エヴリンのヒーローアカデミア   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回はやっと原作主人公メイン回。緑谷がちらちらエヴリンを見ていた理由が判明です。

USJ襲撃直後のお話。楽しんでいただけたら幸いです。


こんな私でもヒーローだった?

 私が死の恐怖のあまり個性を大暴走した、その放課後。生徒で傷を負ったのは幸いにも私と緑谷だけな様で、緑谷が何故かトゥルーフォームになってる軽傷のパパと一緒に看護教諭であるリカバリーガールに治癒されている間、私はベッドの上で体育座りして落ち込んでいた。

 

 

【やってしまったねえ】

 

「やってしまった…」

 

 

 そうだ、過去類を見ないほどやらかした。もう絶対に他者には行使しないと決めていた個性を、ヴィランとはいえ思いっきり使ってしまった。前世のベイカー家みたく私に従順になったヴィラン達は大人しく捕まっていたが、その光景をクラスメイトにばっちり見られた。しかもクロギリのせいで私がオールマイトの子供だということもばれてしまった。平和の象徴の子供が下手したらクラスメイトも巻き込むヴィランみたいな個性で大暴れした、というのは悪印象でしかないだろう。会わせる顔がない。もう引き籠もりたい。

 

 

「エヴリン。そう落ち込むな。私が来るまでの間、君はよくやったさ」

 

 

 カーテンを開いて顔を見せるパパを見上げ、涙が溢れだす。襲われたのは私のせいだと思って、みんなだけは守って見せるって、頑張って、頑張って……最後の最後に油断からやらかした私にその優しさは辛い。

 

 

「パ、パ……わたし、わたし、嫌われた!絶対、ぜったい、きらわれた!」

 

「落ち着け。落ち着きなさい、エヴリン」

 

「約束したのに!これ以上、個性で誰かを襲わないって!なのに、なのに、暴走して敵を取り込んで!みんなを殺しかけた!パパの戦いの邪魔をした!私のせいで首謀者には逃げられた!パパは私でもヒーローになれると言ってくれたけど、私みたいな「悪」がヒーローを目指しちゃ駄目だったんだよ…」

 

「そんなことないさ!」

 

 

 私の肩に手をかけ、目と目を合わせてくるパパの真剣な顔に涙が引っ込む。怒られてもおかしくないのに、なんでそう私を安心させてくれる笑顔を浮かべてくれるんだろうか。

 

 

「正直言ってあの脳無を倒すには私も全力以上を出すしかなかったが、エヴリンが奴を倒してくれたおかげで私はまだヒーロー活動を続けられる!それに昔と違ってちゃんと制御できていたじゃないか!無意識ながらもヴィランだけに目標を絞り、クラスメイトには決して手を出さなかった!おかげでエヴリンと緑谷少年以外大した怪我もなく、みんな乗り越えられた!誇るべき活躍だ!」

 

「緑谷怪我したんだ…ごめんなさい…」

 

「あ、逆効果だったかいこれ!?」

 

 

 緑谷が怪我したことを聞いて落ち込む私に慌てふためくパパ。するとパパの後ろで黙っていた緑谷が慌てた様子で顔を出した。

 

 

「ち、違うよ八木さん!僕の怪我は水難ゾーンでヴィラン達を退けるために指を痛めただけで君は何も悪くない!」

 

「ほんと…?」

 

「本当だよ!それに、君がヒーローを目指しちゃ駄目だなんてそんなことは絶対にない!」

 

「え…?」

 

 

 その言葉に、膝にうずめていた顔を上げる。初めて正面から見た緑谷の顔は輝いていて、今のひどく落ち込んでいる自分には眩しく感じた。

 

 

「あのかっちゃんや切島君を簡単に退けたネメシスを倒して相澤先生や僕たちのピンチに駆けつけたばかりか、蛙吹さんを間一髪で助けたあの姿はすごくオールマイトみたいだった!ヴィラン達の勧誘の声を跳ね除けて、脳無やシガラキトムラ相手に互角に立ち回ったあの姿はプロ顔負けだったよ!」

 

「で、でも、私、死にそうになったからって暴走して……みんなを危険に……」

 

「オールマイトの言う通り制御できていたじゃないか!死にそうになってたのに、無意識に僕たちを守ろうとしたなんて、すごいよ!それにトラウマでも与えたのか救出されたヴィラン達を大人しくさせてたじゃないか!他のヒーローだってあんなことはできないよ!」

 

「そ、それはトラウマとかじゃなくて…」

 

「君がどんなに自分を卑下しようと八木さん、あの時の君は誰よりもヒーローだった!オールマイトの子供だって、胸を張って言うべき活躍だったよ!」

 

「うう……」

 

【褒め殺しは駄目、慣れてないからヤメテー…】

 

 

 羞恥から顔が赤くなる。本性の私も照れてしまっていつもの憎まれ口を言わない。駄目だ、緑谷の顔をまっすぐ見れない……全力で話を逸らそうそうしよう。

 

 

「そ、そういえば焦凍には私から伝えてたけどなんで緑谷は私がパパの子供だって知ってたの?クロギリに宣言された時、ネメシスに襲われる前に焦凍と一緒に私の方を見てたよね?」

 

「え、あ、それはその…」

 

「それに時々私の方を見てたし、もしかしてヴィラン連合のスパイ……とかじゃないよね?」

 

「そ、それは違うよ!?」

 

 

 ありえないとは思うが私の事を知ってる理由がそれしかないので恥ずかしさを隠す様に睨むと、慌てふためき全力で否定する緑谷。その姿にちょっと笑ってしまった。

 

 

「こら。仕返しに緑谷少年をいじめるのはやめなさいエヴリン」

 

 

 パパにはお見通しだったようで細い手でコツンと頭にチョップされてたしなめられる。そういえばパパ、トゥルーフォームだったな……あれ?あれ?私がおかしいのか?

 

 

「パパ!?今更だけどなんで緑谷の前でトゥルーフォームなの!?いや、あの、この人はパパだけどパパじゃなくて、オールマイトなわけなくて、えっと、その、緑谷、違うよ!?」

 

【うわーい、渾身のぐるぐる目】

 

 

 大混乱に陥りベッドの上で手足をバタバタさせて慌てて誤魔化そうと試みていると、何故か私の前で内緒話をし始める緑谷とパパの姿に目を白黒させるしかない。しまいにはまた涙が溢れて来てしまった。

 

 

「はっ!?そうか、緑谷の個性はパパの個性とよく似ている……もしかして血の繋がった実子!?隠し子!?私にとってお兄ちゃん!?弟!?ヴィラン連合の狙いは私じゃなくて緑谷だったの!?どーゆー関係ー!?」

 

「落ち着けエヴリン!私の子供は君だけだ!今は亡き師匠に誓ってもいい!」

 

「そうだよ!?僕には母さんも父さんもちゃんといるから!」

 

「ぐすっ。じゃあなんでそんなに仲がいいの?」

 

 

 私以上に慌てる二人に涙を手で拭いながら睨むと、二人は顔を見合わせて何かを決めた様な顔で頷いた。私より仲がいいまでない?嫉妬しちゃうよ?私嫉妬するとすごいよ?

 

 

「エヴリンにも伝えておこう。緑谷少年は私の弟子なんだ」

 

「弟子…?」

 

「実は緑谷少年が個性を発現したのは一年ぐらい前なんだ。その時期にヴィランを退治する際に偶然出会ってね。似た様な個性で自分の身を滅ぼしかねない彼を鍛えることにしたのさ」

 

「もしかして、この一年近く、前にも増して出かけたのって…」

 

「そう。緑谷少年の個性に見合う肉体づくりをしていたのさ!」

 

「だからそんな毎回個性の制御できなくてボロボロになってたんだ……」

 

「あはは…そういうことなんだ……オールマイトに師事していて面目ない」

 

【一年もあれば個性の制御ぐらいできそうなものだけどなー】

 

 

 なんか違和感は感じたけど納得した。パパの子供じゃなくて心底安堵した。私の知らないパパがいるのは癪だけど。なんなら教えて欲しかったけど。そこは私はいい子なので我慢する。パパを困らせたくはない。

 

 

「じゃあ、私の事も…」

 

「うん。オールマイトから、娘が同じクラスに入学することになったから、困ってたら助けてやってほしい、人見知りだからって頼まれてて…」

 

「余計なお世話だよパパ!?」

 

「だって心配だったからつい…」

 

「これでも中学まで頑張って優等生を演じてたんだけど!?」

 

「いや、緑谷少年ならエヴリンも心を許せる友達になってくれると思って………私の言葉より、彼の言葉は響いただろ?」

 

「う、それは……」

 

【それはそう】

 

 

 私の事情を知らないであそこまで言ってくれた緑谷に心を許しかけているのは事実だ。でもなんか悔しい。

 

 

「……私を助けてくれた時の緑谷も、ヒーローに見えたよ」

 

「っ……ありがとう!」

 

【いや素直か】

 

 

 照れさせようとお礼を言ってみたら満面の笑顔で返された。パパとリカバリーガールからは温かい目で見守られた。解せぬ。




さすがにワン・フォー・オールについては教えられず師弟関係だということだけ伝えられたエヴリン。知ったら危険だからね、しょうがないね。

そろそろ轟や緑谷だけでなく犬猿の仲の爆豪とも絡ませたい。目の前でヴィラン倒すの横取りされたってプライドにかなり響きそうなんですよね。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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