木ノ葉のお札屋さん   作:乙欄

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日数をよく考えると11話の中忍試験の日記、一日分足りなかったことに気づき追加しました。文量も少ないですし、別に見なくても支障はない内容ですが……。

ほのぼのです。
少年漫画なのに戦わないなあ……。



34枚目

 天地の巻物を提出し、わたしたちの2次試験は終わりと相成りました。聞いてみたところ巻物についてはやっぱり開くと爆発するものだったようです。予想、大当たりでしたね。

 

 その後、初日のうちにサクラちゃんたちの班も、フウちゃんたち滝隠れの班も、カザミさんたち草隠れの班も同じく合格し。

 

 宿舎に戻ったわたしたちはのんびりと過ごす──ことはできませんでした。前回の3次試験に残れたのはわずか9人(1人棄権しましたけれども)。しかし今回はなんと既に12人もいます。これからも合格者は増えるであろうことを考慮しますと、おそらくですがわたしたちにもまた3次試験の予選という課題が訪れるのでしょう。

 

 そう思い、わたしは部屋で影分身してお札を書いて補充を行い。他の方も鍛錬したりとしていたのですが……少し、風向きが変わってきたのは次の日のことでした。

 

 監督官である砂の3姉弟──試験官の中でも上忍だと監督官と呼ばれるらしく……1人は風影ですが、まあ上忍より上位ですし──からなぜかみんな呼び出されたのです。それも個別に。

 

 受けたことはないですけど奉行所の取り調べみたいな感じで、試験の中で何をやったか、といったことを細々と聞かれました。ちなみにわたしの担当は我愛羅君。張り詰めた雰囲気の中、すっごく淡々と話が進められていきました。正直に言うとちょっと怖かったです、はい。

 

 そして再び宿舎に戻り、食堂で話していくうちにわたしとサクラちゃんは同じ結論に達しました。すなわち──

 

「「「予選はない!?」」」

 

「はい……推測、ですけれども」

 

「予選があるならこんなまどろっこしいことはしないと思う」

 

 サクラちゃんの言葉にわたしは首肯しました。受験者から話を聞いて、それらを総合して精査しているであろう彼らのやりようは、本来なら中忍選抜試験で行われる類いのものではないでしょう。手間がかかりすぎます。

 

「え〜、でもじゃあ、3次試験はどうするの?」

 

「2次試験の成績で足切りでしょうね」

 

「はい。わたしたちから聴き取った話をもとに点数をつけているのだと思います」

 

 監督官から試験中の話を聞かれたわたしたち受験者は正直に答えました。まあ当然です。嘘をついたとしても他の受験者の話との矛盾が生まれてすぐバレてしまいますし、そうでなくとも感知タイプの方がいればチャクラの乱れで嘘を言ってるかどうかはわかってしまいますからね。

 

 それで、そうして聴き取った話を組み合わせていけば受験者全体のおおよその行動もつかめるでしょう。そこから審査して順位がつけられる、と。

 

「お、じゃあ一番乗りだったオレらは点数高いんじゃねーの?」

 

「う、うーん……カンクロウ君ありきでしたしちょっと微妙かと。でも、ちゃんと評価できるところはされてると思います」

 

 巻物をはやく提出できた順、というだけで決まってしまうとアンフェアですし、どちらかというと道中で何をしたかというのが重視されると思うのですが……う、草隠れのカザミさんたちと戦ってなんか仲良くなって……雨隠れのアジサイちゃんたちと共にスナネズミと戦い……砂嵐が来たのでちょっと爆破してみた、と。こうして羅列すると点数的には不安が残りますね、ええ。

 

 といいますかキバ君。わたしは貴方のおかげで我愛羅君に「おいろけの術、とは何だ?」と真顔で聞かれてしまってたいそう困ったのですけれども。「ナルト君の開発した術で……詳しくはキバ君に聞いてくださいっ!」と言ってなんとかなりましたが、ちょっとばかり根に持ってるのですよ。むむむ……。

 

「そうか! まあならオレ達、もう合格したも同然じゃねェか。木ノ葉への帰り道の準備でもしてよーぜ!」

 

「き、キバ君……まだ合格かどうかはわからないと思うよ」

 

「でもよヒナタ。どのみち2次の内容で決まるっつーなら、今更できることもねーだろ?」

 

「それは……うん……そう、かな……?」

 

 まあ、確かに。キバ君の言う通りと言えばそうなのですが────

 

「え、キバ……アンタ里に帰るつもりなの!?」

 

「ああ。3次試験までどうせまた一月くらいあるんなら、オレは一旦帰りてえからな」

 

「ええー、普通このまま砂に残るでしょうよ。ヒナタとカタナはいいの、それで?」

 

「はい、構いません」

「うん、私も……里に帰った方が気が楽だから」

 

 そう言うわたしたちに いのちゃんはやれやれという感じの仕草をみせました。

 

「もう、駄目ね。シノがいないと。2人ともキバに甘すぎるわよ」

 

「そ、そうでしょうか……?」

 

 あまり自覚はないのですが……でも、シノ君がキバ君を諌めることが多いのは事実ですね、はい。今ごろシノ君も任務を頑張っているころでしょうか……。

 

 そうです、シノ君やナルト君たちのために試験中の写真でも撮れば喜んでくれますかね。我愛羅君たち砂隠れ側にご許可いただければ、ですけれども。宿舎でこうしてわいわいやっている写真くらいでしたら大丈夫だとは思いますが……。

 

「まあまあ。でも、食道楽の旅だったらボクも帰りたいかも……」

 

「んなことするか、さっさと行くぜ。ま、流石に食ったり寝たりするの時間は取るけどよ」

 

「うーん、ならボクは砂隠れに残って風の国の料理を満喫したいなあ」

 

 なるほど。確かに他国の料理を楽しむ、というのはなかなかできることじゃありませんからね。いい機会かもです。確かスパイスの効いた料理が有名ですよね、風の国では。美味しそうです。

 

 他にも砂の観光名所だったりも色々とありそうですし……終末の谷の千手柱間様とうちはマダラ様の像みたいな。うう、かなり気になりますが……あ、そうです。火の国にもよい観光名所はあるのです! 

 

「キバ君キバ君」

 

「なんだ?」

 

「でしたら帰り道、ちょっと遠回りになってしまいますけれども寄りたいところがあるのですが……」

 

 どこだよ、と促すキバ君にわたしは告げました。

 

「火ノ寺です」

 

「火ノ寺ァ!? なんでそんなとこに……」

 

 そんなとこって……火の国でも高名な忍寺ですのに。ちょっと悲しくなるわたしにヒナタちゃんは優しく言ってくれました。

 

「でも確かあそこ、部外者は入れなかったはずじゃ……」

 

 その通りです。だからこそ、こういうもののついででもないとあまり行く気が湧かなくて……かといって任務だと寄り道なんて御法度ですし。それに。

 

「門のところにある阿吽一対の像だけでも拝みたいのです……」

 

「ああ、あれ。有名だよね」

 

 コクコクとわたしは頷きました。

 

「六道仙人様の説いた忍宗の流れを汲む忍寺ですから……参詣すればご利益(りやく)もありそうだと思いまして」

 

 合格祈願です、合格祈願。やっぱり物事、どうしても運要素というものは絡んできますもの。木ノ葉にあるのは例えばうちはの南賀ノ神社のように、一族の御先祖様を祀るケースが大半で意外と忍宗関連の施設は少なく……なので火ノ寺には期待もひとしおなのです。

 

 はやくも帰途に思いを馳せるわたしの肩を、サクラちゃんはポンと優しく叩きました。

 

「うん、いいんじゃない? でもカタナ、帰るなら部屋は片しときなさいよ」

 

「そ、そうですね……でも、あの、サクラちゃん。そんなにわたしのお部屋、汚いですか?」

 

 わざわざ注意を受けるほど汚してしまっていた自覚はなかったのですが……うう、みんな黙っていただけでそう思ってたのでしょうか。普通にショックです。

 

「違うけど……あの、ベッタベタ貼られたお札、取らないと呪いの部屋にしか見えないから」

 

「あ、お札のことですか。よかったです……」

 

 でも呪いの部屋呼ばわりはひどいです、呪いの部屋は。むしろお札が貼ってある部屋の方が落ち着くじゃあないですか。

 

 わたしはちょっと唇を尖らせて言いました。

 

「家族が合格を願って書いてくれたものなのですよ、あれらは」

 

「だったらなんで部屋になんて貼ったのよ……持ち歩いとけばいいのに……」

 

 う、正論です。でも、だって────

 

「ちょっと想いが重くて」

 

 紙でも、枚数が多いとそこそこの重量になってしまうのです。あと他の起爆札とかと取り間違えても嫌ですし、砂漠に持ち込むのは遠慮しておきたかったのです。

 

「それならもう、忍寺でついでにお焚き上げでもしてもらえばいいじゃない」

 

「たぶん忍宗ではそんなサービスはありませんよ……」

 

 だからそのままにさせてください。また部屋を引き払う時はちゃんと綺麗に戻しますから。

 

 そう、話していると。同じく宿舎に戻って来たらしいフウちゃんがひょっこりと入ってきました。

 

「ねえねえ、ちょっと気になったんすけど。忍宗って何すか?」

 

 それを言われて少し驚いてしまいました。アカデミーでは必修の内容、ほぼ一般常識ですもの。でも波の国の任務の時にチャクラについて全く覚えていなかったナルト君と同様に、教わっていても忘れてしまっているのやもしれませんね……うーん、簡単に話すのは難しいのですが……。

 

「忍びの始祖とされる六道仙人様の説いた教えをその弟子の方々などが広めたもの、ですかね。宗派によって異なりますが概ね『チャクラを使ってみんな仲良くなろう!』という感じの教えです。ただ、六道仙人様自体はそのあまりの伝説ぶりから弟子による創作の人物とも言われているのですが……」

 

 六道仙人様によって現在の全ての忍術は生み出されたといわれ、世界を救った人物であり、さらには世が乱れた時に天より遣わされる創造神とも全てを0に戻す破壊神ともされており……本当に神話の様な存在です。

 

 同じく忍びの神と謳われる柱間様や扉間様もそのあまりの凄さからちょっと話を盛っているのでは?と思われがちですけれども、六道仙人様のお話はそれ以上です、はい。

 

「なるほど、いい教えなんすね! 忍宗、楽しそうっす。でも六道仙人はちゃんといるっすよ。重明(ちょうめい)が言ってたっす」

 

 ご理解いただけたようです何よりです。それは嬉しいのですけど……どなたなんですか重明(ちょうめい)さんとは。名前的にも忍寺の方とか、あるいは六道仙人様の研究をしている方とかでしょうか。

 

「あのう、重明(ちょうめい)さんというのは……?」

 

「あっしの友達っす! いつも一緒にいて力を貸してくれる大切なヤツなんすよ」

 

 なるほど。でしたら、フウちゃんと同じ班の滝隠れの男性2人のうちどちらかなのでしょうか。

 

「あちらの方ですか?」

 

 お二人をそっと掌で指し示してみると、ブンブンと勢いよく首を振られました。

 

「いや〜、違うっすよ。あっちはケゴンとヨウロウってもごおっっ────」

 

 当のケゴンさんとヨウロウさんに、フウちゃんの口が塞がれそのままズルズルと連れていかれてしまいました……突然の早業にびっくりです。どことなく手慣れた手つきでした。そしてどうやら彼らからお叱りを受けているようです。なんかフウちゃんは聞き流している感じですけれども……叱られ慣れているっぽいですね。駄目な慣れだと思います、ええ。ただ、「里長がお嘆きになられますぞ」と言われると途端にしょんぼりとしていました。滝隠れの里長さん──わたしたちでいえば火影様ですね──のことをフウちゃんはかなり慕っている様子です。

 

 やがてお説教も終わったらしく彼女はメモ用紙を手に戻ってきました。

 

「え〜と、彼らの名前はトッチとクンと言います。先ほどは間違えてしまっただけです。ごめんなさい。あと、さっきの発言は忘れてください。お願いします……だそうっす!」

 

 カンペを見ながら言うフウちゃんに、何らかの事情があってケゴンさんとヨウロウさんはトッチとクンという偽名を使って試験を受けているんだろうなと察しました。すごく察してしまいました。彼らもフウちゃんの棒読みっぷりに取り繕うことも諦めたらしく深くため息を吐いています。

 

 あの、彼女は情報戦とかにはてんで向いてないと思うのですよ、ええ。何だか哀愁漂うお二人に思わず同情してしまいます。ナルト君もこんな感じでバレバレの嘘をついてしまいたいへんだった時があったんですよね、と昔の任務を思い出しました……やっぱりどこか似ていますね、ナルト君とフウちゃん。

 

 

 

 

 

 

 3日目ともなると、砂隠れの方々や、雨隠れのアジサイちゃんたち、そしてテンテンたちも合格できたようで、宿舎に帰ってきていました。

 

 ガイ班にしては遅かったな、と思ったのですが……なんでも、出会う人がことごとく自分たちの持ってるのと同じ天の書しか持っていなかったようで、地の書を手に入れるのにだいぶ苦労したのだとか。天地のどちらを持っているかは運ですからね。とりあえずお疲れ様です、はい。

 

 やはり彼女たちも監督官から事細かに試験中の行動の聴き取り調査をされたらしく。そしてネジ君もわたしたちと同じように3次予選はないだろう、という推測に至っているようでした。

 

 

 と、なると木ノ葉へ帰るルートの相談なんかも終わったわたしとしては、約束通りフウちゃんと遊ぶ時間を設けよう!ということになりまして。幸いにもキバ君もヒナタちゃんも、サクラちゃんもテンテンも……みんな同意してくれたおかげでわりと大人数になっています。木ノ葉はやっぱりあったかいです。

 

 そうして集まったわたしたちに対してルンルンと上機嫌のフウちゃんが言ったのは、「殿様ゲームがしたいっす!」というものでした。

 

「と、殿様ゲーム、ですか……?」

 

「そうっす! 割り箸に数字と印を書いて、印のヤツを引けた人が殿様になれるっすよ。殿様の命令は絶対っす!!」

 

 フウちゃんはいつの間に用意していたのかビシッと割り箸を掲げて宣言しました。

 

 まあ、常識の範囲内の命令なら……ということでゲームは始まります。「これだ!」とチョウジ君がわりとノリノリで引いたのを口切りに、次々とみんな割り箸を引いていきました。

 

「殿様だ〜れだ!?」

 

 ウキウキのフウちゃんの言葉に、そーっと割り箸の先を見てみると。数字ではなく滝壺を模した滝隠れのマークがありました。

 

「わたしですね」

 

 マークを見せびらかすと、みんなから安堵半分、ドキドキ半分といった瞳で見られました。別にそんな変な命令を下すつもりはないですよ? 

 

 ええと、木ノ葉は3班分いて、フウちゃんもいるので参加者は10人。フウちゃんと同じ班のケゴンさんとヨウロウさん──じゃなくてトッチさんとクンさんはちょっと離れたところから見守っていて不参加です。

 

 つまり番号は9番まで割り振られているわけですね。ええと、じゃあ……。

 

「2番さんが7番さんに、3番さんが8番さんにデコピンしてください。優しくでお願いします」

 

 忍びの力だと下手すればデコピンでもひどい威力になりかねないですからね。あくまでもゲーム、仲良くやりましょうとも。

 

「あっしが7っすよ!」

「2番はオレか……」

 

 ピシッとネジ君の指がフウちゃんの額を軽く弾きます。「友達なんすからもっと強くやっていいっすよ?」と言われてネジ君が困惑していました。いつの間に仲良くなったんでしょう。試験中に何かあったんですかね。なんだかとても微笑ましいです。

 

 さて、もう片方のペアは────

 

「私が8番だけど……」

 

 恐る恐る言い出す いのちゃんに、サクラちゃんがニヤリとちょっと悪い感じの笑みを浮かべていました。

 

「おめでとう、いの。3番は私よ」

 

 そして……バチッと大きな音が響き渡り。いのちゃんの額は赤くなっていました。優しくって言ったのに……まあでもチャクラを使わないだけ優しさなのでしょうか……? 

 

 

「殿様だ〜れだ!?」

 

 割り箸が戻され、再び引いたわたしの手にあるのは7番の文字。ラッキーセブンですね。

 

 殿様は誰なのでしょうか、とキョロキョロとしているとまだ額の赤い いのちゃんが「さっそく復讐の機会が巡ってきたわね!」とサクラちゃんにマーク付きの割り箸を見せつけていました。す、数字指定しか駄目ですよー。

 

 むむむ、と悩んだ いのちゃんが出したのは……

 

「1番が7番に、4番が5番にプロポーズの言葉を言って!」

 

 というものでした。って、7番はわたしですね。

 

 1番はどなたでしょう、とちょっとドキマギしていると、どうやらテンテンのようでした。4、5番もチョウジ君とキバ君だったらしく同性同士でほっとした気分です。殿様である いのちゃんは残念そうにしてますけれども。うーん、ここはお殿様を満足させるような返しをせねば……。

 

「そうだなぁ……じゃ、月並みだけど。月が綺麗ですね」

 

 有名どころですね。よかったです、この返しは知っています。

 

「わたし、死んでもいいわ」

 

 キャーと盛り上がる女子を尻目に、男子はよくわからなそうな顔をしていました。ぜひぜひ文学を勉強してくださいな。

 

「あっしもよくわからなかったっす……」

 

 ええと、フウちゃんもご存知ではなかったですか。

 

 ある文学者が「貴方のことを愛しています」というのを月が綺麗ですねと、「(わたしは)貴方のものよ」というのを死んでもいいわと遠回しに表現したんですよ、と言うとへーという感じの反応が返ってきました。

 

「よくわかんないっすけどわかったような気がするっす!」

 

 それはつまりわかっていないのでは……? 

 

 首を捻るわたしに、「じゃあカタナちゃんならどんなプロポーズの言葉を言うっすか?」とずいずいっと聞かれてしまいました。

 

 うーん、そうですね……パッと思いつかないのですが……。

 

「例え月のない夜空でも、貴方と毎晩眺めたい……とかでしょうか」

 

「おー、なんかロマンチックっすね! カッコイイっす!!」

 

 うぅ、そう手放しに賞賛をいただくと何だかこちらの方が恥ずかしくなってしまいます。フウちゃんの無邪気さ、強いです……! 

 

 ちなみに、男子ペアの方は──

 

「ボクと毎日、焼肉を食べてください!」

「お、おう……毎日はちょっとアレだができる限り付き合うぜ」

 

 という、花より団子感が漂うものでした。チョウジ君、そこは味噌汁じゃ駄目だったんですか……? 

 

 その後も次々と殿様が生まれ、つつがなくゲームは進行していきました。特に暴君によって変な命令が出される、ということもなく。わたし的には「担当上忍の物真似をする」という命令が印象に残っています。ヒナタちゃんの紅先生の真似はとても愛らしく、リー君のガイ先生の真似は……ちょっといつものリー君との違いがわからなかったですけれども、熱意はよーく伝わってきました、ええ。

 

 トランプやすごろくなんかもしていると、他の受験者の方も参加してくださったりして。草隠れのカザミさんたちの班や、砂隠れの方々──サクラちゃんたちと戦ったらしい医療忍者のアメノさんたちの班や、リー君たちと戦ったらしい体術のスペシャリストであるシラさんたちの班等々──とも親交を深めることができました。けれども雨隠れのアジサイちゃんたちは何やら忙しそうにしていて、参加はしてくださいませんでした。残念です。

 

 他にもイスとりゲーム、もしたんですけれども……いえ、あの、その。忍びのパワーとスピードって結構なものでして。みんな熱中してしまったせいでイスは……イスは……犠牲になってしまったのです……はい。施設の方々にみんなで平謝りしました。

 

 そうして遊びつつ、我愛羅君たちにご許可をいただけたので写真を撮ったりもして。一応、まだ試験中ということも忘れてしまうくらいみんなで楽しんだ一日になりました。

 

 

 

 

 

 そして────4日目の、朝。2次試験を終えたわたしたちの耳に飛び込んできたのは、「3次試験は中止にする、ついては説明があるので集まって欲しい」という御達しでした。

 

 3次試験の予選はないのだろうな、とは思っていても試験そのものが中止になるとは予想だにしていなかったわたしたちはとても驚かされました。

 

「中忍試験はどうなるんですか?」

 

「中止……ってことかしらね」

 

「ああ。今までも開催国の都合で中止になることはあった。それに倣うのだろうな」

 

 ネジ君の言う通りでしょうね。例えば前回は大蛇丸が入り込んだことによって木ノ葉でも中忍選抜試験を中止にしよう、という意見もあったそうです。結局、様々な思惑があってそのまま試験は続行されましたけど、木ノ葉崩しが起きて本戦も途中で中断となりましたし。他にも開催国に何らかの事情ができて試験が途中で終わるというのは決して珍しいことではありません。忍びの世界ですからね……。

 

「ったく……あの苦労の日々はムダだったのかよ」

 

「まあでも、今回のサバイバルテストでは死者は出ていないようですから。それだけでも他の年よりはマシかと」

 

「うん、よかった……」

 

 うむうむ、とわたしたちは頷き合います。死の森の試験での死傷者数はかなりのものでしたからね。砂嵐襲来でも試験を一時中断して試験官が助けに来てくださったこともあり、今回はちゃんと全員が無事で本当によかったです。

 

「腹減り損のくたびれ儲けってことかな」

 

「そうね。他里との友好関係だけは築けたかしら」

 

「後は自信もついたかも」

 

 ざわざわとしながら受験者たちが話していると、バルコニーに我愛羅君が現れました。途端に辺りがしんと静まり返ります。

 

「受験者諸君、御苦労だった」

 

 我愛羅君はそう、語り出しました。

 

「時は流れ、忍の世界にも新たな定めによる秩序が必要となった」

 

 その深みのある声に、みな自然と聞き入ってしまいます。

 

「今まで忍は掟のためなら仲間の命すら犠牲にせねばならないと言われていた。しかし我々は今、規則より大事なものがあることを知った────それは友であり、同じ里の仲間であり、痛みを分かち合える者同士の絆である」

 

 他でもない我愛羅君がそう話すことに、わたしは感嘆の念を禁じ得ませんでした。

 

 何だか本当に彼は風影になったのだな、と改めて実感します。うぅ、立派になって……。

 

「今ここに立つ諸君はすでにそのことを十分知っている者たちであると理解している。よって今回、3次試験の必要はなく免除とする」

 

「それってどういうこと?」

 

 そんな風に疑問の声が上がる中、我愛羅君は落ち着いて説明を続けました。

 

「2次試験合格者諸君の試験中の活動内容は詳細なレポートとして各々の里へ送られる。諸君の昇進は里の長達に判断してもらい決めることとする」

 

 なるほど、あの聴き取りはそのためのものでしたか。では、綱手様のところにご報告がいくのですね……ちょっとドキドキします。どう判断されるのやら。

 

「えぇ、お預けかよ」

 

「いいえ! 帰ってからのお楽しみ、ということでしょう!!」

 

 そうですね、ひとまずは木ノ葉にはやく帰るべきでしょう。きちんと部屋を片しませんと。あとは火ノ寺へ行くのもまた今度になっちゃいそうですね。

 

 それはともかく。

 

 あの……リー君。砂隠れの、我愛羅君の体術指南役まで務めていたシラさんが、お揃いの緑色の全身タイツを着ているのは……貴方の仕業ですよね……? 

 

 確かナルト君も持ってたんですけど……あの、アレを広めるのはちょっと、ちょーっとやめていただきたいのですよ……。テンテンやネジ君も微妙な顔をしていますし……。

 

 どうしましょう、帰ってきたナルト君が緑色の全身タイツ姿になっていたら。わたしは笑顔で迎えられるでしょうか……? 

 

 うーん、ある意味中忍昇格より厄介な問題やもしれません。

 

 そう、思ってしまいました。

 

 




「ああ。3次試験までどうせまた一月くらいあるんなら、オレは一旦帰りてえからな」
→前回の中忍試験では我愛羅たちは木ノ葉にいたままっぽかったけどどこに泊まってたんだろう……?まあたぶん、帰るのも泊まるも受験者の自由だと思われる。

他にも砂の観光名所だったりも色々とありそうですし……終末の谷の千手柱間様とうちはマダラ様の像みたいな。
→誰が何のために作ったのかいまいち不明な像。里の創設者2人が争うとか大惨事な気がするのだが……終末の谷とは彼らが争った場所であり、第一部の最後にナルトとサスケが戦った場所でもある。

火ノ寺
「でも確かあそこ、部外者は入れなかったはずじゃ……」→火ノ寺の門には侵入防止に封印鉄壁という強固な結界が張ってあるからそうだろうなと。参拝客にいちいち対応するのは面倒くさそうなので……。
「門のところにある阿吽一対の像だけでも拝みたいのです……」→天狗の像がある。須佐之男が天狗と似ていることを考えると、やはり六道仙人関連施設かと。よって六道仙人の説いた忍宗の流れを汲む忍寺という設定に。

合格祈願→原作51話扉絵でカカシもどこかの神社?で合格祈願してる。何を祀っている場所なんだろう……?

うちはの南賀ノ神社のように、一族の御先祖様を祀るケースが大半で意外と忍宗関連の施設は少なく……
→うずまき一族の能面堂も寺っぽいしで、元々いろんな一族が集まってできた里という背景も考えると一族の神社や寺を持つのは木ノ葉ではスタンダードなのかなと。石碑はあるものの六道仙人を崇めてたり忍宗関連か、と考えると違う気がした。

それを言われて少し驚いてしまいました。アカデミーで必修の内容ですから。
→六道仙人の存在自体はアカデミーで習いそう。でも同じ三大瞳術である写輪眼を教えていないなら輪廻眼も教えないかな、と。
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