ダンガンロンパ ~Skill killer~   作:うるる

1 / 2
こんにちは、希望ヶ峰学園 ①

「……んっ」

 

 朦朧とする意識の中、私は顔をゆっくりと上げる。目覚めた先は何やら教室のような場所だった。

 周囲は暗く、周りには誰もいない状態だった。ちょっとちょっと、一人で孤独な教室とかホラーの典型例じゃん、止めてほしい。

 

 状況を確認する前に、まずは覚えている事を整理しよう。

 私は確か『私立希望ヶ峰学園』と呼ばれる場所の入学権利を得て、その入学式の為にやってきた筈だ。

 ちなみに『私立希望ヶ峰学園』とは、あらゆる分野において活躍する事が出来るエキスパートや優等生を育成するための一流学園、いわばそこに入学できれば将来が約束されたも同然な場所である。

 当然その学園に入るには条件がある。

 

 一つ「現役の高校生であること」

 もう一つは「何かの分野において圧倒的に秀でている事」。

 

 私は今回【超高校級の相談者】浜野ひとみ として、この学園に入学が決まっていたのだ。

 

 

【超高校級の相談者】

      浜野 ひとみ

 

 

 それで私は校門に一歩足を踏み入れたのだけど、その瞬間に視界が歪んで……ダメだ、そっから先は思い出せない。

 あ、ちなみに相談者っていうのは、いわば心の相談室みたいな役目を持った人のこと。私は両親を亡くして以来悲しみにくれ、そう言った悲しみを他の誰かにも背負ってほしくないと思い、各地を巡回しながら悩みを抱える子の相談役を請け負っているの。

 その数は、もう数えきれないね。

 

「よしっ、視界が歪んで意識を失い、気づいたらこの教室にいた、と! ……どういうこと!?」

 

 本当にどういうこと何ですか? まずなんで視界が歪んだのだろうか? あぁ、ついつい深く考え込んでしまう。才能病かな?

 落ち着いて、深呼吸して、この先どうしようか考えよう。周りに何か気になるものとかはないかな……。

 というか窓全て板で固定されて、外がどういう状況か確認できないのはどういうことなんですかね!?

 

 見渡すと、教室の壁に取り付けられた黒板に視線が映る。そこには大々的に文字が刻まれていた。

 

『8:00 体育館集合』

 

 ……8時!?

 私は腕時計を確認する。そこにはしっかりと『8:12』と針は差していた。完全に遅刻である。

 

「まずっ……!?」

 

 相談時間に遅刻しちゃいけない身分の私が遅刻なんて、笑えないお話ですよっ!

 状況がどういう事か分からないけれど、私は一目散に教室を飛び出し、体育館へと向かう。

 

 というか体育館ってどこなんですかー!?

 

 

「……あぅ!?」

「どぁ!?」

 

 辺りを見渡しながら走っていた為か、前からやって来る人影に気づかず、そのまま追突事故を起こしてしまう。

 私と人影は同時に尻もちついて転倒する。

 

「いたた……」

「何だぁ? って、前から人来てたのか、すまねぇすまねぇ! 大丈夫か?」

「いえ、私が前見てなかったので、貴方は?」

「俺は平気だが……うし、傷もないな!」

 

 少年が手を差し伸べてきた為、私はそれを取ってゆっくりと立ち上がる。

 

「ありがとうございます……」

「悪いのは俺なんだから感謝はいらんぞ? っとと、自己紹介が先か? 俺は才津かける! よろしくな」

「すみません……。私は浜野ひとみ。【超高校級の相談者】です」

 

 私がそう名乗ると、かける君も驚愕した。

 

「え、超高校級?」

「何か?」

「アンタもその口か! じゃあこっちも言わんとな、俺は【超高校級のハッカー】だ!」

 

 

【超高校級のハッカー】

      才津 かける

 

 

「その口って……しかもハッカー?」

「おう。あ、本名はここ以外じゃ内緒な? アンタもどうせ【希望ヶ峰学園】に呼ばれたけど、気づいたらここにいたーって話だろ?」

「う、うん……アンタもってことは」

「おれもだ!」

 

 良かった……私だけじゃなかったんだ。もし一人だけだったらどうしようかと思っちゃった。

 

「かけるくんは何してたの?」

「ん、俺は体育館に来てない残り一人を~……」

「あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 安堵したのもつかの間、私が急いでいた理由を途端に思い出す。そうだ遅刻だ!!

 というか残り一人って言ったよね、つまり私だけってことじゃん!!

 

「あぁ! 今8:21!? マズイマズイ! 体育館ってどこかわかる!?」

「何だ何だ、残り一人ってアンタか! なら急がねぇと! こっちだ!」

 

 私はかけるくんに誘導され、体育館へと直行する。だんだんと人の声が無数に聞こえてくる。

 きっと迷惑かけてるんだろうな、申し訳ないことをしてしまった……。

 

「そういえば、窓やらなんやらが封鎖されてる事、皆は気づいてた?」

「当たり前だろ? ったく、なんの冗談かっての!」

 

 やはりこの不可解な状況は何処も同じみたいだった。一体誰がこんなことを仕込んだのか……。

 学園側? いやいや新入生にそんな事するかって。

 

 そうこうしている内に指定の体育館へとやって来る。この学園、入り組み過ぎてて分かりづらいのではないだろうか?

 食堂に教室、挙句の果てには遊戯室まで、まるでここで生活しろと言わんばかりの充実さだ。

 

「……」

 

 何かと不安要素はあるが、私はかけるくんと共に、その体育館を開いた。

 

 

 そこには、私達と同じ超高校級の肩書を持つ人達が、14人集まっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。