朝起きたら女の子になっていた。略して朝おん。小説や漫画ではよくある話である。戸惑いながらも徐々に女の子らしくなっていく主人公、そして元は男友達であった友人との関係の変化などが面白い、人気のジャンルである。人気なジャンルだけあって本当にいろんなシチュエーションがあり、漫画やゲームの中の女性キャラになってしまった、というのもある。変わり種では悪役令嬢になっちゃった、とかエロゲーのキャラになっちゃった、とか。本当に多岐にわたりだんだん混沌としてきており、正直増えすぎでは?とも思うが面白いものは面白く、元々は大分ニッチなジャンルだったが段々とメジャー化してきている。かくいう俺もかなりよく読むジャンルだ。
…で、なぜ長々とこんなことを説明したかと言うと。
「俺がなっちゃったからなんだよなぁ…」
深々とため息をついて鏡を見ると、憂鬱そうな、けれど綺麗な女性がいた。長い睫毛を物憂げに伏せて、大きな黒い瞳がこちらを見ている。唇は細いのに瑞々しく柔らかそうで、鼻はツンと上を向いている。長く、黒い髪はサラサラとしていて光を反射していた。胸はさほど大きくはないがしっかりと主張しておりツンと上を向いている。腰は折れそうなほど細い。背は170はあるのではないか。手足はスラリと長く、まるでモデルのような美人が
「…誰だよこの美人…俺だよなぁ…」
断っておくと、俺は男だ。産まれてから11年…いや昨日で12年か…間違いなく、昨日。
「いや、まあ女になったのは、まあ、まあ…この際置いておいて…なんで年まで変わってんの?」
俺は12歳、この女の人はどう考えても大人だ。
「えー…いや、えー…え、どうすんのこれ?」
学校。行けるわけない。そもそも父さんと母さんになんて言えば…あー服もねえじゃん…
「え、詰んだ?えこれ詰んだんじゃね?…詰んでる…」
うわあ。うわあ。うわーうわーうわー…
「うん、うん…とりあえず、服は母さんの借りて…説明…も、しようできる限りの…」
そもそも自分は子どもなのだ。一人でうだうだ考えていてもなにができるわけでもなし。当たってくだけて後は野となれ山となれ。
「とにかく、動こう。まずは服。それから父さんと母さんに説明。どうするかは…話ながら考えよ」
とりあえず母さんの服を借りた。サイズが全然合わない…いや仕方ない、うちの母さんせいぜい160センチだし…
「さて、一階に降りて…あーあ気乗りしない、戻って寝たい、現実から目を背けたい…」
階段から降りると、母さんと父さんが並んで朝食を食べていた。
ここまで書いて力尽きた…