神にーさまはゲーム至上主義   作:村崎京

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感想と評価ありがとうございます。


ゲーム補給!!

茶柱先生が教室から出ていっても、教室のざわめきは収まりません。

1ヶ月でポイントを殆んど使ってしまった人や、自分がDクラスに配属されたことに対して憤っている人、これからの学校生活に不安を抱く人など様々です。私は低い評価を下されるのは慣れていますし(不本意ですけども!)、ポイントはにーさまに言われてまだたくさん残っています。

あれ?そういえばどうしてにーさまは、初日の時点でポイントを使っちゃダメなことを分かっていたんでしょう?

右側を見るとにーさまがいつも通りゲームをして...

 

あれ、していません。顎に手を当てて何か考えているみたいです。どうしたんでしょう?

 

「にーさま、どうしたんですか?」

 

「...エルシィ、授業中にゲームをやってもポイントは減ると思うか?」

 

「えっ...へ、減るんじゃないですかね...」

 

「.....くそっ!授業中にゲームしても誰にも迷惑かからないだろ!どこにポイントを引かれる要素がある!?」

 

そういう問題じゃないと思いますけど...

 

「でもにーさまどうするんですか?このままゲームしてたらクラスポイントが上がりません。そしたらプライベートポイントも減って、ゲームが買えなくなりますよ?」

 

「分かってる。ただ、策はある!」

 

「え、策ですか?」

 

普通に考えれば、ゲームをしなければ良い話なのですが、それができないのがにーさまなのです。

 

「とりあえず茶柱に聞かないといけないことがある。話はそれからだ。3時間目が終わったらすぐいくぞ」

 

「え、わ、わかりました~」

 

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

3時間目が終わり、休み時間

 

「エルシィ、行くぞ」

 

「え、あ、ちょ、待ってくださいにーさま~」

 

職員室は確か...こっちだったな。

 

「にーさま、策って言ってましたけどどうするんですか?」

 

「そうだな、具体的にはプランAとプランBがある。今後のことも考えると、プランAが成功するとありがたいが、こっちは正直博打だ。プランBは確実だが僕が苦しいし、あまりやりたくない。で、今からやるのがプランAだ」

 

説明してると職員室に着いた。茶柱は...いたいた。僕たちが近付いてくると、向こうも気が付いたようだ。

 

「ほう、桂木兄妹か。どうした?」

 

「確認することがあってきた」

 

「なんだ?お前に割り当てられたクラスに間違いはないぞ」

 

なるほどそう思うのか。

 

「そんなことはどうでもいい。聞きたいことは一つだ。4月に聞いた学校の説明に間違いはないよな?具体的にはポイントの用途の話だ」

 

「ああ勿論だ。間違いなど何一つ言っていないぞ」

 

「じゃあ僕が、『ゲームをやってもクラスポイントがひかれない権利』はいくら払えば買えるんだ?」

 

「...ははは。なるほど、そうきたか。確かにDクラスの4月の1ヶ月間で、最もクラスポイントを減らしたのはお前と須藤の2強だった」

 

そうだろうな。ゲームしかしてないし。

 

「それにしても今まで色んな生徒を見てきたが、ゲームをする権利を売れ、なんぞ初めて聞いたぞ。しかしまあそうだな、売ったことはないがルール違反ではない。売ってやらんことはないが、3年間ずっととなるとそれ相応の値段になる」

 

まあそれはそうだろう。だが、この賭けに勝たないと、僕のゲーム生活が安定しない!さあ鬼が出るか蛇がでるか。

 

「本来ならば、教師としては売らないところだ。授業中にゲームをすることを容認するなど前代未聞だからな。だが、先日の小テストで100点を取ったのはお前とAクラスの1人だけだ。それも加味して許可しよう」

 

「そうか。それで、いくらだ?」

 

「3年間で90万ポイントだ。これでもまけた方だな」

 

まあ許容範囲内か...

 

「じゃとりあえず継続払いかは置いといて、1学期分の10万ポイントだけで。文句はないだろ?」

 

「ああ、いいぞ。そう言ったからな。ククク、ホントに面白いなお前は」

 

ニヤニヤしている茶柱は無視する。

 

「エルシィ、1万ポイント貸してくれ」

 

「え、あ、はい。1万ポイントですか?わ、わかりました...ってどうやるんですか?」

 

「ポイントのやり取りは全部学生証だ。覚えとけ」

 

エルシィに1万ポイントを借りて、茶柱に送る。

 

「8月31日まででいいよな?」

 

「まあそれでいいだろう。9月1日になってもゲームをしていたら同じように減点されるからな。ちなみに1学期中であっても、ゲーム以外の違反行為をしていたら通常通りに引かれるから気を付けるように。まあお前はゲーム以外しないだろうけども」

 

よく分かってるじゃないか。

 

「じゃ用は済んだ。...そうだ、ついでに聞きたいことがあったんだが、赤点の点数は毎回32点なのか?おそらく違うよな?」

 

「ほう、どうしてそう思った?」

 

「32点っていうのは半端な点数すぎる。赤点を固定するなら基本的に5の倍数だろ」

 

「そうだな。だがお前はもうわかってるんだろう。おそらくそれで正しいぞ」

 

「それが聞けただけで十分だ。エルシィ、行くぞ」

 

「え、あ、はい。し、失礼しました~」

 

 

 

 

 

 

 

「にーさま、結局プランAは成功したんですか?」

 

「半分成功だ。これで問題は一旦保留だな」

 

「それは良かったです!あ、そういえばプランBって一体なんだったんですか?」

 

「プランBはそれを使うつもりだった」

 

「え、私ですか?」

 

「違うわ。その羽衣だよ」

 

エルシィが持ってる羽衣は透明化の機能があったはず。それを使ってゲーム機ごと透明にして、ばれないようにするつもりだった。

 

「いいじゃないですかそれ!何でその方法にしなかったんですか?」

 

「ゲーム機だけ透明化したら僕も見えなくなるだろ」

 

1ヶ月散々やってきた5本のゲームなら、画面を見なくてもゲームはできるが、新作となるとそうはいかないし、羽衣を使うのは最終手段だった。

 

「にーさま、そういえば聞きたかったんですけど、何で入学式の日の時にもうポイント使っちゃダメなことを分かってたんですか?」

 

「あのなぁ、ゲームの基本だぞ覚えとけ...おいしすぎるイベントは大体毒フラグ!これは鉄則だ!前にも言ってただろ!」

 

あの詐欺上司に詐欺られた後だったからっていうのもあるが...

 

「とりあえず一旦ゲームの問題は解決した!エルシィ、放課後になったらゲーム買いに行くぞ!」

 

「にーさまそれ私のポイントですよー」

 

「借りたからもう僕のポイントだ。フフフ待ってろギャルゲーたちよ...」

 

「えー。あ、そうだ。じゃあにーさま、そのポイントあげますからお願いがあるんですけど...」

 

「何だエルシィ、僕のゲームの時間は邪魔するなよ」

 

「中間テストの勉強教えてください!一緒に波瑠加さんも!」

 

「お前授業付いていけてるって言ってただろ!」

 

「それでも不安なんですよ~それじゃあゲーム1本分私が払いますから~」

 

「んぐぐ.....はあ、しょうがない。1時間だけだぞ」

 

「やったー!ありがとうございます!神様!」

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

昼休みになりました。クラスの様子はあの後平田さんや櫛田さんが何とか宥めたようで、落ち着きを取り戻しています。にーさまはいつも通り、山菜定食を食べに食堂に行っています。

 

「エリー、あれマジだったんだね。ビックリしたよホントに」

 

「あ、波瑠加さん。何がですか?」

 

「桂木兄のテスト。100点なんて言うからさ、てっきり冗談と思ってたんだけどマジで取ってるし」

 

「そうでしょうそうでしょう。にーさまはすごいんですよ!」

 

「エリーは58点だったっけ?何とも普通だったねぇ」

 

「波瑠加さんも殆ど同じだったじゃないですか~」

 

「残念、1点を笑う者は1点に泣くのだよ」

 

波瑠加さんの点数は59点でした。とっても悔しいです。

 

「それにしてもあんだけゲームしてるのにどうやったら100点なんて取れるんだか。不思議でならないね。エリー何か知ってる?」

 

「いえ、私もゲームしてるところしか見てませんね。でも毎回当たり前のように100点取ってました」

 

あ、でも...そういえば1回だけ99点でした。

 

「かぁー天才ってやつかな、羨ましいね全く」

 

まあとにかく、波瑠加さんがにーさまを少しは見直したみたいでなによりです。

 

「波瑠加さん、中間テストどうするんですか?」

 

「んー?まあ赤点取らない程度に勉強するよ。そう言うエリーは大丈夫なのかな?」

 

「大丈夫です!と言いたいところなんですが、心配だったのでにーさまに勉強を教えてもらう約束です!波瑠加さんも一緒にどうですか?」

 

「え、あの桂木兄が素直に教えてくれんの?大丈夫?」

 

「問題ないですよ~にーさまはなんだかんだ言って教えてくれます!前もそうでしたから~」

 

「そうねえ、じゃあお言葉に甘えて教えてもらおうかな。どういう教え方をするのかもちょっと気になるしね」

 

波瑠加さんも一緒に教わることになりました。これで中間テストは安心ですね!

ふとにーさまの方を見ると、にーさまと平田さんがなにやら話しています。とっても珍しいことです。何があったんでしょうか?

 

 

 

「そうか...わかった。じゃあもし気が変わったら遠慮なく言ってね。それじゃ」

 

にーさまの席に行くと、丁度話が終わったところでした。肩を落として、平田さんが去っていきます。

 

「にーさま、何の話してたんですか?」

 

「ん、ああ、放課後にクラスの方針を決める話し合いをするんだと」

 

あ、それで断ったんですね。平田さんが落ち込んでたわけです。私は参加しなくて大丈夫なんでしょうか?

 

「エルシィは別に参加してもいいぞ。ゲームは一人で買ってくる」

 

「え、そうですね...じゃあ参加してきます!終わった後に何を話してたか教えますね!」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

 

放課後になった。やっとギャルゲーを買える喜びで、にやけが抑えられない。

 

やっと...やっとだ!

今まで積みゲーで散々苦しんできたことはあったが、そもそもゲームを積めないのがここまで苦しいとは思ってもいなかった...

だがそれでもポイントがギリギリだ。ポイント不足はこれからどうにかしないとヤバイな。僕がもたん。

 

 

そんなこんなでけやきモール到着。

ちなみに買ってはいないが、ゲーム売り場の下見は完璧だ。最短ルートでさっさと買って、帰ってゲームやろう。

 

おーー!!これは『ひだまりドロップ』の限定版じゃないか!こんなところで出会うとは!よかったよかった。あーー!!こっちには『水色スケッチ』の.....

 

 

 

約40分後...

 

 

 

いやーポイントギリギリまで買ってしまった。さて、すぐに帰ってゲームしよう。

 

「ちょっと、そこのニヤニヤしてる奴」

 

何だ?誰かに声をかけられた気がする。まあ気のせいか。さあ帰ろう。

 

「ねえってば!」

 

「うおっ!あ、おい!僕のPFP返せ!」

 

「返してほしかったらちょっとこっち来て」

 

はあ?何だその小学生みたいな脅迫の仕方は。

 

「こっち」

 

「ちょ、おい!待て!」

 

突然僕のPFPを強奪した女をしばらく追うと、そこには...

 

 

「お疲れ様でした、真澄さん。今日はもう帰ってもらっても結構ですよ」

 

 

杖を持った1人の少女が立っていた。誰だこいつは.....




神室「ホントにあいつ?ただのゲームオタクにしか見えないけど...」

今回出てくるゲームの名前は、作者が適当に考えました。ホントにあったらごめんなさい。
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