この素晴らしい天使に祝福を!   作:meigetu

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十話 休日最終日

「ジブリール。この本、面白かったです。」

「エリス様。それは、何よりです。」

 

エリス様の休日最終日。

私とエリス様は、エリス様の強い要望から私の図書館で時間を過ごしていた。

 

「では、次は何を読まれますか?エリス様?」

「そうですね...何かおすすめはありますか?」

「うーん...星の王子さまというのはいかがでしょうか。」

「星の王子さまですか?聞いたことはありますが...」

 

と、エリス様はこくりと首をかしげる。

 

「そうですね。一度は読んでみるといいですよ。私もこの本を読んで、いろいろと当たり前なものに対して考え直されたりしました。物語、というよりは考えさせられるお話といった本でしょうか。」

 

と、肩をすくめる。

 

「読んでみたいです。」

「わかりました。その本は確か、いつもの棚の上から10番目右から4番目の本ですね。」

「ありがとうございます。ジブリール。」

 

と、私たちは非常に穏やかな時間を送っていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「そういえば、夕飯はいかがいたしましょうか?」

「ちょっと、待ってくださいね...」

 

と、満月が輝く夜、私たちは相も変わらず図書館にいた。

明日から、エリス様は、忙殺される日々を送らなければならない。なので早くお休みさせるためにも声をかけた。

 

と、唐突に、

 

ドーン

 

という音と、衝撃が、図書館全体に広がる。

 

「何事ですか?」

「どうやら攻撃を受けたようです。」

 

と、衝撃で後ろに吹き飛ばされかけたエリス様を抱え、後ろの羽で空中にホバリングをする。

図書館のメインの部分には当たっていないようで、魔法の照明などは問題なく点灯をしている。

しかし、下から何やら焦げたようなにおいが漂っている。

 

「確か...この図書館にはコロナタイトを使った魔導障壁がありませんでしたっけ?」

「ですね。すみませんが、魔力を少しもらえますか?」

「なぜですか?」

「私では賄えないほどの魔導障壁を一時的にはりたいからですね。失礼します。」

 

と、エリス様に口付けをする。

と同時に私以上に神聖な魔力が流れ込んできた。

 

「なっ...」

「では...『九遠第四加護(クーリアンセ)』」

 

と、私とエリス様を中心にして図書館を覆いつくすほどの障壁を作り出す。

外には、何やら虹色の靄がかかり、障壁に覆われたことが確認できた。

 

「はぁ。一応これで一安心ですね。」

「な、何をするんですか。」

 

下を見ると、顔を真っ赤にしてお姫様抱っこされたエリス様がいる。

 

「そこまで恥ずかしがらなくても...緊急事態ですし。」

「知りません。」

 

と、胸のあたりをポコポコと殴られる。

 

「わかりましたよ。このあれは、後ほど。」

「はぁ。それで何かわかりましたか?」

 

と、緊急事態には変わりがないことから、

エリス様は、切り替えて聞かれる。

 

「もしかしたら強制的にこじ開けられた可能性があります。ひとまず、『九遠第四加護(クーリアンセ)』という魔法で一日は守られているのでその間に、被害状況、兼、敵を確認しましょう。エリス様は、二階に行って天文台より敵の確認をお願いします。私は下に向かい神器の確認と消化をしてきます。」

「『クーリアンセ』ですか。」

「そうです。私の天撃でもってしても破ることができない強力な魔法ですね。」

 

と、エリス様を、天文台がある二階へと続くエレベーターへと乗せる。

 

「ジブリール。敵の位置はわかりますか?」

「問題ないです。聞こえてきた音の位置から大体82度~87度の大体150㎞~170㎞範囲圏内を見てください。大体そこらへんにあるはずです。」

「わかりました。ジブリール。気をつけてくださいね。」

「もちろんです。」

 

私は、エリス様をエレベーターに下すと急いで私は地下へと向かっていった。

 

 

 

 

 

「何ということですか...」

 

私が、被害を受けた地下へと向かうと、そこには重要書庫に大穴が空いていた。

ここには、この世界の歴史的に残すべき重要な本などなどが収められていたはずだ。

このような惨状に怒りがわいてくるのを抑えつつ、被害の状態を見る。

 

最重要書庫、禁書庫は被害なし。制御室は...衝撃で軽くダメージを受けていますね...

神器保管所は壁にダメージはありますが、たぶんここで受け止められたようですね。

と、軽く炎上している、重要書庫の炎を魔法で抑える。

 

「奇妙ですね...魔導障壁に一切傷がありません...」

 

と、延焼が収まった書庫内で、調査を続ける。

炎上した箇所はひどく焼け焦げており、数百冊以上の本が吹き飛ばされたか、燃えてしまったが、残りの数百冊は問題なく保管されている。

また、不思議なことに私が配置したものやもともとあった魔導障壁に一切の傷が入っていなかった。

 

「もしかして...新種の魔法でしょうか...この魔導障壁は、魔法をすべて受け止める制約として、私が知っているという条件下でしたから」

 

と、障壁を触って調べる。

 

 

 

「それにしても追撃が入りませんね。」

 

薄く、虹色に輝く九遠第四加護(クーリアンセ)と、青い魔導障壁を眺めつつ攻撃してきた相手を考える。

 

 第一候補の悪魔が天界に攻勢をかけることは...この条件下では決して考えられない。万が一この図書館を落としたとなると、神々の道具である神器を地上に堕とすことになるうえに、神エリスの怒りを買うことが天界にどのような影響を与えるのかは考えなくても明らかだろう。さらには、悪魔が攻めてくるのであれば即、追撃が来て、私とエリス様だけでは、対処ができなくなっているはずだ。ここから悪魔ではないとわかる。

 

 第二候補、魔王軍。可能性はかなり高い。魔法が撃ち込まれた位置により、神器が入った部屋を確実に狙っており、そして追撃が一切来ない。地上のものが天上の世界の物に攻撃を加えることは大量に魔力を消費する必要がある爆裂魔法に近しい物でなければ決して不可能だ。それより連発して打つことが不可能だとも考えられる...

 

と、思考を巡らせていると、

 

「ジブリール。来てください。」

 

と、言う声が脳内に響いた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「誰でしたか。こんなものを撃ち込んできた輩は。」

 

私は、天文台の上でエリス様に伺った。

 

「魔王軍です。魔王軍幹部のシルビアです。」

 

と、エリス様がいつもとは雰囲気が異なり険がある様子で望遠鏡を指さす。

それを覗くと、そこには水色のスライムのようなもので体を構成している魔王軍幹部シルビアが人々を襲っていた。

 

「どういたしますか? エリス様?」

「それよりも、下の様子はどうだったのジブリール。」

「はい、重要書庫が破られて神器保管所を狙って撃たれたものだと思います。」

「どうして破られた?」

 

あいも変わらず、普段エリス様が口にしないような口調で聞かれる。

 

「はい、考えるに、爆裂魔法が進化したものだと考えられます。」

「爆裂魔法は、最上級の魔法ではありませんでしたっけ。」

「私も、様々な文献を見てそのように考えておりましたが、魔導障壁に一切傷がついておりませんでした。」

「本当ですか?ジブリール。」

 

と、エリス様は顎をおさえて考える姿勢からこちらに顔を向けられる。

目は、普段見ないほど曇っており明らかな殺意が見て取れる。

 

「そうです。普通の爆裂魔法では障壁の外で爆発を起こすはずですが、私の認識外の魔法を使われた場合は、前回私からエリス様がスティールしたようにそのまま内部でおこってしまいます。これよりそのように考えられます。」

「わかりました。ジブリール。私が出ます。」

 

と、おっしゃられ、エレベーターの方へと向かう。

 

「ダメです。私が出ます。」

 

私がその道を遮ると、

 

「なぜですか? 魔王軍幹部が直接天界に干渉してきたのですよ。」

「あなた様が出られると、地上に困惑がおります。プラスして、悪魔が裏で手を引いてる場合は天界と地獄で全面戦争になる可能性がございます。」

「そんなの、戦争をすればよいではないですか。」

「ダメです。そのようなことが起きれば、地上で収集が付かなくなり神話の時代が再来してしまいます。それだけは避けなければなりません。それに私のことが信用できませんか?」

 

と、あやすようにエリス様に抱き着き目線を合わせる。

するとエリス様は、少し落ち着きを取り戻したのか、恥ずかしそうに目線を外す。

 

「すみません。ジブリール。怒るといつもこうなってしまって...」

「大丈夫ですよ。」

 

と、エリス様が自責の念を駆られる前に強く抱き着く。

 

「ごめんなさい。ジブリール。」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「では、行ってまいりますね。エリス様。」

「はい、装備は大丈夫ですか?」

「問題ないですよ。」

 

と、デストロイヤー討伐の際にもらった、指輪を見せる。

エリス様は軽く泣きはらした顔を笑顔に変えて

 

「問題なさそうですね。ブレッシング。」

 

と、再度運を上昇させる、魔法を重ね掛けされる。

 

「そこまでなさらなくても...」

「大丈夫です。必ず帰ってきてくださいね。」

「もちろんです。」

 

と、私は、図書館を後にした。

 

 

 

 

 

攻撃をしてきた魔王軍幹部めがけて私は、一直線に向かっている途中、再度装備を確認する。

 

「デスサイズは、問題ありませんね。装備の指輪もそろっていますし。問題はありません。」

 

両指のエリス様から頂いた指輪を確認しながら、デスサイズを持つ。

いつも以上に黒い靄が出ており禍々しい雰囲気が漂っている。

多分、翼の方も真っ黒に染まっているのだろう。

 

「本当に迷惑なことをしてくれますね。せっかく今日は、エリス様の休みの最終日だというのに...それに私が数百年かけて貯めた本を台無しにしてくれて、一体どんな要件なんでしょうか魔王軍は。」

 

と、一人で怒りを吐露する。

私は、魔王軍幹部シルビアがいる場所へ、と向かっていった。

 

 

 




次回投稿は一週間以内に投稿します【年末頑張ります】
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