心を無くした男と、嘘つきな王サマ 作:朝霧=Uroboross
お疲れ様っス、朝霧です。
さて、今回はセイバーvsバーサーカー&プリテンダーでございます。うーん、エグい(暗黒微笑)。
原作は小説の方も読んだのですが、どちらかというとアニメ基準の進み方・内容になっていますので、あしからず。
なお、 ライダーvsアーチャーは省きます。感動シーンの一つだけど、主人公はプリテンダー側なので……ゴメンチャイ。
夜が来た、夜が来た。さぁさ、やって参りました決戦の夜。終わりの夜、最後の夜、そして、最高の夜。
既にバーサーカー組は言峰と一緒に、冬木の公民館だかなんとかに送らせてある。加えて、そこにはあの"汚れた聖杯"もあるため、生き残った各陣営が集まる
『マスター、ライダーがアーチャーと遭遇したよ』
「(了解、お前さんはそっちでヨロシク頼むぞ────〈プリテンダー〉)」
こっちもこっちで、やらにゃならんことがある。その為にも、あれこれと設備や対策を、えっちらほっちら用意しているところだ。
一応、状況は見ているし、理解もしてある。間もなくセイバーが到着し、バーサーカーとの戦闘を始める頃合いだ。
さぁ、楽しい楽しい"
──イスカンダルが、ギルガメッシュと戦い始める少し前──
キリツグから貰った
私は、警戒しながら地下へと入っていく。中はとても静かであり、どこに敵が潜んでいるかわからない────
「──いやぁほんと、よく生きてたね」
「ッ!!何者か!」
暗闇の奥から拍手をしながら、何者かが現れる。敵か────
「──ッ!貴様は!」
「やぁセイバー。あの時ぶりー、元気だった?」
忘れもしない──"卑王"『ヴォーティガーン』。我がブリテンの宿敵にして、強大な敵の一人に数えられる男。
バイクを降りて剣を構える。この飄々とした態度に騙されてはならない。この男は、一度でも油断すればたちまち追い込まれてしまう。
「おっと、残念ながらキミの相手は俺じゃないんだ。
────というわけで、後は任せたよ」
「な、────ッ!ふっ!」
危険を感じてその場から飛び退く。脇から何かが飛来し、バイクを貫く。爆発を利用してヴォーティガーンからも距離を────いない?どこへ行った?
『後はお二人で仲良くね。まぁ、仲良くできるかどうか
は、君達次第だろうけど────』
わけのわからないことを語って、奴の姿も気配さえもかき消えてしまう。一体どういう仕掛けか検討もつかないが、間違いなく見失ったのは確かだ。
だが、今は奴よりも、薄闇の中から現れた存在に注意を向けるのが先決。振り返れば、やはりこちらを睨むかのようにして立つ、正体のわからない騎士の姿。
「バーサーカー……」
「………──────Uuuuu」
静かに唸ると、バーサーカーが、キリツグも持っていた"
間合いをはかりながら、バーサーカーの動きを観察する。柱を弾除けにしながらかけていき、爆煙に隠れるかたちで、上から近付く。
「──たぁぁぁっ!!」
その勢いで以てして、奴の長銃を切り裂く。そのまま一気に斬り伏せようとした────奴の片手が動く。
追撃の手を止め、その場から跳んで距離を取る。機関銃の弾をばらまきながら、バーサーカーは私を狙い追う。
────このままでは、埒が明かない──
そう思い、近くの車の背後へと身を伏せる。そこへバーサーカーの持つ機関銃の弾が、これでもかと撃ち込まれる。撃たれ続ける車は、あちらこちらに穴を空けられながら大いに揺れる。
一か八か、揺れる車の下に剣を突き刺し、跳ね上げると同時『風王結界』を解き放つ。それによって車が下部から浮き、壁のように横倒しとなる。
「ぐぅぅ────ッ!」
「Aaaaaaa!!」
横倒しとなった車を押して、バーサーカーへと近付いていく。その間も車には、ひっきりなしに銃弾が浴びせられ続ける。だが、ある程度近付いたところで、バーサーカーが銃を放り捨てる。
「(──今だ!)」
その瞬間を見計らって、車を上へ跳ね上げ、思いっきり剣を突き刺す。はたして、剣は空を裂きながら突き進み、バーサーカーの頭部へと当たる。
だが、その切っ先は、乾いた音を響かせて弾かれてしまう。
「(浅い──っ!)」
落ちてきた車を、バーサーカーが投げ飛ばす。その隙を狙って、上段から勢い良く剣を振り下ろす────。
「なっ!?」
私は、思わず声に出てしまった。なぜなら、バーサーカーが私の剣を、
信じられなかった。『風王結界』で隠された我が聖剣に、そんな芸当ができるのは、私の剣の間合いを知る者だけ。そして、そこから考え得るのは、生前に私と縁があった者のみ。
呆然とする間に、剣に侵食が走る。慌てて剣を振り、バーサーカーを蹴り飛ばす。そうしてもう一度距離を取り直す。
スプリンクラーが発動し、あたりに水飛沫と炎が舞う中、私はバーサーカーに対して剣先を向けて、問う。
「──その武練、さぞや名のある騎士と見込んだ上で問わせてもらう。この私を、ブリテン王『アルトリア・ペンドラゴン』と弁えた上で挑むのなら────
────騎士たる者の誇りを以て、その来歴を明かすがいい」
剣をバーサーカーに向けてつき出す。バーサーカーは、ただ静かに俯いている。
「素性を伏せたまま挑みかかるは、騙し討ちにも等しいぞ!」
語気を強めて言葉を募る。加えて、さらに剣先を差し向ける。バーサーカーは、なお俯いたまま我が言葉を聞く。
一瞬の沈黙。そして、バーサーカーの様子が変化する。これは────"笑っている"のか?騎士としての誇りはないのか、そう思い、剣を構え直す。
──だが、その姿を見た時、私は構えを解いた。否、どうしようもなく解かしてしまった。
黒く染まってしまっているが、それは見覚えのある"紫色の鎧"。その姿形は、誰よりも信頼していた"最優の騎士"のもの。
「──そ、そんな……ア、『
「AaaaaaaThrrrrrr………」
「……"サー・ランスロット"……」
────なぜだ、なぜ円卓随一ともいわれた、騎士の鏡であるランスロット卿が、
そんな絶望に打ちひしがれる中、どこからともなく声が響く。それはあの、"卑王"の声であった。
『これは驚いた、まだ解らないのかい?君が思い描いた幸せな世界。その犠牲者の一人が彼なのに、それに気付きもしないなんて、彼が可哀想でならないよ』
「ッ────」
聞くな、聞く耳を持ってはいけない。わかっているはずなのに、奴の言葉が明瞭に耳に入ってくる。私の名を叫びながら向かってくるランスロット卿を見ると、さらにそう感じずにはいられない。
私は……私は、貴方を……。思わず、力が抜ける。抜けていく。構えることすらできないほどに、力が入れられない。
『君はさ、救うだけで導かなかった。そりゃあミンナ幸せだったろう。けどさ、導かれなかった奴らがどうなったかなんて、想像に難くないだろう?』
「私が……導くことをしなかったから、なのか……」
『さぁ?そんなの俺が知るわけないだろう?目の前の彼に聞いてみたら?まぁ、答えてくれるかなんて、わかるわけもないけどね』
仇敵にさえ教えられてしまう現実に、眩暈がする。その隙を見たランスロット卿が、『無毀なる湖光』を振りかぶって私に襲いかかる。
私はただ、平和で苦しみのない世界を、ブリテン島の幸福を願っていた。そして、彼もまた賛同してくれていた。そのはずだった。
なのに、最も信頼していた騎士は狂い、私に刃を向け、最も警戒する仇敵からは、結末という名の現実と、嘲笑を向けられる。
私の、私が願ったものは、間違っていたのだろうか……私が行ってきたことは、すべて無駄だったのか……?
「AaaaaaaThrrrrrrr!!」
「ランス、ロット……」
今はもう、彼の名前を喉から絞り出すことしか、出来なくなってしまった……。
今さらですけど、当作品は盛大に煽っていく上に傷口もガンガンえぐっていきます。だってそれが〈プリテンダー〉だもの(´・ω・`)。
バーサーカーとの戦闘は大事なとこなので、前後わけちゃうことになりましたね。事後です。もうどうしようもねぇな!ガハハ(遠い目)。
追記:致命的な誤字に気づいてくれた方ありがとうー!!つじつま合わなくなるところでしたぁ!!
感想・評価はいつでもまってまーす。割とありがたい意見もチラホラあるのでいつも助かってます。ありがとう、読者の皆様。カンシャダイジ。