書けてなかった間に原作は凄いことになってますね。USJ襲撃の原因が内通者の仕業だと知って矛盾してるじゃんって悩みもしましたがこの世界線ではこうなってるってことにしました。
今回はUSJ襲撃後の話。楽しんでいただけたら幸いです。
「失礼します」
パパとリカバリーガールの温かい目と緑谷の満面の笑顔から逃げるべく布団で顔を隠していたら、保健室に顔見知りが入ってきた。
「オールマイト、それにエヴリン。久しぶり!ちょっといいかな」
「塚内くん!君もこっちに来てたのか!」
「オールマイト!?え、いいんですか?姿が…」
「大丈夫だよ緑谷。あの人は塚内直正警部。パパと一番仲良しの警察なんだ。弱ってるのも知ってるよ」
私の日本での身許とかも何とかしてくれた人でもあるけど言わないでおこう。警察の仕事が忙しくてあんまり会えてないけど、すごくいい人だ。
「さっそくで悪いがオールマイト、エヴリン。ちょっといいかな。敵の首魁と戦ったのが君達だと聞いてね。特にあの数のヴィランを無力化したエヴリンに詳しく話を…」
「待って、その前に。みんなは大丈夫だった!?」
「そうだ、生徒は皆無事か?相澤…イレイザーヘッドと13号は!?」
私とパパが血相を変えて問いかける。パパから無事だとは聞いたけど、もしかしたらヴィランの個性でなにかしら悪影響を受けている人もいるかもしれない。あと考えたくないけど…私のアレに巻き込まれた人もいるかも…。
【心配だよねえ。優しい嘘だったら嫌だもんねえ】
「安心していい。生徒は君達以外で軽傷数名、特におかしい状態なのも……爆豪君がエヴリンに文句を言ってたぐらいでいなかった。教師二人もとりあえず命に別状なしだ。3人のヒーローが身を挺してなければ生徒らも無事じゃあいられなかっただろうな」
「そっかあ…よかった…爆豪はそのまま悔しがっとけ」
「か、かっちゃんも悪気はないはずだよ、うん」
「しかし、一つ違うぜ塚内くん」
そう言うパパに視線が集まる。何が違うんだろう?と緑谷と顔を見合わせていると、パパはにんまりと笑った。
「生徒らもまた戦い、身を挺した!そしてエヴリンもまたヴィランの勧誘を跳ね除け、クラスメイトと力を合わせて退けた!こんなにも早く実戦を経験し、生き残り、大人の世界を、恐怖を知った一年生など今まで、あっただろうか!?敵も馬鹿なことをした!
そう言ってサムズアップを私達に向けるパパ。たしかに、そうかもしれない。あの一般人だったイーサンも、たった一日の間にミア、ジャック、マーガレット、ルーカス、そして私の悪意と戦っていくうちに歴戦の戦士になっていったのと同じだ。…イーサンに関しては一般人なのか怪しい所だけど、ヒーローの卵の私達がこんな入学したてでヴィランと戦ったのは意味があることかもしれない。
「私は、そう確信しているよ」
「うん、パパ。その期待に絶対応えてみせるよ」
「僕も、最高のヒーローになってみせます!」
パパに向けてそう宣言する私と緑谷は再度顔を見合わせる。クラスメイトはみんな、轟と同じヒーローを目指すライバルだ。緑谷も同じだ。初日は制御できてなかった個性を、ヴィランとの戦いで使いこなせるようにまでなっていた。成長速度ならイーサンにも負けてないかも?
「違うね。最高のヒーロー…一位になるのは私だよ」
「…八木さんは確かに強い。だけど、負けないよ!」
そのまま難しい話をしている大人を余所に、拳を向けると合わせてくれる緑谷に、焦凍の時と同じ感慨深さを感じる。
「…エヴリンって呼んでよ。私のライバルならね」
「え、えヴ、エヴリ……ごめん、ちょっと勘弁してください」
【思春期の男子のそれで草】
「…なに?梅雨ちゃんといい女の子の名前を呼べないの?」
私の名前を言おうとしてどもって赤面する緑谷に溜め息を吐く。なんか、しまらないねえ。
USJでの救助訓練のヴィラン連合を名乗る集団の襲撃による臨時休校となった休日。私は「あるお願い」をすませてから親友に昨日の出来事についてテレビ通話で話していた。
「それで暴走しちゃって…泳げないの、直した方がいいかなあ」
≪「うーん、エヴリンの場合は個性の影響なのか分からないけど先天的なものだから無理じゃない?どうしてもって言うなら小型ボンベとか作ってみるけど」≫
「多分身動きできずに沈んで底を歩くことになりそう」
≪「容易に想像できるわね…でも、本当に無事でよかったわ。ニュースを見た時は心臓が口から飛び出るかと思ったもの」≫
「なにそれ個性?ついに無個性じゃなくなったの、メリッサ!」
私の画面の向こうにいる少しクセのある金髪のロングヘアーで青緑色の瞳に眼鏡をかけた少女…メリッサ・シールドに問いかける。メリッサはパパの親友にして元相棒、デヴィット・シールドの娘で将来有望な科学者の卵だ。私がコネクションから助け出されてパパの養子になった際に知り合いとなり、それ以降無二の親友として交流してきた。ちなみに八百万にも匹敵するでっかいものを持っててさらにコミュ力の塊である。不公平だと思う。代わりにメリッサは無個性だけど…あの才能は個性なんじゃないかなと思うんだけどなあ。
≪「そんなわけないでしょ!今更個性が発現するだなんて…」≫
「え?私の同級生が一年前に個性が発現したって話を聞いたけど…」
≪「へえ、そんなこともあるのね」≫
言われて見てそうだな、と思う。緑谷、やっぱり変だよね?
≪「そういえば、パパの作った水筒とブーツ、それに
「あ、それなら絶好調だよ。特に水筒はパパ並みのパワーを持ってたって言うヴィランの拳を受けても壊れなかったし」
≪「よかった。さすがパパの発明品ね!」≫
そうなのだ。私の
「半年ぐらいメンテの必要もないのはさすがに引くけどね」
≪「アハハ、私にも真似できないわ。マイトおじさまを参考に、全力のパワーを三回分耐えられる補助アイテムの『フルガントレット』を作成することはできたんだけど三回以上は耐えられないって計算に出てるし…」≫
「いや、十分だと思うよ?」
私の親友、凄すぎやしないだろうか。…パパとデヴィットみたいに、私とメリッサでコンビを組んで最高のヒーローになるって約束、叶えられるように頑張らないとな。
その翌日。案の定クラスメイトのみんなから質問攻めにされた。ちゃんと養子であることは話したし、隠してたのも「目立ちたくなかった」って言えば納得してくれた。一部納得してない爆豪とかもいたけど。しかし、相澤先生は重傷を負ったって聞いてるし今日のホームルームはパパ辺りでも担当するのだろうか。そう思って飯田に言われるまま席についていると。
「お早う」
「「「相澤先生復帰早えええええ!?」」」
【グルグル巻きwww】
包帯でグルグル巻きになってる相澤先生がス…ッと入って来てツッコミが起こる。いやほんと、一瞬しか見てないけど脳無にズタボロにされてたんだから安静に……リカバリーガールがいてもその包帯の量はやばくない?
「先生無事だったのですね!」
「無事言うんかなあアレ…」
「これは婆さんが余計に巻いてるだけだ、俺の安否はどうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねえ」
「戦い?」
「まさか…」
「まだ
「エヴリンさんが狙われていますの!?」
相澤先生の言葉にどよめくみんな。八百万、心配してくれるのはありがたいけど焦凍まで殺気立つからやめて。
「雄英体育祭が迫ってる!」
「「「クソ学校っぽいの来たああああああ!!」」」
【俺達の戦いはこれからだ!】
……あの、ヴィラン連合のせいでオールマイトの子供の噂に世間の関心が行ってるというタイミングで体育祭?目立ちたくないんだけどなあ、一位を目指すなら避けられないか……やってやる!
これまでちらほらと言及していたエヴリンの親友ことメリッサが登場。エヴリンがオールマイトの養子なら当然関係はあるよね。エヴリンの装備もデヴィットのものだと明言です。早く2人の英雄編書きたい。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。