無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~   作:ねむ鯛

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第96羽 リザルト

 

 

 木漏れ日が差し込み、せせらぎの音が聞こえる水辺。そこに何かを振るう風切り音が混じる。音の主は黒い棍を振るう少女。

 

 そう、それは他でもない私です。

 

 世界樹の上層が折れて落下してから、10日が経ちました。

 

 あの時気を失った私を、地面に叩きつけられる直前で元の大きさに戻ったお母様が受け止めてくれたそうです。リブが近くに居なくなった事で小さくなる効果が切れた様ですね。

 

 それから一週間くらい目が覚めなかった様で、みんなにはたくさん心配をかけてしまいました。無茶に無茶を重ねた結果でしょう。

 不甲斐ないです……。でも無事目覚めてくれて良かったと、みんなが言ってくれたので胸が温かくなりました。

 私もみんな無事で良かったです。心の底からそう思います。

 

 ただ、お母様の怪我は完治していませんでした。魔物としての回復力と私の血の効果はあるはずなのですが、小さくされた後遺症なのか治りが遅い様です。

 元の大きさに戻ってからの怪我は、すぐに治るようなのでそれは良かったのですが、小さくなっていた時の怪我は治りが遅いまま。完治するには少々時間がかかるでしょう。

 

 世界樹の落下に巻き込まれて家が壊れてしまったので直さなくてはならないし、弟妹達の巣立ちの時期が近づいているので準備、それと他の魔物に負けない為にも訓練もしなくてはいけません。

 

 一緒に居れば良いのにと言ったのですが、私以外の全員が巣立つことを当たり前と捉えていました。

 

 大丈夫そうですがお母様も怪我をしていますので、手伝うためにしばらく家残ることにしました。やはりここでも考え方の違いが出ました。まあみんなが強くなれば良いことです。

 

 そしてこれが今の私のステータスです。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 名前 メルシュナーダ 種族:アジャースカイファルク

 

 Lv.19 状態:普通

 

 生命力:21026/21026

 総魔力: 4160/4160

 攻撃力; 4493

 防御力: 1544

 魔法力: 2110

 魔抗力: 1518

 敏捷力:12314

 

 種族スキル

 羽ばたく[+飛翔・嵐の力・カマイタチ・射出・急降下・風靡(ふうび)]・つつく[+貫通力強化]・鷲づかみ[+握撃]・空の息吹[+蒼気・蒼気硬化・排熱機構]・闘心炉

 

 特殊スキル

 魂源輪廻(ウロボロス)[+限定解放(鬼)・(吸血鬼)・(呪人)・(普人)]・人化

 

 称号

 輪廻から外れた者・魂の封印・格上殺し(ジャイアントキリング)・穢れ払い・踏破越到(リープオーバー)

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 最後に確認したのが霊峰ラーゲン辺りだったのもありますがものすごい伸びです。まあ、一日でお母様と戦って、ドゥークと戦って、ジャシン教と小競り合いをして、世界樹のてっぺんを吹き飛ばしたので。

 ……あれ? 私これ全部やったんですか? 一日で? おかしいですね……。

 

 ともかく。

 

 進化して種族はアジャースカイファルクに。スカイはわかりますが、アジャーってなに?

 基礎ステータスは相変わらずの紙装甲ですが、生命力と敏捷力はお化け。

 

 スキルは『強風の力』が『嵐の力』に。

 

『蒼気硬化』と『排熱機構』、『闘心炉』が追加されました。

 

『嵐の力』は単純に強化されたのでしょうか? 【嵐統槍(ランスロット)】を使った影響かもしれません。

 

 『蒼気硬化』は文字通り。闘気が物質的な硬さを持つようになりました。これで『氣装纏鎧(エンスタフト)』をしているときに防御力が上がります。『無明金剛(シラズガナ)』は武器特性で擬似的に硬化してくれていましたが、自力では出来なかったので戦略の幅が広がりますね。

 

 『排熱機構』は激しい運動をしたときに熱を逃がしてくれるスキルです。鳥の姿の時は、肩から伸びた二つのバイクのマフラーのようなものから。人の姿の時は首に巻いた羽毛のマフラーから排熱をしてくれます。

 

 『闘心炉』は私の胸の中心に出来た新しい臓器のようなものです。闘気の生成をサポートしてくれます。高速でかつ、高純度の闘気を作り出してくれるの優れものです。

 『闘気燃焼(エンコード)』使用時には働きが変化して、種火の闘気を維持、そして数多のエネルギーを焚べて莫大な量の闘気に変換してくれます。

 おかげで闘気を生み出すのがかなり楽になりました。

 

魂源輪廻(ウロボロス)』には『普人種』が追加。

 

 称号には『踏破越到(リープオーバー)』が追加されました。

 

 お母様に『踏破越到(リープオーバー)』について色々と聞いてみました。

 わかったのは

 

 ・既にユニーク種になっている者だけに起こる

 ・格上との戦闘中にしか起こらない

 ・戦闘中に望んだ方向性の能力を得る

 ・知っている限りの帝種はみんなこれが起こっている

 

 です。とはいえこれで全てではなく、『踏破越到(リープオーバー)』した者のわかりうる共通点述べただけでお母様も良くわかっていないようですが、起こるのは極稀だそうです。

 

 さて。

 家の修復と弟妹の狩も含めた訓練、お母様の治療。やることは沢山ありますが、時間は作れます。

 腰を落ち着けられましたし、折角なので私も修行をしようと思っています。

 

 転生してからは武器も使えないし、人化してからは戦闘と移動ばっかりで、まともに訓練できませんでした。

 前回の人生で死んでから今世で槍を使えるようになるまで結構な時間が経っています。

 

 今まで戦闘時間だけはかなりありましたし、霊峰ラーゲンでひたすらドラゴンの群れを相手していた時に多少の錆落としにはなりましたが、それでもまだまだです。

 

 強さの向上にはなりました。しかし技術の洗練には至りませんでした。

 やはり命懸けで戦うのと、目的意識を持って訓練所するのでは伸びる部分に大分違いが出ます。

 私は訓練を重ねる事で少しずつ伸びるタイプなので尚更です。今世ではかなり戦闘中に伸びてますが、まあこれは特例でしょう。

 

 今からの修行は錆落としと、身体能力の底上げが目標です。

 

 錆落しはさっきやっていたもの。

 

 まずはゆっくりとした動きで、演武。細部までしっかりと意識を巡らせて槍の型をなぞっていきます。突き、薙ぎ、払い、叩きつけetc。

 ブレなく、ズレなく、髪の毛の先一本まで緻密に。動作全てが私が思った通りになるように。

 そして徐々に速度を上げ、キレを維持したまま最高速度で動けるようにします。

 

 ここで一段落。準備運動のようなものです。

 

 今回の修行には『普人種』のとあるスキルを使います。それが『アイテムストレージ』。物を異空間に収納しておくことが出来るスキルです。

 今は亡きドゥークとの戦闘中、私が『無明金剛(シラズガナ)』を取り出したのはここからです。

 

 このスキルはとある世界で「VRゲーム」という、作られた別空間に作られた体で入り込んで遊ぶというゲームをやっていたときに手に入れたものです。やっていたのは、VRMMORPGというジャンルでした。モンスターを倒してレベルを上げたり、素材を集めて武器を作ったり。死ぬこともないし、あまり痛くなかったのでとても楽しかったです。私が生まれた国は結構平和だったので、修行とは別に戦闘の感覚を鈍らせないためにも遊んでいました。まあ、そこから本当に異世界に飛ばされてしまったときはびっくりしましたが。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 私のスキルになった『アイテムストレージ』はゲームとしての特性を現実に落とし込んだものになります。

 ゲームでは力の強さで持ち物の許容量が増え、キャパシティを超えると体が重くなっていく仕様でした。

 

 これが現実に適応されて、私が持てる限界の重量分が『アイテムストレージ』に無効化されて重さを感じなくなる。そしてそこから『アイテムストレージ』に追加していくと現実と同じ重さが、身体にのしかかってくるようになります。

 

 例えば私が100kgまで物を持てるとしましょう。

『アイテムストレージ』に150kgの物を入れると、100kg分の重量は感じなくなり、残った50kgの重さだけを感じるようになります。

 

 私が120kgまで物を持てる場合。

『アイテムストレージ』に150kgの物を入れると、30kg分の重さだけを感じます。

 

『アイテムストレージ』内部の時間は外と比べてゆっくりと流れているので食べ物を入れても悪くなりにくいです。美味しいものは買いだめができます。素晴らしいですね。広さはほぼ無制限ですが、重量が関係してくるので持ち運べる量には限度があります。無理すると私が圧死します。

 

 私が今から行う修行はこの『アイテムストレージ』の特性を利用した物。

 まず水がたくさんある場所に行きます。そして『アイテムストレージ』にたくさん水を入れていきます。無効重量分を超えて、身体が重くなり歩くのがキツくなった辺りで入れるのをやめます。これで身体にずっと負荷がかかった状態で修行ができます。

 

 水は毎日少しずつ増やしていき、ランニングなどの体力トレーニング、さらに筋トレ。疲れたところで先ほどの演武をキレを落とさない様にやります。これを休憩を挟みつつ数周、回します。

 

 この訓練の良いところは重しなどに動きを物に阻害されず、修行ができるところにあります。本来なら重しの入ったリストバンドみたいなものを使うので体の重心がずれてしまうのですが、これは擬似的に重力が増えたような状況になるので感覚のずれが起こることはほぼありません。

 

 重ねて『氣装纏鎧(エンスタフト)』の修行も行います。闘気の長時間維持は今世からの初の試みです。これをまさに呼吸するようにできるように。そして無駄なく強化をスムーズに。

 

 目覚めてから体が痛いのですが、おそらくこれが上手く制御できていなかったからだと思います。

 

 ジャシンの宝玉はジャシン教に持って行かれてしまいました。また、戦うことになるでしょう。アモーレちゃんにも会いに行かなくてはいけません。どうするにせよ、私の弱さが脚を引っ張らないように強くなる必要があります。

 もっともっと強く。『魂源輪廻(ウロボロス)』が万全に扱えない以上、私自身が強くならないと。

 

 ではリハビリがてら、修行を開始します。




お気に入りと評価、ありがとうございます!
夕方また投稿します。次で最後です~。
夕方投稿後、活動報告で詳しく(?)言いますね。
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