この素晴らしい天使に祝福を!   作:meigetu

9 / 14
お気に入り登録 570件ありがとうございますm(__)m


八話 水の都アルカンレティア

朝七時ごろ私は寝ているエリス様を起こしに来ていた。

 

「エリス様、エリス様、起きてください。」

「うにゃ...ジブリールえすか...」

 

と、エリス様は、眠り目をこすりながらおっしゃる。

 

「そうですよ。寝ぼけていなくて早く起きてください。」

 

と、諭す。

すると、エリス様は起こしに来た私の首に抱きついてきた。

 

「ちょっちょっと待ってください。」

「いいじゃないですか。ジブ、もいっしょに寝ましょう。」

 

と、普段ではあり得ないほど強い力で引っ張られる。

 

「え、ちょっと。本当にやめてください。今日、旅行に行くんでしたよね。」

「うーん...だいじょうぶだよ。ジブ、ほらいっしょに...」

 

と、私が抵抗できないほどの力でベッドに引きずり込まれる。

 

「エリス様、エリス様、ちょちょっと待ってください。」

 

と、声をかけるが、エリス様は私の体を抱き枕替わりにして眠ってしまい一向に起きる気配がなかった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

朝11時予定を回ったころ私たち二人は、水の都アルカンレティアの街の前まで来ていた。

 

「で、アズ。どうやったらアクシズ教の勧誘を断れるんだ?」

 

と、聞いてきた。

 

「ああ、そうだにゃ。これでだにゃ。これ」

 

と、腰あたりに着けているポーチから二つのペンダントを出す。

 

「これは...木彫りのペンダントですか。ああ、なるほど。」

 

と、ペンダントを手渡すとクリスは、納得されたようにそうおっしゃった。

そのペンダントにはエリス教とは逆方向に四角い紋章が彫られておりその中に一本の線がある、アクシズ教のペンダントだった。

 

「多分、分かったと思いますが、このペンダントを首につけてアクシズ教徒たちに、同族だと思わせ勧誘されないようにするだけのものだにゃ。ちなみに装備すると、クリエイトウォーターの魔法が誰でも使えるようになるそうなんだにゃ。」

「そうなのですか。では行きましょうか。」

 

と、エリス様と私は街に出向いた。

 

 

 

 

 

街に入ると、アルカン饅頭屋さんや駄女神の像が目に入った。

 

「とてもきれいな街ですね。」

「そうだにゃ。正直意外だにゃ。」

 

と、驚きを口にする。

正直、アクシズ教の総本山というので、荒れているというイメージがあったが、イメージとは全く異なっておりとても美しい街並みが続いていた。

そのことに軽く感心していると周りから人間が集まってきた。すると、

 

「ようこそいらっしゃりましたアルカンレティアに。」

「観光ですか?入信ですか?それとも、洗礼ですか?」

「おお、仕事を探しに来られたのであればぜひアクシズ教団に...」

 

と、言うようにアクシズ教の頭のおかしい連中が寄ってたかってきた。

横を見ると、覚悟はしていたが急に起こったことにエリス様は困ったように視線を右往左往させている。

 

クソ人間種(イマニティ)どもが...すみません。私たちアクシズ教の信者で、巡礼兼観光に来たのですが...」

 

と、小さく悪態をついた後、首からぶら下げているペンダントを出す。

 

「ああ、同志のお方でしたか。巡礼ならばあちらに教会があります。」

「そうです。それにこちらに、観光で来られたアクシズ教徒専用のホテルもあります。」

 

「いえいえ、大丈夫です。私たちこれでもお金は持っていますのでできるだけこちらの街にアクア様の信仰のためにも落としたいなと、思っているので大丈夫です。では、失礼しますね。」

 

と、適当言って、急に絡まれてあたふたしているクリスの手を強引につかみ逃げるように離れていった。

すると背後から、

 

『さようなら同士。あなた方が良き一日であらんことを。』

 

という声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「クソ人間種(イマニティ)どもが、感心させておいてすぐこれですか。」

 

と、路地裏で悪態を吐く。

 

「まさか、アクシズ教への勧誘が激しいとは聞いていましたが...これまでとは...」

 

と、軽くげっそりした顔で、エリス様はおっしゃる。

 

「ほとんど、カルト教団みたいな感じでしたしね、こんなものを信仰している人間種(イマニティ)どもの気が知れません。」

「アズ、言葉。」

 

と、エリス様は、軽く怒った顔でこちらを見てくる。

 

「わかりましたよ。人間ですよね。」

「そうです。怒るとすぐこれなんですから。それで今回はどちらに泊るんですか?」

「アルカンレティアでは珍しく、温泉が付いている高級ホテルです。」

 

と、私はエリス様を連れて、昨晩のうちに予約を取っていたホテルへと向かった。

 

「こちらですね。」

 

と、指をさす。

そこには、この世界には珍しく日本の料亭のようなホテルが見えた。

 

「すごいですね...もしかして、転生者の方が?」

「さすがは、エリス様ですね。そうですよ。天界の書類で一度見たことがありますが、転生をさせた女神さまへの恩を返すために作ったそうですよ。」

「そうですか、地上でその呼び方はやめてください。」

「すみません。では、参りましょうかクリス。」

 

と、手を取ってホテルへと向かった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「アズアズ、これは何ですか。」

「クリス。この床についてかにゃ?これは畳というものなんだにゃ。向こうの日本ではよく床材として使われていたにゃ。」

「そうなのですか。」

 

と、私たちは一通りチェックインを済ませた後、部屋を訪れて二人でくつろいでいた。

 

「アズアズ、これは何ですか?」

 

と、エリス様は、私が座っている座布団を指さしながら聞く。

 

「これは座布団ですね。こちらの世界風に言うと、座るクッションというものでしょうか。」

 

と、説明する。エリス様は、感心したようにそれを見ていた。

 

「で、この後どうしましょうか?」

「そうですね、このホテルを探索しても面白そうですが、せっかくなので街に行きませんか?」

「わかりました。せっかくなので、お昼も外で食べていきませんか?」

「いいですね。行きましょうか。」

 

と、二人は手をつなぎ街へと出かけていった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「あいも変わらず、景色はきれいな街ですね。」

 

と、太陽が傾き始めたころ私たちはおやつ代わりに名産であるアルカンまんじゅうを食べながら二人は海岸沿いにある防波堤に腰掛けていた。

 

「そうだにゃ。一時はどうなるかと思いましたんだにゃ...」

 

と、エリス様は、ため息をついている。

 

「街に入ったとたん、すごかったですよね。」

 

と、思い出す。

私たちが街に入った途端、多くの勧誘の人々に声をかけられ、アクシズ教のペンダントを見て去っていったのを思い出す。

 

「それにしてもどうするかにゃ。これ...」

 

と、横を見ると山と積まれた石鹸やシャンプーがあった。

 

「そうですよね。外から来た敬虔なアクシズ教徒は珍しいとのことでもらいましたが...そういえばアズ、このペンダントってどうすればもらえるのですか?」

「確か...アクシズ教の教会に三年間毎日欠かさずに通うともらえたはずだにゃ。」

「だからですか...」

 

と、エリス様は、ため息をつく。

 

「仕方がじゃないかにゃ。でないと、勧誘の三文芝居を見せられる羽目になるんですから。ほら、あんな感じに...」

 

と、防波堤沿いで三文芝居の練習をしているのか、体が大きい雄(エリス教徒のつもり)が、雌に対して襲うように見せつけるような芝居の練習をしていた。

 

「そうでしたか......」

 

エリス様は死んだ目でそれの様子を見ていた。

 

「このせっけんと洗剤の処分方法についてはあとで考えることとするにゃ。では、この後、どうするかにゃ? クリス。」

「そうですね...一通り町は見て回りましたしね...あ、そうです。ダクネスのお土産を買っていかないと。」

「あと二日もありますし、今の段階では買う必要はないと思うにゃ。」

「確かにそうですね。では、旅館に戻りましょうか。」

 

と、二人は旅館へと帰っていった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「おお、すごいですよ、ジブ。野菜だらけです。」

「確かに、すごいですね。こちら側の世界で食べれるとは思いもしませんでした。」

 

私たちの目の前には豪勢な精進料理が並べられていた。

 

「ジブジブ、この白い膜みたいなものは何ですか?」

「ああ、それは湯葉ですね向こうの世界にある料理の一つですね。製法としては、大豆を絞った際に豆乳というものができるのですけどそれを沸騰させて、できた膜ですね。」

「大豆ですか?もしかして高級食材の空を飛んでくる大豆ですか?」

「それで間違いないですね。向こうの世界ではこちらの世界のサンマと同様に地面から生えてくるものですから...」

「そうなのですね。」

 

と、感心したようにエリス様は頷く。

 

「では、精進料理というのは、すべて野菜の高級料理と、いうことであってますか?」

「そうですね。向こうではこちらの世界でいう教会のプリーストのような人が食べていましたね。」

「そうなのですか。向こうの世界の人々は毎日こんなにおいしいものが食べれてうらやましいです。」

 

と、感心したようにエリス様はおっしゃられた。

 

 

 

 

 

「ふう。おなかいっぱいです。」

「そうですね。思ってる以上に量がありました...」

 

と、食事を終え二人、畳の上で座りつつ団欒を楽しんでいた。

 

「ジブ、明日は、どうするのですか?」

「一応、休憩所付きの温泉を明日一日貸し切りでおさえてはいますが...」

「休憩所付きの温泉ですか?」

 

と、エリス様はこてんと首をかしげる。

 

「そうですね。明日はせっかくアルカンレティアまで来たので温泉に一日中入ろうかと思いまして。エリス様はどこか行きたいところはございましたか?」

「特にはありませんが...そうですね...できれば、アクシズ教会の総本部に一度顔を出しておきたいかなー...」

「わかりました。では、朝一で教会に行きますか?」

「それで、お願いします。」

「了解です。」

「そ、それでですね、ジブリール」

 

軽く、明日の予定に変更を入れていると、顔を赤くしてもじもじしたエリス様から声をかけられた。

 

「どうされましたか? エリス様?」

「い、一緒にお風呂に入りませんか?」

 

と、返された。

 

「いいですよ。恥ずかしがられているエリス様も、かわいいですけど...そこまで恥ずかしがらなくても、私まで恥ずかしくなってしまいます。」

「......///」

「そこまで、恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。はぁ。現に私たち何度、枕を共にしたと思っているんですか...」

「ため息をつかないでくださいよ。」

 

と、顔を真っ赤にして、私の肩をポコポコ殴ってくる。

 

「早く入りましょう。」

 

と、立ち上がり部屋に備え付けの風呂に入るために準備を始めた。

 

 

 

 

 

「とても、眺めがいいですね。」

「......//」

 

外の風景はアルカンレティアの有名な活火山を一望でき近くの源泉が湧き出ている場所など。

とても美しい街だ。

 

「エリス様?」

「......//」

「あの、反応してくれないと困るのですが...」

「......//」

 

このままでは、話にならないと思った私は、少しエリス様をあおる。

 

「エリス様、最近、胸が成長してきましたね。」

 

と、言い軽く胸に触れる。

 

「ひゃっ。」

 

本当に、かわいい反応をする。

 

「私と付き合い始めたときは、パッドをつけていませんでしたっけ。本当に付き合うと胸って成長するんですね。」

「恥ずかし.ぃ..」

 

と、面白い反応をする。

興が載ってさらに強く触れる。

 

「今は、B、いやCぐらいありそうですね。」

「や、やめてくださいよ。」

 

と、私から逃れるようにそっぽを向いてしまった。

さらに私は調子に乗りエリス様を後ろから抱き着いた。

 

「エリス様、本当にかわいいです。」

「え、えぇぇ。」

 

と、付き合い始めたときに比べて少し成長した胸を軽く触れながら後ろから強く抱きしめる。

 

「ああ、もうわかりました。それよりもなんですかこの胸は。」

 

と、エリス様は、強く抱き着いたせいで肩に乗っていた私の胸をつかむ。

 

「ちょ、痛いです。」

「聞き分けの悪い天使にはお仕置きです。」

 

まだまだ、夜は、長そうだ。

 




一週間以内に次話投稿します。
評価や感想をくれると中の人が喜びます。よろしくお願いします。
誤字報告、ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。