今後の話を書いていく上で、MARVEL関連の世界観や、キャラクター。兵器関係など、どこまで説明を入れるべきか。ネタバレ等々悩んでおりまして、色々と参考にさせていただきたいです。
お手間でなければお願い致します。
それと、毎度同じ事ばかり言っておりますが感想、お気に入り登録ありがとうございます。
変わらず、感想、ご意見等々、疑問点などあれば、お願い致します。
評価等もしていただけると、嬉しいです。
「ど、どうぞ」
「ありがとう、ございます」
トールは、当時購入したIK○Aの秋の新作、茶褐色のテーブルとセットで拵えた椅子に座る女性に、紅茶の入ったカップを差し出す。
表情の乏しい女性に比べ、男は酷く緊張した様子だった。
ここは、妖精國の僻地とも言える場所。
潮騒のティンタジェル。
廃村と化したのこの村に、男が1人住んでいた。
男の名はトール。
とある目的を果たす為、異世界から妖精國へと渡って来た男。
ただ、肝心なその目的が記憶からガランと抜けており、今はただ、目的もなく、日がな一日空を見ながら、酒を飲むか、持ち出した娯楽を家で楽しむ。その様は世捨て人のようでもあった。
住居はいなくなった廃屋をリフォームして作られている。
壁にはさまざまなものが飾られており、星のマークがある赤と青の丸い円盤や、真ん中に赤や青の硝子のようなものが埋め込まれているハンドスピナーのようなもの。他にも豪華な装飾が埋め込まれた短剣など様々だ。
この部屋を暖めているのは、昔ながらの暖炉であり、
指を弾き、魔術で火を灯している。
毎回のルーティーンをこなしたところで女性が少し動揺していたような気もするが、トールは大して気にしていなかった。
――ゴン
「いっっった!!」
途中何故か通路の明らかに邪魔にある場所にある少し豪華な装飾が施されたアタッシュケースに躓づく。
結構な勢いで当たったというのに、ケースはびくともせず、そこに鎮座している。
あまりにも邪魔な場所に置いてあるそれをトールは何故かどかす事もしない。
自分の分の紅茶を溢してしまった為、一度戻って入れ直すドジを挟みつつ、平静を装いきれず、テーブルを挟んだ向かい側、彼女と向き合うように、椅子に座る。
「で、えっと……ヴィヴィアンさんで良かったよな?」
「ええ……」
「その、どうしてこんなところに? まさか新しく町を作るから立ち退けとかそういう話?」
銀髪の、ヴィヴィアンと名乗る女性。見た目には地味ではあるものの黒いドレス姿であるため、どこかの貴族階級かその使いが様子を見に来たのかと思ったのだ。
「……いえ、この町に私の知り合いが暮らしていた筈でしたので、様子を見に来たのです」
暫く考えるそぶりを見せた後、そう答えるヴィヴィアン。
その言葉にトールは苦い表情を作る。
「あー……そう、なのか……」
そうこの町の住人の事はウッドワスにも聞いたし、過去を映すアイテムであるホロマップ投影機でも見た。住人同士の殺し合いによって、この村は滅びた。
見ていられなかったので全容を把握するのをやめたからもしかしたら、何人か逃げ出した者はいるかもしれないが。彼女の知人もその中にいるかもしれないが今ここにはいない以上気休めにもならないだろう。
「言いにくいんだけど、この町の住人は……」
「ええ、わかっております。この町の事情は把握しておりますので。あくまで確認に来たというだけの話です」
「そうか……それなら良いんだ……」
彼女の言葉にホッとする。自分で言うのも気恥ずかしいが、まさしく運命の女性と思ってしまっている相手だ。悲しい顔を見るのは嫌だった。
となると、彼女の目的はこれで終了と言う事であり、彼女がここにいる理由がなくなった訳である。
トールの本音としては、是が非でも彼女を引き留め、おもてなしをしてお近づきになりたいというのが本音ではある。
この妖精國に来る前、
何せ、世界レベルでの人気者だ。そのテクニックたるや、未経験のトールにはどれも新鮮なものであった。
だが、一度もコレという相手に出会う事もなく。紹介した女性に手ほどきを受けさせようかと、悪ノリをされたこともあったがどうにか断ってきた為、その技術を活かす事も全くなく、ここまで来てしまった。
そして今がいざその時なのだが、あまりの緊張に言葉が出ない。
普通の、意識しない相手ならば、トニー・スターク仕込み(トニー採点平均点以下)のジョークや会話術(平均点以k)を駆使する事もできるが、舞い上がってしまっていて活かせそうにない。
(女性を口説く時ってどう言うんだっけ?)
もう1人のアスガルドの王子との会話を思い出す。そう、確か彼が言うには女性の美しさの全ては宇宙の煌めきで表現できる。
――その者を見た時に思い浮かんだ宇宙の情景をそのまま伝えてやれば良い。これで喜ばない女はいない
そう言っていた気がする。
あれ? 言っていたか?
まあ良いと、部屋の様子を見回している彼女を見る。
美しい銀髪。整った顔立ち。碧の瞳は吸い込まれそうで、そう、例えるならば、銀河の端で二つの星の誕生を目の当たりにしているかのよう――
(……無理だろ)
そのような浮いたセリフ。自分に絶対の自信がないとそうは言えない。
そもそも自分はなぜそんな、異性をモノにするテクニックを学ぼうとしていたんだろうか。そこからして既に曖昧だ。自分は何をやっているんだと心の中で猛省する。
記憶の中の男に憤慨しながら、今のトールに出来る事は無い。
「あなたは――トール……さんは、いつからここにいらしているのですか?」
ふとどうすべきか心の中で頭を抱えていると、壁に飾られた装飾品を見ながら彼女が質問を投げかける。
「あ、ああ。この盾が気になる?」
あちらから話を振ってくれたことに、内心で飛び上がるほどに喜びながら、落ち着け、クールになれと自分に呼びかける。
「盾……なのですね。ええ、あの様なあしらいの物は見たことが無いので」
自分の知る地球では世界唯一の超大国ともされているアメリカ合衆国の象徴。星条旗。そのデザインをあしらった盾。
トールは、椅子から離れ、その盾を壁から外し、ヴィヴィアンへと渡す。
それを両手で受け取った彼女の表情が、少しだけ驚いたものになる。
「軽い……」
「……ヴィヴラニウムっていう金属で出来てるんだ」
「ヴィヴラニウム。ですか……」
「そう、宇宙で最も最強と言われている金属。重さは鋼鉄の1/3。衝撃吸収力も半端じゃ無いし、加工もしやすいって言う優れもの」
「宇宙……それはまた壮大な規模の話ですね」
「まあ、他にも死にゆく星の心臓であるウルなんて言う金属もあるからな、一概に最強ってのも言えないけど。その2つがぶつかり合った時は、どっちも傷付かずに終わったし――」
――永遠のテーマだな。などと続けながら、うんうん唸っていると、ヴィヴィアンは、キョトンとした顔をしながらトールを見つめていた。
「あー何かまずい事言ったか?」
「いえ、まるで宇宙をその目で見て来たかのような言い方をするので」
「そりゃあ、実際銀河何個分か分からないくらい、色んな星を渡って来たし――」
そう言ってハッとする。
つい、余計な事をベラベラと喋ってしまった。
そうだ、以前自分がいた地球も、銀河どころか他の星へ行く技術すら持ち合わせていないのだった。
街の文明レベル的にこの妖精國に、宇宙航行技術があるとも思えない。
異貌人である事を隠そうとは思わないが、未知なるモノというのはそれだけで畏怖や脅威の対象となり得る。迂闊に話す事ではなかった。
「あー、いや、今のは冗談というか――」
「トール」
「え――?」
――凛とした声だった。
誤魔化そう口を開けたところで、名前を呼ばれただけ。
先程と違うのは敬称を略された事だけ。
それなのに心の底から響いたのは何故なのだろうか。
何処かで聞き覚えがあるような響きなのは気のせいだろうか。
ポーカーフェイスも何とあったものじゃない。
ポカンとした表情のまま、彼女を見る。
「あなたが汎人類史――いえ、異世界から来た方なのはわかっております。この妖精國では稀にそういう方がいらっしゃいますので」
そういえばそうだ。チェンジリングがどうだとか。ウッドワスが言っていた気がする。
「ですが、そんな方々の中でも貴方は特に珍しい。差し支えなければ、貴方の事を聞かせて頂けますか?」
胸に手を当てながら、こちらをまっすぐ見つめるその瞳に好奇心と、緊張を感じとる。
興味本位と言うには、その雰囲気は重く。敵対者かどうか見極めるにしては、柔らかい問いかけ。
どう答えたものかと迷いはしたものの、不思議と嘘は出来ないと思わせられる、ナニかを感じた。
彼女のそんな態度に、誤魔化そうという気は起きなかった。
「そうだな……それじゃあ――」
口で説明するには少し複雑だし面倒だ。トニー・スタークのように口だけで情景を説明出来るほど喋り上手でも無い。
であるならばおあつらえ向きのものがある。
「こっちへーー」
彼女をもう一つのテーブルへ移動させるよう促す為、左手でテーブルを示し、右手で立ち上がるようにジェスチャーを入れる。
すると、彼女は、トールの手を掴む。端からみれば男性のエスコートに応えるセレブ女性。
「――っ」
正直なところ驚いてしまった。立ち上がってくれのジェスチャーだったが、"お手をどうぞ"の意味でも捉えられたかもしれない。
動揺を隠すのに必死だった。顔に熱が入るのを感じとる。
滑らかで、柔らかい感触。
体が熱い。彼女の手が冷たく感じるのは、自分の身体に熱が入っているからだろうか。
咄嗟に彼女に向けていた顔を逸らし、目的地であるテーブルへ向け、ゆっくりと歩を進める。
室内の、たった数歩のエスコート。
何十万人もの軍隊と1人で戦った事がある。
空を覆うほどの大きさの炎の巨人に、義理の父への恨みを自分にぶつけろと、命を差し出したこともある。
念じるだけで銀河を破壊してしまうような怪物を相手取った事もある。
さまざまな修羅場を潜って来た。幾度も生命の危機に瀕する経験をして来た。
にもかかわらず、今の自分は、そのどれよりも動悸が激しく、足が重く、震えを止めるのに全力を注いでいた。
緊張の中、どうにか、彼女をテーブルに座らせる。
このテーブルは先程座っていたテーブルとは違うものだ。
それは少し特殊なモノ。
テーブルのシステムを起動させる。
すると、半透明の3Dマッピングがテーブル上に浮かび上がって来た。
様々な研究に用いたり、映像ログなどを空中に映し出すたSF映画では定番の、ハイテクテーブルだ。
その情景に、ヴィヴィアンもほんの少しだけ、目を見開く。
トールは、これまでの経歴を語る上で、言葉のみでは伝わらないと判断し、どうせ語るのであれば少しでもわかりやすくと、映像も織り交ぜて説明する事にしたのだ。
「どこから説明すれば良いのか……俺は元々この國にいたんだ。ただ、そう、先に説明しておくと、俺は、ここに来るための転移の影響で記憶に障害があって、その前後の事は覚えてない」
言いながら何もない空間に手を当てると、その場に映像のようなものが浮かび上がっていく。
「俺は、妖精國からとある世界に転移した。その時、腹に大穴が空いていたから、きっと、ロクな目に合わなかったんだろうな――」
次々と浮かび上がるのは灰色の建物。
その建物には猛禽類のシルエットが刻まれている。
映像が切り替わり、建物の内部の情景に切り替わる。そこに映るのは、様々な機会が並ぶ部屋。その部屋に、カレは現れた。
「死にかけて賭けに出て自分自身で転移したのか、何かの事故に巻き込まれたのか。転移後の会話ログは残ってるはずなんだが、どういう訳か壊れててな。理由までは分からない」
血塗れで仰向けのままのトールに、近づく影が一つ。
「俺にとってはこれが最初の記憶。俺が転移したのは、『S.H.I.E.L.D.』っていう……まあ世界を守る秘密組織ってとこだな、その研究所だったんだ」
黒いレザーコートを羽織った1人の男。肌は黒く、目にはアイパッチを取り付けている。
「その時に出会ったのが、この男、ニック・フューリー。まあ言うなれば運命の出会いってヤツ」
血まみれのトールと会話するフューリーと呼ばれる男。その情景の中、映像越しでもわかる程の異様な力をヴィヴィアンは感じ取る。
「この男と出会った事で俺は、天才科学者やら、超人やら、スパイやら、魔術師やら、宇宙人やら、まあ、色んな奴らと出会う事になったんだ」
それは、複雑な機械につながれた青いキューブ。それが、目的は果たしたとばかりに明滅していた――
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