イベント開始です。シリアスとギャグは7:3くらいの比率で話が進みます。
水着イベントなのになんでだろう……。
また、fgo原作のイベントではなくオリジナル特異点です。ただ、原作の歴代のイベントの設定や展開等を踏まえつつ、本作の設定等で組んだオリジナルシナリオです。何故オリジナルシナリオなの? というのは……イベント後半辺りで分かります。多分。
「あー……えっとそれは大丈夫なのかい?」
「………気にしないでくれ。ちょっと今、色んなモノと戦っているんだ」
管制室のダ・ヴィンチが、死んだ目をしながら項垂れているルーナに声をかける。
たったそれだけで、ダ・ヴィンチは大体何があったのかを把握した。万能の天才でなくとも分かる。何せかなり前から、もう一人の先輩とバカンスを楽しみにしているマシュがキラっキラした表情でルーナの隣にいるのだ。つまりはそう言う事である。
「んー…………まぁ良いか。じゃあ説明を開始するけど大丈夫かい? 立香ちゃん」
「はい、大丈夫です。お願いします」
一旦ルーナの様子を後回しにしたダ・ヴィンチは、藤丸立香と彼女が連れて来たサーヴァント達に説明を開始した。
管制室にいるのは、藤丸立香、マシュ。
そして特異点Fより縁を結んだカルデア最古参にして最も信頼度が高いエミヤ。
食堂付近のサーヴァント達の代表として騎士王、アルトリア・ペンドラゴン。
後は逃げられないようにと、浜辺で何がしたいですかと説得もとい相談の為、マシュが無理矢理連れて来たルーナ。の五人だった。
「分かった。なら説明しよう。でもそんなに身構えなくて大丈夫さ」
「……? 管制室呼び出しだから特異点観測じゃないんですか?」
「アハハ、そうだねその通りだ。でも安心して良いよ。
今回見つかったのは、本来ならレイシフトする必要のない程小さな特異点。深度は不明。E-の判定すら下されない程の、明日明後日には消えてしまいそうな揺らぎだ」
「……………む」
「あぁ安心して。今回は微小特異点かと思っていたら、実は凄まじい特異点だったなんて場所ではなかったから。その点はちゃんと観測済みさ。シバも、この特異点はいずれ勝手に修正されて元に戻ると告げている。保証率なんと100%でね」
一瞬だけ管制室のメンバー達に不穏な空気が流れたのを、ダ・ヴィンチは笑って払拭する。
「場所は?」
「場所は、636年のイングランド」
「…………………」
「の、外れの島。アイラ島さ」
「アイラ島?」
あまり馴染みのない名前故に、藤丸立香は疑問を溢す。
その疑問に答えたのはアルトリアだった。
「ブリテン島北西の小さな小さな島です。本当に小さな島で、目立った諸王国などもない島でしたから、私の時代でもこの島への交流はした事がありませんでした」
「へぇ………」
「現代のイギリスの地図でもよく省かれる事が多い。日本で言う島後島みたいな感じだと言えば分かり易いか?」
アルトリアの説明を継いで、ルーナが立香に説明を開始した。
「南北に約25km、東西に約40km程の島。目立って古い文献がある訳でもなく、大きな町や村がある訳でもない。先住民族達が小さい集落で暮らす、人口千人程の島だ。無人島ではないだけで、ほぼ無人島と考えていいだろう。私達の時代でもこの島との交流はない。私とアーサー王が確認出来る限りではな」
「えぇ、私もこの島との交流は知りません。
一応はブリテン島の支配下にありましたが、ブリテン島とは全く別の文化で進歩している島でしょう。いや………もしかしたら文化と呼べるものはないかもしれません」
「歴史的文献も殆どはない。
六世紀に、とある聖人がこの島を通過したというのみで、それより古い文献は存在せず、次にこの島が再び歴史に登場するのは十四世紀以降だ。まともな情報でない物を含んでも十一世紀以降。
何か異常があったとしても、人理にダメージを与えるようなものにはなり得ないだろう。まぁ……こういう人が寄り付かない島に魔術師の工房が作れたりするから、今回はそれ関係なのかもしれないが」
「……詳しいですね。特にルーナさん」
素直になって、藤丸立香はルーナに伝えた。
アーサー王が当時を生きた者の所感として告げるのに対し、彼女だけは歴史そのものを語っているかのように、この島の事を喋る。
しかもダ・ヴィンチちゃんが訂正をしたりなどをしないから、恐らく全て合っているのだろう。
「何を今更。私の逸話を知らない訳じゃないだろう?」
「あー、アハハ」
苦笑いしながら立香は誤魔化す。
そう。カルデアでは彼女の戦闘能力だけ浮き上がりがちだが、目の前にいるのは流伝に何一つ偽りなしだった、かの大英雄である。
島中の書物を全てひっくり返しても尚、情報が足りないと嘆いていた。地図を手書きで作り変えながら軍議をした。と、その方面での逸話にも事欠かない人だ。
しかも、カルデアに召喚されて以降も図書室に時々足を運んだりと、未だに彼女の頭脳は更新されている。
もはや知らない事なんて無いんじゃないんだろうか。
そう彼女に告げても、知っているだけで理解が及ばないものがあるのだから、私は軍師達と隣合える程に頭が良い訳じゃないと彼女は否定するので、彼女なりの何かがあるのかもしれない。
「そうだね。殆どをアーサー王とルーナの二人が告げてくれたから説明はいらないが、この島での特異点としての揺らぎは非常に小さい。
そもそも範囲が島一つだからね。流石に島そのものが消失するとかだったりだと影響は出るが、それをなし得る為の魔力源や準聖杯級の聖遺物は観測されなかった」
「つまりはこの特異点は安全という訳だろう?
それに、ブリテン島本土の戦禍がこの島に来ている訳ではない」
「おっと…………此方が言い難かった事を言うね」
「言うさ、敢えてな。時代は636年。ブリテン島から神秘が今度こそ消え、ブリテン島という名前がイングランド王国という名と概念に置き換わり始めている時期。
しかし、このアイラ島はその支配を逃れ、衰退も進歩を繰り返さず緩やかに歴史の流れに沿い続けた。故にこの島ではブリテン島で危惧されているような事は起きない。そうだろう?」
「ふーん………君は良いのかい?」
「あぁ良い。特に思う事もない。もう私には関係のない事だ。だから気にしなくていい」
ルーナの言葉に、隣のアルトリアも無言で了承していた。
誤魔化しでも強がりでもない、訣別の言葉。長く語っても短く語っても心配されるだろうからと、重要な部分のみを簡素に彼女は告げている。アルトリアも、それ以上の言葉は不要な迷惑だと黙ったままだった。
「……そうか! なら良かった。時代が時代だから、もしかしたら君達のみならず円卓の騎士達もあまり良い顔をしないんじゃないかと思っていたけれど、それなら大丈夫そうかな!
うん……ならいつも通りだ。この特異点にレイシフトし、異常を引き起こしているものを調査し、そして問題を解決する。大丈夫かい立香ちゃん?」
「えぇ勿論です!」
気合い十分と言わんばかりの立香にダ・ヴィンチは柔らかな笑みを浮かべ、その後ニヤァという笑みを浮かべた。
「フフン、でもね立香ちゃん。ここまで語ったけど本題はここじゃない」
「まさか」
「そう、そのまさかだ。
ここは孤島。故に、浜辺。そしてこの特異点は揺らぎが非常に小さい。故に、レイシフト出来る英霊にはほとんど際限がない。召喚サークルを設置したら、後は好き放題カルデアから召喚できる。電力? 持ってけドロボー!!」
「つまり……!」
「浜辺でバカンスだぞ、やったー!!」
「「うぉぉぉお!!」」
ダ・ヴィンチの言葉に、立香とマシュが雄叫びを上げ、アルトリアは穏やかな笑みを浮かべる。しかしその中、ルーナだけが微妙な表情で顔を顰めていた。
「おや、君は乗り気ではない?」
「いや………その、特異点修復とのアレやコレとはちょっと違うというか、それはそれ、これはこれというか………」
この期に及んで、未だ水着という単語に踏ん切りがついていないルーナは視線を泳がせていた。
しかし残念ながら彼女に味方はいない。エミヤも黙ったままだ。視線で助けを求められていて、段々と視線に抗議が含まれ始めてもエミヤは諦めろと返すのみだった。
「…………特異点突入メンバーは」
「勿論円卓の皆だろう? この島との交流がなかったとはいえ、ここは六世紀後半のブリテン諸島の一つ。土地勘がある人に任せるのが一番良い。戦力も十分だ。というか過剰だけど、足りないよりは何倍もましだろう?」
「………………」
「という訳で——任せたよ!」
はぁ………という、ルーナの諦めの声だけが管制室に響いた。
空を飛ぶ様な感覚。宙に放り出された様な感覚。
自身の肉体を霊子化し、精神が肉体から浮き上がるその瞬間。一瞬とはいえ、肉体という枷から心が解き放たれるという感覚。
これがタイムスリップの感覚なのだ、と言われた一般人は皆、これがそうなのか! と興奮しながら納得するだろう。
本当はタイムスリップとは少し違うらしいが、魔術的な知識を良く分かっていない自分ではへぇ……という言葉しか出てこない。
「………………ッ」
レイシフトの感覚には疾うに慣れたが、地面に着地し自らの肉体の重さを実感するこの感覚ばかりは慣れない。
尚、別に自分が太っている訳ではない。もっと単純に普通の肉体でしかないこの体では、数メートルの高さから着地するだけでも結構な衝撃なのだ。
だから断じて、エミヤさんとルーナさんの食事で、最近肉がついたような感覚がしている訳ではない。仮にそうだとしたら美味しすぎるのがいけない。故に私は悪くない。
「レイシフト、実証成功……体に何かの異常はありませんか? 先輩」
「うぅん。大丈夫」
レイシフト時に交わされるいつものやり取りをしながら、藤丸立香は辺りを見回す。
後方には森。前方には海と浜辺。空に浮かぶは輝かしい日輪に雲一つすらない晴天の空。そして波の音。
「座標、及び年代を確認……はい、無事636年のアイラ島にレイシフト成功しています」
「よし、第一段階は無事完了。カルデアとの通信は?」
「……………」
「……もしかして出来ない?」
「すみません。どうやらその通りのようです……何故でしょうか」
マシュからの通信途絶の報告を受け、立香も礼装と一体化しているリング型通信機を起動するが、カルデアへの接続は砂嵐が吹くばかりだった。
人理定礎値が観測出来ない程に異常が小さな特異点だというのに、通信が作動しないとはこれは何かがおかしい。もしくは、これそのものが微小とはいえ特異点となった理由なのか。
「油断はしない方が良さそうだね」
「えぇ、先輩。礼装の方はどうですか?」
「ちょっと待って……——
その言葉を兆しに、身につけている魔術礼装が淡い光を帯びる。
衣服そのものが礼装となっている、カルデア最新の特殊な魔道具。礼装が備えている着用者を守る為、自動作動している術式とは違った、着用者の意志によってのみ発動出来る三つの指向性型魔術式。通称、スキル。それは十全と機能出来ていた。
魔術を使えないこの身で礼装に意志だけを通して神秘が具現化するこの現象は、良く理解出来ていない。
しかし、それなりの期間マスターをやっているおかげか、感覚だけは疾うに慣れた。
自らの肌の表面を水が流れているような感覚。しかしくすぐったいという訳ではない。冷たいという感覚もない。おぉ……! これが気という奴なのか……! とワクワクしていた時代はもう昔の話だ。
「うん……良し。礼装起動を確認。支援礼装も十全。異常なしっ!」
「了解です、先輩。
皆さんも大丈夫ですか?」
「えぇ、私達も無事です。ですが……少し暑いですね」
マシュの問いに、周囲のアルトリアがそう告げる。
サーヴァントを連れるマスターの負担を考え、異常が小さい特異点内とはいえ、カルデア中の英霊を特異点内部に連れていく訳ではない。
今回共にレイシフトしたのは、まずは先行隊として、アルトリア、ルーナ、エミヤ、ガウェイン、トリスタン、ランスロットの六名。マシュを含めると七名。
はっきり言って過剰である。もしもこのメンバーそのままで大きな特異点攻略に挑めるなら、そのまま力押しで何とか出来そうな程だ。
「うん………ちょっと私も暑いです。しかも礼装が起動しているのにコレだもん。それにサーヴァントの皆も暑く感じるんでしょ? もしかして、私カルデアの支給服脱いだら焼けちゃうんじゃないかな」
「気温は………凄いですね先輩。四十度を超えています。しかも雲は一つもない。直射日光ばかり。熱中症に気をつけなくてはなりませんね。一般的には死人が出てしまうレベルです」
「何………?」
あまりの暑さに立香が溜息を吐くよりも早く、マシュの言葉を聞いたルーナが疑問の声を発した。
「………四十度超え、確かに頭が痛くなる程暑いが…………イギリスで四十度超えか。おかしいな」
「そうですね。日本程ではないとはいえ、イングランドは四季がはっきりしている国です。しかし、冬はあまり雪が降りませんし、夏も三十度を越える日は非常に少ないです」
「それに温暖化が進んでおらず、五世紀の地球規模の大噴火の爪痕がまだ僅かに残り、しかもイギリス北西であるというのにこの気温は異常だ。
…………成る程、この異常気象は何か関係がありそうだな」
マシュとルーナの会話を尻目に、藤丸立香は再び空を見る。
本当に雲一つない。かといって、太陽に不自然さは感じられない。何かのテクスチャを太陽に張り付けているという感覚はなかった。しかし、原因不明の異常気象。そして、カルデアとの謎の通信途絶。
「真夏のバカンスと行きたいところだけど、まずは特異点調査をしてからだね。
夏休みを楽しむなら、まずは宿題を終わらせてからなんだから!」
「意外と勤勉なんだな、マスターは」
ルーナの微笑みに、立香はへへーん! と活発な笑みで返した。
「それにしても………暑いな」
「貴方は何か夏服がないのですか?」
「………………」
隣のガウェインに問われ、ルーナは微妙な表情でそれに視線を向ける。
開放された肌。ホットパンツにアロハと、開放的な姿。既にガウェインは水着だった。特異点突入の際からこれか、突っ込もうにも、このメンバーでは戦力は過剰。そも、太陽の加護を受けるガウェイン卿からすれば鍛え上げた肉体だけで充分なのかもしれない。
しかし、それはそれとして反抗心が湧かない訳ではない。
「デリカシーの欠けらもないな、ガウェイン卿。今ここで脱げと?」
「い——いやいや……ッそうではなく……!」
「あぁ、あぁ分かってるよ。私はファッションセンス以前に衣服に無頓着なんだ」
告げて、ルーナは自らの体を見下ろす。
カルデアでいつも着ている、新宿の衣服のまま。というかこれ以外の衣服がほとんどないのだ。そしてこれ以上に涼しい服がない。
アルトリアが今着ている、半袖の白のブラウスに、薄めの群青色の膝丈スカートといった夏仕様があればいいのだが、生憎私にそんなものはない。
とりあえず身なりが整っていて着られれば良いという性格が仇となったのだ。つまり、さっさと水着になれという事なのか。ただの偶然であると分かっていても、この状況を恨まずにはいられない。夏なんて嫌いだ。
「あぁ………もうガウェイン卿のその姿すら暑い。ちょっと近づかないでくれ。太陽がすぐそこにあるみたいだ」
「流石にそれは言い掛かりというものですよルーナ」
「分かってはいるんだ、分かっては………聖者の数字は心地良いか?」
「それはまぁ、えぇ心地良いです。やはり私は日輪の下で輝ける存在ですので」
途端に爽やかな笑みを浮かべるガウェイン卿に、ルーナは溜息を吐いて返す。
もう適当な水着でいいからこの暑苦しい服を脱いで水浴びしたいなぁ、という思いが湧いてくるのを誤魔化せそうになかった。
「マスター、少し良いか」
「ん、どうしましたエミヤさん?」
「いや何、この暑さだ。直射日光を避けるべきだろう」
「おぉー! やったありがとう!」
そう言って、エミヤは手頃な傘を投影して手渡した。
丈夫さではなく、軽さにだけこだわった、敢えて雑多な投影。
「それと……あー…………君もいるか? 君のは数分で切れる」
「あぁ………ありがとう助かる。貰う」
項垂れた姿のルーナに、エミヤは同じく日傘を手渡した。
他の円卓の騎士達にもいるか? と告げるエミヤと、私達は大丈夫だから要らないと告げる騎士達の姿を尻目に、ルーナは無言で傘を開く。
あぁ……こういう細かい部分で彼の投影に劣るのが焦ったい。
私の投影はあまりにも尖り過ぎて、もはや剣というか刃そのものみたいになっているから、エミヤの投影が羨ましい。私もエミヤと同じ投影が出来たら便利なのに……魔術師達に怒られそうな程不純な動機だが。
「マスター。付近の捜索を完了させましたが、周囲数百メートルには目立った異常は見当たりませんでした」
「此方も同じく。何かの異音もありませんでしたね」
周囲の探索から帰還した、ガウェインと同じくアロハ姿のランスロットとトリスタンが報告をする。
「そっか。周囲に目立った異常はなく、しかし暑さと通信障害の異変はある…………まだ現時点では情報が足りないね」
「はい。人理定礎値観測不能領域ですから、何かの概念だけが楔として残ったままなのかもしれません。第一目標はカルデアとの通信回復。第二を特異点修復とし、まずは調査と拠点を作成するところから始めましょう」
「よし分かった。基本的にはいつも通りで行動を開始しよう。
それにカルデアとの通信が回復しないと、カルデアの皆をここに呼んでバカンスが出来ないからねっ!」
マシュの言葉に返し、傘を天高く掲げて、立香は活発な笑みで行動を開始する。
まずは歩こう。それにアメリカ大陸を横断した立香からすれば、この島は大した大きさではない。
付近の調査をもう少し済ませてから、何もなければ拠点作りだ。
「……………………」
円卓の騎士達を連れ、立香は歩みを進める。
その集団の最後尾。僅かに項垂れ、ルーナは真夏の暑さにもうやられ始めそうになっていた。
日傘を差しても感じる蒸し暑さ。
今までの生涯でも感じた事のない暑さだった。
空を見上げれば、灼熱の焔を以って内側から焼き焦がしてやると言わんばかりの太陽。
もはや太陽は、大地を照らす温かな星どころか、不浄なる者を浄化する星の光の様にすら思えて来る。日傘から溢れる光は容易く瞳を焼き、光の残響が脳裏に残り続ける。これは、ただ真夏というものを実感した事がない故なのか。
「本当に暑いな…………」
マスターは魔術礼装ありだが、基本は生身の人間故に日傘を差している。
マシュを含めたサーヴァント達は、薄着をする程度で済んでいる。
しかし、私だけはサーヴァントでありながら太陽の光を防ぐ為に日傘を差していないと、ちょっと活動に支障を来たしそうな程に暑く感じる。というか日傘を差していても、地面から照り返す熱すら嫌になっているくらいには暑くて堪らない。
決して私は根性無しではないと思うのだが、これは何故だ。
しかも皆は何で大丈夫なんだ。四十度どころか、感覚では六十度か七十度くらいあるんじゃないかという程に暑いというのに。
…………何だ、何かに呪われているのか……私は。
「………………………」
この特異点内の異常ではない、何らかの己だけの不調を感じながら、とりあえずは彼女らに遅れてはならないなと、ルーナも歩みを開始した。
嫌に疼く、太陽の光を傘で遮りながら。
イミテーション・ホーリー・グレイル
【現在公開出来る情報】
マシュは十全の戦闘能力を保有している。
ゲーム的な数値に表すとレベル100。普通に円卓の騎士達と一騎討ちして互角以上に戦える。めっちゃ強い。