やってみせろよダービー!なんとでもなるはずだ!   作:つヴぁるnet

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しかしねぇ…実装されないからこうなるのでねぇ…

※未実装の彼女の性格云々は作者の独自設定です。
※認め切れない場合は作者に反省を促して下さい。

あと『アオハル杯』の要素は今の所無しで行きます。 何せ作者の考えるマフティーネタがURAにどれだけ影響与えるか試したい自己満足から始まったので。 ケ? 原作の小説? 読んだ事ないデース!


ではどうぞ


第5話

選抜レースも4日目。

 

 

 

目玉と言えるウマ娘、名門のウマ娘、名高いウマ娘、純粋に有名なウマ娘、このように注目を浴びていた大半のウマ娘は選抜レースを走り終えていた。 彼女らは当然のようにトレーナーを得てチームを組み、栄光ある道が約束されている頃、残ったウマ娘達が負けじと奮う番である。

 

残るウマ娘はどれも平凡な子ばかり。

 

周りからそう思われており、それもまま事実でもある。

 

ここから先は" 消化試合 "と思われるのも無理はない。

 

それでも中央に集まっているだけあって地方ほど実力の劣るウマ娘はそういないだろうが、やはり名門であるメジロ家などには劣り、そして中央と言う狭き門を潜り抜けてきたトレーナーの御眼鏡に適う脚を持ち合わせているかはまた別の話。

 

皆、常に必死だ。

 

そうして厳しい環境を乗り越えていこうとする中…

 

 

 

 

観戦していたトレーナーに一つの衝撃が走る。

 

 

「あのウマ娘はなんだ!?凄いな!」

「凄い追い込みだ! あんな子が居たのか!」

「ありゃ凄いな! 光るものがある!」

「待て、あのウマ娘は確か!」

「いい脚だ! 凄い可能性を秘めている!」

 

 

前半は緩りとした走り。

 

見たところ作戦は追い込みだろうか?

 

だが表情に闘争心は無く、ただこの選抜レースに挑むだけに見えた。

 

誰しもがそう思っていた。

シンボリルドルフを除いて。

 

 

しかし時は来る。

 

第四コーナーに差し掛かる瞬間だ、直線でもないにも関わらず物凄い勢いで追い込みに入る。 前のめりに体を倒しながらの走行は大きく膨らむコーナーで行うべきタイミングではない。 遠心力に耐えられず身体が外に投げ出されてもおかしくない速度だが、小さなシルクハットを被った彼女は表情を変えずにそのまま直線に入り、また速度が上がった。

 

 

 

__走り方が異常だ。

 

 

 

そして一着を取ったそのウマ娘は終始その表情は変えなかった。

最初から最後まで同じ表情。

 

レースを見ていたトレーナーやウマ娘達は皆が声を揃えて彼女を「凄い!!」と言う。

 

確かに凄い走りだ。

 

メイクデビューに出てないにも関わらずそのウマ娘は既に完成されているように見えた。

 

ここから更に磨きを掛ければどれほどに化けるのか? 既にクラシック級で猛走しているマルゼンスキーを連想する。 この選抜レースで一着を取った彼女をここから育てればそのくらいにはなるだろうか? この意味に興奮を隠せないトレーナーは一着を取った彼女に群がり、スカウティングを始める。

 

集まったトレーナー達に、彼女は言った。

 

 

 

__アタシのレースはどうだった?

 

 

 

皆は口を揃えて「凄い!!」「君なら栄冠も間違いない!」「伝説だって夢じゃない!」「伝説って?」「ああ!」と彼女の"強さ"だけに目を光らせた。

 

 

強さは、悪いことではない。

 

競技の中で駆けるウマ娘の強さは重要だ。

 

トレーナーの御眼鏡に適うモノだ。

 

 

 

けれど、彼女は困ったように…

 

__そっか。

 

 

やはりか、と思うように諦めを持って笑う。

 

彼女は全てのスカウティングを断りながら、観戦していた友人のシンボリルドルフの元まで歩くと、勝手に預かって貰っていた折り畳み傘を受け取る。

 

そして人気(ひとけ)の少ない場所まで歩き始めた。

 

 

「「「??」」」

 

 

 

スカウティングを受けていた時よりもやや雰囲気が変わる彼女にトレーナーは目を追ってしまう。 このまま去ってしまうのか?

 

いや、何か目的があっての足取りだと気づいたトレーナーはその後ろ姿を眺める。

 

それはシンボリルドルフも同じ。

 

 

そして、見守っていた者は衝撃を受ける。

 

 

 

「ねぇ、どうだった?」

 

「笑顔でやるような走りじゃないな。 素人並みに言えばあの走りは危なすぎるからやめておけ」

 

 

 

この学園に戻ってきた異端児と思われるカボチャ頭のトレーナーと楽しそうに会話を弾ませていた。

 

何故アイツの元に向かったんだ?

何故アイツと会話をしている??

 

皆そう思ったに違いない。

 

だが折り畳み傘をカボチャのトレーナーに返しながら一言、二言と挟む姿はとても自然体で、何より楽しそうだ。

 

 

「そうなんだね。 でも安心して。 あんな走りは基本的にしないつもりだから」

 

「基本的に…か。 それは最終的に出来ない奴の言葉だ。 力がある奴ほどやれる事をやらないのは難しい話、自制出来ないものさ。 自分のために成すこと尽きない君はまたどこかで間違いなくそうするだろう」

 

「あはは、手厳しいなぁ」

 

「仮に今回のようなレースじゃなかろうとも君はまた似たような事に手も脚も出す。 その先に描いた果てがあるなら…そうするさ。 君は自分で抱いたな? コレは独りよがりかな、っとな」

 

「ふーん? そのカボチャ頭のように?」

 

「コレは証にしたモノだ。 罰の中に救いを求めた、マフティーたらしめる姿だ。 子供が夜寝る時に描く妄想程度の姿ではない。 使命感に近く、そうしなければならないものをカボチャにしているだけ。 この意味が難しければ狂ってると思っていればいい。 マフティーはそれに否定はしないが、マフティーはソレを止める気はない」

 

「ふふーん、そうなんだ。 うん、それならアタシもあなたに共感するよ。 過程よりも、終結したところにアタシの臨んだソレがあるなら、アタシはどこまでもタブーは犯してやれる。 アタシはソレを止める気はないから」

 

 

レース中の笑みは別の笑みに変わっていた。

 

イタズラの計画を考え終えた子供のように純粋だが、そこに狂気を交えたような感覚。

 

だが二人にとってそれは正常であり、並の者では理解し難い有様。

 

この二人を止めれる者は居ないかもしれない。

 

 

 

「ミスター・パンプキントレーナー? あなたの名前を教えてくれたら嬉しいな」

 

「何故だ?」

 

「決めたからだよ、トレーナー。 アタシをターフで狂うように楽しませてくれるのはおそらくあなただってね」

 

「……まさかスカウトか?」

 

「トレーナーとウマ娘、二人が話すと言ったらソレしかないでしょう? カボチャは関係ないよ。 いや、まあカボチャのトレーナーってのもまた楽しそうだけど、あなたは周りとは違うカボチャ越しの視点を得てウマ娘を走らせてくれる。 禁忌やタブーにも理解があり、そこに常人ではない先を描けるなら求めさせる。 アタシはあなたにそのターフを描かせる、ってね」

 

「随分と上からの奴だ」

 

「あはは、そうかもね。 でもアタシはアタシが良ければとまず思うよ。 こう見えてアタシはやや頑固で困っっッた、ウマ娘だからね。 ささ、君の名前を教えてよミスター・トレーナー。 アタシと同じ独りよがりな自分の事をどう呼んでるのかな?」

 

 

 

人懐っこそうな猫味のあるその表情だが、猛獣のようにも見える。

 

でも彼女はそれが普通で、それがデフォルトで、それが正常である。

 

何せ、彼女の内側はひどく自己満足に燃えている、困ったウマ娘なのだから。

 

 

 

「俺の名を呼ぶなら、マフ T(ティー)と呼ぶが良い」

 

「マフT…か。 覚えたよ、マフT」

 

「では困ったくらいに独りよがりな君の名前を聞かせてもらう。 君の名前はなんだ?」

 

「あれ? 知らないの? そっか、ならマフTにアタシの名前を教えてあげる。 アタシの名前は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、一つの契約が終えたことによりトレセン学園には衝撃が走る。

 

 

カボチャの頭を被る『マフティー』と言われたトレーナーと…

 

 

自身のためにだけにレースで(禁忌に身を投じてでも)楽しみを得ようとする、後に三冠馬と言われる大いなる存在。

 

 

そのウマ娘の名前を皆はこう呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミスターシービー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

URAの危険人物(マフティー)に付きそう一人目のウマ娘である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ありのまま 今 起こったことを話すぜ…?

 

 

折り畳み傘を返して貰ったら…

 

ウマ娘と契約していた…

 

 

な …何を 言ってるのか わからねぇと思うが

 

おれも 何を言ってるのか わからねぇ…

 

 

カボチャの頭もどうにかなりそうだった

 

独りよがりだとか 困っただとか

 

 

そこらの仲間イベントなもんじゃあ 断じてねぇ

 

もっと恐ろしい片鱗を 味わったぜ…

 

 

 

 

てか、これ本当にマジ?

 

なんか契約成立したぞ。

 

承諾得るために理事長に向かって、それで対応してくれたたづなさんが凄い顔してた。

マジで?って感じで。

 

いや、まあ俺としても契約してウマ娘を獲得する必要あるの知ってたし、それなりに焦りはあったから今日も隅の方で構えて選抜レース見に行ったさ。 それでその選抜レースが終わると昨日出会ったウマ娘とある程度会話挟んで、カボチャでそれっぽく話してたら互いの名前を告げあって、そのまま流れるように契約を完了しちまった。

 

しかもなんかヤバめで凄そうなウマ娘と契約してしまった。

 

 

俺、マフティーしてただけなのに?

いや、マフティーしてたってなんだよ…謎。

 

 

それにしてもミスターシービーか。

 

史実にいる馬なんだろうか?

 

ウマ娘ってゲームだから史実で活躍した馬をモチーフに作り上げた育成ゲームなのは聞いてるけど、事前登録勢で終えてプレイすらしなかった俺からしたら全くもって馬がわからん。

 

知ってても120億が飛んだ話くらいしかわかんないし、年末は有馬記念ってレースが開かれる程度にしか知識ない。

 

まだガンダムの方が知識ある。

 

そもそもミスターシービーが史実の馬だとしてもどれくらい凄いのかも知らない。

 

名前だけ見ると凄いことしそうだけどな。

 

だって…アーサーなんだぜ?

あ、いや、違う。

 

名前がミスターなんだぜ?

 

なんかやってくれそうじゃん? 名前的に。

 

 

 

「マフT、今日は何する?」

 

「走る」

 

「え? あ、うん、まあ、それは当たり前なんだけど、色々トレーニングとかあるでしょ?」

 

「あー、そうだな…」

 

 

精神や人格はこの脳に知識はある。

 

トレーニング方法も分かる。

 

だが…

 

 

 

「ミスターシービーは何が得意で何が出来ないのか、わからないな」

 

「えー? 選抜レースで見たでしょ? ぐんぐーんと追い込むスタイル」

 

「一番後ろから進むやつだな。 あれこだわってやってるのか?」

 

「!? ……よくわかったね?」

 

「なんとなくそう見えただけだ。 もしや追い込みが好きなのか?」

 

「うん!好き!」

 

 

めっちゃ良い顔で言われた。

 

てか好きだから追い込みやってるのか。

性格出てんなぁ…

 

でも気持ちはわからないでも無い。

 

まず見ていて痛快だし、追い込んでごぼう抜きする本人も楽しそうだ。 追い込みで仕掛ける際も普通の笑みを浮かべたような表情なんだけど、でも内側はギラギラとしている。 闘争心と言うには少し違うか。

 

 

「とりあえず好きに走っておくか」

 

「おお? 指示のようで、それ指示じゃ無いよね?」

 

「君はある程度完成している。 ならその完成度を保つようにすれば良い。 やる事はモチベーションの持続だ。 今は好きに走って良い」

 

「好きになんて言ったら怪我するかもよ?」

 

「したいならすれば良い。 しても良いならな」

 

「してやらないよーだ。 怪我して良いなんて言うトレーナー失格のマフTに怪我なんてしてあげない。 それじゃあ行ってくる」

 

 

そう言って走り出したミスターシービー。

 

速度は遅い。

 

ターフの味を楽しむように駆け巡る。

 

だが第四コーナーあたりで速めに走り出して、戻ってきた。

 

そこまで乱れもしない呼吸。

 

好きなようにペースを作らせた結果として体力は全然余らせている。 ウマ娘としてスタミナが多いのか、ミスターシービーが多いのか、判断に困る。

 

何せ知識はあっても経験は無い。 そもそもこの体に憑依してから2週間も経たない状態で、既にトレーナーとしてのスタートを切っている。

 

記憶頼りに、誤魔化さないといけない部分はマフティーして誤魔化しているが、ぶっつけ本番にしてはお粗末過ぎるコンテニューゲームだ。

 

故に、ミスターシービーを知らなければまだウマ娘も知らない。

 

だから彼女の凄さなんてちっともわからない。

 

周りの反応を見る限り多分凄いのだろうけど。

 

 

 

「イメージトレーニング得意そうだな」

 

「そう思うの?」

 

「第四コーナーを走る時だが、敢えてナニカを躱すように走ったな? 君の中で誰かを追い抜いたのか?」

 

「んー、まあ…色々と? あ、すごく便利なビジョンだよ。 アタシを1着にするためのね」

 

「なら、強敵と戦うイメージが無いってことか」

 

「そんな事ないよ? ただ、まだメイクデビュー果たしてないからわからないだけ。 なんならテレビもあまり見ないから。 だからその時になったら分かると思っていて、今だけ都合の良いビジョンを描いて走ってる。 マフTは言ったよね? モチベーションを保つために走れって。 ならそうするよ」

 

「今はそれで良い。 もしダメだったらその時に考えよう」

 

「ふーん? ここで、しっかり鍛えて勝とう!! …って、言わないんだね?」

 

「さぁな。 どうであれ互いにスタートラインを超えたからにはもうやるしか無い話だ。 勝ち負けに関しては人生の分岐点に関わるレベルの話になった時にでも考えれば良い。 もしくは何がなんでも"譲れない時"だ」

 

「……譲れない…ね」

 

 

あ、俺は普通に人生の分岐点に立たされてるからもっと焦るべきなんだろうけど、このカボチャを被ってるとひどく落ち着く。 これはむしろ良くない状態なんだろうけど、いまここで慌てるタイミングでもない。 彼女にも時間はいるし、俺にもまだ時間はある。 けれど不思議かな。 彼女なら何かしてくれそうに思えて仕方ない。 まだまだ分かり合えたつもりでもないのにな。

 

 

「さあ、もう一回走って来い。 俺は未熟過ぎてトレーナーらしくできないからな」

 

「わかった行ってくるね。 あと…トレーナーでも名ばかりよりはマシだよ? アタシはアタシを理解してくれる都合の良い人が好き」

 

「困ったやつだな」

 

「今だけは好きにやらせてねー!」

 

 

 

そう言ってまた走り去る。

 

彼女は俺を選んだが、それでもまだレース出場に名前を貸してくれる都合の良い存在だと思っているだろう、恐らくは。

 

そんでもってある程度は好きにやらせてくれる人で無ければ困ると言う身勝手な奴だ。

 

仮に彼女がそんな娘で無かろうとも俺自身がウマ娘を鍛えるなど、できるだろうか?

 

マフティーしていればいずれ出来ると思う。

 

 

 

「もっと、ウマ娘の事を勉強するか…」

 

 

 

俺は中央のトレーナーに相応しく無い。

 

そもそもトレーナーそのものに相応しく無い。

 

けれど俺はコレをやるしか無い。

 

もし他に方法があるなら、聞きたいよ。

 

マフティーはね。

 

 

 

 

つづく




マルゼンスキー=自分と共に周りに楽しみを与えて次世代にバトンを渡せるチョベリグなタイプ。
↑頼もしい。

ミスターシービー=まず自身に楽しみを見出さないと納得できない危険なタイプ。
↑危なっかしい。

マフT=彼は危険人物だ、URAの秩序を乱す…
↑すごく危なっかしい。


一応【勘違い】のつもりでもある。
すごい辿々しいけど、マフティーだから仕方ないね。

ちなみに作者はウマ娘が好きなだけで競馬知識無いぞ。
だから描写にあまり期待しないでください。


ではまた

原作:閃光のハサウェイを読んだ事あるニュータイプの方はいますか?

  • 読んだ事ある。
  • 読んだ事ない。
  • ゲームや映画や動画並みの知識。
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