因縁の相手は階段   作:さくらいJAN

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if 賞金稼ぎルート_続き5

 

 

 

バロックワークス乗っ取り完了後。

私はMr.0の名を襲名した。

 

国盗りは中止だ。

アラバスタが可哀そうってのもあるが、普通にこんな国いらない。

私たちが目指すは赤髪とラフテル。

つまり近い将来新世界に乗り込むのだ。

前半の海の島になんて構ってられない。

 

国家運営なんて面倒だしね。

拠点としては世話になるけども。

 

 

私は部下に賞金稼ぎを指示しつつ、高額な首は自分で狩った。

後に最悪の世代と呼ばれる面々は見逃してやった。

なんか重要そうだし。

 

 

 

 

 

 

 

また、国盗りはしないので少数精鋭体制に移行した。

雑魚なんてどれだけいても覇王色で一発だ。

金食い虫を増やすだけである。

 

 

よってMr.1~Mr.5までのオフィサーエージェントと、

Mr.6~Mr.12までのフロンティアエージェント。

アンラッキーズを挟み、ビリオンズを100名という構成にした。

 

 

あと2年で原作開始だ。

それまでにMr.12までのエージェント全員に覇気を覚えさせる。

 

 

教える関係で私がボスとして取りあえずエージェントに正体を晒したが、

何名かは反感をしめした。

小娘相手では従えないということだろう。

なので全力覇気パンチでダズを吹っ飛ばして武を示した。

強さこそ全て。

おかげでみんな大人しくなった。

 

 

だが、クロコダイルの言うとおり、

覇気を鍛えたところでどこまで戦力になるかは不明だ。

実際女ヶ島は全員覇気使いだが、

ハンコック以外はギア2ルフィに歯が立たなかった。

 

 

足りないのは才能か努力か。

コビーが結構強そうなので努力な気もするが、努力の強要は難しい。

前世での勉強と同じだ。

必要だと分かっていても、出来ない者は出来ない。

個々に頑張ってもらうしかないな。

 

 

正直スマイルを食わせたほうがよっぽど楽に戦力を増やせる。

カイドウの気持ちが分かってしまった。

でも仕方ない。

根気よく教えよう。

 

 

 

そして、ニコ・ロビンは顔を隠して大人しくしてもらう。

彼女には麦わらの一味に加入してもらわなければいけないのだ。

それまでは大人しくしていてもらおう。

そうだな、秘書でもやってもらおうか。

 

それだけだと不満を抱えるかもしれないので、

エージェントやビリオンズに歴史の本文や古代文字を見つけたら、

記録を取って送ってもらうように指示している。

 

 

赤い歴史の本文が見つかることは流石に無いだろうが、

歴史を知りたい彼女を匿う以上、退屈しのぎを与えなくては脱走されてしまう。

逐一監視するのも面倒だし、これくらいは必要経費だろう。

 

 

クロコダイルにはああ言ったが、赤髪からラフテルへの道を聞くことは不可能だと思っている。

精々聞けても空白の100年のこととかDの意味とかだろう。

まあ私が知りたいのはそれだから良いんだけど。

 

 

よって海賊王を目指すのは麦わらの一味が現れてからだ。

彼らと同盟を結び、ニコ・ロビンを派遣して原作のルートに合わせる。

そして敵をあらかた倒した後にラフテルに向かう旅にちゃっかり同行するのだ。

それが一番の近道。

間違いない。

だって主人公だし。

 

 

それまではとりあえず組織力の強化だ。

当然私とクロコダイルも強くなる必要がある。

あと4年後には百獣海賊団戦で戦力になれるようにならなきゃいけないわけだしね。

 

 

さあ頑張りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで2年ほど経過した。

未だルフィの手配書は出てないが、

海賊狩りの異名を持つ剣士に勧誘を断られたという情報が上がってきた。

そろそろかな。

 

 

覇気教育は上手くいった。

エージェントは当然として、ビリオンズも半数ほど覇気を習得した。

オフィサーエージェントなら覇気を使えないルフィに勝てるだろう。

ビリオンズの下位でも1000万クラスの賞金首なら一人に任せても問題ないくらいにはなった。

 

 

おかげで楽園ではバロックワークス無双状態だ。

海賊にとっては恐怖の組織へと変貌した。

 

 

そしてこの2年でクロコダイルから何点か悪魔の実が届いたが、

トゲトゲの実だったりイヌイヌの実モデルダックスフンドだったり、

原作でエージェントが使っていた実だった。

正直いらない。

 

 

ボムボムの実とかマネマネの実だったらちょっと欲しかったが、

すでに食われていたので諦めた。

という訳で悪魔の実はとりあえず保留だ。

泳げなくなるの不便だしね。

 

 

 

 

 

「そうですか。

良かった。楽しんでくださいね。

ええ、まだ連絡はありません。

大丈夫です。すぐ呼びますから。

はい、では頑張ってくださいね」

 

 

そう言って私は電話を切った。

ウタとの定期連絡だ。

 

バロックワークスがメインスポンサーについた彼女は、

組織の助けもあり前半の海でツアーコンサートを開いており、

すでに世界の歌姫として君臨していた。

 

 

しょっぱい海賊の奇襲が何度かあったようだが、

護衛につけたMr.4とMs.メリークリスマスに勝てる奴は今のところ出ていない。

 

 

Mr.4は武装色を、Ms.メリークリスマスは見聞色を得意としている。

練度はまだまだだが、それでも億クラスの実力だ。

簡単には勝てまい。

 

 

ウタは餌だ。

赤髪海賊団への。

 

 

もちろん彼女了承のもとである。

シャンクスの娘である以上、彼女の名が目に入れば気にするはずだ。

クロコダイルの組織と密接な関係にあるということも気づくはず。

 

 

そしてクロコダイルはドフラミンゴからの兵器を購入している。

裏界隈で目立ってもらう為だ。

 

 

クロコダイルの情報を得ればこう思うはずだ。

ウタは戦争に利用されるのでは?ってね。

 

 

あとは面談までゆっくり待てばいい。

赤髪海賊団が魚人島を超えて来たなんて大ニュースは寝てても入ってくる。

娘という人質がいる状況なら情報を引き出せるはずだ。

 

 

しかも、ウタの目的は直接シャンクスと話すこと。

つまり私もウタも赤髪も損をしない。

WINWINWINなのである。

我ながら完璧だな。

 

 

プルプルプル

 

 

と、自分の知略に悦に入っていたら電話が鳴った。

誰だろう?

ウタとはついさっき電話したし、クロコダイルかな?

 

 

「はい、こちらMr.0」

 

「急にすまない。

わたしだ。今は大丈夫だろうか?」

 

「ああ、コブラ王ですか。

はい、大丈夫ですよ。どうしました?」

 

 

コブラ王だった。

私がバロックワークスを乗っ取った時には未だダンスパウダーを使用していなかったので、

特に揉めることなく国とは上手くやっている。

 

 

海賊にとって拠点とは家のようなものだ。

仲良くする為にある程度は便宜をはかっている。

頼まれ事を受けたことも数度ある。

今回もそういうアレかな?

 

 

「君に会いたいという者がきている。

わたしも世話になっている人で追い返すわけにもいかなくてな」

 

「はあ、私の知ってる人ですか?」

 

 

私に会いたいって人は多い。

有名な賞金稼ぎの組織のトップなのだから当たり前だ。

でもなんでわざわざコブラ王の所に?

 

 

「いや、多分知らぬだろう。

ステューシーという女性でな、

グランドラインで多数の飲食店を経営をしているのだが、

君の後ろ盾が欲しいとのことだ」

 

「……あー」

 

「彼女はアルバーナにも店を出していてな。

うちの部下も世話になっている。

もちろん、この場で約束などという話ではない。

一度会ってみてはくれんかね?」

 

「分かりました。

ちょっとスケジュールを確認して折り返しますね」

 

「すまんな。

よろしく頼む」

 

 

カチャリと受話器を下す。

うーん、ステューシーねえ。

あれだよね。CP0の玉手箱欲しがってた人。

 

なんでCP0が私の所に?

いやロビンか。

それ以外無いよね。

 

でも何でバレた?

この2年完全に引きこもってもらってるのに。

しかもニコ・ロビンの捜索はCP9がやってたのでは?

 

 

こっちの組織がまあまあ武闘派だからか?

CP9には荷が重いってことかな。

うーん、困った。

エージェントは出払ってるし、クロコダイルの七武海の地位も惜しい。

とはいえ私1人には荷が重い。

1人追い返してそれで終わりってことも無いだろうし。

 

 

うーん、仕方ない。

とりあえず時間稼ぎしだ。

予定があるということにして、面会は翌々日に指定。

(あんまり後送りにして強引に侵入されても困る為)

 

 

それまでに人を集める。

強くなった私とオフィサーエージェントが居れば追い返せるだろ、多分。

 

 

私は各エージェントとクロコダイルに電話をし、アラバスタへの帰国を要請した。

Mr.4を帰国させる関係でウタも帰国することになる。

護衛なしで放り出すには有名になりすぎた。

残念ながらツアーはキャンセルだ。

理由は……、まあ病気でいいだろ。

 

 

世経の記者にウタのツアーキャンセルについて連絡。

変な噂が立たないようにしなきゃな。

 

 

 

他にも見られたら困る書類を隠したり脱出経路のチェックをしたり、

最悪アラバスタから逃げることも考えて移転先の拠点や移動手段、食料などの購入も行った。

こういう時ロビンの存在が助かる。

私1人ではいつまでも終わらなかっただろう。

 

 

結局なんだかんだ2日経ってしまった。

面会当日だ。

既にオフィサーエージェントは到着している。

準備は万端だ。

 

無事終わると良いなあ。

無理だろうなあ。

 

でもまあステューシー1人なら何とかなるだろ。

もし敵対して追加の人員が来る頃にはこっちは逃亡済みという寸法だ。

ふっ、勝ったな。

 

 

うん?

電話か。

誰だろう?

 

 

 

「はい、こちらMr.0」

 

「赤髪が動いたぞ」

 

「は?」

 

「いつの間にか前半の海に幹部を連れて現れた。

相変わらず神出鬼没な奴らだ。

 

明日にはアラバスタに着くだろうな。

おれも今からアラバスタに向かう。

到着のタイミングは同じくらいになるだろう」

 

「え、ちょ、まっ」

 

「CP0の相手は任せたぞ。

まあお前のことだ。上手くやるんだろう?」

 

「あっ、ちょっと!?」

 

 

切りやがった。

えーと、つまり、えーと……、

どうしよう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ワンピース世界って盗聴とか出来るんですよね。

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