心を無くした男と、嘘つきな王サマ   作:朝霧=Uroboross

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唐突だが、コメ返しをしようと思う(デデドン)。
やっばり見るだけ見て返信しないのはどうかなと思ったので、なるべくできるだけ返信しようかなと思います。


あと、しばらくは虚映以外からの視点から書かせてもらいます。
作者)<イッタンヤスミネ
虚)<ソンナー(´・ω・`)








いいね、最高だ

 はぁ、やれやれ。ほんと、疲れるよね。マスターはぐっすりした後に交渉に向かって、僕はあれこれと仕掛けまくって挙げ句に戦闘だよ。まったく、人使いが荒いと思わないかい?

 さてと、それじゃあ皆、よろしくね。と言っても、もう物言わぬ屍なんだけども。

 

 うーん、騒がしくなってきたね。じゃ、そろそろマスターから貰ったこの術式を使うとしますか。うんうん、どうやら順調に発動したみたいだね。

 今発動したのは、いわゆる『誤認隠蔽』の魔術。元々は相手によって見える姿が変わるらしいけど、今はわざわざ手間をかけて設定させてもらったよ────"汎人類史の『白き魔竜』"にね。

 それなら多少本気を出してもいいだろう、っと。魔力を集めて、霊基(身体)を再構築する。魔力量は────うん、多少荒っぽくなっても問題なさそうだ。

 

「にしてもまぁ、ここまでお膳立てされるとね………。くく────くっはははは!いいね、最高だ」

 

 いいね、あのマスター。最高にイカれてる。確かに、虫達からの監視でも見ていたけれど、このままだとあの騎士王は、アサシンのマスターと、更にはランサーの陣営ともぶつかる。まさに挟み撃ちだ。

 けど、こちらのマスターは、その騎士王よりも更にバカだ。もちろん誉めてるよ?だって、こんな三つ巴の中心に立つだけじゃなくて、全員に攻め込むとか、本当にイカれてるとしか言い様がないね。

 

 ──触れれば移るモース毒。それは本来、妖精にしか効かないはずだった。それを、僕──いや、オレが『モースの王』だったからと言って、人間にも呪詛が移るようにしてしまった。

 

「さーて、オレのマスターはこの駒達(・・)をどう動かすのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オベロンは、数多の虫を引き連れて目的地へ向かう。それらは次第に形が崩れていき、呪詛の塊────"モース"となって森中に展開していく。

 ソレらの呪詛の根底にあるのは、『間桐臓硯に、実験体として使われたことへの怨み』もあるだろう。だが、ソレらのほぼ総てがねじ曲げられ、聖杯戦争への────ひいては『聖杯』という願望器の存在への怨みとなっている。

 

 もはやこの森はただの森に非ず。聖杯を求める者達を怨み食らい、そして呪う者達の巣窟。触れればたちまち、彼らの仲間入りを果たすことだろう──────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────止まれ。

 

 言峰綺礼は、その直感的な啓示に従って、森の入り口手前で立ち止まる。

 何かがおかしい。見た目は普通の森だ。魔境の森などと言われているが、所詮ただの森。────つい最近までは。

 どうしてか、今の『森』からは、安易に近寄れば"死"よりも筆舌に尽くし難い"終り"が訪れる。そんな予感がした。

 

「………?」

 

 ふと、森の中から何かが出てくる。いや、正確には這い出てくる。何か、液体のようなものが這いずるような、曰く形容し難い音。

 月明かりに照らされて、言峰はその正体を見る。

 

「……ふむ」

 

 ソレの正体を、言峰は一目見ただけで悟った。これは呪詛の塊。触れば即死、ないしはこれらに従属するものになりさがると。

 だからこそ、言峰は洗礼の施された黒鍵を取り出し────容赦なく投げる。憶測では、これによって有効打となりうる、はずだった。

 

 果たして、確かに洗礼を受けた黒鍵なれば、呪詛は苦悶の声を上げて呻く。しかし、すぐさま何事もなかったように修復し、触手を放って襲いかかる。

 さらに追い討ちが如く、幾重にも呪いを固めた、砲弾並みの大きさの玉を射ち放ってくる。このままでは、目的を達成する前に己が力尽きる────そう思い、言峰はやむなく撤退する。

 

 それを見届けた呪詛達は追うこともせず、ただ静かに佇み、そして、何事もなかったかのように森の中へと消えていった──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────これは…ッ」

 

 ディルムッドは、背筋が悪寒で震える錯覚に陥る。目の前にこれでもかと湧いて出てくる異形の存在。それらの気配は、ディルムッドもよく知るものであった。

 

「妖精……なのか…?いや、しかしこれは…」

『ランサー!その化け物共の相手はいい、セイバーの拠点まで道を開くのだ!』

 

 ディルムッドのマスター ────ケイネスからそう指示が飛ばされる。彼もそうしたいところではあったが、そういうわけにもいかなかった。

 なぜなら、彼の目前には、その異形達が壁になるかのように押し寄せていたからである。セイバーの元へ行くにしろ、そのマスターが居る拠点までの道を切り開くにしろ、その異形達を倒さねばどうにもならない。

 

「すまない、名も知らぬ成り果ての妖精達よ。その怨み────悪いが、切り開かせてもらう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ貴様がここにいる!!『卑王ヴォーティガーン』!!」

「さぁ?なぜだろうね。自分で考えてみれば?」

 

 なぜだ!?なぜ奴がこの聖杯戦争に参加している。しかも、あの時の姿のまま(・・・・・・・・)で。

 

 ──不味い──ヴォーティガーンの強さは生前からよく知っている。我がキャメロットの精鋭たる騎士達を、児戯が如く消し飛ばすのみならず、円卓随一頑強なガウェイン卿を、あろうことか日中で昏倒させた。

 あの時は復活したガウェイン卿と共に、その両腕を二つの聖剣で固定し、心臓を聖槍で貫くことでようやく倒せたのだ。

 

 だが、今ここにはそのガウェイン卿も、ましてや『聖槍』さえ持ち合わせていない。マスター ──切嗣のサポートは恐らく絶望的。最も、サポートできるとしてもこちらはそれを受け取りたくはないが。

 

「そぉら、逃げるだけかい?」

「くっ────おのれっ!」

 

 奴は聖剣の間合いを知っている。だからこそ、『風王結界』で隠す必要などない。しかし、『風王結界』の解除をしようにも、マスターの許可がなくてはそれもできない。

 両断するように振り下ろした剣を、奴は嘲笑うように避けていく。初戦にて、ディルムッド・オディナと戦ったときから、己の動き一つ一つに何とも言えない違和感を覚えている。

 

「おいおい、いつまで"ソレ"隠してるつもりなのさ。もしかして死にたいのかい?」

「貴様、なぜここに現れた!──────まさか」

 

 私がそこまで思い至った瞬間、奴は口元を裂けるように吊り上げて────ワラう。

 

「ははっ、なんでわかるかなぁ。まぁ、君には分かるようにしているから当たり前だろうけどさ。

 

 

 

 ────とは言え、オレが"どちら"かだなんて言うわけないんだけど、さ!」

「ぐうっ!?」

 

 一瞬で間合いを詰められた、だと!?間違いない──生前より遥かに強くなっているっ。とっさに聖剣で守ったが、衝撃が腕から身体へと伝っていく。

 一瞬だけ見えたのは、恐らく短槍ほどあるトゲ、いやツノか?いまいち判断がつかないが、槍のようなものであったのはわかった。恐らくはあれが今の奴の得物なのだろう。

 

「あれ?今完璧に貫いたと思ったんだけど。……まぁいいや、オレはそろそろ退かせてもらうよ。邪魔者も来たことだしね」

 

 待て、と言おうとしたが声が出なかった。よくよく見れば、先の一撃で膝が笑っていたのだ。そのせいで身体に力が入らず、膝を地に着かせてしまう。

 ──バカな、そう言いたくなる。だがそれと同じく、案の定か、とも言える。何しろ相手は『卑王ヴォーティガーン』。彼のガウェイン卿を日中で、それも一撃で昏倒させた男。

 

 そんな風に私が思考を巡らせていると、背後より異形達を突き抜けてサーヴァントが一人、私の前に立つ。

 

「そこまでだ。何者かは知らないが、これ以上の暴挙、このディルムッド・オディナが見過ごさないと知れ」

「はいはい、言われなくても去りますよ────オレはね」

 

 奴が指を鳴らす。その瞬間、周囲で沈黙を保っていた異形達が一斉に襲いかかってきた。それに対しディルムッドは、その双槍を凪ぎ払わせることによって一掃する。

 だが、その間に奴はいなくなってしまった。私も、なんとか衝撃から回復し、ディルムッドと共に異形達を屠っていく。

 

『あぁそうそう、帰る前に教えてあげるよ。君達が相手してる"ソレ"は"モース"っていう、いわゆる堕ちた妖精さ。触ったり触られたりしたらお仲間になるから、せいぜい頑張って生き残ってね、騎士王サマ』

 

 舐め腐った態度を、と声高々に叫んでやりたかったが、間髪なく異形──モース達が襲いかかってくる。幸い、この『聖剣』だと一撃で屠ることができるようだ。

 しばらくして、ようやく余裕が出てきたがためにディルムッドの方を流し見ると、ディルムッドの方も、その槍の力によって難なく倒しているらしい。

 

 そうして夜が明ける前に、どうにか現れていた(・・・・・)全てのモースを倒しきることができた。私もディルムッドも、双方共に息が上がってしまっている。ふと、ディルムッドが焦ったような表情になる。

 

「すまない、セイバー。勝負をつけたいのは山々なのだが……マスターが」

「構わない、ディルムッド・オディナ。貴殿とは必ず、再び相見えると誓おう。勝負はその時に」

 

 ──忝ない──そう言ってディルムッドは去っていく。私も剣を降ろして警戒を解く。その後、マスターから召集がかかり、私は集合場所へと向かう。

 

 それにしても────なぜ、あの卑王が聖杯戦争に参加しているというのか。現状ではランサー、ライダー、アーチャー、アサシンが判明している。最も、アサシンが既に敗退した、というのも怪しいのだとか。

 残るはバーサーカーとキャスター。だが、バーサーカーは既に目の前で相対している。消去法で考えればキャスタークラスだが、あの強さはキャスタークラスのものとは思えなかった。

 

 ならば────もしや奴は、マスターとして参加しているのか?そんな私の思案は、昇る朝日に照らされたことで中断される。

 とにかく、今は奴の危険性を、どうにか"マスター"にも知ってもらわねばならない。その為にも、なんとか耳を傾けてもらえる程度には……いや、必ず耳を傾けてもらう。そう思いながら、私はその場を後にした。

 

 

 

 







戦闘時にアルトリアにダメージ与えたのは、ゲームだとバスター攻撃の時に出てくる『ヘラクレス』君です。
やっぱりヘラクレスは強いね!

バーサーカーハマケナインダカラッ!


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