異世界で美少女になった俺、地球に戻れたので裏垢やってみる。   作:貯水庫

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文化祭の季節ですね。


番外編1話 文化祭

 

 

『例のポーズをやってみました』

 

そう言ってみーさんがOwatterに投稿していたのは、最近日本中で流行っているというあるポーズ。

服部が言うにはとある格闘ゲームの女性キャラクターのしゃがみモーションのポーズらしいが、かなり柔軟性が必要なようで、裏垢女子の中でもセクシーポーズかつ一種のチャレンジとして大流行しており、今では「しゃがみモーション」や「例のポーズ」と検索しただけでも画像検索結果の一番上に出る。

ワンフィンガーチャレンジ、おっぱいハート、I字バランス、俺の裸カラーコーンの次で5つ目の大きな流行りになってるっぽい。

 

みーさんも今やってみたようで、えっちな下着姿で完璧に例のポーズをしてみせていた。あの子体柔らかいんだよね。

 

今日は俺もこれをやってみようと思う。

裸カラーコーンで一世を風靡(?)していた俺はこのポーズを結構期待されているようだし、俺も自分の体でこれができるのか気になる。

 

どうせならエロい衣装を......以前貰ったバニーガールでも着てやってみようか。

 

 

ということでバニーガールになった。

俺が貰ったのは白いバニーガール衣装。肩出しスーツや網タイツ、耳しっぽまで全部白で統一された白うさぎモチーフのバニーガールだ。白髪赤目だから、本当に白うさぎみたいで評判はなかなかよかった。

 

 

ではさっそくカメラタイマーを設置して例のポーズをやってみる。

 

俺はカメラの前で脚を大きく開いて立ったまま上半身を前に倒し......この時点で裏ももがだいぶきついけどなるべくお尻を上に突き出し、その状態で背中を後ろに反わせて胸を床にぺたりと付けた。

あとはこのまま腕を顔の前で組むだけ......ってきついきつい!単純に股関節が痛いし伸びきった脚に力が入ってガクガク言ってしまっている。タイマー何秒にしたっけ!?

 

しんどいけどなんとか表には出すまいと無表情を取り繕いながらシャッターを待っていると、ふと家の玄関のドアが開く音がした。

妹の魔力反応だ。学校を終えて帰ってきたのだろう。

すると妹の魔力は何やらすごいスピードで走り出し、ドタドタと階段を登ってきた。

 

な、何だ......?まるで天○天○〜!とか言ってそうな勢いだ。子供に勉強勉強って、言いたくないですよね。というかまさか俺の部屋に入ってきたりしないよな?

 

なんて思ったのが悪いのか、妹は自分の部屋のドアを通り過ぎて俺の部屋のドア前まで来てしまい、俺はこの体勢を変えることもできず......妹がガチャリとドアを開ける音とシャッターがパシャリと鳴る音は同時であった。

 

............

 

「な、何してるのお兄......?」

 

バニーガールでセクシーなポーズの写真を撮っているんだよ。

 

うーん。変人かな?

 

「こ、これは裏垢用に......ってかどうしたの?珍しくいきなり入ってきて」

「あ、そうだ!お兄、来週文化祭来て!!」

 

文化祭。

ああそうか。そういえばもう9月......文化祭の時期か。

 

俺と服部の出身校であり現在妹やみーさんが通っている聖天冠高校は、テンプレ通り毎年9月に文化祭を開催していて、クラスや部活で様々な出し物が用意される。

妹がこんなに元気ってことは、よほどおもしろいものでも作るのだろうか?

 

「文化祭か。うん、行くよ」

 

もちろん、かわいい妹のお願いを断るわけが無い。

そう言うと、妹はやった!と喜び、

 

「私の担当は1時までだから、終わったら一緒に回ろ!」

「......!」

 

なんとデートに誘ってくれた。

い、妹と一緒に文化祭デート......!

楽しみすぎる。いっぱいイチャイチャしてやろう。

 

ちなみにこの後投稿した例のポーズの写真には2000リオワータに1.5万フェバもついた。俺の写真の中では触手責めに次いで2番目の伸びだ。お尻や足がよく見えるポーズなのでバニーガールとの相性がよかったようだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

やってきた文化祭当日。

 

俺は黒髪茶目になる魔法と日光対策魔法を使って聖天冠高校に来ていた。ここには俺が死んでから来ていなかったので2年ぶりくらいかな。

 

文化祭を象徴するデカいアーチをくぐると道にはいろいろな出店が並んでいて、辺りに食品の匂いとたくさんの人の喧騒が満ちていた。

まさに祭りって雰囲気だね。

 

気になる出店もあるが、全て通り過ぎてさっそく妹のいる2年2組の教室に向かった。

 

 

 

 

妹は教室の前でカラフルなプラカードを持って客引きをしていた。

かわいい妹を客引きに使うとは、分かっているな。

 

近づくと妹もこちらに気づいたようで、嬉しそうに顔を輝かせながら走ってきた。

 

「お兄、来てくれたんだね!」

「うん、来たよ」

 

妹はクラスの出し物について説明してくれた。

どうやら妹のクラスは謎解きゲームをしているらしい。探偵になって怪盗の挑戦を受けるのだとか。エンタメ性が高くて文化祭の出し物としてはおもしろいね。

 

そして成績優秀者には景品としてお菓子が貰えるらしい。でも俺は食べ物はいらないので貰ったら妹にあげるかな。

 

「景品は私のアイデアなんだ!」

「へえ」

 

確かにお菓子好きな妹が考えそうなことである。

でもまさか俺を呼んだのって景品回収目的じゃないよな?そしたらお兄ちゃん泣いちゃう。

 

「じゃあ、行ってくるね」

「うん、頑張ってー!」

 

ということでさっそく教室に入る。

教室の中はところどころにレトロな飾り付けがしてあった。時計がビックベンっぽくなっていたり、紙で作られた馬車があったり、近代のロンドンっぽさを出そうとしたということが窺える。

生徒の中には怪盗っぽいコスプレをしている人もいて、高笑いしていたりマントを翻していたり頑張って演技している。

 

さて、妹に応援されたし、お兄ちゃん頑張っちゃうぞ。

 

 

 

 

 

『2194→彼、7354→胸、12751345→?』

『枠→仕事、尺→鮫、得→□』

『1 3 1 2 2 □ 3 3 1 4 3 0』

『市役所が○、警察署が‪‪✕‬、ではここは?』

『赤□、大□、□幕、共通するのは?』

『舌→3、鼻→9、□→4』

 

 

 

 

 

「し、新記録です......」

 

吸血鬼のスペックである。

問題は誰でもできるようなひらめき系のものだったが、このくらいのレベルであれば吸血鬼の思考速度をもってすぐに解くことができた。

妹のために頑張ったが、どうやら新記録を出してしまったらしい。

 

なかなかおもしろかった。問題の答えを並べると意味のある言葉になったり、答えの場所に物が隠されていたり、結構な作り込みである。

 

景品にはキャラメルをいくつか貰ったので、後で妹にあげるとしよう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

妹は1時まで客引きがあるので少し話したら一旦別れ、その間俺は1人で文化祭を回ることにした。

 

「なあ、あの子めっちゃかわいくね?」

「ま、まじだ......」

「1人なのかな」

「あ、あの子は......!」

 

そこらを歩いているだけでこういう声があがるのはなかなか悪くない気分だ。

 

というか、今の男子たちの中に知っている顔があった気がするのだが。

 

「なんだモブ男、知ってるのか?」

「うん、前に会ったことがあるんだよ。もう忘れられてると思うけど」

「ははは、その顔だしな」

 

モブ男と呼ばれた素朴な顔の少年。名前が強烈すぎて余裕で覚えてるぞ。半年くらい前にピエンモールの書店でナンパから助けようとしてくれた少年だ。黒髪茶目モードでの数少ない知り合いだね。

 

「わっこっち見た!」

「うわああ僕なんかがごめんなさい」

 

なんかめっちゃ自虐的になっているが、聖天冠の制服を着ているってことはここの生徒だったのか。

 

「普通沼モブ男くんですよね、こんにちは」

「お、覚えててくれたんですね......!」

「もちろん。あのときは助かりましたから」

「いえ、僕は大したことは......あ、雪那(ゆきな)さん、この人らは僕の友達で、友田と長友と大友です」

「高橋雪那(ゆきな)です」

 

雪那(ゆきな)か。そういえばそんな風に名乗っていたな。

 

「え!?モブ男がかわいい子と知り合い!?」

「こんなことあるんだ」

「人生何が起こるかわからないな」

「君たちひどくない?」

 

息ぴったり。漫才かな?なんかかわいそうになってきた。

 

「それはさておいて、雪那(ゆきな)さんは今1人ですか?」

「はい、1時からは待ち合わせがありますが」

「ならだいぶ時間がありますね......では、僕の部活の出し物で弓道体験ができるんですが、よかったらやってみませんか?」

 

ここで客引きとは。偉いね。

確かに時間はかなりあるし、ここは言う通りにしてみる。

 

「やってみたいです」

「!よかった......こっちです!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

モブ男くんに連れられて来たのは体育館の隣にある小さめの弓道場。存在は知っていたけど入るのは初めてだ。

 

既に何人か弓を構えているお客さんがいて、弓道着を着た人が付きっきりで見ている。

ってか弓デカっ。2メートル以上はありそうだ。

 

 

俺も実際に体験する前にモブ男くんが注意事項を説明してくれたりお手本を見せてくれたりしたが......

 

「弓は少し触っていたことがあるんですよね」

 

俺が矢を放つと、狙い通り的の真ん中辺りに命中した。

 

実は、俺は異世界で遠距離攻撃手段として弓を練習していたことがあるのだ。まあ、結構難しいし普通に走って殴った方が強かったのですぐやめちゃったんだけどね。

 

異世界のと比べて弓がデカいのには驚いたけど、体験だから的が近めだし、その後渡された矢の2本もだいたい的の真ん中辺りに射ることができた。

 

「す、すごい......」

 

モブ男くんたちや他の弓道部の生徒は驚愕の様子。なんだあの美少女は!みたいなことになっているのだろう。

楽しいな。これは練習した甲斐があったね。

 

 

この後モブ男くんに「弓道部なんですか!」とか「どのくらいやってたんですか!」とか聞かれて痛い目を見ることになったけど、またモブ男くんの自虐モードが始まってしつこくは聞かれず、そのまま別れることになった。

 

そしたら、妹との待ち合わせまでに1人で寄っておきたいところがあったので今のうちに行っておくか。

 

 

ということで、俺は生前お世話になっていた服飾部の部室に来た。

 

俺は2年前の部活の帰りに死んだので、当時の1年生は今の3年生ということになる。俺はいきなり居なくなってしまったけど元気でやっているか気になっていたのである。

 

どうやら今日服飾部は作った服の展示をしているようで、ドアは開いていた。

中をちらりと覗くと......

 

「あっ」

 

何やら見知った顔が。

 

「ん?おぉ、たか......スノ......せつ......」

 

服部だ。

何やら俺の呼び方にめちゃくちゃ困っている様子。

 

雪那(ゆきな)。忘れたの?」

「あ、ああ。悪い」

「え?先輩の知り合いっすか?すごい美少女っすね」

 

ここには生前の俺を知る人がいるので本名で呼ぶのはまずいからね。モブ男くんには雪那(ゆきな)で名乗っていたし、ここでもそういうことにする。

 

「ああ、知り合いでな」

「へえ〜、羨ましいっすね」

 

この生意気そうな金髪は鈴木。

俺が生きてた頃の1年生の中で唯一の男子部員で、俺と服部でずいぶん可愛がったことだ。

本当に懐かしい顔だが、どうやら今いる部員はこいつだけらしい。他の人は忙しいのかな。

 

「服部も来てたんだ」

「ここに顔出しとこうと思ってな。すぐに帰るつもりだったが」

「......F、いやFに近いEっすかね?痩せ型だけど結構いろんな服が似合いそうっす。にしても、とんでもなく綺麗な肌っすね。何をしたらそんなになるんすか?なんか雰囲気がどことなく俺の知ってる裏垢女子に似......あたっ!?」

 

一瞬ビクッとしたが、不躾な視線を送る鈴木に服部の拳骨が飛んだ。

 

「そんな無遠慮に女の子の体を見るな」

「くぅー......いやーごめんなさいっす。つい癖で」

 

頭をさすりながらそう言う鈴木。

どうやらお変わりないようで。

 

あ、せっかくセクハラされたならなんか反応しておくか。

 

「......えっち」

 

少し悩んだ結果、引き気味に胸を隠してこう言った。

なんかアニメのヒロインムーブっぽくていいね。

 

「「っ」」

 

2人にはだいぶ効いている様子。なんで服部にまで飛び火してんだ?演技って分かるだろ。

 

「......とんだ傑物がいたものっすね......どこで見つけてきたんすか?」

「あー、出掛けてる時にな」

「ふ〜ん。本当に羨ましい限りっすね。先輩、ここ頑張りどころっすよ。石にかじり付いてもどうにかモノにしましょう!」

「馬鹿、こいつはそんなんじゃねえよ」

「ええ〜?もったいないっすよ?先輩信じらんないっす」

 

この2人の組み合わせ、懐かしいな。生前をよく思い出す。

前からこうしてデリカシーのない発言をする鈴木を服部がよく戒めていた。

 

「あ、そうだ、雪那(ゆきな)さん、でしたっけ?よかったらこの服着てくれません?絶対似合うと思うんすよね!」

「え?」

 

そう言って鈴木が持ってきたのは水色のウェイトレス服。ミニスカでところどころにフリルがこしらえられていて、全体的にふわふわした印象がある。

 

「俺の渾身の一作っす!おそらくサイズはピッタリで、ちょっと派手っすけど今日なら文化祭の衣装だと思われるでしょうし、どうすか?嫌っすか?」

「え、えーと......」

 

こ、こいつまた女の子にこんなことを。

止めてくれないかなと服部を見るが、残念なことに服部の目は期待で満ち溢れていた。

 

お、おい......

 

「わ、わかりました......」

「本当すか!?じゃあ、そこの幕の裏で着替えてもらえますか?安心してください、絶対覗かないっすから!」

 

この部室には着替えスペースとして隅に布製のパーテーションが設けられている。下に隙間があるし、少しズラしたら中が見えちゃうのでだいぶ心許ないが。

 

こいつが覗きのような真似をしないのは知っているんだけど、そういうこと言うから怪しくなっちゃうんだよね。

 

「はい、じゃあちょっと待っててください」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ウェイトレス服に着替えた。

鈴木が言っていた通り本当にサイズはピッタリ。

首元のリボンやフリフリのエプロンであざとかわいさはあると思うが、スカートが短いのでちょっと気を抜いたら中が見えてしまいそうだ。家でコスプレ写真を撮る分にはいいけど、今日はタイツを穿いていないのでこれで人前に出るのはちょっと抵抗がある。

 

「さ、最高っす!めっちゃ似合ってるっすよ!」

 

楽しそうな鈴木と、なぜかしたり顔の服部。

なんなんだ......

 

「やっぱ脚が綺麗な女の子はミニスカに限るっすね!フリフリのミニスカで小さめのヒップがボリュームアップしてるように見えますし、加えてリボンの締め付けがウエストの細さを際立たせていて完璧なくびれが出来ているっす!これは作った甲斐があったっす!」

「うんうん」

 

何を言っているのかよく分からないがとりあえずこいつにデリカシーが欠片もないことは分かった。絶対似合うってどこまで見た上で言ってたんだよ!やっぱこいつ変態だわ!

あとそこで頷いているやつは早く鈴木の暴走を止めてくれ!

 

「も、もういいでしょ」

 

そう言って机に置いていた元の服を取ると、服部が目に見えて悲しそうな顔をした。

 

「え?脱いじゃうのか......?」

「恥ずかしいんだよ。これで出回るのはさすがにキツイ。あとこの服は鈴木の物だし」

「差し上げます。その服はあなたに着てもらいたいんす!」

「え......で、でもこれ、こんな短いし......」

「............」

 

どんどん顔がしょげていく服部。

 

......ああもう、着てればいいんだろ!

 

「わ、わかったよ......」

「本当か!?」

「よかったっす!」

 

俺、こんなんで出歩くのか。鈴木が言っていたように周りは文化祭の衣装だと思うんだろうけど、さすがに恥ずかしい。ミニスカにも気を配ってなきゃいけないな......

 

「あれ?でも俺って名乗りましたっけ?」

 

......あ。俺鈴木の名前言っちゃってた?ど、どうしよう。

 

「......まいっか!ってことで、その服は差し上げますのでたまに着てくれたら嬉しいっす!元の服は置き場所がなければあそこのロッカーを使ってください」

「あ、ありがとうございます」

 

うん、よかった。こいつがあまり深く考えないやつで。

 

「にしても服部先輩、だいぶ調子が前に戻ってますね。なんかあったんすか?」

「うっせ」

「まあ立ち直れたならいいことっすね。俺、場を和ませるの大変だったんすよ?」

 

へえ。俺が死んだ後はこいつがうまくやってくれていたということだろうか?鈴木にしてはなかなかやるじゃん。

 

 

こんな調子でダラダラと話してたら時間はどんどん過ぎていったが、どうやら元気にやっているようだったし、妹との待ち合わせの時間も近づいているので適当なところで話を切り上げ、せっかく服部と出くわしたのだから1時まで少しの間だが2人でどこかに寄ることにした。

 

 

校内を歩いていると、道行く人がことごとく俺の姿を凝視してくる。そりゃあ美少女がウェイトレス服を着て歩いていたら誰だって見ちゃうだろうけど、やっぱ恥ずかしいな。

スカートとか心許なさすぎるんだが?不安でどうしても手で押さえてしまう。

 

「なんか有名人にでもなった気分だな。お前、いつもこうなのか?」

「普段はもう少しマシだな。でも黒髪になってないとこれよりひどいぞ」

「ふぅん、苦労してるんだな」

 

白髪だとカメラを向けられたり付いてこられたりすることもあるからね。

しかし黒髪になっていてもこれでは目立ちまくりだね。現にこうして服部と2人で歩いていても話しかけられてしまうことがちょくちょくある。

 

「あの、ちょっといいかな?お嬢ちゃんはどこのクラスだい?」

「あ、こ、これは服飾部の衣装です。4階の部室には他にもいろんな服が展示してありますよ」

「そうなんだね、ありがとう」

 

どこの出し物か聞かれてもこう言うしかない。

なんで俺が部の宣伝みたいなことしてるんだ。

 

「へえ、対戦ゲームか。高橋、ここ行ってみないか?」

「いいね」

 

3年1組の教室。このクラスは対戦ゲームを出し物にしているらしい。

中を覗いてみると......おぉ、確かに対戦ゲームをしている。

トランプやオセロ、将棋などアナログなものから、格闘ゲームやDCGなど最近のゲームをしているところもある。だいたい生徒対お客さんの構図だね。

というかあの格闘ゲームは超乱闘だ。いいな。学校で超乱闘って。あれやってみたい。

 

「あれやってみない?」

「ああ、俺もやりたいと思ってたところだ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

結果、俺はこのクラスで無双した。

いろんなゲームで勝利して景品のお菓子をどんどん貰っていったのだから無双と言う他ない。

 

超乱闘だけじゃなくてトランプの神経衰弱やオセロなども吸血鬼がかなり有利であったので、めっちゃすごいウェイトレスの美少女がいるとクラスが大騒ぎになったりしたが、妹へのお土産をたくさん貰うことができたので俺は満足である。

服部も超乱闘や配管工カートで勝っていてとても楽しそうにしていた。

 

 

そんなことをしていたらいつの間にか妹との待ち合わせ時間が間近に迫っていたので、俺は服部と別れて妹のクラスへと向かった。

 

妹はちょうど客引きのプラカードを他のクラスメイトに渡していたところだった。

 

「な、何でウェイトレス......?」

「聞かないでくれ......」

 

妹にまで見せてしまった。

というか服部と別れたなら私服に戻ってもよかったじゃん。

 

「最初はどこ行く?決めていいよ」

「ならお腹空いたしカフェやってるところ行きたい!」

「了解」

 

確かに、ずっと客引きしてたんだもんね。

ということで、どんな出し物があるか見ながら校内を適当に歩いていき、最初に見つけたカフェの店を2人で訪れることにした。

1年1組のクラスだ。結構並んでいるようだったけどこの時間は仕方ないので、待っている間は俺が貰ってきたお菓子で我慢してもらった。

 

「いらっしゃいま......あっ!麻衣ちゃんとス......」

 

1年1組の教室に入ると、なんとそこにはウェイトレス服を着たみーさんがいた。白黒のワンピース服で、俺のよりフリフリが少なく締まっている感じがする。

なんだこれ。かわいい。ここはみーさんのクラスだったのか。

 

「今日は雪那(ゆきな)って呼んで。それ、似合ってるよ」

雪那(ゆきな)ちゃん......分かった!雪那(ゆきな)ちゃんも......ってなんで着てるの?」

「それは聞かないで......」

 

みーさんに席に案内されていると、周りのお客さんから声が上がった。

 

「あ!新しい店員さんだ!」

「かわいい」

 

え?俺のこと?

 

「いや、私は店員じゃ......」

「すみません、注文お願いします!」

「お水おかわりもらえますか!?」

 

えぇ......?

明らかに俺にしてほしそうな顔だ。

確かにウェイトレスにはなっているし間違えるのは分かるけど。

 

うーん、まあいっか。

俺は普通の食事は口にしないので料理店に来てもただの冷やかしになってしまうし、ただ座ってるよりは手伝っていた方がマシである。

 

「し、少々お待ちください!」

「あれ?手伝ってくれるの?」

「うん、何も食べる予定はなかったからね」

 

ということで、妹が昼食をとっている間は俺も店員になることになった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

妹がデザートを食べ終わったので、お手伝いを切り上げて店を出た。

 

「お兄可愛かったよ」

「うるさい」

 

なんだかかなりせわしなかった。

単純に恥ずかしいし、お客さんはことある事に俺を呼びつけてくるし、それであたふたしてたらスカートの中が見えそうになるし......クラスの生徒は感謝してくれたが、もう勘弁である。

 

忙しくてあまりみーさんと話している時間はなかったけど、その分他の生徒は比較的ゆっくりできたようだ。

どうやらみーさんはこのクラスでうまくやっていけているらしい。

病気のせいで進学が1年遅いみーさんがちゃんとやっていけているかは少し心配だったんだよね。

 

 

それからは心置きなく妹との文化祭デートを楽しんだ。

演劇を見に行ったり、出店のミニゲームで遊んだり、お化け屋敷に行って妹に抱きつかれたり、お揃いのストラップを買ったり、女子トイレの個室で血を吸わせてもらったり......とても素晴らしい時間を過ごすことができた。

 

「今日はありがとうね、お兄」

 

妹はこれから片付けがあるので俺は先に家に帰る。妹は疲れているだろうから風呂の準備でもしておこう。

 

「ああ、来年も誘ってよ」

「うん、絶対来てね!」

 

 





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