変態になることを強いられているんだ!   作:ぜろぜろん

3 / 6
同級生との会話

特に授業もなくその日は早くも放課後を迎える。

今坂という話せるやつができた。話すとまあ面白いし基本静かなのでこちらとしてもやりやすい。……たまに疲れるけどな?

早く帰ってゲームしよ。そんな考えをぶち壊してくれた奴がいた。

「横須賀君、だっけ?」

早くもうちのクラスの人気者となった神坂澄乃。なぜ俺に話しかけてくる?

「君、あの時私のところに来なかったよね」

 

「悪かったか?」

 

「い、いや……そうではないけど」

休み時間、コイツの席の周りに男子たちが群がった。やはりモテる奴は違うな。

それにそうやって群がられても迷惑でしかないだろ。休み時間なんだ、休ませてやろうぜ。

「それと自己紹介のあれは何なの?」

「それを聞いちゃいかんだろ……」

人には触れてはならないものが必ずある。ましてやこんな中途半端なことをすると結構恥ずかしい。意外と思い切って凄いことをする方が恥ずかしくなかったりするな。ソースは僕。

「まあ、それはいいか、なんで私のとこに来なかったの?」

 

「なんだ、来て欲しかったのか?」

まさか男に囲まれたいってか? とんだビッチだな……

「ち、違う! 自惚れないで! と、とにかく何で!?」

 

「そりゃあな、まず興味がなかった」

 

「何かショック!」

自分で聞いてショック受けるなよ……僕が悪いことしたみたいじゃねぇか。

「それに行こうとしても行けなかったしな」

 

「へ? まさか足が悪いとか……?」

 

「お前の席まで歩くのがめんどくさかった。」

 

「ただのダメな人だ!」

うるせぇ、ダメとか言うな。傷つくだろ……意外とところてんメンタルなんだぞ。

ちなみにところてんメンタルとはところてんは意外と硬いが包丁などで切ると簡単に切れるのでそんな感じの心をところてんメンタルと僕は呼んでいる。

「で、何? 男全員に囲まれたかったの? ビッチめ……」

 

「ビッチじゃなーい!」

コイツいちいちうるさいな……

あれ? なんかどこからか振動が伝わってくる。いや、もう分かってる。俺に何かをさせんだろ?

『「うるせぇな! そのけしからん胸揉むぞ!」と、いやらしい手つきをしながら大きな声で言う。もちろん今』

いや、下手すれば男子を敵に回すし、警察沙汰ですよ? いや、分かった、やればいいんでしょ?

俺は両手をいやらしい手つきにしてこう言い放った。

「うるせぇな! そのけしからん胸揉むぞ!」

久しぶりに見たよ。これが凍った空気ってやつだったな。一年の時に僕が半裸で盆踊りしたのを思い出した。

「な、なななななぁ!!」

何? ヒャダ○ン? 顔を真っ赤にして体を守るようにしている。

これ以上この場にいるのも何だろう。

「じゃ、帰るな」

 

「あ、え? バイバイ?」

そんな状態ながらも別れの挨拶をしてくれた。健気なやつだ……

 

 

ここ、私立中川学園は小中高等学校がこのクソでかい敷地内に全てある。俺は高校から入った身だが小学校からいた奴もいるだろう。

そしてこの敷地内には学生寮もある。なんとも親切な設計、僕はここに住んでいる。ただ、高等部は学生寮から遠い上にここは山にあるから坂道を登る必要があるのが難点、まあ、外から来るよりかはマシだな。

しかし帰りは違う。下り坂を下っていくだけなのでとても楽に帰れる。

そんな坂をグダグダと下っている時だった。

何かが僕を飛び越えた。その少女は華麗に僕の前に着地をして変なポーズをしてくる。デッキブラシを持って。

「横須賀君だね?」

デッキブラシをくるくる回して納刀するように背中に付ける。どうやってんだろう?

「お前は……仙野だったか?」

 

「おお、名前を覚えてくれてるなんて嬉しいね」

会話自体は和むのだが後ろの存在感がそれを壊しているな……

「てかお前さっきのジャンプどうやったんだ?」

 

「あれはこれで走り高跳び風にしたんだー、すごいでしょ?」

 

「頑丈だな、デッキブラシ」

 

「あ、そっちなんだ」

人の体重を支えれるなんてすごい。まあ、したことないだけで案外できるのかも知れんが。

「で、なんか用か?」

 

「用が無かったら話しちゃいけないの?」

 

「まあ……いいけど」

結構人間ってこの言葉に弱いよな。そこで「うん」って答える奴がいたら感心するけど。

いつの間にか仙野が俺の横で歩いていた。たまにデッキブラシが軽く当たる。邪魔だなそれ……

「私も学生寮なんだ」

おう、そう言う事か……外から来る奴で好き好んで歩くやつなどそうそういないだろう。

それよりも、聞いてはならないのだろうか? 後ろの存在を。なんで持ち歩いてるのか気になるし、絶対邪魔だろと思う。

それでトイレとか掃除してないだろうな? したのを持ち歩いたとなれば軽蔑するが。

「でも今日は春にしては暑いね」

 

「そだな、珍しいな」

四月でこの暑さとは何なのか。これが話題の地球温暖化か……まあアイスが上手くなるからいいけど。

「汗かいてきちゃったよ」

仙野がそう言って取り出したるは……雑巾?

そして彼女は何の躊躇もなく額を拭いた。

「ちょっち待とうか」

 

「ん、どうしたの?」

 

「なぜ雑巾で顔を拭く……」

 

「え、別にタオルやハンカチと同じでしょ?」

 

「質は同じだが違ぇよ!」

初めて見たわ、雑巾で顔拭くやつ。僕の中でなんかにヒビが入る音がしたよ……

そしてなんのためにタオルを雑巾にする?

「これからはタオルかハンカチで拭け」

 

「え、はい……」

なんかすこぶる残念そうだった。デッキブラシといい、掃除道具好きなのかな?

そしてそうこうしている内に学生寮前にいた。

「女子寮は向こうの方だから、またね」

 

「おう、じゃあな」

僕はそのまま寮に入ろうとするが何となく彼女が行った方を向く。すると遠くにいながらも手を振ってくれていた。

そしてそれに応じるように……

「oh......」

携帯に着信が入る。そしてメールを確認すると、

『仙野に向けて「邪魔が入った! また会おう!」と大声で吐き捨てて寮に駆け込む。もち今』

期限の表記の仕方雑いな……でもこれをしなければ何がうちの寮から無くなるかわからない。

「邪魔が入った! また会おう!」

僕はそのまま寮に駆け込んだ。

これでもまだ序の口、多分ここからが本当の地獄だ……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。