信長の野望・宇宙世紀乱世伝withパワーアップキット 作:雑草弁士
俺のザニー改が、120mm低反動キャノンを発砲する。それは吸い込まれる様に、頭飾を付けた中隊長機のS型ザクⅡの胴体に命中。S型ザクⅡは一瞬で爆炎に包まれ、火球となって爆散する。他のザクⅡは、明らかに動きに動揺が見られた。
運よく1発で敵の中隊長を
大方はいつものF型ザクⅡだったのだが、その中に中隊長機であるS型1機ともう1機、動きからしてエース級だとはっきり判る相手が混ざっていた。……脛部分にバーニアノズルが多く突き出している、あからさまに高機動タイプと見ゆる新型だ。以前捕まえた捕虜によれば、R-1型と言うらしい。
俺はそれの相手をいつもの様にクラークに任せ、
そして今、俺が敵指揮官のS型を撃墜するのとほぼ同時に、クラークのザニー改がR-1型を火球に変えた。俺は思念でエミリア少尉、クラーク、グレースに命じる。
(よし! 敵が動揺している間に、一気に残りを叩くぞ!)
(((了解!!))
「ボール部隊! 敵の
『ザザッ了解! 頼んだぜ! ザザザザ……』
そして口頭の通信でボール部隊に連絡すると、まだまだ元気いっぱいの返事が返って来る。俺たちは、指揮官とエースを喪失して右往左往する敵に襲いかかった。奴らを片付けてしまえば、輸送艦隊を護る戦力は無い。一応降伏勧告はするが、たぶん撃沈する事になるんじゃないかな。多くの奴は、狂信的なザビ家信者だし。
全ての輸送艦を
「こちらS.T.S.C.第3小隊小隊長、サブロー・オダ中尉」
『こちらザザッミス級キプロス艦長、ハリスン・ダックワース中尉。オダ中尉ザッザザご苦労だったな』
「はっ。ありがとうございます」
向こうのキプロス艦長ダックワース中尉は、このままいけば大尉昇進も間近な先任将校だ。俺みたいな『にわか』中尉とはわけが違う。充分な敬意を払う必要があった。
『とりあえずザザザちらとしてはこのローテーションで最後の襲撃を、成功裡ザザ終わらせる事ができた。感謝している。
ああいや、貴官らの腕前があってこそだザザッ言うのは分かっている。ザニーでは、そろそろ限界だと言う話も聞いてはいるしな』
「次のローテーションの味方艦隊が来れば、自分たちもようやくルナ2に帰還できますよ」
『貴官らはザザッ本来3交代のローテーションの1巡目を、ずっとこちらの宙域ザッはり付いて、襲撃部隊の面倒を見ていたものな。ワッケイン司令にザザザッ見込まれると言うのも、大変な物だな。ははは』
そうなんだ。通商破壊の襲撃が軌道に乗るまでと言う事で、他のサラミス級やボール搭載型サラミス級、それにボール部隊やコロンブス級輸送艦が交代でルナ2に帰還する間も、俺たちはずっとここ、サイド5暗礁宙域にはり付いてたんだよ。ようやく襲撃部隊のローテーションが1巡したんで、これでルナ2に帰れるってわけだ。
ちなみにネルソンのブリッジの、ウェイド艦長をはじめブリッジクルーも安堵した顔をしている。コロンブス級輸送艦から補給は受けていたと言えど、流石に1ヶ月も現場にはり付きっぱなしと言うのは無茶があった。他の艦やボール部隊は1週間から10日前後の期間でルナ2に帰れてたからな。
まあ、ルナ2に
そんなこんなで、次の交代の小艦隊がやって来た。その内訳は通常型サラミス級マダガスカル、ボール搭載型サラミス級タイペイ、バフィン、コロンブス級オキノトリシマ。そして……コロンブス級輸送艦を改装した
そして改装
この
彼らは基本的に、元々はルナ2航空隊のセイバーフィッシュやトリアーエズのパイロットたちだったりする。まあ稀に元整備兵とか元陸戦隊員とか居たりするが。現状で、1個半中隊、つまり増強中隊規模があり、部隊長は元ルナ2航空隊のカーティス・アンカーソン大尉だ。
彼らは旧ルナ2基地
そして5日半ばかり前に、彼らはルナ2基地を出立したわけだが、その際にはなむけ的な感じで配備されたのがRGM-79(E)初期型ジムである。この初期型ジムは今のところ4機の予備機を含めて32機生産されている。これがルナ2
でもって、そのルナ2
ちなみに俺たちがルナ2基地に帰った頃には、もう4機ばかり新品のRGM-79(E)初期型ジムが完成している予定だ。それがそのまま俺たちに引き渡されるらしいが。まあ速攻でマグネット・コーティング処置を施さないといけないな。今使っているザニーの皮を被ったV作戦のおこぼれ
そして俺たちの乗ったネルソンを含んだ小艦隊は、いよいよサイド5暗礁宙域を離れようとしていた。
「ようやくルナ2に帰還できるな……」
「隊長、帰還したら新しい
「RGM-79(E)だよね! ルナ2
「ザニー改も、部品精度のトラブルとか出させないために色々デチューンしてる機体だからね。たぶんマグネット・コーティング処置すれば、現状のザニー改を超えるとは思うわ。それと装備品も、今のよりは良い物が完成しているはずよね」
俺たち第3小隊は、
だがそんな時、俺たちの脳裏に悲鳴が響き渡る。
(きゃあああぁぁぁ!!)
(わあああぁぁぁ!?)
「!? 今の悲鳴は……」
「2人いたわよね!?」
「……ブリッジに行くぞ!」
俺たちは、壁を蹴って無重力の通路を飛び、ブリッジへ急いだ。俺たちがブリッジに飛び込むと、そこではブリッジクルーの奴らが泡を食った様子で働いている。ウェイド艦長が俺に声をかけて来た。彼らにも、先程のニュータイプ能力による感応の叫びは聞こえていた模様だ。
「オダ中尉! 今の叫びは……」
「まだわからん、艦長。だが、ただ事じゃなさそうだ」
「! 艦長、オダ中尉! サラミス級マダガスカルと、キプロスより通信が入っています!」
「スクリーンに出せ!」
通信士の声に、ウェイド艦長が命令を下す。メインの大スクリーンを2分割して、マダガスカルとキプロスのブリッジ内部が映し出された。
『こちらサラミス級マダガスカルのリード中尉』
『こちらサラミス級キプロス、ダックワース中尉。ネルソン級ネルソン、応答せよ』
「こちらネルソン艦長、ウェイド少尉です。いかがなさいましたか?」
『ああ、いや。宙域監視網が、ジオン方面よりの敵影を探知した。キプロス以下の通商破壊艦隊第3班は、一時出航を中止して待機する』
『うむ。ただしその敵の対処はこちらマダガスカル以下の通商破壊艦隊第1班で行う。貴官らは今まで大変だったからな。休んでいてくれて構わんよ』
ありがたい言葉をくれるリード中尉だったが、俺は異論を唱える。
「こちらオダ中尉です。リード中尉、それはありがたいのですが……。ネルソンと我々S.T.S.C.第3小隊だけでも出撃しようと思います」
『そうかね?』
「アンダーヒル中尉の
リード中尉とダックワース中尉が、共に頷く。そうして俺たちの出撃が決まった。
母艦であるネルソンのカタパルトから、俺たちのザニー改が次々に射出される。俺の機体は隊長機なので、やられる可能性を可能な限り減らさにゃならんので、最後に射出される事になっている。いや本当ならば、一番強いのは俺だから、俺が最初に出た方が小隊としては安心なんだが。規則だから仕方ない。
『中尉、進路クリア! 発進願います!』
「オダ中尉、S.T.S.C.03-00! 出るぞ!」
強烈なGが掛かり、俺のザニー改が宇宙空間へと射出される。真っ先に発艦したクラーク機、俺より先に出ていたエミリア少尉機、グレース機が俺の機体の周囲に集まり、フォーメーションを組んだ。
一方トラヴィス小隊の初期型ジムたちだが、彼らの母艦がコロンブスの改装型であるイオージマだったため、前線に持って来るわけには行かない。そのため彼らは機体をサラミス級マダガスカルの甲板に露天係止し、襲撃開始位置まで運ばれていた。今は既にマダガスカル艦上から離床して、俺たち同様にフォーメーションを組んでいる。
(ほう、訓練期間が短いなりに、かなり見事なフォーメーションだな。ちょっとばかりAMBACに慣れてないのか、推進剤を使い過ぎ気味だが)
(まあ、元がルナ2の航空隊だから。普通に宇宙戦闘機を扱ってのフォーメーションは、多々経験があるもの。AMBAC機動に慣れて無いのも、仕方ないわね)
俺の思念でのボヤきに、エミリア少尉が答える。まあ、確かにその通りだな。更にはボール搭載型サラミス級タイペイ、バフィンより、合計12機のボール部隊が発艦して行くのが見える。そしてマダガスカルの観測班が敵影を捉えた模様で、リード中尉から命令が下った。
『敵影を捉えザザザッ! 先頭にソドン級巡航艇、少ザッ後方にそれを護衛中と思しきMS3機! その後ろにチベ級! ザザザ
『待ってくださいリード中ザザッ! ザザザ先頭のソドン級巡航艇から、投降信号受信! ザザザッ』
『な、何ぃっ!?』
ネルソンのウェイド艦長の叫び声に、リード中尉が呆気に取られた。トラヴィス小隊の初期型ジムたちも、慌てて動きを止める。ボール部隊も、戸惑った様に右往左往していた。
そうなんだ。あの先頭にいるソドン級巡航艇からは、恐怖と助けを求める叫び声が、切れ切れに俺たちの脳裏に届いていたんだ。投降信号を出しているって事は、後ろの
たぶんあのソドン級には、ジオンを見限った脱走者が乗ってでもいるんだろう。そしておそらくは、ニュータイプ能力者がいる。あの叫び声からは、年端も行かない子供の様に思えたが……。
「リード中尉! ソドン級を保護する命令を! おそらくはジオンからの脱走者! 上手くすれば、奴らの内部情報が見込めます!」
『わ、わかっザザッ! 全部隊、ソドン級巡航艇を護れ! 追手らしき敵部隊をザザき潰すぞ!!』
『オダ中尉! 我々ザザザどうすべきだ?
「トラヴィス中尉の隊はボール部隊を護衛、先導してチベ級を叩いていただけますか? あの3機の
『……少々悔しいが、ザザッちらは
そして俺たちの小隊は、ソドン級の方にザニー改を向かわせる。数発の被弾をしたソドン級は、煙を吐いていた。ちょっとヤバそうだ。俺は120mm低反動キャノンの狙いを、R-1型と思しき黒いザクに向ける。そして発砲。クラーク機、エミリア少尉機、グレース機も俺に倣い、他の黒いR-1型ザクⅡを撃った。
ほう……? 黒いザクは、こちらの120mm弾を右肩に装備されたシールドで受けた。1機だけじゃなく、3機ともだ。外れた弾丸こそ無かったが、相手のシールドを多少傷つけた程度で終わった。
そして黒いR-1型ザクⅡが、こちらへ突進してくる。凄まじい『
先頭の黒いR-1型ザクⅡの持つザクバズーカが、俺のザニー改に向けて発射された……。
というわけで、突然ソドン級で脱走者? が逃げてきました。しかも子供のニュータイプを連れて来てる? いったい何者なんでしょうか。
そしてその追手らしき、黒いR-1型、もしかしたらR-1A型かも知れませんが、黒い高機動型ザクⅡ3機。R-1Aかどうかとかは、その辺は情報不足で主人公には分かりませんが。いったい黒い何連星なんだー。