やってみせろよダービー!なんとでもなるはずだ!   作:つヴぁるnet

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これは if story でもあり…
続編のような話でもある…







if story _ ∀

 

 

 

 

 

「……ココは?」

 

 

 

 

 

眼を開ける。

 

もしくは目を覚ます。

 

周りを見渡すと、宇宙が広がっている。

 

何が起きている?

 

次に感じ取ったのは浮遊感。

 

仰向けになって上を見ていた。

 

後になって気づく。

 

体が浮いていた。

 

まるで魂だけが誘われてるが如く、地球の引力に縛られない無重力空間に流され、無防備のまま宇宙(そら)を漂うだけ。

 

俺は一体どうしてココにいるのか?

 

 

 

 

 

 

 

__目が覚めましたか、マフT。

 

 

 

 

 

 

「?」

 

 

 

声が聞こえた。

 

俺は周りを見渡す。

 

するとソレは姿を見せた。

 

 

 

「久しぶりだね、マフT」

 

 

「なっ……お、お前は…!!」

 

 

 

俺は驚く。

 

目の前に現れたのはこの世界の設定(うまむすめ)に怯え切っていた男。

 

それは『前任者』と言える存在であること。

 

 

 

「どういうことだ??いや、何故…ココに?」

 

「そうだね、マフT。君は驚くよね」

 

「それはそうだろ!?だってお前…」

 

「うん、消えた。私は消えてしまった。そう思っていた。しかしね、少しだけそうじゃなくなった。私は消えずに"役割"を受けてしまったから」

 

「役…割…??」

 

 

コイツが役割?

なんの?もしや呪い?

 

いや、ありえない。

それは俺が背負って解決した事だ。

 

呪いも、その後の使命も、役割も。

 

だから、コイツは何も関係ない。

 

だって俺が『樫本』として成り代わったから。

 

そのためこの者に与えられたモノなど何一つ無いはず。

 

なのに役割って……コイツは一体?

 

 

 

「私はね。キミと同じ『マフティー』としての役割を受け__」

 

今すぐマフティーをやめろ!!そんなのお前が背負っていい概念じゃないだろ!!

 

 

 

俺は叫び、前任者は目を見開く。

 

何処までも広いこの宇宙で全身から放たれるプレッシャーと共に無重力空間を歪ませ、背筋すら凍り付かせるような重圧感がそこら中を埋め尽くす。空気があるかも怪しいこの空間を震わせながらさらにその嘆きは止まらない。

 

 

 

「それはおれがやるッッ!! マフティーを知っている俺が果たす!!そんな役割は俺だけでいい!!俺が出来るッ!!お前までもがマフティーに身を投じるな!!何かをたらしめるというなら俺が代わりに促す!!だからっ…! だからッッッ!!」

 

 

 

そんなの、俺以外が背負って良い訳がない。

 

カボチャ頭を用意したハロウィンで真似事する程度ならまだ可愛いお遊びだ。

 

しかし『役割』として背負うというのなら俺は何時ぞやの一等星の時のようにソレを否定する。マフティーは危険だ。それを知っている俺だから叫び訴える。だが前任者は困ったように笑う。

 

 

「マフT、貴方は優しい。まるで自分のようにそんなに苦しんでくれる。だからマフTの担当ウマ娘はマフティーたらしめた貴方に一等星を託したんだ」

 

「なぁ?なぁ…??お前がそれ以上は苦しむ必要なんてないはずだよな??お前は、だって…」

 

「___エリン」

 

「…………え?」

 

「今の私はエリン……貴方が私に示してくれた、貴方に続く名前」

 

 

 

 

 

 

_

__

___

 

 

『___マフティー・ナビーユ・エリンは長いから、もし名乗るにしても、マフティー・エリンだとして、そのエリンって部分がアンタの証として示せるのなら…___』

 

___ 

__

_ 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

「覚えているみたいね。私は【エリン】として名を持った。だから消えずココにいた。何故なら私はマフティーから同じ『視線』を貰ったマフティー()エリンだから」

 

「いや、それは……でも、けれど…!」

 

「それとも、()()()()()()()()()()()()??」

 

 

 

彼は少しだけ困ったように笑う。

 

出会ったこと自体かなり久しぶりだが、随分と子供のように表情を豊に見せる。

 

痛みを知った赤子の時は過ぎたように。

 

 

 

「何故、お前はそうなってしまう?たしかに俺は…それは……哀れんださ……アンタにとって世界がもっと優しいなら、マフTなんかじゃない樫本トレーナーとしてアンタが中央で生きていた。だって本当の身体と魂はお前のものだったから…!」

 

 

何度も考えた。

 

コイツにとってもっと優しいが沢山あったらこんなにも苦しむことはなかった。

 

 

「そりゃ当然、俺はお前を恨みはしたさ!こんなことになって!不必要に苦しんで!そしてお前を間違いだと言った!でも…けれど…! 違えながらも学び得てきたお前には少なからず敬意はあったから…! 潜り抜けた先に救いがあったのなら終着点だって変わっていたはず!だから少しは哀れんでしまった俺はお前のことを…!」

 

「マフティーたらしめたマフTが『樫本トレーナー』として中央に足を付ければ、その身体でそちら側に足をつける資格のない私だろうとほんの一滴だけそこに軌跡を残せる。だから私に『構わない』と言ってくれた。何故なら貴方はマフティーだから。私の全てのファクターを受け取った貴方がそう決めた。だから私をエリンにしてくれた」

 

 

 

 

 

 

 

_

__

___

 

 

『___それでも記憶は私のモノだから。結末を知ったのなら貴方に必要無いと思う。だからそれ以外の全てをマフTに託す。私をマフティーに続くエリンにして__』

 

 

___

__

_

 

 

 

 

 

 

 

「ああっ、そうだ!その通りだ!意味はそれだけなんだ!俺はお前をマフティーにしたかったんじゃない!この体が元は樫本だったから!だから後はマフティーに任せろと!『なんとでもなるはずだ!』と証明になると思ったんだよ!名前に意味を感じてくれたのならエリンとして俺はお前に代わると促した!ああ!それだけなんだ!俺はお前にマフティー・エリンの残酷を背負わせたくてそう示したんじゃない!!」

 

「わかってる。わかっている。貴方はマフティーだから。そしてマフティーは貴方だけ。だから私はマフティーをしない。大丈夫。わかっている」

 

「なら…なら?役割ってなんだよ??お前は何をそうしている??」

 

 

 

俺は尋ねる。

 

だってこの前任者は消えたはず。

 

俺に全てを託して光となった。

 

でも今の前任者は、与えられたエリンの言葉に意味を持ち、そして役割を述べた。

 

 

 

「心配しないでマフT。ただ私は君にエリンという命を返すために待っていた」

 

「返す、ため?」

 

「そうだよ。ねぇ、マフT、聞こえる?」

 

「こ、聞こ…える?な、何が…だ…?」

 

 

 

前任者は………いや、違う。

この者『エリン』は少しだけ上を見る。

 

次に眼を閉ざすと、何かを捉えようとする。

 

この空間で感じ取ろうとしているのか?

 

俺もエリンの視線に釣られて上を見た。

 

見た先で広がっているのは何もない宇宙。

 

しかし、何か……ナニカをこの場所から感じ取る必要があるみたいだ。

 

俺は呼吸し、この心拍数を抑え、この鼓動だけを無重力空間に響かせながらエリンの行先を掴み取ろうとする。感じろ……感じろ。

 

何処だ?

何処にいる??

エリンが促すそれはどこに……?

 

 

……

……………

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________アナタは、"何処"?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞こえた。

 

そして理解した。

 

この響きは…………ウマ娘だ。

 

証拠に魂がウマ娘に狂おうと揺れ始めている。

 

この先でナニカを探しているような声。

 

まだ…ほんの少しだけ幼い。

 

怯えた電子機器のような響きにも感じ取れる。

 

けれど年相応に迷える気持ちが心を撫でる。

 

俺はソレをしっかり感じ取れた。

 

するとエリンは満足げに頷いた。

 

聞き取れたことがわかったらしい。

 

 

 

マフT

 

 

 

そして…

 

エリンは真っ直ぐとコチラを見た。

 

俺は驚く。

 

まるで中央のトレーナーのような視線が突き刺さったから。

 

芯がしっかりとした者のみ放てる視線。

 

それを幾度なく見て感じてきた。

 

そんなエリンは口を開く。

 

 

 

「私は消えようとした。間違いない。でも貴方に与えられたこのエリンがマフティー性を感じた。すると『声』が()()()()()から聞こえた」

 

「別のところ?」

 

「うん。覚えているかな?私達が別れた場所は三女神がウマ娘を見守る場所。そして想いが重なる場所。そこは世界と世界のファクターが繋がりやすい場所。貴方の魂もそこから持って来られた。トリガーとしては私がウマ娘に殴られて三女神の像の泉に放り込まれたことかな。あなたならよく知っているはず…ココは外に繋がりやすい」

 

「ああ… 覚えてる。カフェのイマジナリーフレンドが遠回しに伝えてくれた。オカルトも良いところだな…」

 

「そうだね。ここは不思議が集う。だから繋がりやすいこの場所で私はエリンだから外を聞いた。そしてエリンはマフティーでもあるから、それが()()()だと感じ取った。だから消えそうな私はエリンとしてそれに応えようと思ってしまった。だからマフティーの君に一瞬だけ繋いだ」

 

「求める…?一瞬だけ?繋いだ?」

 

「うん。繋いだよ。するとマフTは去り際に答えてくれたね」

 

 

 

 

 

 

 

_

__

___

 

 

___ねぇ、マフTって……なにかな?

 

 

___

__

_

 

 

 

 

 

 

 

「貴方はソレを閃光のハサウェイだと」

 

「なっ!?ま、まさか!?…いや、もしや!?あの時の声って…!!」

 

「あれは()()()…私でも無く、三女神の誰でも無い、ファクターの一つとして外から繋がった外から届いた()()()()

 

「!?!?」

 

「消えかかりそうな私は『感受』した。何故なら私はエリン、またはマフティーだから。応えることがこの名前の意味。だからそれをマフTに届けた…いや、届けてしまった………だってあまりにも………寂し過ぎたから」

 

 

 

この世界でウマ娘を恐れ、向き合うべき道を違えた男が、今はウマ娘のために応えた。

 

求めるモノに向き合っていた。

 

それが驚きでもあり、また彼がマフティー・エリンとして役割を背負っていた事にも驚く。

 

ああ、だから…… コイツは贖罪の限りを刻んだあのメモ帳にマフティーのような強い者を求めれたのか?自分じゃない出来る誰か。それもまだ見知らぬマフティーに対してあのような?

 

 

ああ……狂っている。

 

コイツ自身にそれを出来る器があった。

 

ウマ娘に怯えていた(痛みを知った)赤子がエリンを背負える名があった。

 

 

 

「それならマフティー・エリンは…俺にどうしろと?」

 

「その声を____助けてあげてほしい」

 

「だから俺を待っていた?お前は消えずに?」

 

「そうだ」

 

 

 

それはあまりにも唐突で、残酷だった。

 

だって…

 

だって…

 

それは、つまり…

 

 

 

「俺はそこに()()()と…どうなる?」

 

「今の貴方はマフティーを知る存在。またはマフティーのファクター。泉の水面に反射する顔と同じ写し鏡。キミはキミとなり、枝分かれた因子の一つとしてそれはホンモノになる。だから貴方はマフティーに変わりない」

 

 

 

あまりにも突発的な内容に無意識な溜息が出る。

 

何せ、言わんことは分かるから。

 

 

 

「……」

 

 

 

前任者はエリンとなった。

 

だからマフティーが出来た。

 

故に消える瞬間、ファクターが通じやすい三女神の空間を通してその声を感受した。

 

するとエリンはコレを『促し』として捉え、マフティーと変わらぬエリンの名前がマフティーのように使命を受けた。

 

だから消えずに残った。

 

俺にソレを伝えるための、役割として。

 

では、それを聞いた俺はどうなるか?

 

簡単に言おう。

 

コレを、もう一度を『始めろ』と言っている。

 

そういうことだ。

 

 

 

「それなら……っ、お前がやれ!エリン!!」

 

 

 

俺は名指しする。

 

同じマフティーに。

 

 

 

しかし…

 

 

 

「それは…っ………ううん、ダメ、できない」

 

「何故だ!?エリンだってマフティーだろ!概念を受けた正当なる王の魂だろ?なら君がその声に向かって脚を運べるだろ!?エリンとしての役割が本当ならお前もマフティーだ!ならマフティーのファクターとしてその先幾らでも正当化しろ!促せる!それが許される!世界が違えようと関係ない!だからエリンッ…!いや、樫本!今なら!お前がもう一度マフティーとしてやり直す事くらい……!!」

 

「【約束】だから」

 

 

 

悲しげに笑みを浮かべる。

 

え、約束?

 

約束って何だよ…?

 

何故そんなにも悲しく笑える…!?

 

 

 

「私は言った、コレを『返す』と」

 

「な、なにをだよ…!?」

 

「マフTは、私に言った。『__マフティー・ナビーユ・エリンは長いから、もし名乗るにしてもマフティー・エリンだとして、そのエリンって部分がアンタの証として示せるのなら__』」

 

 

 

 

 

 

 

 

______ お 前 の 命 を く れ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッッッッ!!?

 

 

 

 

 

 

ああ_____言った。

 

たしかに言った。

 

覚えている。

 

その命を貰った。

 

だから俺が『樫本』になった。

 

 

「…ッッ!」

 

 

そりゃ…前任者は許されない可哀想な魂だ。

ウマ娘との向き合い方を間違えた。

 

だから俺が怯えるお前に成り代わると応えた。

マフティーに続く『エリン』を与える。

 

そうすればお前をマフティーの中で意味示す。

怯えるだけのコイツにエリンの名を教えた。

 

 

だから樫本たるその命をマフティーに寄越せ。

 

そう言った。

 

それが一つの赦しになったから…三女神に対する贖罪と解答だから…前任者にとって悲しいこの世界から消えることができた。

 

 

 

しかし…

 

彼がこのまま約束通りその命を差し出さなかったら?恐らくマフティー・エリンの名に縛り付けられたまま消えることもない。

 

彼にとって悲しい世界から解かれることもなくこのまま救いを見出せないジャック・オー・ランタンとして彷徨えるだけ?だとしたらまたコイツは一人残されることになるのか?

 

それなら俺はマフティーとして何のためにエリンをコイツに与えたことになる?

 

俺が成り代わるからマフティー・ナビーユ・エリンを教えたと言うのに。

 

 

 

「私は満足した」

 

 

 

宇宙を見上げながらエリンは言う。

 

その表情に偽りはない。

 

 

 

「例え…その断片だろうと、私もこの魂でマフティー出来るんだって、わかったから」

 

「そんなっ…!!そんなことで…!!」

 

 

 

けれど彼は笑う。

 

混じりっ気もなく本心から。

 

__それが出来てよかった。

__分かることが出来て良かった。

 

そう見せる。

 

 

 

「私はウマ娘の声が聞こえた。怯えずに聞こえた。その声は『求める』声なんだと響く。そこに『応えてやりたい』と思えるほどにこの魂は今も温かい。だから分かるんだ。私はちゃんとトレーナーとして力になれる。そう思えるほどに『やっと』たどり着いた」

 

「それなら尚更!表に出てウマ娘に狂いやがればいいだろ!?こんな寂しいところで狂うフリなんかしなくたって!」

 

「良いんだマフT。そうなれる自分がちゃんとココにあるんだと分かったから。だからそれが大きな報酬。マフTのお陰で応えを得た。だって今はこんなにも…」

 

 

 

 

 

 

___なんとでもなるはずだ。

 

 

 

 

 

 

その独りよがりがこの宇宙空間に響き渡る。

 

どこまでも届かせる。

 

耳を塞いだとしても、その言葉から目を背けることも叶わないくらいにコイツはエリンとしてたしかに促した。恨めしいほどに。

 

 

 

 

「そう言えるくらいに自分はトレーナーとしてウマ娘と立ち会える。自信も勇気も。これまでの積み重ねてきた知恵を持って樫本家のトレーナーとしてウマ娘に応えれるって。何度も何度も思うよ」

 

 

「_____ぁぁ……っ、くっ…………くそっ

 

 

 

 

もう何も言えない。

 

俺はコイツに何も促せない。

 

だって、コイツは…エリンだから。

 

マフティー・エリンだから。

 

マフティーたらしめた正当化の王だから。

 

それがコイツにとって、完成している。

 

 

 

は、ははは……

 

あぁ………教えるんじゃなかった。

 

マフティー・ナビーユ・エリンなんて、歪なメドレーの名前を、コイツに聴かせるんじゃなかったよ。ただそのまま俺に任せておけと見送ればよかった。エリンなんかにするんじゃなかった……

 

 

 

「本当に……お前は、それで良いのか?」

 

「構わない。なんとでもなるはずだから」

 

「………………そっか…」

 

「うん」

 

 

 

 

俺はコイツを恨んだ。

 

あんなにも息苦しい呪いを背負わせ、それをマフティーなんて危険人物で俺に乗り越えさせた元凶だから。

 

でも哀れんだ。

 

コイツに対してもっと世界が優しければ。

 

もしくはコイツがもっとウマ娘と分かり合えるそんな心が一滴だけでも注がれたのならこんなにも苦しいことなんて無かったはず。そうすればコイツは正しくウマ娘に狂えたと思う。そんな幸せと未来はあった筈なのに…

 

 

 

「ッッ…!エリン……ッ!おれは……俺は…!!改めてお前の呪いを今また恨むッ!お前を許さないからな…!!」

 

 

 

ココにいる俺はただファクター。

 

本物の俺は今もウマ娘に狂っている。

 

そうしてくれている。

 

 

けれどこのファクターもマフティーだ。なら枝分かれた『俺』だろうともコイツを恨んだって間違いじゃない。そして呪いを背負うことになったって間違いじゃない。ココにいる俺がそう決めた。なら……応えてやるッッ!!!

 

 

 

「どうあがいても俺はマフティー・エリンの独りよがりに正当化されるらしい。何もかもな」

 

「……謝ることは、間違いかな?」

 

「独りよがりに謝罪なんてある訳ない。それを正義だと信じているから人は盲信のまま正当化を尽くす。それがマフティーなら尚更、正しくある。それが___」

 

閃光のハサウェイ……」

 

「そうだ。見る者に、また見せる者に、瞬きすら許されない」

 

 

 

俺が応えるのと同時にこの無重力空間に重力が生まれたかのように体が引っ張られる。するとガタガタと空間が震える。まるでこの答えと応えに対して共振しているかのようだ。ああ、それで良い。何故ならココにいる存在はマフティー・ナビーユ・エリン。正当なる予言の王。そのくらい普通だ。

 

 

 

「さあ、始めようか…エリン!」

 

「そうだね、マフティー」

 

 

 

互いに目を閉ざす。

 

そして互いに両手を合わせ合う。

 

すると俺と前任者の間に一つの光が生まれる。

 

まるで外に『継承』されるみたいだ。

 

ああ…

 

これがマフティー・エリンのファクター。

 

エリンから命を貰い、マフティーで注がれる。

 

確かな、ファクターだ。

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の命をくれ、エリン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリンが繋いだ声の先に意識は飛ばされた。

 

一つのファクターとして、俺は往く。

 

その先で、もう一度を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピピピ……?これは"SING"の測れない『ランデブー』…?でも"エンゲージ"が満ちている……これは……嬉しい……??」

 

 

 

 

 

その少女は、宇宙(そら)を見ていた。

 

その声が届くことを願い求めて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____また、聴きたいな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

next

 







かなり強引に『37話』の内容を伏線回収として扱った。
例えば…

>__ねぇ、マフTって……なにかな?
>「あなたは……私……???」

前者は『外の声』であり、後者は『前任者』である。特に後者のセリフはマフティーから与えられたエリンとして後は任せようとして、最後に問いかけだが、この時、外から届いたのは前者の声。マフティー性を秘めてなければ感受すら不可能であるが響きであるが前任者は『マフティー()エリン』だから聞けたんだと思い、それと同時に「ああ…私もマフティーが出来るんだ…」と自己完結(せいとうか)を行ったことで前任者はマフティーのファクターとして完成した。ただあくまで前任者は命を与える側のマフティーに続くエリンなため、外から届いた声の先で二周目は叶わなかった。それでも彼の中ではこの一瞬だけでもマフティーたらしめた"トレーナー"として在れたことが救いとなり"この世界から"は消え去った。



















そして……三女神はちゃんとそれを見ていた。



その後、エリンを知った彼の魂は消えることなかった。就任前まで戻り得たことに困惑する彼は無意識にクローゼットを開けると小さな時計を見つける。__これは夢だったのか?壊れて動かない時計の針はまだ真っ直ぐと、この正当化を曲げることは許されない。それを感じた前任者は二度とウマ娘に違えないと与えられたマフティー・エリンに誓い、そしてスカウトしたウマ娘と共に一人のトレーナーとして歩み始めることになったらしい。え?__この続きかい?申し訳ないがこの先の物語はマフティー・エリンから始まった痛みを知った赤子の独りよがり。虹に乗れなかった男が虹に乗ることができただけの、なんてことない三流作家が描く様な脚本なのだから…………へぇ?察しの良いNTだ。そうだね。あとほんの少しこの物語をなぞるなら彼がその後契約したウマ娘は至って普通の娘だ。出会いも繋がりにも特別なモノは何一つない。マフティー性だって皆無だ。強いて言うなら半分コのたい焼き。あと半分コの折りたたみ傘。なんてことない普通から始まりを与えられただけの二度目だ。ほら?大した物語じゃないだろ?語るほどの内容は無い。だって彼は危険人物にも何にもならない虹に乗れなかったトレーナーなんだから

それと完結から1周年記念として毎日投稿だ。
震えて促されて、どうぞ。

次回につづく
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