やってみせろよダービー!なんとでもなるはずだ!   作:てっちゃーんッ

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設定は公式から生まれました。
二次創作ではありません。
サイゲのオリジナルです。
しばし筆記の遅れを取りましたが。
今や巻き返しの時です。
「生地は好きよ」
ふわふわ系が好き?
結構…!ますます好きになりますよ。
さぁさぁどうぞ。
ファースリッパのニューモデルです。
快適でしょ?
ああ!おっしゃらないで!
素材は生地。
でもレザーなんて見かけだけで。
夏は暑いし、よく滑るわで。
蒸れるわで、碌なことない。
天井はたっぷりありますよ(ガチャ)
どんな爆死の方でも大丈夫(無責任)
どうぞ回してみてください(10連)
いいふわふわでしょ?
余裕な満足感だ。
馬力が違いますよ。
「一番気に入ってる」
なんです?
「布団乾燥機よ」
ああ!?なにを!?
待って!
ここで動かしちゃだめですよ!
待って!!!
止まれ!!!




夜更かし気味が治った▽





第41話

 

 

夏合宿を終えたが、まだ8月。

 

マフティー性を奪い取る季節はまだ続く。

 

さて、強化合宿で担当ウマ娘は存分に追い込んだため8月が終わるまでは全員フリーにしてある。

 

つまり練習はひとつもない。

 

9月からまた再開する予定だ。

 

それでも自主練を行うウマ娘はいる。

 

それもオーバーワーク気味に。

 

ただ一人、アドマイヤベガだ。

 

 

 

「その年で三週間丸々参加したんだ。疲労が抜けてないのに自分を痛めるように走り込んでは夏の頑張りがパーになるぞ」

 

「今回は…たまたまよ。少し攣っただけ。心配ないわ。ケアは怠ってないから」

 

「君がケアはちゃんとしていることも知っている。自主練のデータもちゃんと報告してくれるのもな。でも俺の眼に付いた以上は君を制限する」

 

「なに?罰でも与えるの?」

 

「おお?むしろ欲しい?それならシービーが喜んでやってくれるぞ」

 

 

ガラガラ

 

 

「やほー、アタシを呼んだかな?」

 

「!?」

 

「噂をすればだな」

 

 

ガラガラとトレーナールームの扉が開く。

 

夏休みなのにこの場所までやってきた彼女の姿にアドマイヤベガは驚くが俺はそこまで驚かない。

 

何故なら去年も、その前もあったから。

 

さて、休日にも関わらず軽くワーカーホリック拗らせてトレーナールームにいる俺の姿はともかく、珍しくアドマイヤベガもいるこの賑やかさにピコピコと耳に喜びを表すミスターシービー。

 

その片手には数冊ほど持ち込んだライトノベルと袋に詰め込まれたハンバーガー達。

 

クーラーの効いた涼しいこの場所で今日は過ごすつもりだろう。

 

それよりよくわかったな?俺がいることが。

 

実はお気に入りのオンラインゲームがメンテナンス中で何も出来なかった。なので午後は休日返上してやって来たのだが、たづなさんに見つかって「ええ!?」と驚かれてしまった。

 

ちなみに「たづなこそ休日にいるじゃないか」と返せば「それはそれ!これはこれですぅ!」と眼の色がトキノミノルして怒っていた。

 

ほんの少し怖かったのは内緒である。

 

夕方までには帰ることを条件に仕事を片付けようと思ったら、学園の窓からアドマイヤベガがターフに向かう姿を見かけたので気になって様子を見に向かったら、ちょうど脚を痛めたところだ。

 

見てしまったからには指導者として止めることにした。

 

彼女にはシャワーを浴びたらトレーナールームに来るように告げると素直に戻ってきた。

 

なので軽く注意をしようとしたそのタイミングでミスターシービーがやってきたところだ。

 

 

「アドマイヤベガがお仕置きを受けるってさ」

 

「はぇ…!?」

 

「ふーん?…どんなことするの?」

 

「そうだな。とりあえず…ほぐすか」

 

「文字だけに表すとセクハラだね」

 

「ケアと言え。とりあえずその悪い子を後ろから捕まえたままソファーに座って」

 

「りょうかーい。それじゃお一人様ご案内」

 

「!、!?、!!」

 

 

いつのまにか回り込んでいたミスターシービーに驚くアドマイヤベガ。

 

知らなかったのか?

無敗の三冠ウマ娘から逃げられない。

脚質的な意味でもそれは仕方ないのだ。

 

 

「ぁ、あ!ちょっと…!」

 

 

後ろから抱き上げられたことでジタバタ始めるアドマイヤベガの耳元にミスターシービーが「おやおやおやおや」とか「悪い子ですね」とか「アヤベは可愛いですね」と深淵を込めてニヤニヤとしていた。

 

お前の愛情はヤベー方だぞ。

 

まあガンダムにも似たような奴はいたが。

ちなみに被害者ウッソ・エヴィン。

 

それで「か、かわいくなんて …!」と否定するアドマイヤベガだが、ミスターシービーには通じない。

 

実のところ夏合宿で着せ替え人形にされていたアドマイヤベガ。まだまだ子供だけど素材の良さは可愛がられる対象となり、ダイタクヘリオスから写メとして送られてきた浴衣姿のアドマイヤベガと同じ浴衣姿で並んでいたマンハッタンカフェとのセットは随分と可愛らしかった。

 

馬子にも衣装ってそう言うことかな。

 

 

「う、腕だけで…!? ぐ、ぬぬっ…! 力が、強い…!!」

 

「で、どうするの?」

 

「とりあえず脚を見るのでそのまま座っていて」

 

「わかった」

 

「っ、せめてもっと普通のやり方にしてくれない…!?」

 

「ミスターシービーの膝の上とか早々ないぞ?それに彼女は助手だ。何の問題もない」

 

「とりあえず大人しくしようね?アヤベの脚を気にしてるのは間違い無いから。それで断らせないための処方だから。なので今は力ずくに移らせてもらうよ、アヤベ」

 

「っー!」

 

 

強引なのは否定しないが、個人的なわがままを通して断られても困るので同じウマ娘のミスターシービーの力を借りながらアドマイヤベガを大人しくさせる。

 

そして容易く腕だけで押さえている。

 

やはり彼女のパワーはすごい。

 

それから観念したアドマイヤベガの靴とソックスを脱がして、アルコールで消毒しながら足首やふくらはぎに触れる。

 

 

「いっ…!」

 

「気づいてない痛みだな。これが引き金になると怖いところだ」

 

 

アドマイヤベガの表情を確認しながらあらゆる箇所を触れて、捻って、押したりと、繰り返して、ついでに片足の調子を確認する。

 

生まれつき歪んでいた脚だ。

 

元トレーナーだったアドマイヤベガの父がアドマイヤベガの脚を矯正していたが、専門では無い。その日その日に騙す程度。まあそのおかげで今も走れているからトレーナーとして正しいことを続けていた父に感謝する。

 

それを台無しにするのは俺が許さないし、マフティーに求めていたアドマイヤベガの父のためにも、マフティーたらしめてきた俺がマフTとしてアドマイヤベガの脚を守る必要がある。

 

 

「それでもただの疲労だな。力が入りづらくなってるからコーナーで加速する際に負担が掛かる。それで耐えれずに捻った感じだ」

 

「…」

 

「そんな顔するな。すぐ良くなる。てかここで俺が治す」

 

「マフTのマッサージは別格だからね」

 

 

ただのスポーツマッサージなのだが、この世界では肉体の作りが違うから前世の技術が噛み合った結果、殆どの疲労を取り除いてしまう。

 

そんな嬉しい誤算から始まっただけの話。

 

まあ真実を話すとややこしくなるのでこれに関しては隠しておく。

 

 

「……また、走れる?」

 

「走れる」

 

「そう…わかった。なら、もう勝手にして」

 

「アヤベー?そんな態度は良く無いよ?」

 

「ぅ…」

 

「別に構わないよ。さあ、本格的に始めるぞ」

 

 

彼女は一人で戦ってきたこと座の戦士だ。

 

一人で二人分なんでも熟してきた。だからこうして支えられることに慣れてないだけの話。

 

あとは純粋に思春期だからと言うことにして俺はタオルとマッサージ用のオイルを取り出す。

 

ミスターシービーは抵抗しなくなったアドマイヤベガをソファーの隣に下ろしながら、力を抜いてもたれ掛かれるようにクッションなどで場所を作る。

 

この子はなにかとふわふわが大好きなので、人もウマ娘もダメにするクッションは購入している。

 

届いた時真っ先に機嫌が良くなったのはアドマイヤベガなのは皆知っている。

 

本人は否定していたが、そこら辺を分かっているマンハッタンカフェは微笑ましそうに彼女を見ていた。愛されてんな。

 

 

「力は抜いて。脚は任せて」

 

「……うん」

 

 

まだまだ未熟な一等星の足にオイルを塗り込んで皮膚を柔らかくして滑りをよくする。

 

一応夏合宿中や学園に帰った後もマッサージなどで全員分のケア、または施術は行って予防している。

 

まあそれでも心の疲れは取り除けない訳で、心が体が追いつかないアンバランスな状態で体作りに行き急いでも怪我するだけだ。

 

特にアドマイヤベガはまだまだこれからで、まだまだ成長段階の真っ只中。

 

本格化も来てないその状態で急いだところで骨をすり減らしてしまうだけだ。

 

こんなところで故障を起こして走れなくなるなんてもったいない。そんなのスカウトした俺が許すわけがない。

 

大丈夫、アドマイヤベガは強くなる。恐らく本格化に入った時ジュニア級で最強になる。マンハッタンカフェのように、誰よりも先を進んだ状態で中央に挑めるようになる。

 

そしてそれはマンハッタンカフェ以上になるだろう。

 

そんな一等星のウマ娘。

 

この世でここにしか存在しないのだから。

 

 

 

「ここはいつもよ……いつもよ。いつも、いつも…うるさいんだから……」

 

 

 

溢すように。

 

諦めたように、アドマイヤベガは呟く。

 

 

「そうか?ヘリオスがいないから特段静かだと思うけどな」

 

「そう言う意味じゃ……ああ、もう…!」

 

「冗談だよ。まあでも、そうだな… 窮屈に生きることが自分のためだと思っていた者からしたらこの学園はなかなか落ち着かない場所だ」

 

「マフTはカボチャ頭で窮屈だからね」

 

「誰にも理解されないだろうその孤独を覚悟した結果だ。窮屈なのは仕方ない。…… シービーのお陰で俺はそこまで窮屈には思わなかったけどな」

 

「あははは、そうだね」

 

 

笑いながら肯定するミスターシービーは俺の隣に落ち着くとそのまま肩に寄りかかってきた。

 

少しやりづらいがそんなミスターシービーは気にしない。彼女は続ける。

 

 

「でもアタシだって静かな場所は欲しいよ。皆が去り行く雨の下でアタシは一人ずぶ濡れになる。これは誰もやりたがらない世界だから、その孤独感は時折心地よくなる。そして… これはアタシにとって必要な窮屈だよ」

 

 

そう言いながら腰に尻尾を巻きつけて、施術の邪魔にならない程度に密着する。

 

それからフサフサのウマ耳がてしてしとちょっかいをかけてくる。

 

ああ、たしかに……これは窮屈だな。

 

 

「もしくは、アヤベにとってのうるさいは熱なのかもね」

 

「熱…?」

 

「うん」

 

 

__例えば、こんな感じかな。

 

そう言ったミスターシービーは立ち上がるとアドマイヤベガのとなりに座って、先程俺に行ったことと同じように密着する。

 

唐突な接近を受けたアドマイヤベガはクッションに預けた体を起こしそうになるが、ミスターシービーが人差し指で彼女のおでこを押して起き上がらせないようにした。

 

 

「こんなこと誰にもされたことないでしょ?いや、そんなことないかな。あのパリピが色々とゼロ距離してくるから、その鬱陶しさが星空だけ眩しい暗がりの下で歩んできた自分にとって未知数なんだ。アヤベはそうなんだと思う。恐らくこれまで隣に眩しくて、鬱陶しいモノなんて無かったかな?」

 

「…」

 

 

彼女は常に一人で戦ってきた。

 

それが正しいと考えて、それが使命と覚えて、それが一等星に対する贖罪だと感じたから。

 

唯一、マフティーは救いに繋がる正しいモノだと信じていたから、俺の真似をすることで果たされるならその概念をどうにかして背負おうと走っていた。だから人肌に頼ることは元トレーナーだった父を除いてアドマイヤベガには常に孤独がある。

 

しかしそれが寂しいなんて思わない。

 

彼女はそんなことを思わない。

 

それを窮屈だなんて考えない。

 

彼女のデフォルトはこれまでそうだったから。

 

 

「この学園では一人で走るなんて少なからず無理だと思うよ。ここは特別な世界。何かに染められてしまう恐ろしい世界。秘密に塗れたウマ娘が走るそんな世界。それが中央と言う魔境なんだから、自分一人だけが進むなんて不可能だよ。望まない熱だとしてもこればかりは退けれない。

だから__狂うんだ」

 

 

アドマイヤベガのおでこを抑えていたミスターシービーの人差し指はいつのまにか頭を優しく撫でていた。

 

振り払う素振りはない。

 

彼女の言葉に込められた意味を考えていたから触れられる頭は気にならない。

 

むしろ心地よさを感じているのかは、それは本人だけが知る感情。

 

まあ前者だろうが。

 

 

「断言出来るよ。アヤベは絶対にこの意味を理解して走るようになる。そしてアヤベ自身が証明するよ」

 

「証明…?」

 

「この学園で一番強いと言うこと」

 

「わたし、が…?」

 

「うん。だってスタートラインはアヤベが過去最高に早いんだよ。アタシも大概だったけどアヤベは格段に違う。何故だか分かる?アヤベは幼い頃からマフティーを知ったから」

 

「!!」

 

 

ミスターシービーが言うからその意味の重さは変わる。

 

マフティーの元で駆けた彼女だからこそ言える言葉があり、彼女はマフティーを証明した。

 

 

「アヤベはアタシと同じだね。マフティーを知った者同士だ。そしてマフティーを求めて走ろうとしたウマ娘だ。カフェも似たような感覚だけど、でもアタシの半分くらいかな。カフェは見えないモノが見えると思ってマフティーを欲したから。マフTはウマたらしだからホイホイ受けちゃったけど」

 

「人聞きの悪いことを」

 

「いいのか?ホイホイ請負って。マフTはウマ娘だって構わずたらしちまうトレーナーなんだぜ?」

 

「たらしてるつもりはない。あとカフェに関しては奥多摩でたまたま出会っただけだから」

 

「あっははは!そういえば奥多摩だったね!あーあ、また行きたいな。奥多摩まで走りに」

 

「………そうだな。考えておくか」

 

「本当?好きー」

 

「…こいつは……」

 

「あっははは、カボチャ頭ないから表情に困るね、マフT」

 

「あってもなくても変わらなそうだけどな、シービー」

 

「そうかな?…うん、そうだね。そうであって欲しいかな…」

 

 

その言葉はどんな意味だろうか。

 

仮にその意味が分かったとしても俺は気づかないフリをして施術を続け、シービーはその沈黙に対しても満足気な顔をしながらアドマイヤベガの使っているクッションに寄りかかって目を閉ざし、色々と無抵抗になったアドマイヤベガはシービーの言葉の意味を虚気に考えながら天井を半目で眺め、自動で動くクーラーの音だけ響き渡る。

 

それからしばらくしてアドマイヤベガの足の疲れを取り除き、日々の矯正もこのタイミングで完了した。

 

自分の手と、アドマイヤベガの足を消毒するとその冷たさに耳がピクンと動き、少しだけ眠そうにしていたアドマイヤベガの眼が開く。

 

起こしただろうか?

 

俺は「そのままで」と一言。

 

アドマイヤベガは首を傾げずとも眼で「まだ何かやるの?」と傾げる。

 

俺はその場から立ち上がり、アドマイヤベガの後ろに回るとクッションの位置を調整して「頭触るぞ」と一言失礼する。

 

 

「んぇ…?」

 

「眠気と戦いすぎると凡ゆる管理能力が下がって効率が悪くなる。アスリートの場合、練習効率だな。育成ゲームで良くある事故率的な感じだけど、まあそこは気にしなくて良い。少しだけ頭は任せてくれ」

 

「へんなこと、しないでよ…」

 

「保証はするし、効果の保証もする」

 

 

スポーツマッサージはあくまで肉体疲労の回復を目的とした技術だが、回復力を上げるには血行を良くするのが大事。

 

そして血行を良くした上での食事が大事。

 

まあ食事が云々は彼女たちに任せるとして、スポーツマッサージの技術は純粋にリラクゼーションとして疲れを取り除くこともできる。

 

スポーツマッサージもリラクゼーションも過程は違うが、目的は一緒。

 

サッカーとフットサルくらいの違いだが、脚を使ってゴールネットにボールを放り込むことは変わりない。

 

そんな勝手な印象だとして、俺は過去でスポーツマッサージ師だったけど普通にマッサージも出来る。

 

それこそヘッドマッサージとかも可能だ。

 

 

「ぁ、ぁ、ちょ、それ、まっ…」

 

「まだ初等部だけど鍛えられている結果だよな、この疲れも。シービーの言う通り、君はすごいウマ娘だよ」

 

 

中等部に比べてまだ肉体は追いてない。

 

だが走り込んできた量は違う。

 

目的を持って鍛えた体は全く違う。

 

それは元トレーナーだったアドマイヤベガの父がいたお陰であり、地方のレースで中等部を相手にアドマイヤベガは勝利した。突然現れた芦毛のウマ娘も大量の焼き芋を頬張りながらアドマイヤベガに注目していたくらいに、彼女は結果を出した。

 

年齢も、学年も、劣る。

 

だがその強さを皆に証明はした。

 

それがこのウマ娘だ。

 

アドマイヤベガの父の同情を抜きにしても、俺自身がマフTとして、担当したくなったウマ娘だ。自慢にならないわけがない。

 

 

「(なぁ、樫本。俺はまだカボチャ頭を被る歪な器だけど、君が望んだトレーナーとして俺は歩めてる筈。だから羨ましいだろ?トレーナーだった者として)」

 

 

もうこの世にない、魂。

 

この世界に怯えきって、怯えきった上でこの世界に生きれなかった、魂。

 

語りかけてもこの体にあるのは前任者から貰い受けたファクターのみ。

 

それは語らない。

 

けど、もし、この場に前任者がいたとしたら。

 

歪ませながらもトレーナーになろうとした前任者は羨ましがる筈だろう。

 

多分、その筈だ……

 

 

 

 

 

 

「すぅ………すぅ………んん……すぅ…」

 

「随分とお疲れだったようだね、アヤベ」

 

「まだ自己管理が難しい年齢なのは仕方ないが、なにかと休むのが下手なんだよこの子は」

 

「頑張りすぎることが正しくて、頑張り過ぎなければ自分が許されない、そう思ってるみたいだからね。しかしそれが原動力になってるのかな、夏の強化合宿でも弱音なんて溢さず三週間丸々頑張って着いてきたんだもん。すごい子だよ、アヤベは」

 

 

ヘッドマッサージを受けて、溜まっていた疲れに勝てなかったアドマイヤベガがそのまま寝落ちすると、フカフカのクッションを膝に置いて横たわらせたミスターシービーはその頭を撫でる。

 

安心したような寝息を聞きながら一仕事を終えた俺もソファーに座ってタブレットを開く。

 

施術のデータ入力を行ってアドマイヤベガの練習メニューを再確認しながら気になるところだけ調整して、ほんの少しだけ質を落とす。まだ頑張りすぎる時期ではない。アドマイヤベガが中等部になるのは来年だ。本格化と合わせて練習量を増やせばそれで良いのだから。

 

 

「今年中にもう一回はレースに出したいな」

 

「アヤベの事?」

 

「ああ。夏超えたことで大いに変化しただろう身体能力を確かめたい。強化合宿に参加したんだからな。例外じゃないさ。冬頃の出走を考えて調整するかな」

 

「また地方に行くの?」

 

「デビューしてないから中央の息が掛かってないレースが必要だ。そのため地方になる」

 

「カフェがまた心配するよ〜?」

 

「梅雨明けに地方のレースでカフェは同行してアドマイヤベガの走りを見てたけど、心配いらないことがわかったらしい。まあ今年もう一度走ることを告げたらまた軽く一悶着起きそうだけどな。可愛がるのは構わないが、お気に入り故に過保護ってしまうのは困りものだな」

 

「マフTが言うと、そこそこ重たいね」

 

「俺はただ、君に走って欲しい。何も囚われないあのレースでもう一度ミスターシービーを見ていたい。無敗の三冠バがレースに絶対が無いことを証明してくれた、有マ記念で…」

 

「そっか…」

 

 

アドマイヤベガを撫でながら、隣に座った俺の肩にミスターシービーは顔を置いて、彼女の耳が触れる。

 

二人並んだ視線の先はこれまで出走したレースのトロフィー達。

 

その中に思い出深い真冬のレース、有マ記念が飾られている。

 

 

「もう、二年前なんだね…あのレースも」

 

「ああ、早いな…時の流れは」

 

「… ふふっ、君のカボチャ頭を外させるためにアタシは走ったよ。マフTの素顔を明かして貰いたくて、アタシは頑張った」

 

「そうだったな…」

 

「そしてカボチャ頭の中にあったのはなんてことない男性の顔。ほんの少しだけ冴えなさそうなお顔。でもマフティーたらしめて世間に促したアタシのトレーナーだった。それは間違いなくマフTと言う存在で、やっと出会えたような感覚だった…」

 

 

どこか愛おしさを込めたような声色と共に寄りかかっていた重さは一段と上がる。体の殆どを預けるように、そして全て委ねることに躊躇いのない彼女は目を閉じて、こちらの体温を奪い取るように密着する。

 

 

「マフT、あなたのお願いは聞くよ。

アタシはマフTの愛バだもん。

でも、代わりにね。

___アタシのお願いを聞いて欲しいな」

 

 

 

ああ、覚えている。

 

マルゼンスキーに挑む前の彼女から同じ言葉を聞いた。

 

お願いがある__そう、求めてきたミスターシービーを覚えている。

 

あの頃よりもまた一段と身長が伸びて、大人っぽさも引き立ったウマ娘が、俺がまだカボチャ頭を外せなかったマフティーだった頃を思い出させるように、繰り返して求める。

 

 

「アタシがもし一着になったらさ、マフTには選んで欲しいな」

 

「選ぶ??」

 

「そ、選ぶ。__マフTか、マフティーをね」

 

「??…どっちも俺だぞ?」

 

「そうかもね。でもこの意味はね、色々とちがうんだよ。でもそれは今度また教えるから。だから約束。アタシが勝ったら選んで欲しいものがある。マフTは差し出されたソレを絶対に選ぶこと。それがアタシのお願い」

 

 

マフTか、マフティー。

 

マフTまたはマフティーでは無いと言うこと。

 

どちらかを選び取る。

 

それは……なんだ??

 

 

「わかった、君が一着になったら、君の差し出されたモノを選ぶ。どんな意味でもな」

 

「ん、なら良い……ねぇ、まだこのまま寄りかかっても良いかな…」

 

「…動いたらアドマイヤベガが起きるかも知れないからな。だからもうしばらくは構わないよ」

 

「ん、ありがと」

 

 

そう言って腰に絡みつく尻尾は、独占欲。

 

それを察しながらも俺は言葉にも表情にも出さない。

 

気にしないフリをしながらタブレットを開いて出走表を見る。

 

 

次は毎日王冠を走るゴールドシチー。

 

調子が良ければそのまま秋の天皇賞。

 

もし参加するシニア級を相手に一着をもぎ取れるのならジャパンカップだって走るだろう彼女なら。

 

それからマンハッタンカフェ。

 

彼女はプレオープンを一度走ったきり今年は未定である。

 

数年かけて治した爪だが、まだ様子を見ながら今年はゆっくりと力を蓄えて、クラシック級で漆黒の摩天楼は聳え立つ。ミスターシービーを再来させるような走りを見せれる筈だ。マンハッタンカフェなら間違いなく。

 

 

そして、もう一人。

 

マイルCSを走るダイタクヘリオスのレース。

 

そして……憧れに挑むための有マ記念。

 

そこで初めて、俺の担当ウマ娘が勝負する。

 

まだ出走を表明していない。

 

ミスターシービーは誰にも話していない。

 

唯一、たづなさんにだけは告げている。

 

そしてダイタクヘリオスは知ったようだ。

 

ウマ娘は耳が良いから、どこかで聞かれたか。

 

でもダイタクヘリオスなら、よかったのかもしれない。マイラーに長距離レースは厳しくなるが、ウマソウルが太陽のように燃えたぎるダイタクヘリオスを見たらその心配はもしかしたら無いのかもしれない。

 

 

__なんとでもなる筈だ。

 

 

そんな言葉が無条件に流れる。

 

もしかしたら。

もしかしたらかもしれないから。

 

 

「……」

 

 

再度、目の前に並ぶトロフィーを眺める。

 

眩しい栄光の数々だ。

 

 

なあ、マフティー。

今の俺は担当たちのマフTか?

 

 

その問いかけは、永遠とテーマになる。

 

概念を背負ったピエロの演劇では無い。

 

これは間違いなく、俺の物語だから。

 

 

そして、ひとつの物語が今年で終わる。

 

いつのまにか増えている寝息。

三冠バだったウマ娘の穏やかな表情。

それはまだ休息であってほしい。

終わりじゃ無い、ちょっとした休息。

 

 

そして受け入れなければならないラストラン。

 

その日まで、その灯火を消させやしない。

 

だから。カボチャ頭を被せてでも火消から守る。

 

その姿はまるで…

 

 

 

ジャック・オー・ランタン…なのかもな……」

 

 

 

カボチャ頭の中の灯された鬼火のような___魂。

 

それは正に。

 

今の言葉の通りなのかもしれないから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、あれは本気か?」

 

「どうした、ナカヤマフェスタ?」

 

「ヘリオス先輩だ。あの眼は本気だな」

 

「…」

 

 

 

夏休みも終わり、九月。

 

まだ少し暑いが、走るには良い季節だ。

 

すっかり疲れも取れたアドマイヤベガを筆頭に皆は秋冬に向けて走り込む。

 

手加減する気のないダイタクヘリオスはゴールドシチーとマンハッタンカフェを置き去りにして走る、走る、走りきった。

 

笑みは絶やさない。

 

彼女らしさだから。

 

だかその眼は………本気だ。

 

 

 

「挑む奴の眼だな。それから初めて染めたような色だ。ぎこちなさを見え隠れさせている」

 

「ぎこちなさか…」

 

「ああ。だからこそ。その初々しさは生きていて一度だけの激情になるな。こりゃまた一つ楽しみが出来たな」

 

「経験者のように語る」

 

「私の場合そこに魅入られただけさ。それが今も続いているだけの話。ヘリオス先輩の場合はどうだろうな?()()()()()

 

「… 危険な事はわかっている。だがこの器がまだウマ娘に狂えるとしたら、それは正しいのかもな」

 

「他人事のように語る」

 

「今の俺はただのマフTだ。もちろんマフティーのことは信じているが、あったかも知れない概念であり、それは過去形だ」

 

「だが今もカボチャ頭を被れているのはその軌跡があったからだろ?なら心配なんかしてないだろうに、あんたと言う生き物は」

 

「それを大声で言えるほど過去から遠のく俺は強くないな」

 

「昔に比べて落ち着きすぎたな……あんたも」

 

「このカボチャ頭は役割から始まった。そして今は迷わないための目印だ。マフティーを知った者のために俺は未だここに囚われている」

 

「そうかい。つまりあんたは真っ当なトレーナーになっちまった訳か」

 

「…かもな」

 

 

 

昔ほど生き急いでいる俺は無い。

 

呪いもなく、追われることもなく、収まるべき場所を見つけ、そして樫本だったこの体に樫本が有った魂と悲痛を交わし合い、樫本理子との会話で俺は確立させた。

 

今は中央のマフTになろうとしている。

 

ああ、そうだな。

 

確かに、ナカヤマフェスタの言う通りだ。

 

マフティーだった頃の立ち姿から遠いているのは間違いない。マフティーだったから始めることが出来た究極のごっこ遊びも新学期に入ってからあまり手を出していない。

 

それは樫本のファクターが全てこの器に浸透したから。半端に引き継いでた頃の知力は過去の話であり、今は中央のトレーナーとしてまともな指導を行なっている。

 

そして、そのまともに後押しをしてくれたのは樫本理子だ。

 

 

「…」

 

 

愛用しているタブレットを開いて、大幅にアップデートされて練習メニューに目を通す。まるで東条トレーナーのように隙のない濃密なデータが画面に映る。メニューを考えたのは俺自身だが、ここまで手を込める事ができたのは樫本理子が渡してくれたデータのお陰だ。

 

安田記念が終わった数日後、再び樫本理子と出会う。

 

そして彼女からUSBとメモを一枚受け取った。

 

PCに差し込んで渡されたメモを解読してパスワードを入力し、ダウンロードしてPCの中に引き出されたのは数十年に渡って樫本家が幾度なく刻んできたウマ娘に対する教育法。

 

莫大なデータが画面いっぱいに出てきた。

 

桐生院が持ち歩いているトレーナー白書の様に分厚い参考資料はウマ娘の教育をミノフスキークラフト並みに加速させてくれる、それはすぐに理解した。そのためしばらく思考が追いつかない脳内で全身タイツのハサウェイとケイネスとレーンがマフティーダンスを踊っていた。そのくらいに衝撃を受けた。樫本家の歴史がマジで凄すぎたから。

 

 

「やはり、俺はトレーナーになろうとしてるらしい」

 

「少なくとも三年前だってトレーナーだったんだろ?」

 

「それはどうかなナカヤマフェスタ。基本的にミスターシービーが自分で完結していた。彼女は天才だから。そして俺は天才じゃないから見てただけ。俺が出来たのは心をターフに映してあげるだけのマシーン。カボチャ頭が応えていただけだった」

 

「そして始まったのが究極のごっこ遊びか。くくくっ、アレは凄いな。随分とオカルト染みた内容だが本物のレースの様に幻影が走る。そしてその高揚感は紛い物じゃない。内側が無条件に熱くなる。走るために生まれたウマ娘をホンモノにさせてくれる様な感覚は、口では説明出来ないな。だがわかる。これは理解じゃなく、感受から始まった」

 

「この世界でウマソウルの存在が証明されている以上それは必然だ。別世界から名前を抱えた魂がターフに映し出す。ミスターシービーはよりミスターシービーとして、彼女はそこに深く身を投じた。だが素直すぎるくらいだから、マフティーと言う引き金は指を掛けるだけで簡単に放たれたんだ。でも誤算だった。ミリ単位だったよ、その厚みは」

 

 

彼女が初めてだったから、他に比べようがなかったが、でも今こうして担当ウマ娘を多く引き受けてるからわかる。

 

ミスターシービーは別格だった。

 

どのウマ娘よりも、マフティーに感受する。

 

この世で一番だった。

 

だからマフティーのウマ娘と言えるのだろう。

 

ミスターシービーって存在は。

 

 

 

「やはり危険人物だな、マフティー」

 

「彼女とは相当相性が良すぎ… っと、この表現はやめておこうか。ただ、その魂とマフティーの概念はマッチし過ぎた、そう考えるよ」

 

「……改めて聞くが、マフティーは概念だよな?」

 

「実際にはよく分かってないが、表現として当てはめるなら概念の表現が近しい。それが正解とは言わないが。けれどそこにマフティーがあった。それはこの世界にウマ娘がいて、この世界にマフティーもいる。それだけの話だよ」

 

「そうか」

 

「…答えがなくてつまらないか?」

 

「答えを欲してるように見えるか?」

 

「見えないな。そうでなければ俺にコイントスで挑まないだろ」

 

「あっははは!違いねぇ!…… なァ、マフT?私はな、マフティーがどこから来たとか、マフティーが何者だとか、ぶっちゃけそこまで興味はねぇ。ただマフティーと言う概念を抱えたお前と言う存在に惹かれてんだよ、私は」

 

「…」

 

「異質極まりない異端者が、色褪せたカボチャ頭を被り、無敗の三冠ウマ娘を率いながら中央の世界でトレーナーをやっている。それだけで充分にヒリつけるじゃねぇーか?」

 

「判断材料としては充分だな」

 

「ああ!そうともさ、詳しい理由なんか要らねえよ。ただそこにウマ娘がいて、マフTまたはマフティーがいる。私がここにいる理由なんてそれで充分だ」

 

「賭け金のご利用は計画的にと学ばなかったのか?」

 

「ベットの高さは重要だ。それに対する比率もな。だが勝負ってのは賭けるに値する魅力ってやらだ。そうでなければ賭け事なんて本気じゃねぇ。私の勝負感が訴える。()けるならマフTだってな」

 

 

ギラついたような笑み。

 

そう表現するに正しい。

 

だけどこれは彼女の満面な笑みだ。

 

心の底から挑む彼女の掛け金は、金ピカの硬貨として差し出されていた。

 

 

「そうだな。さて…それなら、どうしようかな」

 

「んぁ…?」

 

 

タブレットの画面を切り替える。

 

今年のレース表だ。

 

 

「この世には、デビューを果たさずそのまま重賞レースに出てはダメなルールは無いらしい」

 

「……へぇぇ?」

 

「そもそもデビュー戦は秋までだ。けど諸事情があって出れないウマ娘だっている。だからデビュー戦は出れるなら出てくださいが主流であり、必ず出なければならない絶対的なルールはないらしい」

 

「くくくっ、ああ、なるほど」

 

「仮に例えるならその倍率は… そうだな。ノープランからのG3になるけど、()けにはハイリスク過ぎるかな」

 

「でもリターンは大きい。嫌いじゃないな」

 

「じゃあどうする?」

 

「この世にウマソウルがあるんだろ?ならツキを合わせるさ。なに任せとけって。無敗の三冠バとなった大先輩を見てある程度は見通しついたさ。……11月だ。その頃まで間に合わせる」

 

 

残りの飴玉を噛み砕いて去りゆくナカヤマフェスタ。

 

俺は意識を切り替えて彼女のウマソウルを見る。

 

ジャージのポケットに手を突っ込んだスタイルで歩み去るが、全身を薄く纏っている青いオーラは見間違いじゃない。

 

蓄えていたモノを更に練り出したような感覚。

 

ツキを集めて、その時に合わせる。

 

この言葉とその勝負勘が正しいなら。

 

 

 

「本当にその日まで出ないんだな」

 

 

 

走ろうと思えば走れる。

 

実際に練習でも並走している。

 

本気で走るところも見た。

 

実力は申し分ない。

 

けど、彼女はまだ挑もうとしない。

 

だがそこに焦燥感は無く、常に見定める。

 

測れているからこそ、蓄えるが出来る歪さ。

 

それがナカヤマフェスタと言うなら、マフTとしてナカヤマフェスタたらしめる彼女を支えるのと同時に、マフティーとして応えるだけだろう。

 

 

 

 

 

 

数ヶ月、デビュー戦の回数は特段と減り、出走チャンスは無くなった。

 

そしてナカヤマフェスタはデビュー戦を走らなかった。

 

けれど充分に走れる体だ。

 

走れば入着は確実。

 

 

 

「……」

 

 

 

故に皆が後ろ指を差す。

 

__何故結果を出さない?

 

 

 

彼女は言う。

 

__出す結果は大きい方が良いだろ?

 

 

 

理解は得られない。

 

でもそれがなんだ。

 

駆けるのはいつだってウマ娘。

 

勝負師だって賭ける時を選ぶ。

 

そこに大差はない。

 

 

__いや、違うぜ。

__レース結果には"大差"がある。

 

 

 

そして11月の重賞レース。

 

プレオープンすら挟まず、とあるニット帽のウマ娘は出走した。

 

低めの12番人気の印を押されてしまい、悪い意味でも注目が集まる。

 

だが、彼女は気にしない。

 

分かっているから。

 

だから恐らく、揺らせばこうなるだろう。

 

 

 

「は、はは…!!」

 

 

 

ポケットに溜め込んでいたダイスを転がせば全てゾロ目になる。

 

そんな不気味さを込めながらも確信に至る。

 

コイツは賭けて、返すだろう。

 

 

 

()()が見えたァッッ!!」

 

 

 

サテライトキャノンでも撃つつもりだろうか?

とある界隈なら勘違いしそうなセリフ。

 

だが、そのくらいの火力を溜め込んだこのウマ娘のレース結果は固定概念を崩しきった。

 

賭けるにも、駆けるにも、大差はない。

 

だが賭けて、駆けた結果に『大差』はある。

 

掲示板に乗った結果は皆を裏切った。

 

初出走にて、重賞レースで初勝利。

 

ナカヤマフェスタとはそんなウマ娘であることをウィナーズサークルで世間に見せつける。

 

 

 

「もっとヒリつかせてくれよ、もっとな…!」

 

 

 

大いに揺るがした大事件。

 

復帰したてなURAの脳を再起不能にした大番狂わせな物語。

 

 

だがこれで終わりじゃない。

 

賭け事と言うのは、膨らみ続けるモノだ。

 

【重】なり続ける【功績()】の倍率。

 

ナカヤマフェスタにとって重賞に()けるとはそう言うことだ。

 

そして今だ、そのコインとダイスは増え続ける。

 

今日も咥えた飴玉で味を占めながらニット帽を揺らしていた。

 

 

 

 

つづく

 




気づいたら40話超えてんのかこの小説…
よく書いたよなぁ、こんな一発ネタ。


ではまた

サトノダイヤモンドは引けましたか?(震え声)

  • 単発で引いた。
  • 10連で引けた。
  • 20連以上で引けた。
  • 100連以上で引けた…
  • 爆死ッン!バクシーン!!
  • 親の顔よりも見た天井(鋼の意志のコツ)
  • 今回は見送り(右回りのコツ)

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