異世界で美少女になった俺、地球に戻れたので裏垢やってみる。   作:貯水庫

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30話 変態バカお兄

 

 

 

それからは幸いナンパもストーカーもなく、まっすぐ家に帰ってこれた。

 

「ただいまー」

「おかえりお兄!」

「おかえりおにい」

 

......ん?なんか妹が増えてなかったかな?気のせい?

 

「こら!ユーリアちゃんはお兄の妹じゃないんだからおかえりだけでいいんだよ!」

「......?」

 

きょとんとした顔で首を傾げるユーリア。

あなたでしたか。

いや、俺はかわいい妹が増えるなら断然オーケーだ。

 

「それよりお兄、聞いて聞いて!この子すごいの!もう五十音の読み書き全部覚えたし、単語も少し覚えちゃった!」

「まじか」

 

なんと。

それはそれですごいけど、まだマシュマロもあげてないのに妹が機嫌を直してることも結構驚きである。不機嫌だった妹も異世界から来た美少女に興味津々みたいだね。

 

「ほら見て!ユーリアちゃん、あれは?」

「てれび」

「あれは?」

「こたつ」

「これは?」

「すまほ」

「じゃあ、私は?」

「まい」

「あいつは?」

「へんたいばかおにい」

「すごい!!」

 

すごいじゃねえ!?

俺が買い物行ってる間に何教えてんだよ!

機嫌直してるのか直してないのかわかんねえ!

 

「誰が変態バカお兄だ!」

「お兄なんて変態バカお兄でいいんだもん!」

「ごめんって。あ、そういやマシュマロ買ってきたんだけど」

「お兄好き!」

 

マシュマロ1袋でこの変わり身の早さである。

将来悪い人に騙されないかお兄ちゃんは心配だよ。

 

ユーリアは魔力を空中に出して「せつな おかえりおにい」と文字を作っていた。

かわいいかよ。てかまじで読み書きも覚えたのか?

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

妹と2人でユーリアに日本語を教えている。ユーリアはかなり覚えがいいようで、辞書の使い方をすぐマスターし、日本語で難しい格助詞の概念もなんとなく理解してしまっていた。あれだけ魔術を理解していて、頭が悪いわけがなかったな。

 

「はい、ユーリアちゃん、あーん」

「あーん」

 

勉強を教えながら妹がユーリアにマシュマロを食べさせている。

好物のマシュマロをあげるくらいにはユーリアに懐いているようだ。

 

『甘いですね。これはなんですか?』

『マシュマロっていうお菓子よ。確かメレンゲを砂糖で甘くしてゼラチンで固めたものだったと思うわ』

「メレンゲ?ゼラチン?」

 

異世界語でメレンゲやゼラチンが何て言うのかわからない。というか存在するかどうかも怪しい。

 

『メレンゲは卵白を泡立てたもの。ゼラチンは......ゼラチンって何だったかしら?』

 

ゼラチンに関する記憶を探していると、ふとユーリアから『あの』と声がかかった。

 

『そろそろ向こうが夜になるので帰りますね』

『あ、わかったわ。はいこれ。寿司っていうこの国の料理で、魚の切り身を米と合わせたものよ』

 

買ってきた寿司を渡し、加えて、付属の醤油とわさびについても説明する。

 

「妹よ、ユーリアは帰るようだよ」

「え、帰っちゃうの?」

「家事をしなきゃいけないらしいよ」

「そっかあ。ユーリアちゃん、またきてね?」

『またきてね。らしいわ』

『はい、勉強でわからないところがあったらまた来ますね。それにしても、いい妹さんですね。あなたが妹じゃないんですか?』

『こう見えても兄よ』

 

ユーリアはこれを冗談と取ったのか『ふふ』と笑い、教科書とかをまとめ、日本語でさようならと言って帰っていった。

 

「わっ消えた!?」

「うん。これが転移魔法だよ」

 

あ、そういやナンパ対策の魔法について聞いてなかった。

......まあ、また来るって言ってたしその時に聞くか。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

数日後。土曜日の夜。

 

幻影魔法のお披露目も兼ねて、服部アパートに来た。

服部は大学が学期末らしくテスト勉強とレポートが鬼のように溜まっているらしいので、今日は生前の姿のお披露目とプレゼントの受け取りに来ただけだ。

 

服部の部屋の扉の前で魔道具を発動し、インターホンを押す。

 

ピンポーン

 

......

 

「はー......い......?早く成仏してくれ......」

「俺転生したこと知ってるよな!?」

 

いきなり悲しいものを見るような目を向けてくる服部。

 

「この姿は幻影だよ。声も偽物だ。下にはちゃんと本物の体があるんだよ」

「へえー。じゃあ、この辺か?」

「ひゃん!?」

 

いきなり胸を揉んできた。何すんだこいつ。

 

「お前男の声でそんな声出すなよ......」

「お前がいきなり掴むからだろ」

「ふむふむ、おもしろいな。何も見えないのに至高の感触だけがある」

「放せよ!」

 

なんかこいつ最近遠慮がなくなってきたな。まあ胸を揉むくらい別にいいんだけどね。

 

「まあ、入れよ」

「悪いな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「にしても、どうしてまた急にそんな姿になったんだ?」

「ストーカーが鬱陶しくて、異世界に行って髪と目の色を変える幻影魔法を教えてもらったんだよ。これはそのついで。家とここではこの姿になるよ」

「え」

「ん?」

 

えってなんだ?

 

「あー、できれば俺は美少女のお前がいいんだが」

「そ、そうか?」

 

んー、生前の姿の方が接しやすいかと思ったが、確かに美少女の方が見栄えがいいか。

俺は魔道具に流す魔力を止めた。

 

「やっぱりそっちのがいいな。いい目の保養になる」

「ふーん、まあお前がこっちがいいならそうするよ」

 

じゃあ生前の姿は家族の前でだけかな。

 

「ところで、俺のプレゼントはあれか?」

「ああ。あの2つだな」

 

今週は2つ来ていたらしい。

大きいのと小さいのだ。小さい方はどう考えても服じゃない。

 

とりあえず大きいのを開封する。

 

「わ、すげえ。カメラだ」

「一眼レフだな。三脚付きだ」

「これは助かるな。スマホだとあんまりいろんな視点から撮れなかったからね」

 

それに、写真の質も良くなるだろう。

まあ最近のスマホも結構いい写真撮れるけど。

 

ていうか、これどんぐらいするんだろうな。

こういうカメラって6ケタいかなかったっけ?

これは大切に使わなきゃね。

 

 

さて、もう1つのプレゼントは...

 

「......」

「......」

 

なんかムカつく顔をした黄色いニワトリのおもちゃ。それが3つ。

 

なんかムカついたので潰してみた。

 

「ピギョォァアアア」

「びっくりチキ」

「言わせねえよ!」

 

 

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