これは、あたし──奥沢美咲と、同じ状況を経験した事のある彼女──市ヶ谷有咲の何気無い一コマを描いた物語。

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今回はとある作者さんからのお誘いをお受けし、このような作品を書いてみました。短くて尚且つ駄文が目立つかもしれませんが、温かい目で見ていただけますと嬉しいです。


それではスタートです。


苦労人たちの一コマ

「……」

「……」

 

 

 夏も終わりを迎えて、残暑も残る9月の上旬。

 

 互いに忙しなく動く手を除けば……そこは無音が支配する世界。お互いに喋ろうとしないのに加えて、作業を中断させては行けないと言う思いもあったとなれば、この空間になった理由の説明もできる。

 

 

「……」

「……」

 

 

 こんな事になった理由はと言うと、あたしの目の前で作業をしている先輩──市ヶ谷さんからのお誘いがあったからだ。なんでも『燐子先輩から生徒会を引き継ぐので、それに向けての準備を手伝って欲しい』との事で。

 

 

 実際、あたしは生徒会とは無縁だと思っていたし、関わる機会なんて……ただ廊下ですれ違って挨拶をする、位の認識だった。

 

 それが今ではこうやって引き継ぎの為のお手伝いをしている……しかも、それを生徒会室でやってると考えても見たら、当時の自分が聞いたら驚くに違いない。

 

 

 そして少し作業を進めた後、今まで保たれて来た沈黙に終止符が打たれた。

 

 

「えっと……奥沢さん」

「何ですか?市ヶ谷さん」

「その……私のわがままのせいで、こんな事になってるからさ……申し訳ねぇと思ってな……」

「良いんですよ。あたし、何だかんだでこう言う雑務とか得意ですから」

 

 

 市ヶ谷さんから言われた謝罪の言葉に、あたしはそう言って返した。事実、弟や妹の頼みでフェルト作りをするし、こころの思い付きで決まったライブ関連の事柄を纏めていたりもするので、机に向かって何かをする……と言うのに関しては慣れっ子だ。

 

 

「そうか……なら良かった……。実際、燐子先輩たちの跡を継ぐとなると、色々やらなければならない事が多くてな……ポピパの事もあるが、こっちも疎かに出来ねぇし……」

「市ヶ谷さんって、凄くしっかりしてますよね。あたしとは大違いなくらい」

「いやいや、それを言うなら奥沢さんだって。ミッシェルの中に入ってDJして、バイトもして勉強も下の子の面倒まで見てる……私なんか、到底及ぶもんじゃねぇよ……」

 

 

 あたしと市ヶ谷さんは作業の手を止めないようにしながら、そんなたわいも無い話に花を咲かせていた。そうして話していると、今度はバンドの話になり。

 

 

「そう言えばさ、豪華客船を使ったライブ……アレすっげー良かったぜ? メンバーたちもはしゃいでたし」

「あ、そうですか? ありがとうございます。こころの発案から出来た事なんですけど、実現するまでには時間がかかりました……。それを言うなら、ポピパは主催ライブも成功して、今勢いがあるじゃないですか」

「全然そんな事ねぇよ……むしろ、ここからが本番だろ。まーた香澄とおたえがなんかやらかすだろうから確り手綱を握ってやんねーとな」

「そうですね。お互いに」

「そうだな。お互いにな」

 

 

 そうやって話しをしながら、あたしと市ヶ谷さんは生徒会の引き継ぎの為の作業を続けて行った。そしてその後の話にはなるけど、案の定と言うか何と言うか……お騒がせ達の暴走に振り回されるあたし達であった。




今回はここまでです。それでは、また。


【作家名】咲野 皐月

【代表作品】https://syosetu.org/novel/249478/
「新日常はパステルカラーの病みと共に(Rev.)」

【H.S.Fに対して】
 この様な機会に、僕の書く作品が掲載されようとは……お話をお聞きするまで思いもしませんでした。ですが、これを機にもっと作家さんとの交流が増えればと思っています。

 今回このお話でメインを担当しましたキャラは……僕の書いて来た作品の中では初めてなあの子でございます。色々解釈違いなどもあるかもですけど、皆様からのご意見なども参考にしつつ、今後の執筆に役立てたいと思います。


 長くなりましたが、ここで筆を置きます。

 改めまして……今回はこの様な機会にお誘い頂き、誠にありがとうございました。

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