神にーさまはゲーム至上主義   作:村崎京

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リアルが忙しく、更新遅れました。
明後日、よう実五巻発売ですね!皆さん買いましょう!


似た者同士

うちのDクラスの担任である茶柱という教師は、妙に会話の節々に含みを持たせる気がある。というかもう癖だ、あれは。

僕が例の権利を買ったときとか、範囲の変更箇所を聞いたときなど、うざいくらい含みを持たせていた。

それは1対1の時だけではなく、教壇上でも同じであり、あの5月1日のチュートリアルでも一緒だった。

そしてあの時茶柱は妙なことを口走っていた。

 

僕が考えるに、Dクラスの奴らが各々自力で、つまり他の奴の手助けなしでテストを受けた場合、少なくとも3人は赤点で退学するだろうと見積もっていた。客観的に見ただけの僕でもそう感じるのだから、もちろん茶柱にも当然わかっていたはずなのだ。

が、茶柱はあの時、全員が赤点を回避する方法は『必ずあると確信している』と宣った。後から考えると妙なことを言っているのだ。

そこまで考えられればあとは簡単だ。あの小テストの最後の不自然な問題はこの中間テストの布石だったということ。

つまりどうにかして中間テストの赤点を『確実』に回避する方法があるんだろう。確率が高いのは過去問が丸々同じとかだろうか。

 

だが確証もないのに、テストなんかのためにポイントを散財するほど僕には余裕がない。そんなポイントがあったらゲームに使う。

ということで過去問作戦は諦める。というか過去問貰おうとか誰か思い付きそうでもあるけどな。まあDクラスの連中は総じてポイント不足だから入手できない奴がほとんどか。

 

ということで、結局エルシィ達の中間テスト予想問題は作り直さなければならない。

正直面倒だし、ゲームしたいが約束してしまったので仕方がない。

まあさすがに丸っと同じとまではいかないが、範囲、傾向、教師の性格、他諸々分かっているので大体は当てられるだろう。中間テストに関しては大丈夫だな。

 

それとあとは...

あいつの動向も見とかないとな。

 

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

 

中間テストまで1週間を切った。

俺達赤点救済組は、何としてでも赤点を回避するべく、毎日勉強に励んできた。

途中試験範囲の変更が伝え遅れるなどハプニングがあったものの、逆にそれが須藤達のやる気をより引き出したこともあり、勉強は順調に進んでいると言っても過言ではないだろう。

だが、それでも危ないことは危ない。

そもそもスタートのレベルが、連立方程式が分からないだ。この1週間確かに頑張ってきたが不安の種は取り除いておくに限る。

 

昼休みになって、俺はある目的のためにそそくさとDクラスから出て、食堂に行く。

 

「どこ行くのっ?」

 

そんな俺を見て櫛田が後をつけてきた。

 

「昼だし飯食おうと思って」

 

「じゃあ私もご一緒していいかな?」

 

「別に、それはいいけど。櫛田なら相手はいくらでもいるだろ」

 

「一緒に食べる友達はたくさんいるけど綾小路君は1人だから。それにいつもは堀北さんに声をかけていくのに急に1人で出ていくからどうしたのかなーってね。気になっちゃった」

 

相変わらずというかさすがだな。よく周りを観察している。

しかし困ったな。人がいるとやり辛い。

まあでも櫛田の秘密を俺は偶然知ってしまった。迂闊なことはしないだろう。他言しないように念を押して、一緒に食堂に行くことにした。

 

 

 

 

 

 

食堂はいつも通り盛況で、食券の券売機も人がたくさん並んでいた。

俺と櫛田はその列に並んで食券を買い、

席に着く...ことはなく、そのままメニューを選んでいる人達の観察を開始した。

 

「何してるの?」

 

突如観察を始めた俺に、不思議そうに尋ねる櫛田。

 

「これが俺の気になっていたことへの、答えに繋がる可能性がある」

 

そう言って俺は、たった今山菜定食を受け取った先輩に目を付け、正面の席に腰をおろした。櫛田は隣の席に座っている。

 

「あの...すみません、先輩ですよね?」

 

「え?何だお前」

 

「2年ですか?3年ですか?」

 

「3年だけど、お前1年だよな?」

 

「Dクラスの綾小路って言います。多分先輩もDですよね?」

 

「そうだがお前に関係のあることか?」

 

隣で櫛田が驚いているのがわかった。

この人が食べているのは山菜定食。ポイントに余裕があるのに美味しくもない山菜定食を進んで食べる人などよっぽどの物好きしかいないだろう。

 

「少し相談があるんです。聞いて頂けたら、お礼もするつもりです」

 

「.....礼?」

 

周囲は喧騒に包まれていて、俺たちの声は小さくてよく聞こえないだろう。近くの生徒も談笑に夢中のようだ。

周りに聞き耳を立てている人もいないだろうし。先輩のとなりの席は空席だしな。

 

「1年生の1学期の中間テストの問題を持っていませんか?もし先輩かクラスメイトに過去問を持っている人がいればそれを譲って貰いたいんです」

 

「お前、自分が何を言ってるか分かってるのか?」

 

「別に不自然なことじゃないでしょう。学校のルールには抵触しないはずです」

 

「何で俺なんかにそんな話を持ってきた」

 

「簡単なことです。ポイント不足に困っている人なら相談にのってくれる確率が高いと思ったからです。現に先輩は美味しくもない山菜定食を食べていますし。好きで食べてるなら別ですが」

 

そう言うと先輩は諦めたようにこちらに目を向けた。

 

 

そこからはトントン拍子だった。先輩とポイントの交渉をし、15000ポイントで過去問を譲って貰うことになった。念のため小テストの過去問もお願いしたときの先輩の反応を見て、これは有益な方法だと半ば確信した。

 

「ね、ねえ綾小路君...今の.....そんなことして大丈夫なの?」

 

「大丈夫だろ。ポイントのやり取りは校則に反しない。過去問もダメならダメと言われるはずだからな」

 

「そうだ。だから問題な.....ん、桂木?お前いたのか?」

 

櫛田からの疑問に答えようとしたら目の前の席、正確にはさっきまで先輩が座っていた席の隣に桂木が座っていた。手元にはいつも通りゲームを持っている。

しかしおかしい。俺は周りに人がいないか細心の注意を払っていたはずだ。誰かが近くに寄ってきたらさすがに気付くはずなのだが.....

 

「ちょっと前から座ってた。それよりその過去問作戦、思いついたのは綾小路か?」

 

この質問...まだ誤魔化せるか。

 

「いや櫛田が思い付いたのを俺が実行しただけだ。なあ櫛田」

 

「え?あ、うん...そうだね。私が綾小路君にお願いしたの」

 

櫛田がどう言うこと?と言わんばかりの目でこちらを見てきたが、ここはしょうがないので話を合わせて貰う。

 

「そうか。その過去問、クラスの奴らに配るのか?」

 

「うん。そのつもりだよ。過去問があれば皆助かるだろうしね」

 

 

ピロン♪

 

 

メールが来たな。思ったより早い。ちゃんと小テストの問題も添付されている。

.....どうやらパッと見同じ問題のようだ。やはり予想は当たっていた。

 

「それ、例の過去問か?」

 

「ああ。今送られてきた。確認したが、小テストの内容が丸々同じだ」

 

「...小テスト」

 

桂木が小テストというワードに反応した。やはりこの男、気付いていたか...

 

「櫛田が小テストの問題も添付するように言ったのか?」

 

「そうだ。俺も最初は意味が分からなかったんだが、どうやら小テストの問題も例年同じ可能性が高かったみたいでな。念のため添付して貰った」

 

櫛田は話の流れに付いていけてないだろう。だが、こいつに俺が立案したことがバレると、後々面倒なことになりそうな気がする。

 

.....もう手遅れのような気もするが。さっきからずっとこっちを見てくる。

 

「その過去問、配るのは前日にしておいた方がいいな」

 

「え、どうして?」

 

「ああ、それは俺もそう思う。下手に配って慢心して、全然やってない状況になるのが一番危険だ。前日の方がいいだろう」

 

「た、確かに」

 

「それじゃ僕はこれで」

 

「あ、うん。またね、桂木君!」

 

桂木はそのまま去っていった。相変わらずとことんマイペースな奴だ。

しかし桂木か.....あいつは高円寺と並ぶ不確定要素だな。

 

「じゃ、綾小路君」

 

「ん?」

 

「説明して貰うよ?さっきの話の内容を」

 

表情は笑っているが、目の奥が笑っていない。

この後昼休みが終わるまで、櫛田に話の概要を延々と説明した。

 

 

 

 

*

 

*

 

 

 

 

ついに中間テスト前日になりました!

皆さんそわそわしていて、朝から落ち着かない様子です。

私ももちろん緊張していますが、隣の席のにーさまはいつも通りゲームをしています。この自信?胆力?が羨ましいです。

しかしこの前のにーさまはヘンでした。

突然昼休みに付いてくるように言ったかと思えば、いつもの食堂に行き、透明化して綾小路さんと櫛田さんと、どなたか分からない先輩の会話を盗み聞きするようなことをして。しかも結局透明化をといて、綾小路さん達と少し会話したらさっさと帰っていきました。私も側にいましたけど過去問がどうとか言っていた気がします。いったい何だったんでしょう?ダメですよ!盗み聞きなんかしちゃ!.....あれ?

そんなことをHRが終わるまで考えていたらあっという間に放課後になっていました。早すぎます!

 

「皆ごめんね。ちょっと私の話を聞いてくれるかな?」

 

帰る準備をしていると、教壇の前に櫛田さんが立っていて、クラスの皆さんに呼び掛けています。どうしたんでしょう?

 

「明日の中間テストに備えて、今日までたくさん勉強してきたと思う。そのことで、少し力になれることがあるの。今からプリントを配るね」

 

櫛田さんが、列の一番前の人にプリントを配っていきます。届いたプリントを見ると、何かのテスト問題のようです。

 

「実はこれ、過去問なんだ。昨日の夜、3年の先輩から貰ったの」

 

過去問?そういえば最近過去問ってどこかで聞いたような.....

 

あ!!

 

何か引っ掛かると思ったら、そういえば例の昼休みににーさまと櫛田さん達が話してました!

 

「にーさま達がこの前の昼休みに話してたことですか!?」

 

「そうだけど、周りに言うなよ。面倒なことになる」

 

「あ、はい分かりました~」

 

「実は一昨年の中間テスト、これとほぼ同じ問題だったんだって。だからこれを勉強しておけば、きっと本番で役に立つと思うの」

 

それを聞いて、クラスの皆さんは歓声をあげました。

特に池さんや山内さんなどの喜ぶ姿が、なんというかすごいです。

 

あれ?というか今気付きましたけど、この過去問の問題、にーさまが作ってくれた問題とほとんど変わりませんね。やっぱりにーさまはさすがです。

どうやら波瑠加さんも気付いたみたいで、こちらを驚いたように見つめています。

 

「にーさま、問題ほとんど同じですね」

 

「ああ。初回の中間テストにしては当たった方だな。でも必ず同じ保証はないから、ちゃんと今夜も勉強しとけよ」

 

「はーい」

 

 

 

 

ついに明日は本番です!!!




原作と被る部分が多いのでつまらなかったら申し訳ないです。
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