変態になることを強いられているんだ!   作:ぜろぜろん

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本番前の本番

『二年生は体育館に集まってください』

その放送に僕は少し肩が震える。今日体育館であること、それは新入生歓迎会。

もしかすれば僕はまた伝説を作らなければならないのかもしれない。

歓迎会自体は楽しかったのにな……

一年前、僕こと横須賀直利が変態佐と呼ばれるようになるまでの足がかり。いい思い出なんてあるものか。

てかまずこのクラス自体大丈夫なのか? 寝ていて自己紹介はよく聞いてなかったけど僕の知る限りこのクラスは変人の巣窟だ。クラス単位で伝説になるのは嫌だな……

「直利君、行かないの?」

すると横から少し暗めの声が聞こえた。彼女は今坂調、驚異のマッドサイエンティストである。(自称)

「そうだな、さっさと行こう」

 

「期待してますよ。変態佐」

 

「うぐっ……」

コイツもやはり知ってたか……同級生ならまだしも後輩にこんな扱いはされたくない!

まあ、ぼちぼち頑張るか……

 

 

前にも言ったかもしれないが新入生歓迎会では即興の出し物をしたりする。まあ、それでも全くの即興というわけでもないそうだな。僕は今台本を読んでいた。

「即興じゃないのかよ……」

僕は小さな口で呟きながら台本に目を通す。すると横から元気な声が聞こえてきた。

「まあ、全く覚えなくても流れがわかればいいと言っていたぞ!」

目をやると第一に頭に浮かんだのが軍服だった。だから何で軍服着てんの? それどこの軍のだよ……

一応僕だって男だ。軍や兵器に関することに少し興味があったので一時期めちゃくちゃ嵌ってたが……その僕でも彼女の着ている軍服がわからない。

「坂野友香だったか?」

 

「おお、覚えてくれてたか! 感心感心!」

そんなに喜ぶことなのかね……

そんな彼女を見ていると腰あたりになにかついているのが見えた。

「それ、銃か?」

 

「ああ、今回の劇で使うものだ」

そう言って彼女はホルスターから銃を取り出す。大きめの銃だ。

「SOCOMか?」

彼女にそう問いかけると彼女はポカンとする。そして、

「なかなかやるな! ハハッ気に入ったぞ!」

僕の手を取りすんごい振ってきた。やめろ、それ痛いからさ。

さっきも言った通り僕は少し銃が好きだ。これくらいはわかる。

「少し触らせてもらっていいか?」

やはり、この歳になっても好きなものは好きなのである。興奮しちゃうのが男。

しかし何故か彼女は顔を赤くした。

「さ、さささ触りたいだとぉ!?」

 

「そんなに……」

焦らなくてもと言いかけてそこで僕は思った。これ何も知らない人から見れば僕って変態だよな。

はいそこもう変態じゃね? とか言わない。

「ち、違うぞ! 僕はだなその……」

そこでまた走るバイブレーション。渋々ケータイを開く。

『ズボンを脱いで「俺のデザートイーグルを触って欲しいだけなんだ!」と叫ぶ。もちろん今』

……普通そこはマグナムじゃね? まあ、パンツ脱がないだけましだよな。

因みにデザートイーグルとは五十口径の大型拳銃だ。

「ん、まだ下に続きがある……」

メールのしたの不自然な余白に気づきスクロールしていく。

『まあ、君のアソコはデリンジャーだけどね』

 

「やかましいわぁ!!」

 

「ど、どうしたんだ急に!」

おっと彼女を驚かせてしまったようだ。

因みにスイスミニガンとはギネスが公認した世界最小のリボルバー拳銃である。

また、彼女の驚いた顔を見なければならない。てか驚くどころじゃない気がする。

「俺のデザートイーグルを触って欲しいだけなんだ!」

俺は高らかに言った。もちろんズボンをずらして。

「い、イヤァァァァァァ!!」

彼女は涙目になりながら叫んだ。軍服着てる子でもこんなになるんだな。すごい罪悪感……

「ご、ごめんなって……え?」

僕は謝ろうとするも目の前の光景に唖然とする。

坂野が銃を構えていた。しかし怯えた様子で照準が定まらないだろう。

「お、おい銃はそんな簡単に人に……」

 

「こっちに来るな変態!!」

oh......聞く耳を持たないな……

しかし遊戯銃だとしてもこの距離ならば痛いだろう。彼女を刺激しないようにゆっくり近づこう。

しかし僕は忘れていた。ズボンを上げることを、彼女の照準が定まらないこと。

「く、来るなぁぁぁ!!」

 

「ノアァァァァァ!!??」

局部にすごい痛みが生じる。う、撃たれた……僕のデザートイーグルが……

そしてこの威力、多分ガスブローバックだ……18禁だろ確か……

それを5発くらい撃たれた……

誰だよ、新入生歓迎会が地獄になるとか言った奴……

本番前が、本番だったじゃねーか……

 

俺はしばらくの間悶絶し気がついたら新入生歓迎会が始まっていた。

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