エヴリンのヒーローアカデミア   作:放仮ごdz

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どうも、他の小説ともども毎日投稿してるけどこの小説は週一投稿になってる放仮ごです。雄英体育祭編は連載初期からずっと考えてたので投稿速度が上がるかも。

エヴリンからA組への宣戦布告。楽しんでいただけたら幸いです。


こんな私の宣戦布告

「エヴリン!ナンバーワンヒーローになるなら決して外せない大舞台だ!」

 

 

 朝ごはんに豪勢に出前を取ったチェーン店のカツカレーを食べていると、私の個性で硬くないものなら食べれるまで回復したトゥルーフォームのパパが鹿児島から取り寄せた鰹味噌を乗せた白飯を食べながらそう言った。カツかつづくめで縁起がいいね。

 

 

「エヴリン!もうヴィランになる筈だった君はいない!ここにいるのは未来のトップヒーローであるということを、君が来たってことを知らしめてくれ!」

 

「…パパ。それ、緑谷にも言ってるんでしょ?」」

 

「ぐっ。何故それを…」

 

「一度言ったことがある台詞じゃないとすらすら出てこないでしょ。カンペばかり見て授業してるパパが」

 

「ぐう!?」

 

 

 ぐうの音しか出ないパパに苦笑する。カツを全部食べ終え、残りのご飯とルーをスプーンでかっ込んで皿を置き、口元を拭って立ち上がる。……身長のせいで椅子から降りたら視線が下がったので無言で椅子の上に立ってパパと視線を合わせる。

 

 

「私がパパの娘だってことを隠すのはもう限界だと思うんだ。だから、私ね?」

 

「うん」

 

 

 優しい声で頷いてくれるパパに、心からほんわかする。私はこの人の娘なんだと安心できる。

 

 

「雄英体育祭でナンバーワンになって、私はパパの娘だって胸を張って言うんだ!」

 

「…これは大変だ。我が娘と弟子、どちらを応援すればいいのかな私は」

 

「そこは嘘でも私だって言ってほしいんだけどな!」

 

 

 そんな会話が今朝にあった今日はそう、雄英体育祭本番当日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 焦凍と訓練を続けながら迎えた雄英体育祭。ヴィラン襲撃もあったため増員されたプロヒーローたちが警備する中、各クラスに分けられた部屋に待機した私達は入場時刻を待っていた。小さいから異様に狭く感じる。みんな多種多様の反応で面白い。

 

 

「あーあ、せっかくの晴れ舞台だし戦闘服(コスチューム)着たかったなー」

 

「公平を期す為、着用不可なんだってさ」

 

 

 不服そうに愚痴る芦戸を尾白が宥めているのが見えるが、私はドヤ顔で水筒を掲げた。それが無い他学科が圧倒的に不利になってしまうため禁止されている戦闘服(コスチューム)は使えなかったけど、個性行使に必要だと相澤先生を説得してなんとか水筒は死守したぞ!水分補給のためだけで武器や防御に使ったらダメって制約ついたけど燃料は手に入れた!青山のベルトがありなんだからいいよね!ちなみにサポート科は自分で作ったサポートアイテムは使用できるんだとか。

 

 

「体操服だと私の透明化実質無個性なんだけどぉ!エヴリンちゃんはいいなあ」

 

「私水筒がないとすぐガス欠起こすから…」

 

 

 逆に言えばこれさえあればいくらでも個性を使える訳だが。同時に弱点になるから気を付けないと。頑丈性はネメシスのおかげでお墨付きだから手放さなければ何とでもなるけど。

 

 

【さすが私汚い】

 

「…緑谷。エヴリン」

 

「え、なに?轟君」

 

「いきなりどうしたの、焦凍?」

 

 

 あともう少しで始まりそうって時に焦凍が私と緑谷の名前を読んできたので振り向くと、真剣な目で私達を見ていた。

 

 

「…まず緑谷。…客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う。だが…お前オールマイトに目をかけられてるよな」

 

「!」

 

 

 まあわかるよね。実際はパパの弟子らしいとは私は聞いたけどみんなは知らないんだっけ。

 

 

「別にそこ詮索するつもりはねえが……なにかナンバーワンヒーローに目をかけてもらえる何かがあるってことだろ。お前には勝つぞ、俺は」

 

「緑谷だけ?」

 

 

 そう問いかけてみると焦凍は、いつもの少しは笑ってくれていた焦凍と異なる鬼気迫る顔で睨んできて。少し怖くなって慌てて爆豪に隠れると「ああ!?」ってキレられた。待っていかないで爆豪、安心できるのぶれてない爆豪だけだからー!と目で訴えるも普通に爆豪に退かれた。酷い。クラスのみんなも焦凍の鬼気迫る感じに動けないでいるし。

 

 

「…エヴリン。お前は俺のライバルだ。クラスで唯一俺を倒せる凄い奴だ。…だから超える、左を使わずに」

 

「…へえ。言ったよね?左を使わない焦凍に負ける気はないって。もちろん焦凍が宣戦布告した緑谷にも負ける気はない。…もしかして、なんか言われた?」

 

「っ!」

 

 

 必死に虚勢を張って不敵に笑んで問いかけて見せるとわかりやすく反応する焦凍。昨日会っての訓練までは特に違和感を感じなかったから、エンデヴァーになんか言われたな。大方私が相手なら焦凍が炎を使わざるを得ない、私はオールマイトの娘だから必ず勝てとか言われたんだろう。私が宣戦布告した時分かりやすくブチギレてたし。

 

 

「…いい加減親の呪縛から解き放たれようよ」

 

「っ、お前に何が…!」

 

「うん、私は本当の父親を知らないよ。でもね…親の呪縛は誰よりも知っている」

 

 

 厳密には親じゃないけど、母親になる筈だった女と父親になるはずだった男。ミア・ウィンターズとイーサン・ウィンターズ。後者は前世の私を殺した張本人。そして前者は…誰よりも信用していたのに、愛をもらいたかったのに、私に恐怖を抱いて拒絶した……大好きで大嫌いなママ。前世も今世も親を知らない私にとっての「両親」はこの二人だ。形はどうあれ期待してもらっている焦凍と違って、私はそれすらなかった。ミアに拒絶された言葉は、絶望は、呪いとして私の魂に沁み込んでいる。でもそれは、受け入れてくれたパパのおかげで解き放たれた。イーサンは許さないけど。

 

 

「親を恨んで囚われてると大事なものが見えなくなるよ」

 

【ミアも許さないけどね】

 

「……覚えておく」

 

 

 納得はしてない様だけど覚えてはくれたようだ。こっちこそパパの存在が嬉しすぎて言うのが遅くなった、ごめん。すると黙って聞いていた緑谷が意を決して口を開いた。

 

 

「…僕は君達の事情を知らない。だから轟君がなにを思って僕に勝つって言ってるのかはわからない、けど!そりゃ轟君と八木さんの方が上だよ…客観的に見ても実力なんて大半の人に敵わないと思う。でもみんな…他の科の人も本気でトップを狙っているんだ。僕だって後れを取るわけにいかないんだ。僕も本気で獲りに行く…!」

 

「…おお」

 

「うん、受けて立つ。…それとそこでプルプル震えてる爆豪」

 

【拗ねてると見た】

 

「ああん?!んだこら!」

 

 

 本気で勝利すると宣言した緑谷と私達を見て怒りを抑えている様に見えた爆豪にも声をかける。大方、焦凍に自分を差し置いて緑谷に宣戦布告されたのが気に入らないとかだろう。なんとなくわかってきた。

 

 

「私、このクラスの一番じゃないとナンバーワンヒーローになんかなれないと思ってるから。また、勝つからね」

 

【つまりこのクラス全員への宣戦布告じゃい!】

 

「…はっ!もう負けねえよ!」

 

 

 不敵な笑みを浮かべて返す爆豪。浮かれていたみんなも顔を引き締める。

 

 

「八木君が引き締めてくれたところで、みんな!入場の時間だぞ!」

 

 

 そう委員長が言ってることだし、さあ行こうか。

 

 

『ついに始まった雄英体育祭!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!』

 

 

 通路を歩くごとに徐々に実況と歓声が大きくなっていく。進行役のプレゼント・マイクの実況と共にまず私達が入場する手筈となっている。

 

 

『ヒーロー科!1年A組だろぉお!?』

 

 

 その言葉と共に入場、同時に大きな歓声が上がった。360度全方向から放たれる歓声と絶え間なく光るカメラのフラッシュにすくみ上る気持ちだが最後尾を歩いて行く。いやもう吐きそう。私、暗い所の方が落ち着く。

 

 

【しまらなくて草】




爆豪の機嫌を察知してちゃんと宣戦布告するエヴリン。交渉の末に水筒持参。水分ないと本当になにもできないからしょうがないね。

完全にオリジン組とライバル関係になったエヴリン。未だにウィンターズ夫妻との遺恨は残ってるけどそれでもヒーローになるための覚悟完了。しまらないのはお約束。

次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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