レガニドは拳を構え一方通行に向かって走り出した。しかし一方通行は反射があるのでただ立っているだけだ。レガニドはそんな態度をとる一方通行に少しイラつき、その拳を顔目掛けて思い切り振り落とした。
その瞬間、レガニドの体が後ろに吹き飛びその先にあった民家の壁にぶつかった。自分が殴った筈なのに反撃を喰らったレガニドは混乱しつつも体制を整えた。
「お前、今何をした?」
「・・・」
何も返答しない一方通行にまたしてもレガニドはイラつき、また一方通行目掛けて突っ込んできた。突っ込んできたレガニドを見た一方通行は呆れつつも能力を使い自分も突っ込んでいきレガニドの頭を掴むとそのまま民家の壁に押し付ける。
「人間の体の中にィ生体電気っつーのが流れてるのは知ってるか?今から弄ってやるから楽しめよォ!」
レガニドの頭を押し付けつつ生体電気を操るとレガニドは白目を剥き大声で叫んでいた。そして一方通行が手を離すとレガニドは口から泡を吐き地面に倒れ込んだ。
「どの世界にもこォゆう三下はいるんだなァ」
一方通行はその言葉と共にレガニドに攻撃命令を出した男・・・いや、豚に近づき再びその顔を踏みつけた。2、3回踏み付けるとその豚は顔中血塗れになりながら気絶していた。
そのとき
「あの、すいませんが事情聴取にご協力して頂きたいのですが・・・」
「・・・誰だ」
「私達は冒険者ギルドの者でございます。この惨状を見てお聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「・・・番外個体、オマエの出番だ」
「はいはい。とは言ってもお兄さん?これは正当防衛なのだけど」
「正当防衛というと?」
「殺そうとしてきた奴に刃向かうのは正当防衛とは言わないのかしら?」
「いえ、そういうことを言っているのではなくて・・・」
そんな事を言っていると眼鏡をかけた男が声を掛けてきた。
「何をしているのです? これは一体、何事ですか?」
「ドット秘書長!実はですね・・・」
ドット秘書長と呼ばれた男に先程言い争っていた男が事の顛末を教える。
「・・・なるほど。状況は理解しました。彼らが目を覚まし一応の話を聞くまでは、フューレンに滞在はしてもらうとして、身元証明と連絡先を伺っておきたいのですが」
「今さっきこの街に来たから連絡先なんて無いわ」
そう言いつつ番外個体はステータスプレートをドットに見せた。渡されたステータスプレートを見たドットは番外個体の冒険者ランクが最低の青な事に驚いた。
「ランクは青なんですね。向こうで伸びているレガニドは上の方の黒なんですが・・・。もう1人のほうのステータスプレートも見せて貰えないでしょうか?」
「・・・あー、旅の途中で失くしちゃったのよ。再発行するにも高いからねアレ」
「しかし身元ははっきりして頂かないと、被害者でも加害者になりうるので。よろしければギルドで立て替えますか?」
いちいち突っかかってくるドットにイライラしていたらブルックで他の冒険者ギルドで融通を聞かせてくれると言う封筒を持っていたことに気づきそれを渡す。
「ねえ、この封筒読んでくれる?」
「・・・拝見します」
そして封筒を受け取り中にあった手紙を読んだドットは書いている内容に驚愕した。
「これは私1人で判断を下せる物では無い。支部長に確認を取るので少し別室で待って頂きたい」
「どうする?」
「・・・まァ構わねェよ」
冒険者ギルドまで一緒に行き別室に案内された一方通行と番外個体はソファに座り十分ほど待っていると2人の男が入ってきた。
「初めまして、冒険者ギルド、フューレン支部支部長イルワ・チャングだ」