異世界で美少女になった俺、地球に戻れたので裏垢やってみる。   作:貯水庫

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1話 異世界で吸血鬼になりました

 

 

突然だけど俺はトラックに轢かれて死んだ。

親友と他愛ないゲームの話をしながら下校していた、高3の梅雨時であった。

 

死に際は異世界転生してチートだとかハーレムだとか考えるもんだと思ってたけど、実際は突然死ぬことへの衝撃でそんな余裕はなかった。

 

 

 

 

 

でも異世界転生はした。

 

テンプレのような剣と魔法の異世界。中世ヨーロッパ風の王国や帝国に、一神教を唱える聖なんちゃら神樹国。人類と当たり前のように敵対している魔族。その王である魔王。

 

異世界転生と言ったら、誰しも人類の希望となって魔王を打倒し、美少女たちに囲まれるなんて幻想を抱くだろう。

でもどういうわけか、俺は人類の敵のほうであった。そして女だった。

 

転生してから地球時間でだいたい1年半も経つというのに、俺の見た目は生まれた時の少女の姿のままいっさい変わっていない。

吸血鬼とはそういう、不老で半不死の種族らしい。半不死というのは、寿命がなく外的要因でしか死ぬことがないということ。

 

背中をくすぐるミディアムくらいの真っ白でさらさらの髪。口の中で感じる鋭く尖った八重歯。結構重量感のあるおっぱいにももう慣れてしまった。

 

初めて鏡を見た時はぎょっとした。

パッチリとした丸い目はまさかの赤色。耳は人間より少し長く尖っている。真っ白な肌に、幼い印象を与える顔立ち。

火照った頬は恋する乙女さながらの様子で......実際、目の前の自分に見とれていた。

 

 

俺は数ヶ月でこの世界の言語や常識、魔法を学び、それからは正体を隠しながら人類の国を一人旅している。

 

なぜ旅かと言うと......めちゃくちゃに美味しいのだ。かわいい女の子の血が。

味や香りだけじゃない。喉を通す瞬間、昇天してしまいそうなほど心地よくなる。

で、その心地いい感じが女の子によって全然違って、女の子の性格やその時の感情なんかがはっきりと現れる。

いろんな女の子の血を求めて旅しているということである。

 

血の美味しさというのは、吸血する際のお互いの好意の強さに相関する。

俺だったら、かわいい女の子の血は美味しく、ムキムキマッチョのおじさんの血はゲロマズに感じる。

おかげで俺は吸血鬼の中ではレズでロリコンのやべーやつと認定されてしまっている。

まあ、肉体的には確かにレズなんだけどね。

 

そういうわけで、かわいい女の子を見つけては、がんばって習得した治癒魔法やら解毒魔法やらで恩を売って血を吸わせてもらうという素晴らしい旅を1年くらい続けている。

 

 

そして今は夜。

1日に夜が2回あるうちの短い方の夜だ。

太陽はでかい惑星の影に隠れるので1日のうちで一番暗いが、街では魔道具の明かりが道標となってくれる。

日光がほとんど届かないため吸血鬼が最も活発になると恐れられるこの時間だが、なんと、かなりかわいい子を見つけたので、恩を売れる困り事がないか探るべく後をつけている。

 

帝国のある街の市場で買い物をしていた金髪碧眼のロリ巨乳だ。黒いローブ姿で買い物かごを持って歩いていて、ローブの下にはちらちらと剣が見える。冒険者だろうか。

 

病気の母親がいたり、強力な魔物に襲われたりしたら助かるのだが......なんて思いながら後をつけていると、ロリ巨乳は1人街を出て暗い森の奥へ入っていき......立ち止まった。

 

「誰ですか?」

「うぇ!?」

 

思わず変な声が出た。今まで俺の尾行で気配を悟られたことなんてなかったんだけど。

 

「あなた、吸血鬼ですよね?」

「......なぜそう思うの?」

「魔力がない存在なんて、私は吸血鬼くらいしか知りません」

「......よく知ってるわね」

 

正体まで当ててきた。

 

俺の口調は気にしないで欲しい。『ですます』感覚で使い続けて定着しちゃったけど、俺に言葉を教えてくれたのは吸血鬼のお姉さんだったんだよ......

 

それはさておき、少女の言う通り、吸血鬼には魔力がない。

その代わり、体内に溜めた他人の血液を魔力に変換することができて、それを使って魔法を行使することができる。

 

魔力がない故に、尾行には気付かれないと思ったんだが......

アニメでよく見る『何者かの視線を感じる......』とか『殺気!?』とかはこの世界だと体内魔力循環に感情が影響したのを感じ取ってるだけだからね。俺の場合魔力がないから感情が魔力に現れることもない。

 

ということは、マナ感知か......

魔力感知よりも難しいが、万物の元たるマナを感知できればできれば目を瞑っていてもどこに何があるのかがわかる。

俺も少しはできるが、せいぜい手の届く範囲くらいしかはっきりとは感知できない。

 

しかしこの子は10メートル以上離れた俺を感知できるほどマナ感知が上手く、吸血鬼に魔力がないという事実も知っているときた。

吸血鬼はレア種族でこの世界に10人もいないらしく、この事実はほとんど知られていないのだ。

 

只者じゃないことは明白。おそらく相当優秀な魔術師なんじゃないだろうか。

俺が恩を売れることなんて1つもないだろう。

 

だとしたら、俺のやることは1つだ。

隠れていた木の影から出て女の子に近づく。女の子は警戒を露わにし、腰の剣に手を添える。

 

「お願いします!血を吸わせてください!!」

「......え?」

 

ジャパニーズ・土下座。

一応、土下座はこの世界でも日本と同じく平伏を示す動作として使える。

 

「女の子の血が大好きなんです!先っちょだけ、先っちょだけでいいから......!」

 

()()先っちょだけ。

吸血鬼の唾液には傷を回復させる効果があるので、牙の刺し具合で吸血量を調整できる。

 

「......」

 

すると女の子は無言で何列にも渡る魔法陣を構築し、次の瞬間には目の前から消えていた。

 

これは、転移魔法!?

 

 





吸血鬼の生態ガチャ!
ガチャガチャ......ポンポンポンポン!
【R】不老で半不死←[New!]
【SR】尖った耳、長い八重歯←[New!]
【N】他人の血液を魔力に変換して使う←[New!]
【R】唾液に傷を回復させる効果←[New!]

吸血鬼の生体図鑑!
【UR】
1.
【SSR】
2.
3.
【SR】
4.尖った耳、長い八重歯
5.
6.
【R】
7.不老で半不死
8.唾液に傷を回復させる効果
9.
10.
11.
【N】
12.他人の血液を魔力に変換して使う
13.
14.
15.
16.
17.

レア度は僕が好きな順です。
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