やってみせろよダービー!なんとでもなるはずだ!   作:つヴぁるnet

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 ならない言葉をもう一度描いてみせる。
 だからやってみせる。マフティーと。



If story _ Gray 5

 

 

 

時の流れは早い。

 

充実しているからこそ、もっと欲張りたくもなってしまう頃には既に雪が積もっていた。

 

 

しかしそんな季節でも雪の白に負けない芦毛色の怪物は冷たくて固くなった大地を踏み締めて前に突き進む。

 

まだまだジュニア期のウマ娘だというのにますます強くなるオグリキャップ。

 

来年は一体どうなってしまうのか?

 

楽しみで仕方ない。

 

 

あと…

 

 

 

「ぅぅぅーー!!! トランザムッッッ!」

 

 

と、可愛らしい声でも力強く叫びながらコーナーを曲がり終えた最後の直線で一気に速度を上げてオグリキャップを追いかけるウマ娘。

 

その名はベルノライト。

 

なんとも可愛らしい武力介入(トランザム)だ。

 

 

 

「ハッ…!! 私ってまた何か叫んで!?」

 

「言ってたぞ。トランザムそんなに好きか?」

 

「ち、違いますから!!別にそんなつもりで走ってませんから!!こ、これは、その…後遺症ですから!!」

 

「後遺症とはひどい言い草だな。俺とちょっと巡り合い宇宙(そら)しただけなのに…」

 

「それが原因ですよぉ!周りに誰も居ないあんな寝静まるような時間でかつ、私にストレスを掛けまくるために覗き見た幻影共々に追いかけられ続けるなんて!そりゃあんなのを二週間ぶっ通しで繰り返したおかしくなりますから!本当にマジで!!」

 

「でも君は乗り越えた。そして心身共に強くなった。特に心。良いじゃないか」

 

「なりましたけどっ!なりはしましたけど!それでレースも1着で勝てましたけどぉ!でも走ってると思わず何か叫んでしまうこの後遺症はあまりにもあまりですよ!未だ抜けきらないこの余韻はどうするんですか!?だってゼロは何も言ってくれないんですよ!…ハッ!?今またなんか口から飛び出して…!?」

 

「そこはコントロールしろ。昂まる高揚感は静かさで飾り、しかしレースの心は熱く、踏み出す足に誇りを抱いて駆ける。オグリキャップがやっている走りだ。ベルノライトも心に体を追いつかせろ」

 

「ぅぅぅぅ!なんか複雑っ…!!」

 

 

彼女の足元を見れば靴の汚れが段々と良くなってきた。それだけ走れてるし、それだけ練習を刻んでる証だ。半年前に比べたら泥まみれの美しいトレーニングシューズだ。良き良き。

 

 

「む、トレーナーずるいぞ。私もベルノライトのような()()()()()()が欲しい」

 

「ちょぉぉぃ!?お、オグリちゃん!?」

 

「随分といかがわしさを香らせる言い回しだが…しかし特別指導か。でもオグリキャップは元から強いから余計なの落とし込み要らないんだよな。ほら?完成した土鍋にデミグラスソースとかはかけないだろ?君はアレンジとかせずにそのまんまで強くなるのが正しいよ」

 

「む、そうか。でも…うむむ、ちょっとだけカシモトと特別な事をしたベルノが羨ましい…」

 

「オグリちゃん……それは…」

 

「いや、分かっているんだベルノ。君は君の悩みに行き詰まりを覚えて、それでトレーナーに相談した。その結果が夜間練習。トレセン学園の誰もいない夜闇は昼の賑わいもなく無音の孤独感の中で追い込まれる。それがベルノライトに課せられた殻破りなんだな?」

 

「うん…そうだよ。あの日のわたしは静寂の砂上で何も聞こえなくて、そして見えない夜闇で()()()ようになるまで追い込まれた。何も捉えれない夜だからこそ、余計に感じる容赦ないプレッシャーはストレスの数々。もう二度とやりたくないほどだった………けど」

 

 

ベルノライトはグッと拳を握りしめる。

 

すぅぅと深く息を吸い、長く吐き出された息は肺活量に比例して白煙を大きく膨らませる。

 

冬の季節のこの冷たい空気すら、あの日に比べたら生温いとばかりに色深い白に書き換える。

 

 

 

「ウマ娘は走る。走っているから紡がれる。ならばそこにベルノライト程度とか関係ない。それはあの日に視えたファクター達がカシモトさんを表している証拠。ならベルノライトの私でもと止めどなかったよ。うん凄かった。因子継承(想いの数)は光に向かって真横を幾度なく走り抜けていた…」

 

「ベルノ…」

 

 

あの練習を通して、得るものがあったベルノライト。もうその目は悩ますこともない筈。

 

 

 

「ベルノに充分届いたようで何よりだ。まあ俺のことを初見で魔法使い(キルケー)なんて単語を浮かべさせるくらいに感受性充分なベルノライトなら究極のごっこ遊び(イメージトレーニング)もある程度熟せると思ってたし。それで応えてくれた。君はとても良いウマ娘だよ。えらいぞ」

 

「ぁ、うん。ありがとう…

 カシモトさ____いや。マフティー

 

「マフティーか。なんとも不思議な名前だな、カシモト」

 

 

「___かもな」

 

 

 

 

なんとも久しい、名だ。

 

 

ある日まで描いてた___マフティー。

 

それは【正当なる預言者の王】を意味する名。

 

しかしこの愚か極まった威名をまた名乗る日がこんなにも早く訪れるとは思わなかった。

 

 

もちろん寝ぼけたままでいられたら内側の鉄の怪物共々含めて起きる事も無く、思い出の中で平和でいられた。名乗ることもなかった。

 

例えるなら、口から吐き出しそうになった言葉をグッと飲み込んで駅の改札口で立ち止まらずに歩いていればティターンズも滅ばなかったくらいにはマフティーを呼び起こす事も無かっただろう。ぶちぬけplasma(プラズマ)

 

 

 

でもベルノライトが求めたんだ。

 

トレーナーに。

 

カシモト__を、するこの俺に。

 

ココにある、ファクターに問いた。

 

___貴方とは何者か??

 

だから俺自身がそうだった者を思い出す。

 

 

 

どのような形で魂を繰り返そうとも、やはりこのファクターに閉じられた追憶はウマ娘を求めて病まないマシーンだから、ならばウマ娘に応えずして何がこの魂たらしめるだろうか。

 

そう紡いでいた。

 

故に、この役割はもう誤魔化せなかった。

 

そうして目が覚めた___マフティーが。

 

ウマ娘が求めている。

 

ならば、マフティーで応えろ。

 

幾度なくそうしてきたならば。

 

 

 

 

 

___やってみせろよ、マフティー。

 

 

 

 

 

 

この呪いの言葉は__

今もウマ娘に正しく狂っている。

 

 

 

 

 

 

「なぁカシモト。もしカシモトが私達と同じウマ娘として生まれていれば、私がオグリキャップって名前であるようにカシモトも『マフティー』って名前で走る側になってたのか?」

 

「さて…な。でもこんな世界ならあり得た事かもしれない。しかしこの場所では違った。俺は人間だ。人間で沢山だ。カシモトたる俺はトレーナーをするためにヒトとして授かり、マフティーとしても名を受けた。これはそれだけの結末だ」

 

 

 

いまの説明通り二人には『マフティー』とは君達がウマ娘として生まれた時に名付けれる【オグリキャップ】や【ベルノライト】のように特別な名前を得たのと同じと言ってある。

 

外から舞い込んだ、異界の名前で魂。

 

 

 

……あ、別に言ってる事は嘘じゃないぞ?

 

確かにコレらは俺が持ち込んだ外側の異端極まりない概念だが、しかし外から持ち込んだコレをマフティーとして意味名付けた。

 

なのでベルノライトがベルノライトで、オグリキャップがオグリキャップ、それぞれ授かった名前を元にユメに駆けている事はマフティーって名前を持っているこの状態も同じ。

 

そのように伝えている。

 

 

いや流石に「この魂は三女神から選ばれたファクターとしてウマ娘のために周回してます」とか言えないからね?なので都合よく濁している。

 

 

やっぱこの世界で確立されたマフティーって概念はコンビニみたいに便利なんだろう。

 

とりあえずマフティー言っとけば何でも理由になってくれるし、それで大体完結するし。

 

ふっ…これがマフティー性ってやつか。

 

世界を超えてもカボチャの味は変わらんとな。

 

 

 

「二人にとって不思議な名前だけど、しかしこの名はかなり特別だ。正直このような平時に引き出すべき驕り高まった象徴ではない。だからコレを知ったとしても、君達の中であったかも知れない程度に収めておくんだ。俺としては普段はカシモトで君達二人を見ていたいからな」

 

「カシモト…ああ、そうだな。あの日に視た不可思議はマフティーだからこそという。まあ…未だにあの経験を言語化するには難しい出来事だが、でも私をスカウトしたトレーナーはカシモトなんだ。言われなくても私にとってカシモトはカシモトだ」

 

「うん。私も…スカウトしてくれたのはマフティーとかじゃなくてカシモトさんだもんね。だから、えと…マフティーはそうだね!そろそろ本格化する冬に眠った事にしておこう!てかしばらく目覚めなくて良いよ!あんな怖い象徴はもうおしまい!!」

 

「求める必要が無いってなら俺はもうマフティーをしないさ。でも応える必要があるならば来年辺りまた構わないぞ?俺共々ウマ娘に応える者だからさ」

 

「いやいやいやいや!?

 もういいよ!!ダメ!!おしまい!!

 マフティーのやり方、正しくないよ!!!

 

「でもマフティーが正すさ」

 

「ひっ…!!」

 

「…っと、やはりこの名を語り過ぎると魂が応えんと無意識に促しちまうか。やれやれ。マフティーはどれだけこの世界のウマ娘を愛して病まないんだ」

 

 

カボチャ頭があるなら被って大人しくさせたいところだが、そんな都合の良い入れ物は今のところ用意はしていない。

 

 

と、言っても、いまこうして落ち着いてるなら別に被ってる必要もないか。

 

前任者(かしもと)に課せられた三女神怒りの呪いも、あの自由なウマ娘のお陰で随分と前に終わってるし。お陰でカボチャ頭を使わずともウマ娘と視線を合わせても見てられる。

 

 

なーのーで!

 

今日も愛嬌たっぷりオグリちゃんの姿がよく見えるな!

 

ぐへへへ。

 

この純粋無垢なウマ娘ををどのように調理してやるか??

 

と、邪な考えをしていたらベルノライトがアマテ・ユズリハのようなジト目をしながら視線を遮るように割り込みやがった。

 

ちぃ!!

この娘ェ!

邪気を感じやがったか!!

 

 

 

「っと、そうだ。ベルノライトもオグリみたいにウィニングライブのレパートリーを増やさないとだな」

 

「あ、え?ライブのレパートリーですか?」

 

「ああ、そうだ。まさかデビュー戦だけ満足するような大人しさしてないだろ君?俺の予定としてはこれからもっと勝つんだから、ならライブのレパートリーを増やしてベルノライトのファンに応えないと」

 

「わ、私のファンに…!って何勝手に大人しくないウマ娘みたいな扱いするんですか!?」

 

「何を言うか。デビュー戦以来もっと勝ちたいって目してるぞ?そんでまた一着取ってウイニングライブで自身の勝利を幾度なく証明したいって欲してる。大人しそうな顔して随分とまぁ」

 

「べ、別に!またレースで勝ってウイニングライブをして、ファンに感謝伝えたいとか、そ、そんなことは……まぁ、そりゃ、ないこともないですけどぉ?……う、うぇへへへへへ…」

 

「オグリキャップ、彼女は中々頼もしいな」

 

「ああ。ベルノライトなら次も勝てるさ」

 

「そ、そうかなぁ〜?え、えへへ…」

 

 

初勝利の美酒はいまだに酔えるらしいが、それでモチベーション高く、後は俺の方でコントロールできるなら幾らでも調子に乗ってくれて構わない。その高いモチベーションを練習に当ててもっと彼女達を成長させるだけだから。

 

 

さて、ベルノライトの未勝利戦を達成した今、次の目標となるのは…

 

 

 

「変わらず東海ダービーだな、目標は」

 

「ああ。来年だな、カシモト」

 

「ダービーですか。特別な名前ですね。その頃には中央でも同じダービーが開催されているんすよね?」

 

「まあ、そうなるな。今年はどちらも近い時期に出走スケジュールが設けられてある。

 

「??…中央のダービー?東海ダービーとはまた違うダービーなのか?」

 

「中央の大レースだな。正式名称は日本ダービー。ウマ娘にとって一度っきりのクラシックレース…って、オグリキャップはそこらへん勉強してないのか?」

 

「オグリちゃん、歴史の授業は寝てるから」

 

「ベ、ベルノ…!」

 

「そうかい。まぁなんだ。同じダービーの名を飾っても彼方と此方とでは全く格式が違う。特に日本ダービーはクラシック登録ってやらを済ませて出走できる一度きりのG1レースだ。ただ現在の登録条件は複雑でな。とりあえず中央に所属していることが最低条件なのだが、まあ凝り固まった日本の規定によって出れないパターンもある。てかそれ以上に金が掛かるな。しかも登録が遅いほど金が掛かるな。登録するだけして走らなくても発生した金は戻ってこないから挑むなら前年前から決めておく必要がある」

 

「厳しいですよね…」

 

「いや、中央とはそれほどなんだ。だからあんなに金が掛かったコンテンツとして栄えてる。そもそも覚悟ない奴が挑めれるほど中央の二文字は容易くない。無礼(なめ)るなってことさ」

 

「なるほどです。でも、日本ダービーかぁ…」

 

「なんだベルノ?走りたかったのか?」

 

「うぇ!?い、いや、私には、アレはとても眩しすぎるかなぁー、って…」

 

「カシモト、日本ダービーってのはそれほどなのか?」

 

「そりゃあ地方の東海ダービーと比べたら圧倒的に規模は違うだろう。歴史的瞬間に立ち会おうとレース場には何万人も入るんだぞ?」

 

「それは……えと、つまりどれほどだ??」

 

「東海ダービーには屋台が10あるに対して、日本ダービーには屋台が100以上あるくらいの規模と考えたら分かるか?」

 

「おお、それはとても大きいな!!」

 

「またそんな例え方を……と、いうより東京レース場ってそんなにありましたっけ?」

 

「あくまで例えばの話だ。でもそれくらいの興行施設なのは確か。だから開かれるレースも必然と大きく、その中でも日本ダービーは別格だな」

 

「なるほど、そうなのか…」

 

 

納得するベルノライトに対して、オグリキャップは顎に手を当ててやや悩む素振りを見せる。

 

知らないことに対する興味を忘れない良いウマ娘だからこうして「なるほど」とよく考える。

 

 

しかし今回はそれ以上に考えている。

 

どうしたんだろうか?

 

 

するとオグリキャップはこちらを視る。

 

 

 

「その、変な質問をしてしまうのだが…」

 

 

 

やや申し訳なさそうな表情しながらオグリキャップはおずおずと問う。

 

 

 

「カシモトは中央の資格を持ったトレーナーならば、地方の東海ダービーよりも中央の日本ダービーの方が良かったとか、そんな風に考えるのか?」

 

「オグリちゃんっ…!!」

 

「いや別に?」

 

「カシモトさぁん…!?」

 

 

右に左に忙しい小娘だなぁ。

 

まあリアリストな彼女からすればどちらも無視できない内容か。

 

 

 

「そりゃ一度きりのレースだが、別にそれは日本ダービーだけに限った話でもないな。それに俺は前も言ったけど、担当しているウマ娘が卒業するその日まで無事に走れるのならそれがトレーナーにとっての一度きりのレースだよ。特に拘りはない」

 

「!!」

 

「そ、そうなのか……いや、そうだったな。前にそう言ってたな」

 

「ああ。もしかして気にしてくれたのか?」

 

「ぅ、そのすまない。東海ダービーを揺るぎない目標であることは承知だ。前もそうやって2人で話をした。普通はこんなことを聞くべきじゃないと考えていたが…でも、二人から色々と話して、色々と知って、つい考えてしまうんだ…」

 

「いや良いんだよ。それだけ自分の世間体と価値観が広まった証拠だろ?別にそれは悪いことじゃない。オグリキャップはこれまでその脚で立って走れるだけでも奇跡だと思っていたんだ。でも今は自分の脚が何処でも走って行けることを知り、選択技に悩ませれるようになった。ならそれは良い事だ」

 

「カシモト…」

 

「けど今一度、オグリキャップとベルノライトには俺の意志を告げようか」

 

 

タブレットPCの電源を落とす。

 

重要な話をする時はいつもこう。

 

なので二人はタブレットPCの画面が閉じる音を耳にするとしっかりとコチラに振り向く。

 

 

 

「2人の言う通り俺は中央の資格を持ったトレーナーだ。この資格があればどんな栄光も目指すことが可能になる。しかし俺にとって日本ダービーは別にどうでも良い。これは本心だ。俺はトレーナーだからな。ウマ娘至上主義としてこの身を担当の望みに捧げる」

 

「し、至上主義って…!トレーナーさんっ!」

 

「その、すまない。至上主義ってなんだ?」

 

「好きを超えた愛してるとかそんな感じだな」

 

「む、そうなのか?愛しているか…」

 

「ま、待ってオグリちゃん!!今のカシモトさんの嘘だからね!!もうカシモトさんっ!!あまりそんな事言ったら、だ、ダメですから!」

 

「冗談だ。でも大雑把に言っでもそのくらいの気持ちがあるってことさ。だがトレーナーとしてウマ娘に応えれる存在でありたいのは本当。だから君たちは自分が走りたいと思う行く先に偽りなく投じてくれたら嬉しい。その光景がこの眼で見れるならこの役職に身を注ぐことはなんなら後悔もない」

 

 

これは本当だ。

 

最初は前任者の呪いをなんとかするために栄光を目指す必要があったが、でもトレーナーとして、またマフティーまたはマフTとして繰り返していくことに、この世界ならではの愛おしさに奪われていたんだ。

 

今は地方レベルで、地方のウマ娘と。

 

中央とは全く世界が違う。

 

だがそんな場所でもウマ娘がめいいっぱい走っているのなら、それで満足もしちゃう。

 

まあ、ちょっと疲れてるからしばらく穏やかな場所で落ち着いていたい理由もあるけど、この場所でも変わらない理由がある。

 

だから今は地方で巡り会えたオグリキャップとベルノライトのためにトレーナーをしていたいことに偽りはない。

 

 

 

「けれどオグリキャップが、誰かの夢を背負わんとするその気持ちを俺は逃したくないな。今のめちゃくちゃ嬉しかったから」

 

「カシモトのお陰なんだ!今こうして沢山を得る事が出来たのは。奇跡から軌跡にする。良い言葉だ。奇跡的に立って走るだけの私がまだ軌跡を欲して良いとするなら、わたしはもっとこの脚で誰かと食べるならと希う」

 

「ウマ娘の原動力……夢に駆ける(ユメニカケル)。オグリキャップにも確とある。ならば俺もオグリキャップに願ってみるか」

 

「ああ!こんな私に何か出来ないか!?なんでも言ってくれカシモト!!」

 

「なんかオグリちゃんが尻尾ブンブンしてるワンコみたいになってる……ワン娘だ…」

 

 

ちょっとだけ簡単オグリになりながら尻尾をブンブンと振って俺の悩みを待っている。

 

東海ダービーを走ること自体は変わらない。

 

それは随分前から定めている目標だ。

 

それでも俺が求めるなら、オグリキャップで応えたいと尻尾ブンブン意気込んでくれる。

 

なんか嬉しいな。

 

ま、ここ最近のオグリは誰かのために走ろうとする自分が力になることを知ったからな。

 

だから俺のユメもその背に乗せようとしてくれているんだろう。

 

 

ふむ。せっかくだ。

 

何かオグリキャップに背負って貰うか。

 

 

そう俺は悩ませながら少しだけ足元落ち着かずに歩いてみる。そして自然と左回りに。

 

 

 

……ああ、そうか。同じ左回りか。

 

 

 

 

「オグリキャップ。日本ダービーは左回り2400メートルだ。そしてこれと同じ条件のレースがあり、同じ【日本】を象徴とさせてくれる偉大なるレースが存在する」

 

「!!」

 

「はっ!カシモトさん、それって…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__ジャパンカップって知ってるか??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今でも思い出せる。

 

あれは夏が明けたばかりの季節だ。

 

 

 

カシモトさんを研磨職人(トレーナー)として指導を受けるわたしは味のない小魚。

 

眩い原石たるオグリキャップの方が何万倍もカシモトさんから研磨されるべきウマ娘。

 

だから私はその職人から時間を奪い、手を煩わせていると()()()申し訳なく思っては、勝手に諦めを覚え始めていた。

 

 

でも、カシモトさんはこんな私を特別視して成長を楽しみにしていた。

 

私に対してアスリートとしての素質は無いに等しいと偽らなかったが、でもベルノライトならではの強みを知っていたからこそ、ベルノライトに急ぎもしなければ、ベルノライトに絶望もしちゃいない。名門樫本の名は伊達じゃない。

 

だからオグリキャップを育てながら、ベルノライトにも出力100%で教育者として注いでる事を伝えられ、そして悩ませる暇も与えずにある課題をカシモトさんから渡された。

 

 

それが夜間練習。

 

私が彼を知ることになった日。

 

 

誰もいないあの時間はひどく恐ろしかった。

 

夜の学園には音もなく、賑やかさもなく、グラウンドには夜間用のライトがあるだけ。

 

しかし昼間以上に光が制限されているから足元がやや危うかったりと何処踏み込んでも緊張感しかない。

 

しかしそれ以上に、ベルノライトである私を視ている彼のことがとてつもなく恐ろしかった。

 

 

震えて、震えるだけ。

 

 

来てしまった後悔したくらいにはあの二週間は長く感じられた。

 

 

でも、やってみれば一瞬だった。

 

 

今考えれば何故こんなにも追い込まれんとしていたのか自分でも分からなかった。

 

けど、心に灯された騒がしさは段々とこの足を諦めれなくて、それで自分が走るために生まれたウマ娘であることも忘れることも出来ず終始必死だった。結局はそれが理由。

 

 

 

__ベルノライト、考えるな。

__キミはただ俺に促されろ。

 

 

 

そう言われてからは悩ます事も許されず、考える事も出来ず、余計な思考など強引に抑え込まれたような感覚が支配していた。

 

だからひたすらその時間で走ることしか私には出来なかった。

 

休憩している間も、自分の荒い呼吸とやかましい心臓の音だけが何度も感覚を回し、気づけば3時間あったはずの練習はたったの20分で終わっていた短な感覚でしかなかった。

 

それほどに集中する夜間練習。

そんなのが土日関係なく毎日。

 

だから寮に戻ってシャワーを浴びている時には既に日付も変わってたし、その時にやっと心拍数も落ち着けれたりと日々が熾烈だった。

 

だからベルノライト程度だの、カシモトさんに手を煩わせていたなど、身勝手に落ち込んでいた筈の悩みなどはそれ以来は悩ませることすらできないほどに目まぐるしく、日々注がれるプレッシャーに身も心も追い込まれた。

 

疲れて、疲れ果てて、なんとか戻れた布団に安堵すれば数分も経たずに寝落ちてしまう。

 

そんな繰り返し。

 

 

 

けれど、同時に私は知りたい。

 

課題として設けられた夜になれば、日中の眠たげな雰囲気を豹変させ、ウマ娘という存在に正しく狂うカシモトさんの不思議さを知りたかったんだ。

 

 

__カシモトとは何者か?

 

あの日、キルケーと名を浮かべさせてしまったあの不思議な瞬間を魅せた彼なんだろうか?

 

 

___貴方は何者、ですか?

 

カシモトさんと皇帝シンボリルドルフとの会話に聞き耳を立てていた時と同じ問い。

 

とても抽象的な、居どころのない問いかけ。

 

しかしこのようにしか問いかける方法がない入り口だから仕方ない。

 

けれどそんな曖昧な問いを拾ったカシモトさんはベルノライトのためにマフティーとして応えようとそこに居てくれる。

 

求めるウマ娘のために応えんと、マフティーたらしめる。

 

繰り返すほどに段々とカシモトさんが何者なのか分かってきた。カシモトとは__

 

 

 

 

___果たせた時に答えを得れるはず。

 

 

 

 

過程はまだ、ベルノライトのため。

 

でもベルノライトが課題を果たせば自ずとカシモトさんの事も知れる。

 

それが原動力にもなったから、わたしは日々のプレッシャーをウマ娘なら背負うせる重さとして踏みしめて、繰り返して、紡いで…

 

 

 

 

 

___視えたんだ、巡り合う宇宙(そら)が。

 

 

 

 

 

 

急だった。

 

突然と訪れた。

 

私は驚いた。

 

これらから何を視て、何を感じている??

 

 

最初はマフティーたらしめるカシモトさんから伝わり続けたストレスとプレッシャーでおかしくなったと思っていた。

 

でも自分の心拍数が遠のくと聞こえないモノまで聞こえるようになり、見えない夜闇でもナニカを捉えれる、そんな感覚は知らない。

 

 

けど分かる。これは身を任せるべき。

 

だから直感的に従って預けてみた。

 

応えて欲しい____私は求めるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『スフィーラ、キミも観測するんだね』

 

 

 

 

 

 

 

 

何処からか声が届いた。

 

でも姿は見えない。

 

けどその声に悪意はなく、むしろ喜びに満たされた声色で、この場所が愛してやまないという声主の感情が伝わる。ああ分かる。なんだか安心するんだ。あの人に見守られていることが。

 

 

 

 

 

 『キミもマフティーなんだね。ならこの変数すら正当化するPPKNは(ベル)の鳴らす閃光(ライト)もコネクトする。だから虹に乗れた皆と一緒だよ』

 

 

 

 

 

 

読解に難を求められる誰かの語り。

 

けど歓迎されている事を知る。

 

もしその言葉が真実ならわたしもこの虹に乗ることが出来るんだろうか?

 

 

いや、それをベルノライトでする。

 

ウマ娘ならば走って、走って征く。

 

 

それがカサマツだろうが、学園の夜闇だろうが、ギリシャ神話の幻視だろうが、プレッシャーの中だろうが、そして虹だろうが、何処までもベルノライトたらしめる。

 

 

程度などを考えるな。

 

余すなどを考えてしまうな。

 

だって、だって、私は…!

 

あの人がトレーナーである事を!!

 

いま求めて止まないんだから!!!

 

 

 

 

 

 


 

    __うん、それで良いんだよ!

      __ええ、それで良いんです。

        __まあ、それで良いと思う。

 


 

 

 

 

 

 

この気持ちを前のめりに、そして後ろからウマ娘の声が聞こえた。

 

 

 

 

   

   

 【自分でごっこ遊びをするようなウマ娘】

 【自分で幻の影を追いかけれるなウマ娘】

 【自分で一等星を求めれるようなウマ娘】

 

 

 

 

総じて後ろから『追い込み』走れるウマ娘。

 

ストレスとプレッシャーを知っているからこその脚質が、その素質をたらしめる。

 

そして、私も共に踏み込めた。

 

 

 

 

 

『ああそれで良いんだベルノライト!ひたすら前を走るなど思うなよ!君は賢いウマ娘なんだ!なら後ろからその重みを誰よりも知れ。そしてよくウマ娘を視て駆けろ。マフティーに応えられたベルノライトならではの求め方。キミは出来る筈だと!』

 

 

 

 

 

 

 

なんとでもなる筈だ!!

 

 

 

 

 

 

言葉ではなく、視られて伝わる。

 

言葉じゃなく、視られて覚える。

 

言葉とかなく、視られて分かる。

 

 

 

 

 

__あ……あぁっ!!

 

__ああああッッ!!

 

__とれー、なーっ…!!

 

__トレーナー……!!

 

__マフティー……!!!

 

 

 

 

 

 

そして、間も無く終わるその瞬間。

 

私はとうとう巡り会えた。

 

マフティーだったカシモトさんのファクターに集うありとあらゆる、存在に。

 

 

 

そして GUNDAM に。

 

 

 

 

 

__さぁ!行こう!どこまでも自由に!

 

__行きましょう、漆黒の先まで。

 

__ウェーイ!超盛り上がってんねー!

 

__もっともっと自分らしくね!

 

__そうさ!何処までもヒリ付かねえとな!

 

__んだ!気張っていくんだぁ!!

 

__あの一等星も見守っているから。

 

 

 

 

 

真っ暗な世界を、光たちが疾る。

 

私の横を次々と駆け巡る。

 

まるで因子継承(ファクター)を注ぐように。

 

その先で待っているとマフティーによって導かれたその名で誇らしく歩んだウマ娘達が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぅぅ、と、れーな、ぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

__どうしたベルノ、泣いてるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたし、本当に…わだしで、っ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__ああ、そうだよ。

___キミと勝ちたい…って。

_____マフティーなら言うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もちろん(カシモト)もだよ。ベルノライト』

 

 

 

 

 

 

 

 

最終日、私はとうとう課題を果たせた。

 

与えられるプレッシャーとストレスと、それらを通して巡り巡った情報量は心のキャパシティーを容易に超えてたから、結果として涙が溢れるほどに感情の処理が追いつかなかった。

 

しかしマフティーも、カシモトでも、どちらを欲張りながらも走り征くウマ娘を愛おしそうに視てくれるあの人がベルノライトだからと本気になってくれる事が嬉しくて、それが偽りなく伝わったから。

 

嬉しかった……すごく、嬉しかった。

 

 

 

 

そんな記憶がこの魂に根付いてる。

 

 

「ベルノライトで良かったんだって。えへへ…」

 

 

当時は流れるようにカシモトさんからスカウトされた私だけど、あれはオグリキャップの知り合いだから許された温情なのかと、嫌に考えていた事は何度かある。

 

でもカシモトさんからそんな素振りはなく、何処までもベルノライトのために付き合ってくれるカシモトさんに偽りはなくて、そしてオグリキャップにも本気になってくれていた。

 

手を抜かずに、片手間に終えずに、眠たげに見せていたようなその両目はちゃんとウマ娘を捉えるて、それがマフティーでなかろうとも応えてくれている。

 

 

それでも、不安だった。

 

カシモトさんの本気度に応えれないベルノライトが情けない。中央に行けるほどの研磨職人にベルノライトは勿体無い。

 

だから遊び気分は夏合宿を最後に、惨敗したデビュー戦は己の足りなさが痛みを知った赤子のように伝わり、そしてオグリキャップを比較してしまい、ベルノライトのお粗末さを知る。

 

 

 

私は、もう。

 

ユメに駆けれないウマ娘___と。

 

けど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____ウマ娘、待ってたぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あははは……すぅぅ、はぁぁぁ…トレーナーって本当にすごいんだなぁ。私を勝たせるもん…」

 

 

あと数分で年が明ける。

 

学園が冬休みって事で帰省した家のベットに横になってそれを確認する。

 

年明けに慣れた親はもう寝ているが、私は今年の興奮を抑えれずにまだ眠らずにいた。

 

大の字になって、携帯を握りしめている片手だけは折り曲げて額に手首を乗せる。

 

 

本当に……今年は色々あった。

 

あった、から。

 

 

 

 

 

 

ゴーン、ゴーン。

 

 

 

 

 

 

「…ぇ?……あ、除夜の鐘…」

 

 

ちょっとだけ、寝落ちていた。

 

すると携帯電話から何通か届く。

 

年明けの挨拶として、友人たちから。

 

新年を迎えた事による若者の忙しさ。

 

わたしは新年の挨拶を何通も返す。

 

 

そして、一通り送り終えて___最後にまた一通だけ届いた。

 

 

「?」

 

 

私は携帯電話の画面を明るくする。

 

そこには…

 

 

 

「あ、カシモトさんから。しかもなぜか自撮り写真まで…ふふっ、変なの」

 

 

 

指導者と教育者にしては私達は距離感が近い位置にいるらしいが、でももう慣れた。

 

夏合宿でもコテージが一緒だったし。

 

まあアレはお金が勿体無いからコテージを分けずに少し大きめの建物にして3人で使った。

 

でもやはり指導者と教育者が同じ屋根の下は少し警戒心がなさすぎたか。今思い出すとちょっとだけ恥ずかしくなってきたなぁ。いやでもトレーナー忘れてる時のカシモトさん学生さんみたいに若々しくて、大人っぽくない時があるんだもん。

 

しかもその証拠に、この自撮り写真。

 

年明けでもテレビゲームして遊んでいる自撮り写真をカシモトさんが送ってきた。

 

年明けようがいつも通りナウ、だってさ。

 

 

「もう、本当にこのトレーナーさんは…」

 

 

でもゲーム画面を拡大するとチャット欄が「あけおめ」の文字で溢れているから、そういったコミニュティーでは年明けの挨拶に勤しまれているんだろう。本当にゲーム好きな人だ。

 

 

でも…

 

 

 

「こんな風に遊んでても、必要とあらばマフティーをするような、そんな不思議な人で、そしてウマ娘のために直向きに応えんとするとても凄い、わたしたちのトレーナー…」

 

 

 

 

わたし、たちの…

 

すごい、トレーナー…

 

それもマフティーたらしめて…

 

ベルノライトに、本気になっていて…

 

そして私を勝たせた、偉大なトレーナー…

 

… …

 

… …

 

… … ッッッー!!

 

 

 

「ああー!もう!何なのあの人…!」

 

 

 

ジタバタ!ジタバタ!

 

ジタバタ!ジタバタ!

 

ガンダバダガンダバダ!

 

ゴロゴロ…

 

ゴロ…

 

……しーん。

 

 

 

「………んぐぐっ」

 

 

一瞬だけ尻尾をたぬき(ウマ娘)にしてジタバタしてしまったが、しばらくして落ち着く。

 

年明けから騒がしく布団で手足暴れて、少しだけ疲れてしまう。

 

年明け早々に私は何をやっているんだ。

 

まったく…

 

 

 

 

「…カシモトさん、オグリちゃん。わたしはもう大丈夫だから。私はベルノライト程度だとかもう絶対に言わないよ。応えてくれたもん。なら私もやって見せないと…だよね」

 

 

枕を抱きしめながら立ち上がり、窓を開けて夜空を見上げる。

 

あの時と同じ、プレッシャーの中でひたすらにウマ娘で走っていた夜間練習を思い出す。

 

もう二度とやりたいとは思わないが、しかし二度と忘れる事はない、ベルノライトに課せられた昨年の記憶。

 

充分に、この脚に刻まれている。

 

 

 

「走ってこよう。走りたい」

 

 

寝巻きの姿になっていたが、ジャージを取り出して着替え、家を出て駆け出す。

 

触れる空気は真冬で冷たいが、あの夜間練習とプレッシャーの中に比べたら凍えるほどでもない。それほどの強かさを手に入れた事を噛み締めながら笠松を走り、走って…

 

 

 

そして…

 

 

「ベルノか?」

 

 

「え?オグリちゃん?」

 

 

 

なんと私と同じようにランニングをしているオグリキャップを見つけた。

 

年が明けても変わる事ない彼女は新年早々にジャージ姿で白い息を吐きながら私に驚く。

 

 

 

「なんだか家でじっとしてられなくてな。だから走る事にしたんだ」

 

「そうなんだ。実は私も。えへへ」

 

 

どうやら年が変わろうが、どこまでも私達はウマ娘である事を忘れないようだ。

 

そして私もベルノライトってウマ娘である事を誇りに抱きながら走れるらしい。

 

 

 

「オグリちゃん、年明けたらまた学園でね!」

 

「!!…ああっ!また!」

 

 

このまま一緒に走る選択は…無い事もない。

 

でも今は、ベルノライトで選ぶ。

 

この道を、新年から己で、たらしめる。

 

それはマフティーをするカシモトさんが応えて教えてくれたから。

 

 

 

「やってみせろよ、か…」

 

 

 

なんとも無責任な響きだ。

 

しかし不思議とウマ娘はこの言葉でどこまでも駆け征くことができる。

 

まるで言葉の魔法。

 

 

魔法使い(キルケー)による、おまじない。

 

 

 

 

「あ…」

 

 

 

 

不意に浮かべたあの言葉を思い出す。

 

せっかくだから私は欲張って意味を重ねる。

 

あの人にはそれほどの付け合わせが良い。

 

そしてしばらく考えが定まり…

 

 

 

「ふふっ…」

 

 

思わず溢れてしまった笑みと共に、溢れでた白い息は巡り合う宇宙に届かせながら心臓の鼓動を数度高める。今年の充実感を噛み締めこのカサマツに愛おしさを秘めながら…

 

 

 

そんな彼を、わたしはこう例えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キルケーの魔法使い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カサマツにいる少女は、ベルノライト。

 

そのベルノライトは、ウマ娘になった。

 

それは魔法のように彼女を、変えてくれた。

 

して魔法使いは、ウマ娘に応える者だった。

 

どんなに繰り返そうとも、変わりない。

 

ああ、そうとも、それが彼だから。

 

だから安心して良い、あの王を。

 

 

 

正当なる予言の王は___未だこの世界で健在であるから。

 

 

 

 

 

 

つづく






強引なサブタイトル回収。
でもこれだとマフTがギギ扱いだよな?
やっぱ怖いことするよ、あなた…?



【カシモト】
この一年で充分に担当ウマ娘と信頼関係を結べた上に、ジュニア期の段階で担当ウマ娘の未勝利を済ませるなどしっかりとトレーナーとしての手腕を見せている。あと今年のハロウィンではカボチャ頭を被って商店街で子供達にお菓子を配ったりした。

【オグリキャップ】
決めてもらうだけじゃなく、決めることも覚えたオグリキャップ。だから日本ダービーと同じ左2400を意識するようになり、またひとつ飢えを満たすためのユメを覚える。
あと「好き」と「愛してる」の違いを同室のノルンエースに聞いて「いつも良くしてくれるノルンは私の事が好きなんだな」から「では私も良くしてくれるノルンのことが好きってことになるんだな」と笑顔で言う無自覚オグリちゃんをして無事に昇天させたらしい。コレがマフティーのウマ娘かぁ。

【ベルノライト】
感情を持ったリアリストだからこそニュータイプとしての片鱗があった流れ。感受性はアドマイヤベガ並みでそれ以上は無かったけど【刻】を視れるくらいには充分備わっていた。未勝利戦を乗り越えてから自信が付いたのかここ最近は少し高望みしちゃってる。

【スフィーラなウマ娘】
マフティー性を通して観測しちゃったので親切心で「ウマ娘ならば大丈夫だよ」と刻の中でアドバイス。言わずもがな別世界(IF)のネオユニヴァースであり、追い込み魔改造して三冠バになったニュータイプ。




ではまた

閃光のハサウェイ"キルケーの魔女"は観に行きましたか?

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