愛子にとってそれは一瞬の出来事だった。一方通行が引き金を引いたと同時に清水の額から血が出ていた。目の前で殺人が行われ、呆然としていたが、自分の生徒がなぜこんな目に遭うのだろうかと思い勇気を振り絞って一方通行に声を掛ける。
「・・・なんで清水君を殺したんですか?彼はもう戦意喪失していたのに・・・」
「目を見りゃァ分かる。アレは俺みたいな人殺しの目をしていたぞ」
「でも!・・・それでも彼は私の生徒なんです、それを正すのが私の役目なのに・・・」
「それは唯の理想論だな、向かってくる奴が知り合いでもそれが敵じゃねェ保証はねェ。敵は殺す、までは行かなくてもイイが、せめて疑う事を覚えろ」
一方通行は愛子にそう言うと唐突にウィルの首根っこを掴みフューレンがある方向に向かって投げ飛ばした。
「な、何してんですか!?」
一方通行はそれには答えず愛子に向けて一言
「テメェの言う寂しい生き方ってのは何も知らねェ一般人が掲げる目標だ。悪党には似合わねェ」
それだけ言うと一方通行と番外個体は空を飛んで行った。・・・密かに駄竜も付いて行った。そしてフューレンの入り口に着くと其処にはウィルがいた。
「ちょっと、いきなり飛ばすの、やめてくれませんか?たまたま着地点にクッションの代わりになるものがあったから無事でしたが、もしズレていたらどうするんですか!?」
「・・・だから、ズレねェ様に飛ばしたんじゃねェか。そんな事よりとっととギルドに行くぞ」
少し不満があったウィルだがそのまま冒険者ギルドに行く2人の後をついていった。そして冒険者ギルドに着くと話が通っていたのかすぐギルド長がいる部屋に通された。そしてフューレンのギルド長イルワが奥で座っていたので対面になるように一方通行達も座る。
「まずは依頼達成おめでとう。そして私の友人を助けてくれてありがとう」
「構わねェ。それで条件だが・・・」
「もちろん。冒険者ランクは一番上の金に、あと君のステータスプレートを作る・・・だったよね。そして君たちの要望にはできる限り応える。勿論犯罪行為は流石に看過出来ないが」
「それでイイ、こっちは急いでンだ。早くしろ」
「それは構わないのだが・・・そちらの女性は?」
「勝手に付いてきただけだ。俺は知らん」
一方通行達について行ったティオだが直ぐに一方通行に見つかり、どうしても付いて行きたいと言うティオに面倒くさくなった一方通行は好きにしろと言い、結局ここまで来たのであった。
「妾もステータスプレートとやらを欲しいのじゃが・・・」
「・・・分かった。早急に用意しよう」
こうして出来た一方通行とティオのステータスプレートを見たイルワは驚愕した。
一方通行 ???歳 不明 レベル:1
天職:???
筋力:10
体力:40
耐性:10
敏捷:5
魔力:0
魔耐:0
技能:一方通行・言語理解・気配感知・くsjbjcいつifrd・魔法創造・生成魔法・重力魔法
ティオ・クラルス 563歳 女 レベル:89
天職:守護者
筋力:770 [+竜化状態4620]
体力:1100 [+竜化状態6600]
耐性:1100 [+竜化状態6600]
敏捷:580 [+竜化状態3480]
魔力:4590
魔耐:4220
技能:竜化[+竜鱗硬化][+魔力効率上昇][+身体能力上昇][+咆哮][+風纏][+痛覚変換]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・火属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・風属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法
まず一方通行のステータスだが自身の身体能力が低すぎる。さらに見た事もない技能を持っている。そしてイルワにとって最も疑問に思ったのが一方通行の年齢と天職が?になっている事だった。ティオに関しても絶滅したとされる種族固有の竜化を持っている上、ステータスが異常すぎる。
「・・・で、あんたらはどうする?私達を異端者として国に突き出す?」
一方通行の隣にいる女性からそう言われイルワは少し考える。仮に彼らを国に突き出したところで返り討ちに遭うのは恐らく自分達だろう。それにウィルを助けてくれた彼らは敵では無いだろう。そう判断したイルワは毅然とした表情で言い返す。
「いや、君たちを国に突き出すような事は絶対にしない、約束しよう」
その言葉に納得したのかは分からないが3人はそのまま部屋を出て行った。
そして次の目的地としてグリューエン大火山に向かう事にした。其処に行くまで能力を使って空を飛ぶのが面倒だった為、ティオを竜化させその背中に乗る事にした。移動している最中に暗くなって来たので近くにあった宿場町ホルアドによる事になった。そして朝になり一応この町の冒険者ギルドに顔を出しておこうと思いギルドに入った時だった。
「だ、誰かいないか!?一緒に迷宮に潜ってくれ!勇者がピンチなんだ!!」
そう言いながら慌ててギルドに入って来た男に一方通行と番外個体は関わらない方が良いと判断しそのままギルドの受付嬢の元まで歩いて行く。そして受付嬢にステータスプレートを渡した。すると受付嬢は大声で
「き、金ランク!?」
と叫んでしまった。その声を聞き先ほど勇者がピンチだと言いながらギルドに入って来た男が血眼になってこっちに迫って来た。
「なあ、お前らが金ランクって本当か!?なら手伝ってくれ!勇者がピンチなんだ!!」