心を無くした男と、嘘つきな王サマ 作:朝霧=Uroboross
なんか紹介されてるゥ!?朝霧です(スンッ)
いやもう驚きましたよ。小説紹介ブログをしてる人から紹介されてるとか、心臓キュッとなりましたよw
まろでぃ さん、ありがとうございます。
さて、今話をもって、fate/zero編最終話となります。まぁ、タイトルで皆さんわかってしまうのでは?と思いますが……若干駆け足気味なので、そこは生暖かい目でお願いします。
……アーチャーは、行ったか。ふぅ、最初はどうなるかと思ったが、なんとか"つじつま通り"に行って良かった。ウェイバー君もこれで成長して、エルメロイ二世になることだろう。
うーん、いやさぁ、マジでさぁ……今回の聖杯戦争、"
『おーい、マスター。なんとか時間稼いでやったぞ。全く……ちょっと俺を酷使しすぎじゃない?』
「悪かったって。でもま、これで残す障害はあと一つってわけだし、どうせなら幕切れまで休んでな」
〈
さて、今頃アーチャーとセイバーがわちゃわちゃしてる頃だろうな。さてと……ヨシ、感度良好っと。オベロンが館内に放っていた虫達の目を借りて、観察観察っと。
うっへ、やっぱ何度見ても悪趣味だなぁ、あの聖杯は。生憎とその場にいないから、キリツグ君の、あのえげつないやつが見れないのは残念だケド。
────正義の味方なんて、そんなのはただの妄想であって、実現してしまえば反吐が出るほどの殺戮者でしかない。だからオレは、昔から勇者だとか、そういう"正義の味方"が大っ嫌いで仕方がなかった。
……空っぽな正義を振りかざすだけの愚か者なんて、何も考えない無能より、なおタチの悪い存在だよ。
────私の聖杯を奪うのか!!
ん。あぁ、最終局面に突入したのね。あーあ、呆気ない。最後の最後まで、アンタ達は噛み合わない歯車だったな。
輝くキリツグの令呪、そして『
────ただ、誤差範囲で遅かったなってハナシ。
「────おいおいマスター。気味悪いの感じて来てみたけど、なんなのさコレ」
「これが聖杯の"泥"、生きとし生ける全てを穢す汚泥────"
さてさてさーてと、それでは最終局面に相応しい幕切れをしに行くとしますかね。というわけで、オレは令呪をかかげてオベロンに命ずる。これこそ、この世界の最後を奉るに相応しいだろうよ。
「我、朝露 虚映が、令呪三画全てを以て、我がサーヴァントに命ずる。
──────〈プリテンダー〉オベロン。受肉し、その力の全てを取り戻せ」
「────あぁ、承ったさ。"
「──理解しなければ」
「どこまでも飽きさせぬ奴。それでいい。神すらも食い殺す貴様の愚道。このギルガメッシュが見届けてやる!」
「──随分と、楽しそうじゃないかい?お二人サン」
愉快そうに笑う二人の元に、俺とマスターが歩み寄る。やれやれ、俺ってば、今回はかなりの貧乏クジ引いたんじゃないかな?ホント、面倒だなぁ。
マスターが仮面を取るのと同時に、俺自身もこの偽装を解く。構わないのかって?もちろん、構わないとも。なにせ────この二人は、ここで葬るんだからさ。
「お約束通り、仮面を取らせて頂きました。故に────御命、頂戴いたします……ネ?」
「ほう?言うではないか、道化。よかろう、今の我は気分が良いのでな、幕引きには丁度良い相手よ」
素っ裸のクセしてよく言うね。割と乗り気でなによりだよ。とは言え、
──げ、アイツ受肉しても宝具使えるのかよ。なんだソレ、ズルくないか?ま、オレも似たようなものだけどさ。
「──ふむ?虫風情が、随分とよく動くことだな」
「あぁ、何せ虫だからねぇ。でも、知ってるかい?英雄王サマ。そうやって傲っていると────
────取るに足らない小さな虫の一噛みで、あっという間に崩れていくものだぜ?」
マスターはどうだろう?どうやら、あの神父の相手に手間取ってるみたいだね。あぁでも、アイコンタクトをとるぐらいなら大丈夫みたいだ。
にしても、今回は時間が無かったにしては、割といい具合に進められてたんじゃないかな?彼女も、〈キャスター〉の存在なんて頭から抜けきってたみたいだし。
「さて、それじゃあそろそろ──────
────「不要な役者にはご退場願おうか」」
「何?」「む────ッ、ギルガメッシュ!」
もう遅い、遅すぎる。あの神父が周りの違和感に気付いたようだけど、どんな対策をしようとも、もう間に合わない。例え、"
──たった一条の光すら届くことが無いのだから。
────俺に、虫が集る。あぁ、吐き気がする。気持ちが悪い。こうなる度に集まってくるの、ほんとどうにかならないかなぁ。けれど、もうオシマイにしよう。さようならの時間だ、英雄王。
「────夜のとばり、朝のひばり。腐るような……夢の終わり──────
────黄昏を喰らえ!『
思えば、おかしなところなぞいくらでもあった。なぜ、〈キャスター〉がオベロンなどという存在になったのか。なぜ、まるで全て知っていたかのように動いていたのか。なぜ────自らのところにやってきた男が、そこに立っているのか。
だが、それら全てのピースが埋まりきる前に、
「おのれ────────ッ」
ギルガメッシュは、最後の悪あがきで己の
言峰は、先程まで味わっていた愉悦など、最早気に留めることすらできない。聖杯の"泥"を見たときでさえ感じなかった、身体の奥底から溢れる原始的な恐怖────それを抑えるだけで、精一杯だった。
やがてソレは、聖杯の"泥"も"穴"も、そして受肉していたサーヴァントすらも呑み込んだ。残るは、なにもかもをえぐりとられたかの様に更地と化したガレキの山のみ。
自らの敵だけを的確に呑み込む────本来のオベロン・ヴォーティガーンに、そんな芸当はできない。だが、ここに『マスター:朝露虚映』というイレギュラーがいたことによって、呑み込む対象をロックオンし、不必要なものは除外するという恐ろしい芸当ができるのだ。
『奈落の虫』の中、永遠に落ち続ける底無しの穴では、たとえギルガメッシュが『乖離剣』を使おうとも、そして聖杯の"泥"が這い上がろうとしても、決して出口に届くことはない。なぜなら、そもそもの出口すら無いのだから。
ここに、第四次聖杯戦争の完全なる勝者が決定する。勝ったのは、正義の味方を目指した男でも、己の愉悦を知った男でも、ましてや黄金の輝きを放ちながら、汚染された泥を纏った英雄でもない。
かねて心を無くした虚空のような男と、大嘘つきな妖精を騙る王サマ────〈キャスター〉陣営であった。
「さぁ、オレの思い通りに動いてもらうさね。コトミネ────」
言峰は、仮面の剥がれた青年を見る。その口元は三日月を思わせるようにつり上がり、その双貌は獲物を見定めた狩人の目であった。
ただ、己の愉悦が永劫に達成し得ぬことを感じ取り、失意の中両手を上げて降参の意を示す。
────未来はまだ、暗雲の中である。
ンンンンン!fate/zero編、これにて一件落着!
次回からは、幕間を含めたロード・エルメロイ二世編数話をお送りしてから、fate/staynight編へと移行させて頂きます。
どうぞ皆様、幕切れまでご愛願のほど、よろしくお願いいたします。