心を無くした男と、嘘つきな王サマ 作:朝霧=Uroboross
皆っ様ぁぁぁ!!大変お待たせして申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!(スライディング土下座)
ここ最近、作者も色々とゴタゴタに巻き込まれまして、中々更新することもできず、もどかしい日々でございました……。
ちなみに、作者はFGOで平安京後のイベントがあると聞き、間に合わせるためにデメテルで詰まっていたオリュンポスを力業で越えてきました。牛若と景清、強い(確信)。
その後は平安京を4日で攻略してイベントに望みました。晴明じゃなかった許さん、阿国さんかわいい、高杉さん実装はよ。
現在アヴァロン攻略し始めたのでまた詰まります(確信)。
内容を忘れてしまった方は、お手数ですが読み直すことをオススメします!
最初からお読み下さる方々も、これからの新規の方々も、どうぞ最後の最後までお付き合い頂けると幸いです!!
──── 一体、何がどうなっていると言うのだ。
元旧友にして、今は魔術師の世界と袂を別ったはずの雁夜が、マスターとして現れ、あまつさえ私に警告だと?
それに──"
「ガァァァア……ト、キ…オ、ミィィ……ギィアァアァッ!!」
「ッ────」
狂ったような声を上げる。半ば、強制的に魔術を使わされているのだろう。身体の至るところの皮膚が裂け、血を流す。あれはもはや、当人の意識はないのだろう。
幸い、向かってくるものが防ぎやすい初歩的なものや、私自身の火炎魔術で一掃できる羽虫操作ばかりだ。だがそれでも、疑問は尽きない。
雁夜、お前は……一体何を知ってしまったというのだ──────。
地に蔓延る犬共と、空を飛び交う二色の影を見ながら、思う。────うーん、ビックリするほど
皆に"足止め"という名の偽装工作をさせてもらっているけれど、正直言ってそのままでも勝てそうなんだよねぇ。だって、『英雄王』は『狂った騎士』とランデブーしてるし?『征服王』はさっきから突撃しかしてないし、『騎士王』に至っては頼みの"聖剣"が振れないときた。
「──妖精王殿」
「うん?何かな」
おっと、いけないいけない。今はまだ戦闘中、油断は禁物だったね。"彼"に話しかけられたことで、素を出しかけてたことに気づいたよ。
「貴殿の御力で、どうにか私も戦場に──」
「いやぁ、無理かな。残念だけれど。って言っても、今行ったら間違いなくお荷物だよ?」
そうそう。ここで"彼"────ディルムッドに行かれると困るんだよね。彼の持つ宝具は、端的に言ってしまえば、あのバーゲストを倒しうるものだ。ましてや、彼がここで動くことは論外でもある。
ま、そろそろ動きがあるんじゃないかな?
「フ、フフフ、フハハハハハ!好い。英霊なぞに頼らずとも、儂が蹂躙し尽くし、聖杯をこの手に────」
バクリっと。僕が『ヤレ』と指示をしたお陰で、あの気味の悪いお爺さんはあわれゴックン。まぁ、流石に皆驚くよね。主導権を握っていると思っていたら、食べられちゃったもんだしね。
さてさて、更にあのお爺さんに仕込んでおいた"呪詛"によって、『黒犬公』の身体が膨張していく。そして肥大化したバケモノは、倒れ伏す人々や野次馬目掛けて動き出す。
「おぅい、セイバー!このままじゃあ埓が明かん。一旦退けぃ!」
「バカな!ここで食い止めなければ────」
「そうは言っても手詰まりであろうが。いいから退けぃ!」
おや、セイバー達が戻ってくるね。作戦会議かな?
──ふーん。イスカンダルの宝具で足留め、ね。いいんじゃないかな?持つわけないけど。程々に付き合わせて、頃合い見て食い破らせるか。
っと、
さて、アーチャーのマスターに焼かれ落ちたカリヤ君は、一悶着あったみたいだけど、なんとか回収できたみたいだね。なら良かった。
おや、あれは確か『携帯電話』っていうシロモノだったかな?そして、あの機械の中から聴こえる声の主がセイバーのマスター、と。
────へぇ?位置ずらしが利くなんて、随分便利なものだね。それに、左手の解放、ね。
さて?それじゃあ騎士サマ達がどんな選択をするのか、"僕"としてはそれなりに楽しみだな。破滅か、それとも我欲か。どうするんだろうね?って言っても、基本的には"俺"はどうでもいいんだけど。
「──ここで勝利するべきは、我らが奉じた騎士の道。そうだろう、英霊アルトリアよ」
ふーん、解き放つんだ、"ソレ"を。はぁ……また見ることになるなんて、ね。あの忌々しくも綺麗な『聖剣』を。
さて、まぁほんの少しの邪魔はさせてもらおうか。ということで、こっそりとバーサーカーの視線がこちらに向きやすくしてと。
英雄王は墜ちた。けど、セイバーも随分とよくよけるもんだな。あの弾幕の中を、水面の上を駆けて避けていけるのは大したものだよ。いやホント。
ん────やっと、イスカンダルの固有結界が軋みはじめたか。兵士クンも来たけど、どうやら限界っぽいね。ここで王手をかけたいところだけど────そうもいかない、か。
────そこまでにしてもらうぞ、狂戦士!!────
これでバーサーカーが撤退、か。しかもあのアーチャー生き残ってるし。ほんと、これだから英霊ってのは。
固有結界が解けて、肥大した『黒犬公』が照明弾の下に現れる。ソレに対して、セイバーがその黄金の剣を掲げる。
──あぁ、本当に。心の底から、反吐が出そうな程に嫌いだ。この"光"は────
"彼女"と重ねて、思い出してしまいそうになる。別人だと判っているのに、正反対な存在だと判っているのに。あの融通の効かない、けれど一途に駆け抜けた彼女と。
星の内海から溢れる力と、数多の戦士達の魂が光となり、辺りに満ちる。セイバーが、一歩踏み出すと共に、『聖剣』の光は極大へと至る。
────刮目せよ、"卑王"。
────あぁ、視ているとも。"騎士王"。
星の内海にて打ち鍛えられた、人々の願いを携えし星の聖剣。幾多もの光を束ねて放たれる、其は────
「『
放たれるは光の奔流。水面を裂き、『黒犬公』の身体を崩壊させていき、遂にはその核に届く。
そして────全てを呑み込み、巨大なまでの光の柱となって、立ちはだかった"厄災"を消し去った。
これをもって、三遠川における大規模かつ類を見ない、英霊達の一大共同戦線は終結したのだった────。
──やれやれ、全くもって見事なものだったよ。だからこそ、ありがとうと言わせてもらうよ、セイバー。これで僕達は後顧の憂いはなくなった。
あの『黒犬公』は、ゾーケンとかいうゴミを食らったお陰で、英霊のソレに準ずる"格"を得ていた。更には、この聖杯戦争自体がもうマトモじゃないのもあって、本来〈
「──それで、そっちの首尾はどうだい?マスター」
「おう、バッチリ出来上がってらぁよ」
投げやりに放り渡された"ソレ"を受けとる。
──"彼"が持っていたものと比べて、見た目はそう大して変わらないが、禍々しさが格段に上がり、峰となる溝の部分には、
「奴の宝具、『無毀なる湖光』をモデルにしたお前さん専用の武装礼装だ。敢えて銘を付けるなら、そうさな────
『
「へぇ……」
俺は改めて、その手に持つ『堕穢せし湖光』を眺める。
虚映曰く────本来の『無毀なる湖光』が持つ、パラメーターの1ランク上昇、竜殺し、不壊属性、状態異常を含めた様々な攻撃に対する耐性能力値の上昇といった効果はもちろんのこと、"俺"が持つことによって、接触時に敵からの魔力吸収、及び魔術などによるエネルギー的な間接攻撃の吸収など、中々に便利なシロモノとなっている。
「一応、取り込んだ魔力は小出しにも出来るよう調整してある。──元が元だからな、オレでも流石にキツイもんがあるってもんだわ」
「ま、こんなもんならまだマシじゃない?まだ負けてもいないんだしさ」
──虚構魔術による"宝具複製・改造"──。できるとは思ってなかったけど、本当にやりきってしまうとはね。ただその分、かなり持っていかれたらしいけれど。
マスターが言うには、"大規模魔術を五回行使してもお釣りがくる量"が持っていかれたらしい。事実、工房の床には、すっかり空になった魔力蓄積用の結晶がこれでもかと積まれている──ちなみに、これは今まで溜め込んだ約7割の量だとか──。
「それで?ここからはどうするつもりかな?」
「明日の夜、ランサーが消える。そこはまぁいいとする。オレ達が動くのは、アーチャーとライダーがぶつかった後だ。
────そこから先で、全ての決着が着く。それまでは英気を養うこったな」
くたびれた様子で、マスターが寝室へと引っ込む。俺は剣を掲げて、その背をなぞりながら思い起こす。コレを制作するにあたって、しばらくはあまり大きく動けそうにないらしい。
部屋の明かりに当たり、妖しく輝くそれを眺める『奈落の虫』。各々の思惑が交差する中、その"悪意"は静かに期を見計らい、その"失意"は静かに牙を研ぐ。
────さぁ、黄昏の時は近い────。
ここでスペック紹介と参ります。
『堕穢せし湖光』
ランク:A++ 種別:対人宝具
ケイオス・アロンダイト。虚映が自身の『虚構魔術』によって、ランスロットの『無毀なる湖光』を複製・改造したもの。見た目はほぼ同じだが、禍々しさがバーサーカークラス時のそれより強くなっており、『奈落な虫』のシンボルが彫られている。
『無毀なる湖光』を元にしているため、性能や造り、効果などは大半が一緒。だが、オベロン・ヴォーティガーンが所有することにより、その力は更に増す。
鍔競りや擦過傷時などに、敵からの魔力を吸い取ったり、攻撃魔術などを代表とした、放出系の攻撃を吸収して貯蔵することができる。また、それらを調整して放つことで、飛ぶ斬擊や『縛鎖全断・過重湖光』の真似事が可能となる。
制作時は虚映本人の魔力と、これまで貯めてきた魔力の貯蔵結晶のうち、約7割を消費してようやく完成した。これは、虚映が充分な武装を持っていれば、英雄王を相手に接戦の後、相討ちにまで持ち込めるであろうほどの量であることを忘れてはならない。
割とチート急に強かったりする。これでセイバーはもっとやりにくくなったり、ならなかったり。