異世界で美少女になった俺、地球に戻れたので裏垢やってみる。   作:貯水庫

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24話 友達ですよ

 

 

翌日の夜。

 

今日は都合いいことにオンラインで超乱闘のタッグ戦の大会があったので、これに服部とペアで出ているところを配信する。Owatterにて個人が主催するアマチュア大会だが、なかなかの強者が揃っているらしい。

 

さすがに服部がネットで人気の裏垢女子を部屋に連れ込んでるのを知られたら炎上不可避なので、俺は自宅から通話で配信に参加している。よって、顔は出さない。耳や牙を見られたくないのもあるしね。

 

「わっ死んだ!」

「これで振り出しに戻ったな。ん?彼女ですか?んなわけあるか!!」

「HTRさんは友達ですよ」

 

現在は大会までの肩慣らしとして俺と視聴者の1on1をしていた。

 

一応俺は設定上15歳のため、服部に対しても敬語で話していた。こいつに敬語を使うのは慣れないが、吸血鬼のハイスペック脳のおかげで今のところボロは出してない。

 

『スノウちゃんがいると聞いて』

『強くない?』

『今のすご』

『HTRに女友達がいたのか』

『よくリオワータしてた子ですよね』

『人多いな』

『声かわいい。何歳?』

 

コメントはスマホから読んでいるが、すごい速度で流れている。この配信は今話題の裏垢女子が出ているとのことで急速に広まり、現在視聴者数は8000人にもなっていた。吸血鬼でもなきゃ全然コメントを読めないところだったな。

 

 

「もうすぐ16歳になります」

 

『アウト』

『犯罪wwww』

『いつかやると思ってました』

『通報しました』

『ロリコン』

 

「友達だっつの!?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

そんなこんなで大会は始まり、それから2時間くらい。

俺たち竜女とキジのペアは無敗で勝ち進んでおり、現在決勝戦をしていた。

 

2人ともタッグ戦は経験が浅いが、吸血鬼の脳みそは普段の倍の情報量を余裕で処理しており、服部も俺の動きを熟知しているためいい感じに連携がとれていた。

 

「わぁっ!?」

「スノウちゃん次掴まれたら死ぬよ!」

「わ、わかりました!」

 

とはいえ決勝。相手もかなり強く、苦戦を強いられている。

分断させられている間に1人を集中砲火されると、俺ならまだしも、服部には2対1の状況は厳しかった。

 

「ぁあっ!助け......あっ」

「ごめん俺死にそう」

「えっじゃあ私1人!?」

 

『がんばれ!』

『えっろ』

『相手うま』

『スノウちゃんいけ!』

 

服部のキジがやられ、俺1人で2人を相手することになってしまった。ただ俺の持ち味は情報処理能力と反射神経だ。フレンドリーファイアがありな設定なので、味方に攻撃が当たらないようにしている相手2人に対して冷静に対処できていた。

 

『逃げるのうっまw』

『まだいける!』

 

相手の配管工兄弟からなるべくダメージを受けないように逃げながら、攻撃を当てられる時は当てて......あっ捕まれた!くらえ全力レバガチャ!

 

「レバガチャはっや!?」

「よしっ、......っ!ここ!」

 

配管工弟の頭突きの構えが見えたので即座にカウンターすると、兄弟まとめてすごい勢いで吹き飛んで行った。

 

「勝った!」

「ナイス!!」

 

『うおおおおおお』

『優勝!?!?』

『うっまww』

『すげええ』

 

優勝だ!まさかここまでこれるとは。

 

決勝ともあり、すごい視聴者数だ。俺のフォロワーの超乱闘勢以外の人も来ているようで、最大視聴者数は12000人にもなっていた。

 

最後はいい感じに決まったし、なかなか見応えのある配信ができたな。それに、普段敵として戦っている服部とチームで戦うのは新鮮だったし、なにより楽しかった。

 

どうやらこの大会は気前のいいことに優勝チームにはウェブマネーで1人3万円くれるらしい。ありがたくゲームに使わせてもらおう。

 

また、この後Owatterで『これからたまにHTRさんのチャンネルで超乱闘配信するので、よかったらチャンネル登録してください!』とつぶやいたところ、服部のチャンネル登録者が2倍、14000人になった。スノウちゃんパワー強い。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

その翌日、大学のある一室。

服部は拷問を受けていた。

 

「ぎゃぁぁああああ!!!」

「さあ服部君よ。これはどういうことだろうか?そろそろ吐きたまえ」

 

男が突きつけるスマホでは超乱闘の生配信のアーカイブが再生されていて、『HTRさんは友達ですよ』とかわいらしい女の子の声が流れていた。

 

「し、知らない!それは俺じゃな...あっぴゃああぁああ!!?」

 

大学で仲がいいはずの友人に複数人がかりで関節技を決められる服部。

 

「これが君だということは調べがついている。それがどういうわけか、こんな......かわいい、女の子と......うっ」

 

服部と仲がいいグループは、ろくに女の子と話もしたことがない童貞たちの集まりであった。

たとえ恋仲でなかったとしても、服部の抜け駆けは彼らにとって決して許されざる行為であった。

 

「ゆ、許せん。俺も、女の子とゲームでイチャラブ生活、してみたかった......」

「畜生、服部め。俺も女の子の運動後の汗まみれの下着が欲しかった......」

「うっ、俺もかわいい女の子に踏まれて罵られてえよお」

「俺そんなことしてねえ!?!?」

 

大学のある一室で、しばらく服部の悲鳴と男たちの鳴き声が虚しく響いていた。

 

 

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