神にーさまはゲーム至上主義   作:村崎京

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読んでくれてありがとうございます


ゲーム不足!!

私たちが何故か入学することになっていたこの高校は高度育成高等学校という名前でした。何か凄そうな名前です。

 

その件の高校に入学してから、早いもので3週間が経ちました。

私にも神にーさまにも特筆して何か起こることはなく、とても穏やかに過ごしています。

 

それにしてもこの学校の先生方は少し変です。

にーさまが堂々と授業中にゲームをしていても、先生方は何も言いません。

舞島高校でも何も言われてませんでしたが(児玉先生は別ですが)、それは神にーさまが何を言ってもやめないので諦めていたからでした。

ただ、他の方々が私語をしたりケータイを触っても何も言わないので、もしかしたらそういう方針なのかもしれません。

 

この3週間で私にも友達と呼んでも差し支えない方ができました!

名前を長谷部波瑠加さんと言います。

入学してから1週間ほどしても1人でいたので、声をかけてみてから話すようになりました。私にはないものの見方をしていて、すごく面白い方です。

 

ただ、心配なのは神にーさまです。

おそらく入学してから私以外との誰とも会話をしていません。ずっとゲームをしていますから無理もないですが、そんなにーさまを心配して平田さんや、あと櫛田さんというとても明るくて優しい方が話しかけていましたが、

 

「今イベント中で忙しいから話し掛けるな」

 

の一言で取り付く島もありませんでした。

 

そんなにーさまですが、登下校は一緒に行っています。最近のにーさまは少し機嫌が悪いです。

それは何故かというと.....

 

「ゲームが足りなぁぁぁい!!!」

 

とのことでした。

 

「買いに行けばいいじゃないですか~近くのけやきモールっていうショッピングモールにたくさん売ってましたよ?」

 

「それはダメだ。とりあえず1ヶ月は」

 

「何でなんですか?周りの皆さんすごいお金使って楽しそうにしてましたよ?」

 

「理由を言ってやってもいいが、まあいずれわかるから、今はおとなしくしとけ」

 

「え~っはぁーい」

 

 

 

 

ゲームが足りないと言っても、にーさまはずっとゲームをしています。持っていたゲームが5個も(本人曰く5個しか)あるみたいで、それらをずっとやっているみたいです。

にーさまが一人暮らしできるのか心配でしたが、今のところなんとかなっているようです。体から異臭を放ったりカラスにたかられているわけでもないので、大丈夫だと思います...多分。

 

「おはようございます!波瑠加さん!」

 

「あーおはよー、エリー」

 

「眠そうですね。大丈夫ですかー?」

 

「あーうん。夜動画見てたら遅くなっちゃってね。エリーは相変わらず元気そうね」

 

「私の数少ない取り柄です!」

 

「他には?」

 

「掃除と料理です!」

 

「ほー掃除と料理ねぇ」

 

「あ、信じていませんね!ほんとですよ!」

 

「いやいやそうじゃなくて。料理も掃除もできるかわいい妹がいたり、学校に来てもゲームしかしない兄がいたり、面白いもんだと思ってね」

 

「そんなことないですよ!にーさまはすごい人です!確かに変ではありますが...」

 

「はいはい。こんな妹を持って幸せ者だよあの兄も。あ、ほら、HR始まるよ」

 

「え、あ、ほんとですね。じゃあまた~」

 

席に着くと神にーさまがこっちを見てきます。どうしたんでしょう?

 

「お前、授業ついていけてる?」

 

「え、な、なんですか急に!も、もちろんついていけてますよ!元の世界じゃ2年生でしたからね!」

 

「そう。それならいい」

 

そう言ってにーさまはまたゲームを始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら席に着けー今日はちょっと真面目に受けてもらうぞー」

 

3時間目、茶柱先生の授業です。

先生は入ってくるなりプリントを配り始めました。どうやら日本史ではなく小テストをするみたいです。

これはにーさまを見返すチャンスです!高い点数をとって驚かせてやりましょう!

 

 

 

 

 

 

今日の私は妙に調子がいいです!前半の問題は大体解けています!さあ残りも解いちゃいますよ!

あれ、でも神にーさま意外と苦戦してますね。いつもなら15分くらいで終わらしてるのに珍しいです。

 

えーっと、あれ?これ2年生の内容では?これ皆さん解けるのでしょうか?確かこの間の期末テストで似たような問題が出たような気がします。うーーんわかんないなぁ。

 

 

最後の3問の難易度は私でもわかるほど違いました。

1番下にある数学の問題に関しては、問題文の意味すらわかりませんでした。にーさまが苦戦していたほどの問題です。私が解けるはずがありません。

でも...多分にーさま満点なんだろうなぁ。

 

「波瑠加さんテストどうでした~?」

 

テストが終わって、休み時間になりました。波瑠加さんは机の上でぐでーっとしています。

 

「う~ん半分ちょいぐらいかなぁ。まあ私の小テストの点数なんてどうでもいいけど、あの桂木兄の点数は気になるかな~。一体何点取るんだか」

 

「え、にーさまですか?にーさまは多分100点ですよ?」

 

「えー?まさかぁ」

 

「ほんとうですよ~」

 

波瑠加さんはにーさまを見くびりすぎです。

今回のこのテストも、当然のように100点を取るのだと思います。

 

 

この日の変わったことと言えばこの小テストぐらいでした。

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

本日、4月が明けた5月1日。

 

ポイントの支給、なし!!

 

「あぁぁぁぁやっぱりかぁぁぁくそぉぉぉぉ!!!」

 

減るとは思っていたが0はないだろぉぉぉぉ!!

 

プルルルル、プルルルル

 

ん、電話だ。エルシィか?

 

『はい、もしもし』

 

『あ、にーさま?大変です!がくせ...』

 

『学生証は壊れてないぞ。ポイントが振り込まれてないのも正常だ。多分』

 

『え、な、何でわかったんですか?』

 

『だいたい想像がつくからだ。とりあえず一旦会って話すぞ。すぐ支度していつもの場所で会おう』

 

『わ、わかりました~』

 

 

集合場所に着くと大変珍しいことに、エルシィがもう来ていた。だいたいいつも僕が待つ側なのだが、よっぽど慌てていたのだろう。

 

「あ、にーさま、おはようございます!」

 

「ああ」

 

「それでそれで、これは一体どうなってるんですか!?」

 

「説明してやってもいいが、おそらく学校にいけば懇切丁寧に説明してくれると思うぞ。茶柱あたりが」

 

すごいニヤニヤしながら説明してきそうだ。

 

「それとエルシィ、今ポイントいくら残ってる?」

 

「ポイントですか?えーっと8万ポイントとちょこっとです」

 

「そうか。まあ頑張った方だな。女子にしては」

 

「にーさまは何ポイント残ってるんですか?」

 

「9万5000ポイント」

 

「きゅ、きゅうまんごせん!?な、何でそんなに残ってるんですか!?」

 

「リアルの奴らが言う生活必需品以外で、僕がいるものはゲームだけだ。それを買ってない以上、こうなるのも当たり前。それに食事も基本的に無料の山菜定食しか食べてない」

 

「山菜定食?そんなものありましたっけ?」

 

「ちゃんと見とけ!食堂にあっただろ無料のやつが!」

 

「す、すみませ~ん」

 

しかし今月0か.....にしても極端すぎだ。色々確かめるためにも、とりあえず学校に行ってみないと判断がつかないな。

 

 

 

 

 

 

「あ、桂木君!」

 

教室に入ると待ってましたとばかりに声をかけられた。誰だっけこいつ。

 

「何だ」

 

「桂木君ポイント支給されてる?」

 

「いやされてないけど」

 

「君もか...妹さんもかい?」

 

「え、あ、はいそうですね」

 

「そうか.....Dクラスの皆誰もポイントが支給されてないみたいなんだ」

 

今思い出した。確か平田ナントカだ。

 

「あんまり動揺してないんだね、桂木君」

 

「え?ああ、まあだろうなというか。予想できたことだったし」

 

「え、それってどういう...」

 

丁度その時茶柱が入ってきて、平田は席に戻っていった。

 

 

 

*

 

*

 

 

 

茶柱先生が入ってきてから、クラスの方々は色々と文句を言っています。ポイントの支給がないことに対して皆さんお怒りのようです。

そんな私たちを見て、茶柱先生は愚かだなと言い放ちました。

私は今までドジだとかアホだとかバグだとか、色々と言われてきましたが、愚かだと言われたのは初めてかもしれません。

 

それから先生はこの学校の真実について語り始めました。

 

私たちが入学してからの1ヶ月間で、10万ポイントをすべて吐き出したこと。

Dクラスは落ちこぼれ、つまり「不良品」が集まるクラスということ。

上のクラスに上がりたかったら、クラスポイントを増やす必要があること。

 

こんな感じのことを言ったあと、茶柱先生はおもむろに大きい紙を取り出し、黒板に張り付けました。そこにはクラスの方々の名前と横に数字が羅列されています。

 

「先日やった小テストの結果だ。揃いも揃って粒揃いで先生は嬉しいぞ。中学で何を勉強してきたんだ?お前らは」

 

1番上の方は....

あ、にーさまですね。やっぱり100点です。いつものことですがホントにすごいです。

それから高円寺さん、堀北さん、などと続きます。

私の点数は...あ、ありました!58点です!丁度真ん中ぐらいですね。

あれ?皆さんこちらを驚いたように見ています。何故でしょう?

 

「に、にーさま、何で皆さんこちらを見てくるんでしょう?」

 

「知るか。大方僕が100点取ってることに驚いてるんだろ」

 

「あ、なるほど。私は当たり前過ぎて忘れてました~」

 

「それよりエルシィ、思ったより点数いいな。何かあったのか?」

 

「え?あ、にーさまバカにしてますね。私もやるときはやるんですよー」

 

「自慢できるほどでもないけどな」

 

うー。ひどいですにーさま。

 

「お前らよかったな。これが中間テストだったら入学早々8人が退学になっていたところだ」

 

茶柱先生は私たちを睥睨しながらこう言いました。

どうやら赤点が32点、もしこれが中間テストだとそれ以下の方々は退学になっていたそうです。これを聞いたクラスの方々のざわめきはすごいことになってしまいました。

そんなクラスの様子を尻目に、茶柱先生はその後も話を続けます。

 

「この学校に将来の望みを叶えて貰いたければ、Aクラスに上がるしか方法はない。それ以外の生徒には、この学校は何か一つ保証することはないだろう」

 

でも私たちにはあんまり関係ないですね。この世界の人じゃないわけですし。

ただ勿論他の方々は違います。特に幸村君というメガネをかけた方は人一倍狼狽しているみたいです。

 

その後、ひと悶着ありながらも茶柱先生は中間テストを乗りきれと言い残し、教室を後にしました。

 

にーさまが言ってたチュートリアルってこれのことなのかな?




エルシィはコミュ力高いので、大体のクラスメイト(女子)と話していると思います。桂馬はお察し。エルシィがいること以外完全に高円寺と同じ状況。
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