次回、投稿遅れます。
「本を読んでいるところ、すまないが、ジブリール殿、この本の上級編というものはどこにあるのか知ってるか?」
と、いつの間にかに空中図書館に来ていたバニルさんが聞いてきた。
「この本ですか。少しいいですか。」
と、本を手に取る。
「この本は...ここの図書館の本ではありませんね。外で買ってきたものですか?」
「そうであるのだが続編が売ってなくてな。しかしなぜわかったのだ?」
「この本のシミの位置が違うからですよ。この本は表のほうにシミがありますが私の蔵書のほうは裏と表表紙にあるはずです。」
と、トントンと本のシミを指さす。
「なるほど...」
「で、この本の上級編ですね。確か、外周一層目の35番本棚の上から16番目の棚の左から9番目の本ですね。確かその隣の10番目の本が最上級編だったはずです。ここに来られた時点で空を飛行する方法は何かしらお持ちだと思うので大丈夫だと思いますが、ない場合は少し離れた物置小屋のほうにある脚立を使ってください。」
「わかった。感謝する。」
と、図書館に来たバニルさんに本の場所を教え私は読書に戻った。
今回私が読んでいるのは『爆裂の境地』という本だ。
確か著者はウォルバクだったか。かなり古い本で羊皮紙につらつらと書かれている。
この本はエリス様の手伝いの際にもらった本で、写本などではなく本物のようだ。
この本は爆裂魔法の可能性、爆裂魔法の歴史、爆裂魔法の活用方法などが書かれていた。
「爆裂魔法は、通常時ネタ魔法や馬鹿が使う魔法など多々言われていますが、時代の節目節目の転換期で使われていたことから、いわゆる世界を変えてきた魔法ともいえるかもしれませんね。」
などと、こぼす。
すると、唐突に携帯が震え始めた。
「はいもしもし。」
「ジブリールかしら。少しいいかしら。」
という、クリスとは違う女の人っぽい声が聞こえてきた。
「エリス様ですかそんなに慌ててどうされました。」
「クリスと呼んでください、ではなくてですね。」
と、慌てているのに乗ってくれた。
そういうところ本当にすきだ。
「いま、天界のほうにいるのですけど、アクア先輩が転生者特典に選ばれまして...」
「アクア先輩ですか...」
と、いままでエリス様がお酒を飲んで酔われた際にいろいろと手を焼かされている話をされたことを思い出す。
仕事を押し付けられただとか。天界での借金の付けを逃げられて払わなければいけなくなったとか、散々苦労しているようだった。
「その転生者の方も、いばらの道を進まれるようで。かわいそうです。」
「アクア先輩の心配はされないのですね。」
「当たり前じゃないですか。なぜ、エリス様の手を煩わせる方の心配をしないといけないのですか。」
アハハと、エリス様は軽く苦笑いをされる。
「そう、嫌わずにね。」
「そもそもですよ、なぜそこまでアクア様のことを気にされるのですか?もちろん女神として先輩の女神を慕うのは正しいと思います。しかし慕う相手が間違っていると思いますよ。そこまでダメなら見切りをt」
「ジブリールこれ以上は言ってはいけません。」
と、まじめな声音で返された。
「大変失礼しました。分をわきまえない発言どうかお許しください。」
「いいのですよ。ジブリール。あなたの私を思う心はしかと伝わりました。」
「エリス様...」
と、話す。
「そこで、新しい任務となるのですが、時たまその転生者と、アクア先輩の様子を見に行ってあげてください。アズリールとしてね。」
「わかりました。指示に従います。」
「そこまで不機嫌にならないでください。あなたが言いたいことは十二分にわかりますから。」
私はこれ以上、私のわがままでエリス様の手を煩わせるわけにはいけないと感じ気分を切り替える。
「わかりました。では、いつ頃接触いたしますか?」
「一週間ほどアクア先輩がいなくなったせいで引継ぎの仕事を代わりに片付けないといけないからちょうど一週間後にダクネスとともに向かいましょう。」
「わかりました。それまで図書館でお待ちしていますね。」
と、電話を切った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ヤッホーだにゃ。ダクネス。」
「アズリールとクリスか。ここ一ヶ月、冒険者ギルドで会うことがなかったが二人とも何かあったのか?」
「いろいろと忙しくてね。」
「そうだにゃ。二人でいろんな街を行ったり来たりする必要があったからだにゃ。」
と、ダクネスへ伝える。
すると、ダクネスが興奮した様子でとても近くまで寄ってきて私の右手をつかんできた。
「どうしたにゃ。ダクネス?」
「はあ…!この本はとてもよかった。ぜひ次の本が欲しいのだが。」
と、先月貸したであろう、『女騎士は白濁の湖に沈む』という本を差し出してきた。
と同時にクリスからぶしつけな視線を送られる。
「なんで、こんな本を貸したの。アズ?」
「だって仕方がないにゃ。クリスのほかにもダクネスと本のお話がしたかったんだにゃ。」
「フーン。そうなんだ。アズ。せっかくだから膝枕してあげよっか。」
「何やら嫌な予感がするからいやだにゃ。」
「頭下げて。」
どうやら、拒否権はないらしい。クリスから何やら黒いオーラが出ている。
普段なら喜ぶべき状況であるが、今回は嫌な状況であるしぶしぶクリスの膝に頭を落とす。
と同時に、両手で私のこめかみあたりをぐりぐりされた。
「痛い、痛いにゃ。ダクネスに変な本を貸したことは、謝るから勘弁してくれにゃ。」
「せっかく、ダクネスのマゾ具合も初めて会った時から少しずつ矯正してきたのに台無しにして。」
と、痛さから、ベンチで逃げようと足をバタバタさせていると、私のズボンのポッケあたりから本が一冊落ちた。
近くに二人を止めに、いや自分が代わりに受けようとしに来たダクネスが、この本を拾ってしまう。
「こ、これは続きの『女騎士は白濁の湖に沈む~絶叫三角木馬』ではないか。これが読みたかったのだ。」
「あ、やべ。」
と、今まで以上に力を籠められる。
「痛い、痛い頭つぶれちゃうにゃ。ダクネス助けて。」
「やべ、じゃないでしょ。結局反省してないんじゃない。」
「はぁああ…っはぁああ…っ。自分の仲間がいじめられるのはクルセイダーとして見過ごせない。ここは、代わりに私が。」
と、カオスな状況が広がっていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
と、一通り、茶番をおえた後三人でギルドのテーブルに座りながら談笑を始める。
「どう? この耳飾り。」
と、私が読書の休憩がてら作った耳飾りをつけている。
青い宝石が耳で輝いてとても似合っている。
「おお、とっても似合ってるな。」
「でしょ。アズが作ってくれたんだよ。」
「たまたま、近くの鉱山で見つけたから少し加工しただけだにゃ。ほらこんな感じで、」
と、軽くうそをつき、自分の髪をまくり上げる。
そこには、髪色そっくりな緑色の宝石が輝いていた。
「アズリールもよく似合っているな。」
「えへへ~にゃ。ダクネスの分も作ったにゃ。たぶん、戦闘時に鎧とかつけるとき耳飾りだとぶらぶらして邪魔になると思ったから腕輪にしたけど、いるかにゃ?」
と、黄色の宝石が二つ輝いている腕輪を見せる。
「わざわざ、ありがとう。アズリール。」
「どうもにゃ」
と、話していると、さえない顔をしたこの街では見ないような服を着た男性が入ってきた。
たしかあの服は、私が元居た世界で、ジャージと呼ばれていたものか。
と考えていると、その男は、カウンターの席のほうにパーティーメンバーであろうと思われる女性の隣に座った。
と、同時にダクネスがソワソワし始めた。
「どうしたのダクネス?」
「そうだにゃ。どうしたんだにゃ。」
「いや、なに新しいパーティーに入ろうと思ってな。いまは友達として時たま二人のクエストなどを手伝っているが、自分ももうそろそろパーティに入ったほうが良いと思ってな、それで昨日募集に乗ったのが、あの男のパーティというわけよ。では、行ってくる。」
といいあの男のほうに向かっていった。
「ねえ、クリス。ここで話すことではないとは思いますが、あの人がアクア様を転生者特典にされた方ですか?」
と小声で、聞く。クリスは軽くうなずき、何事もなかったかのように、
「それよりも、ダクネスのほうについていきましょう。」
「わかったにゃ。」
アクア様が特典で、ダクネスにパーティーの参加を望まれるなんて幸がない人だと思いつつダクネスのほうについていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「探したぞ。」
と、ダクネスがその男に向かい声をかけカウンター席の隣へ腰かけた。
「昨日は飲みすぎたといってすぐに帰ってしまったが、」
「お、おきづかいなく」
と、男性が言う。
ダクネスは、そのようなことは知らず話を続ける。
「ならば、昨日の話の続きをさせてもらおう。私をあなたのパーティーに入れて...」
「お断りします。」
「うぅ…゛っ。即断だと。」
と、ダクネスが喘ぎ声を漏らし身もだえる。
男性のほうはその姿を見て何やら警戒を強めたようだった。
「どうするにゃ。クリス。このままではまた断られてしまいそうだにゃ。」
「仕方ありません。」
と、ダクネスのほうに二人で向かっていった。
「あはは。ダメだよダクネス。そんな強引に迫っちゃさ。」
「そうそう、しっかりと手順をふんでいかないといけないにゃ。」
その男は、常識人が訪れたことで一応安堵の顔をする。
「えっと、あなたたちは?」
「私は、クリス。見てのとおり盗賊だよ。そして、後ろの子が」
「アズリールだにゃ。職業はアサシンだにゃ。」
「そしてこの子とは友達かな。」
「そうだにゃ。君の名前はなんていうんだにゃ?」
と、男性に問いかける。
「ああ、カズマです。よろしくお願いいたします。」
「よろしくだにゃ」
と、手を引っ張り両手で胸の前で強引に握手をする。
するとカズマは、顔を真っ赤にさせて
「あ、あの...」
「どうかしたのかにゃ。」
「むむ胸が...」
と、問いかけていると唐突に頭をはたかれた。
「痛いにゃ。クリスひどいにゃ。」
「さっきのダクネス同様のことをしているじゃない。」
「殴るほどのことでもないと思うのだにゃ。」
と、不貞腐れ、クリスの無防備なへそのあたりをつつく。
「ひゃあぁ。こんなところでやめてよ。」
「やめないにゃ。せいぜい反省するんだにゃ。」
「もともと、あなたがいけないんじゃないんですか。ひゃあ。」
「うりうりだにゃ」
と、やっていると、上からげんこつが落ちてきた。
「そこで反省していなさい。」
「ひどいにゃ。」
そこで、クリスが咳ばらいをしてから、顔を真っ赤に染めている男に
「君。カズマ君だったっけ。役に立つスキルが欲しいみたいだね。盗賊系のスキルなんてどうかな?便利だし、習得にかかるポイントも少なくて済むからいいと思うよ。ついでにアサシン系のスキルを持っている仲間もいるしね。」
「へぇ~。」
「今なら、そこで、体育座りをしているアズと、私の分のしゅわしゅわ二杯でいいよ。」
「やっすいな。よっしお願いします。この二人にキンキンに冷えたの二つ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「とまあ、盗賊には敵感知や、潜伏や、窃盗があるわけだね。それで、アズリールが持っているアサシン系のスキルの中では、潜伏の上位スキルである隠密があるわけだね。」
「潜伏と隠密って何が違うんですか。」
名前はなんていうんだっけ、男がクリスに聞いていた。
「簡単に言うと、敵感知された際に、潜伏だと運が良ければ見つからないし運が悪いと見つかってしまう。だけど隠密の場合は敵感知をされても絶対に見つかることがないということかな。その代わりスキルポイントは潜伏に比べて高くなっちゃうけどね。確か、2だっけアズ?」
「そうだにゃ。あとは、毒物作成だにゃ。これには、材料さえあれば、好きな毒を創れるというものだにゃ。これにはレベルが1~4まであって、1,2,4,8とスキルポイントが必要となるにゃ。今回教えるのはレベル1の毒物作成だにゃ。」
「レベル1だとどれくらいのことができるんですか。」
「大体体内に毒物が入ればという話が前提となるけど、ジャイアントトードが即死するレベルまでの毒はとっても頑張ればできると思うにゃ。」
「それはすごいな。」
と、感心したように男は言った。
すると、クリスが、
「じゃあ、始めは窃盗から教えていくね」
「『スティール』」
と、クリスがスキルを発動させると、右手がひかった。
クリスが手を開けるとそこには男の財布であろう小さな小袋が握られていた。
「あ、俺の財布」
「これが窃盗スキルのスティール。成功すれば相手の持ち物を奪うことができる。」
「へぇ。」
と、男が感心したように声を上げる。
「ねえ、私と勝負しない?君も盗賊スキルを覚えてこの財布を取り返してみなよ。」
「おい、それはあんまりではないか。」
「何それ、おもしろそうだにゃ。私もやりたいにゃ。」
「え、アサシンって窃盗スキル使えるの?」
「もちろん使えるにゃ。あくまでアサシンは盗賊の上級職だから絶対に習得しているものなんだにゃ。」
「なるほど...」
男の顔を見ると顎に手を乗せ頷いている。
「よっしゃ行くぜ。『スティール』」
すると男の右手が光りどうやらスキルの習得は成功したようだ。
と同時に、クリスがもじもじし始めた。
「クリス大丈夫かにゃ?」
「これは...あたりも当たり、大当たりだ。」
と、クリスのパンツを窃盗した男はパンツを振り回す。
「いやあぁぁぁ。パンツ返してぇぇ。」
「クリス。今日は落ち着いた白色なんだにゃ。いつも一緒に寝るときは黒色じゃなかったかにゃ?」
と、先日一緒に寝た際にネグリジェ越しに見た色を言う。
「そんなこと今言わないで。それよりもアズ絶対に次のスティールで私のパンツを取り返して。」
と、慌てた顔を真っ赤に染めて、私の瞳を覗いていった。
これは、本気で取り返せということか。
「わかったにゃ。アズちゃんに任せるにゃ。『スティール』」
と、スキルを発動させる。
すると私の伸ばした右手が光った。
うん、この感触は...
「やったにゃ。クリスのパンツにゃ。」
と、純白なパンツに頬ずりをする。
「やめてください。アズ。恥ずかしいです。早く返してください。」
「わかったにゃ。はいにゃ。」
とパンツを返す。
「クソ。やりやがったな。『スティール』」
と、先ほどまで振り回していたパンツがなくなっていることに気が付いた男は、私に対し、スキルを発動させた。
すると彼の右手が光り、何かが盗まれていた。
「これは、え、またパンツ。」
手を開くと、私の薄ピンク色のパンツが握られていた。
と同時に、股のほうがスースーすることに気が付いた。
先ほど、同様のものを手に入れた男は、驚きつつも、またもや振りまわす。
「おー。少年にとってみれば大当たりだにゃ。よかったにゃ。」
「え。」
と、その言葉になぜか男は驚いていた。
「ねえ、クリス。せっかく少年の財布手に入れたわけだし、冒険者ギルドで高級シュワシュワのみに行かないかにゃ。」
と、クリスがなぜか呆然としていたので手に持っていた財布をひったくる。
数えてみると約5万エリス入っていた。
「え、本当に大丈夫なの?」
と、なぜかクリスちゃんは信じられないような顔をしている。
「何のことだにゃ。」
「あなたのパンツのことだけど...」
「そこまで、人間にパンツをとられたことが、気にすることかにゃ?それよりも行くにゃ。」
と、私は、クリスの手をつかみ、発情しているダクネスの隣を通りギルドへ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「高級シュワシュワ二つお願いするにゃ。」
と、店員に注文していると男は、発情し目が座っているダクネスを連れて帰ってきた。
「あ、カズマどこに行っていたの?ところでなんでダクネスは頬を染めているの?」
「うむ、あそこに座っている二人が盗賊とアサシンのスキルを推してる際にカズマが二人のパンツをはぎ取ってその鬼畜ぶりに興奮しているだけだ。」
「え、情報過多すぎてよくわからない。要するにカズマが、向こうにいる二人のパンツをはぎ取ったっていうこと?」
と、水色の髪をした堕天したクソ女神がこちらに顔を向けてきた。
私は、エリスに仕事を押し付けた怒りからか変わった表情を一通り整えた後、
「そうだにゃ。たぶん右のズボンのポケットが膨らんでいるからそこに入っていると思うにゃ。」
「ちょっと、カズマ失礼します。」
と、紅魔族のちびっこが、男...カズマのポケットを探る。
「なんですか?これ。」
と、ピンクの女性用のパンツが出てきた。
「そうそれだにゃ。たぶん性処理用に使われるんじゃないかにゃ?」
「アズ、少し外に出ましょう。」
「ああ、高級シュワシュワが...」
と、なぜかクリスに手を引かれ、外へと連れ出された。
「どうしたんだにゃ?わざわざ、外に出て?」
「アズリール。いや、ジブリール本当にわかりませんか?」
と、言われ、少し考える。
問題があったとすれば、エリス様の様子がおかしくなったパンツを盗んだ盗まれたという場所だろうか。
しかし、まったくわからない。
「大体、クリス様の様子がおかしくなった、パンツが盗んだ盗まれたあたりだと思いますが、詳しくはよくわかりません。」
「本当ですか...」
「逆に一つ聞きたいのですが。なぜクリス様は、パンツをとられた際あんなに恥ずかしそうにされていたのですか?私に、パンツを見られたからですか?」
「え。それもありますが...違いますよ...」
「もちろん、男神や、好きな神や、天使に見られたら恥ずかしいのはわかります。その点で恥ずかしがられたのはわかります。しかし、なぜ神々が作った人間に対してそのような感情を向けるんですか?」
と、言う。
「え、え、うーんと、そうじゃなくて。あなたは元人間なのだからわかるでしょ。」
と、エリス様は、おどおどした様子で言う。
多分、エリス様が言いたいことは、先ほどのクリスのように慌てたほうがいいということが言いたいのであろう。
なぜか...たしか、人間社会では、同調しない奴がいじめの原因となっていたという事例を、人間だったころに読んだことがある。
つまり、エリス様が言いたいことは、人間社会に溶け込むためにも、少しは恥ずかしがったりしろ。ということか。
「なるほど。人間社会に溶け込むためにも同様の反応を見せたほうが良いということでしょうか。」
「うーんと、そういうことじゃなくて、どう説明した方がいいんだろう...」
何がいけないのであろうか。
と、話していると、
「緊急クエスト緊急クエスト、冒険者、各員は正門のほうに集合してください」
という放送が聞こえてきた。
「ごめんにゃ。本当にわからないにゃ。できれば今日の夜、一緒に寝るときに教えてほしいにゃ。」
「......わかりました。」
とクリスが深刻そうな顔をして言い、二人で正門のほうへいった。
正門のほうに集まると、すでに多くの冒険者が集まっていた。
「これは、キャベツかにゃ?」
「そうですね。もうそろそろだと思っていましたが...」
と、話していると、
『収穫だ!!』
という、いつもの収穫の際に行われる号令があった。
「がんばろうにゃ。クリス。今年もいっぱい稼ぐにゃ。」
「はい。」
と、二人で拳を打ち合わせた。
すると、目の前には、キャベツの群れが緑色の風のように降ってきた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「疲れたにゃ~」
「お疲れ様です。アズ。今年は何玉ぐらい取れましたか?」
と、ギルドの食堂で二人で、ロールキャベツ鍋を楽しんでいた。
「大体80玉位だにゃ。クリスはどうだったのかにゃ?」
「私は50玉位ですね。」
「まあまあだにゃ。でも、クリス毎回大物ばかり当てて余裕で私の総額を超えていくにゃ。」
「あはは。まあ、幸運はこれでも高いですから。」
と、クリスは困ったように軽く頬を掻いた。
「それよりも、ダクネスはどこに行ったのかにゃ?」
「ダクネスですか。」
と二人でギルドの食堂内を見渡す。
「あ、いました。」
と、クリスが指をさす方を見ると、男とクズ女神と紅魔族のパーティーの中にダクネスはうまいこと入り込めたようで、楽しそうに団欒をしていた。
「これなら心配なさそうですね。」
「あの男の下ならうまいこと、やっていけそうな気がするにゃ。入るパーティーが決まってよかったにゃ。」
と、クリスが満足できる場所にダクネスが入れたことをうれしく思い、クリスと顔を合わせてほほ笑んだ。
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