな?屋敷で世話になっているし、少しは手伝わないと、ね……」

 

四人で買い物か……確かに調味料とか食材とか、買わないといけないものがあるけど……何でよそよそしいんだ?理由が全然分からん。マリエやヘルトラウダ、おバカファイブ達には、あっけらかんな態度で接しているのに。

 

「そうっすね……せっかくっすから、四人でそのまま外で食べるっすか?」

「え?男女四人で?」

 

ティアの提案にオレは少し困ってしまう。

男女で食事……貴族のお茶会とは全然違うし、良好な関係維持の建前も使えない。

そもそも、婚約者そっちのけ女性とので外食は普通にアウトな気がするし。マリエ?あれはそもそもの前提からあり得ないからノーカンだ。

そんなオレの心情を知ってか知らずか、ティアは躊躇いなくグイグイ迫ってくる。

 

「食事くらいなら大丈夫っすよ。友達同士でも一緒に食事くらいはするっすから」

「本当に大丈夫なのか……?」

「んー……食事くらいなら別に大丈夫じゃないか?気が合う友人同士なら、別に不思議でもないし」

 

オレの疑問にリオンはそう言葉を洩らすが……顔がにやけてるぞ。絶対、今のオレの状況を楽しんでいるだろ。

 

「む、無理に応じなくていいから!婚約者がいるんだから、渋るのも当たり前だし……やっぱりこのまま帰っ―――」

「大丈夫だって、ノエル。エドが生真面目すぎるだけだから。さっきも言ったけど、友人との食事くらいなら大丈夫だって」

「……リオンはもっと考えた方がいいと思うよ」

「?」

 

ノエルの呆れにリオンが意味が分からないと言いたげに、首を傾げている。普通は反応が逆だとオレは思うんだけどな。

結局、四人で外で食べることになった。マリエが別に用意するのも面倒だからと、そのまま外で済ませてこいと言ってきたのもあって。

それで格式の高いレストランで食事する事となった。最初はリオンが意見を言って、それに対してティアが此処が良いとしつこく提案してリオンが折れた形だ。

室内でテーブルを囲っての食事だが、高級店とあってレベルが高い。雰囲気的には、リオンが最初に提案したオープンテラスのあるレストランの方が良さそうだったけど。

 

「こっちも良さそうだけど……外で食べた方が気分が良くない?」

「ふ、雰囲気は確かに出るよね……雰囲気は」

「何かお勧めがあるのか?」

 

雰囲気云々は置いておいて、この店を頑なに提案した理由をティアに聞く。

オレから理由を聞かれたティアは、困ったように笑みを浮かべて口を開く。

 

「特にお勧めとかはないっすね。ただ……」

「ただ?」

「彼処ですと、途中で気分が下がっちゃうっすから……ラプっち情報で」

「「「…………」」」

 

ティアが明かした理由に、オレだけでなくリオンとノエルも無言になる。その理由が何となく察せたからだ。

 

「……彼処で食事していたら、誰と会ってたの?」

「……デートで察して下さいっす」

「うん。普通に察したわ」

 

彼処で食事したらレリアとエミールとバッティングする羽目になっていたのか。レリアはオレ達を目の敵にしているし、確かに気分が下がってしまうな。ロイクでないだけまだマシかもしれないが。

ルイーゼさんは……本当に敵なのかと疑わしくなってきる。本当に嫌っていたら、あることないこと吹き込む気がするし……リオンの取り合いでさえ、ノエルの悪口を言わなかったし。単に実の弟そっくりのリオンからの心象を悪くしたくないだけか?本当に分からん。

そんな思考に耽っていたが、リオンの言葉で現実へと引き戻される。

 

「一先ず食事にしようか。お代は俺とエドで出すから気にしなくていいよ」

「勝手に決めるなよ。元から奢るつもりだったから別にいいけど」

 

オレもリオンも金はあるからな。特にリオンは例の賠償で臨時収入が入ったし。オレは経営が順調で稼げているし。

それでも無駄使いは出来ないけど。金銭感覚は一度狂うと、修正するのが本当に大変だからな。

 

「お二人のゴチになるっす」

「ほ、本当にいいの?最近、無駄使いが多い気がするし……」

「気にしなくていいよ。後、無駄使いじゃなくて全部必要な物ばかりだから」

 

ティアは奢ってもらう気満々に対し、ノエルは申し訳なさそうに畏縮している。最近は確かに色々買っていたが、今言ったように全部必要だから買っているんだよ。

 

「リオンもそうだけど、不本意ながら相応の立場になってしまっているからな。今回の留学も必要な事で遊びでも何でもないから、関係各所に手土産は渡しておかないといけないんだよ。良好な関係の維持には、相応の付き合いをしないと駄目だし」

 

それに味方は少数で、敵の数は減りはしたけどまだまだいるし。一応、数少ない味方であるヴィンスさんとバーナードさんに失礼な対応をしたら本当にマズイし。地道に関係を築いて、信用と信頼を勝ち取らないと駄目だし。

陛下?お互いに嫌っているし、嫌がらせもしているから今更だ。

 

「貴族って、本当に大変っすね。せ……エドっちは本当に凄いっすよ。リオっちも苦労してそうっすね」

「俺?俺はエドが率先してやってくれているから、気楽に過ごせてるよ。勿論お金は出してるし、多少は協力してるよ?」

「リオンはもっと気にした方がいいんじゃない?」

 

リオンの丸投げとも取れる発言に、ノエルがジトッとした視線でリオンを見つめる。それに対してリオンは楽観的な笑みを浮かべて返す。

 

「大丈夫だって。いざとなったら、ルクシオンに頼ればいいし」

「……ホンッと、リオンは気楽だよね。この前も、明らかに高そうなティーセットを買っていたし」

 

ノエルが溜め息と共に呆れているな。責任のある立場の割に軽いから、当然の反応かもしれないけど。

ちなみにリオンが買ったティーセットのお値段は十万ディア。日本円にすると一千万だ。共和国でも変わらず茶狂いの域でお茶に没頭しているリオンです。

そんな風に話しながら料理を注文する。この店で一番高い料理を。

必ずしも値段=味ではないにせよ、値段は使われている食材と手間に繋がっている。それに加えて、この店も評判は良いものが多い。少なくとも、味に見合う値段と見ても問題はないだろう。

―――そう思っていた時期がありました。

 

「……なあ、エド。これって牛の頭……だよな?」

「オレの目がおかしくなければ……牛の頭、だな」

 

一番高そうな料理を注文したら、運ばれてきたのがまさかの牛の頭だった。俗に言う、ゲテモノに分類される料理だ。

え?料理名で気付かないかって?“頭”なんて何処にも書いてなかったし、料理の写真もないんだ。それでゲテモノ料理だなんて分かるわけないだろ!

と言うか、ノエルも牛の頭を前に目が死んでいる。ティアは冷や汗ダラダラだ。直前までの和やかな雰囲気が一瞬で崩壊したぞ。

まさかのゲテモノ料理にオレ達が固まる中、料理を運んできた店員が下がっていく。店員が奥に引っ込んだタイミングで、ティアが両手で虚空を掴んだ。

 

「ラプっち!このお店を提案したのはわざとっすね!?見た目がアウトな料理があると知っていて、提案したっすね!?」

『当然ではないですか。実際に注文するかは運頼みでしたが、無事に成功して何よりです』

 

周りへの配慮から極力声を抑えて問い詰めるティアに、ステルスモードでティア以外には姿が見えていないラプラスが然も当然と言わんばかりに答える。

半ば確信犯でこの店を挙げたのかよ……本当に油断も隙もない、偵察船の人工知能だよ。

 

「これじゃ、せっかくの気分がぶち壊しっすよ!せっかくのお食事が、雰囲気が台無しっす!」

『途中でレリアに絡まれるよりはマシだと思いますが?これならユーモアでまだ済ませられますよ。代わりにマスターの評価が大幅に落ちるがな』

「最後ぉ!絶対、最後のが本音っすよね!?」

『当然だろう。マスターへの嫌がらせが私の生き甲斐だからな』

 

ひ、酷ぇ……嫌がらせを生き甲斐と言い切ったぞ、コイツ。

 

「と、取り敢えず食べようか……出された物は食べないと駄目だし……」

「そ、そうだな……取り敢えず、食べようか……」

 

此処で食べないという選択肢はない。さすがに店側に失礼だし、料理を注文したのもオレ達だしな。

ちなみに味は普通に美味かった。

 

 

――――――

 

 

まさか、この乙女ゲー世界にもゲテモノ料理があるだなんて……あのフワッとした世界感なら、そんな料理は存在するなよ!?普通に美味しかったけどさ!

それでゲテモノ料理も扱う店を紹介してしまったティアが、どんよりと落ち込んでしまっているし。このまま屋敷に帰ってもちょっと引き摺りそうだし……

 

「なあ、エド。もう少し寄り道して帰らないか?彼女が流石に不憫すぎる」

「そう、だな……このまま帰るのは、ちょっと……」

 

エドも素直に賛同したことで、俺はルクシオンに向かって口を開く。

 

「ルクシオン。何処か気分が良くなる場所とかない?」

『共和国の地理に関する情報が不足していますので、マスターのご要望に答えられそうにありませんね』

「肝心なところで役立たずだよな」

『むしろマスターの関心と知識の薄さに呆れています。普通は、自ら調べて学んでいて当然の立場です』

「急に何意味不明なこと言ってるの?」

 

何で俺がその手に詳しいことが前提なの?たまに意味が分からないことを口にするから、困ることがあるし。

 

「……本当にリオンって、鈍いんだね」

「?急に何言ってるの?俺はエドほど鈍くないよ?」

 

これでも一応、アンジェと婚約しているんだし。共和国の問題を解決して、アンジェとの幸せモブライフを謳歌したいしね。

 

『私から見れば、マスターもエドワードと同レベルです』

『むしろ誰が見ても同じ意見だ。これは治療不可能と断定できる病気の域だ』

『鉄球二つに同意したくはないが、キャプテン達が鈍いのは確かだな。あれから何一つ学んでいないからな』

「だからこんな下らないことで結託するなよ!」

 

本当にお前達は貶す時だけは息がピッタリだよな!普段は互いに隙あらば消し去ろうとするのに!

 

「……夜景が楽しめる場所ってないか?」

『知らん。自分にそんな機能を期待するな』

『本当にゴミ兵器は無能の塊だな。現実逃避の気分転換であれば、賭博をお勧めする』

「賭け事か……そんなお店もあるの?」

『あるぞ。貴族の戯れの場としてな』

 

ホント、ラプラスは情報通だね。また何か企んでいそうな気がするけど……ルクシオンに阻止してもらえばいいかな。

 

「せっかくだし、そこでちょっと遊んで行こうかな」

「次から出禁になりそうだけどな。二人はどうする?嫌なら断っていいぞ」

「……大丈夫、かな」

「懐が寂しくなりそうっすけどね」

 

ノエルとティアも了承したので、そこでたんまり稼がせてもらおうかな。

そうして一時間程賭け事で遊んだ結果、俺とエドは仲良くその店を出禁となった。

 

 

 




『調査の結果、修羅場間違いなしの報告が結構な頻度で行われていました。確実に婚約者の怒りを買っていますね』
「そ、そんなにっすか……」
『特に“ノエル”に対して怒り浸透のようです。飼い犬のノエルのことを人間のノエルと盛大に勘違いしていますね』
「そ、そう……なんだ……」
『なので、先に接触してノエルに関しての誤解は解いておきましょう。幸い、ルクシオンのマスターが犬のノエルと戯れている映像はありますからね』
「……いつの間に撮ってたの?」
『ルクシオンのデータバンクから抜き取りました』
「普通にアウトっす!!」
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