無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~   作:ねむ鯛

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第73羽 介入

 

「蒼い鳥……。まさか噂の……!?」

 

「……なんで鉱山の中に鳥の魔物が?」

 

 驚愕の表情でこちらを見上げる3人から視線を外し、未だ狂乱状態にある地竜?に向き直る。

 

 彼らの成長のためにも介入するのはギリギリまで待ちましたが、さすがに2回の進化は対応出来なかったみたいですね。これはしょうがありません。ギリギリの状態から相手が急に強くなるのってズルだと思うんです。

 私もそれで何回も敗けたことがあるので、相手をしてみると本当に理不尽だと思います。

 

 まあ、それは今どうでもいいですね。

 

 当の魔物はと言えば、2度の進化を経て体が大きく、強くなったものの、やはり正規の手順を踏んだものではないためか無理が見える。

 血が吹き出していたり、背中に生えている突起の大きさが不揃いであったりとどこか歪な印象を受けます。

 

 何よりもう限界なのでしょう。

 焦点の合っていない目からは血が垂れ、溢れていたよだれは泡となって飛び散っている。息は荒く、咆哮にも血がまじるゴボゴボという苦しそうな音がしている。

 それでも残りの命を燃やし尽くすよう動き続けるさまは、まるでブレーキの壊れた暴走機関車のようだ。

 

 ……ごめんなさい。私にはあなたがそうなった原因も、助ける術もわかりません。

 せめて安らかに眠れるように、あなたを送り出しましょう。

 

 再び突進をしてきた地竜がその身を地面に沈め、泳ぐように迫りくる。……前に戦った地竜と同じ能力ですね。どうやら暴走していても、能力は本能的に使えるようです。

 

「……おい、こっちに来たらやばいぞ!?」

 

 すぐ後ろには3人組。赤髪くんがノロノロと起き上がって、残りの2人を移動させようと必死に引っ張っていますが、体力が残っておらず、その進みは遅々としたもの。

 

 ここを通すわけにはいかない。

 

 砂埃を上げ、地面をかき分けながら猛スピードで襲い来る地竜へと跳躍。クルクルと高速で縦回転。呼吸とともに闘気を生成し、眉間へと踵を振り下ろした。

 

 ――【奈落回(ならくまわ)し】

 

 地竜のもつ突進のエネルギーと、私の踵落としのエネルギーが真っ向から激突。轟音と共に地面へその衝撃が伝わり、坑道全体が大きく揺れ動いた。

 

「なんてパワーだ……」

 

「すげぇ……!!」

 

 叩きつけられた地竜の頭部は地面に沈み込み、突進を無理やりせき止められた衝撃で後ろ半身が跳ね橋のように宙にさらされる。

 

 好機と見た私は体へと瞬時に闘気を流し、雷光のような蒼を迸らせる。氣装流威(エントリー)だ。

 闘気が脚を伝う。強化されたスピードで瞬時に回り込み、浮かび上がったことで無防備にさらされている地竜の腹部に狙いを定めた。

 

 ――【昇陽(のぼりび)】……!

 

 体を沈めた体勢から放たれる、サマーソルトキックが地竜の腹部を強かに打ち据える。地面に潜るのは邪魔させてもらいます!

 

「あの巨体を……!」「蹴り上げた……!?」「すげーなあいつ!」

 

 宙を舞った地竜を追いかけ、飛び上がる。もがくことしか出来ない地竜の懐に、翼をはためかせて飛び込んだ。

 

 ――【廻芯戟(かいしんげき)】!!

 

 体の中枢を、渾身のローリングソバットが打ち据える。周囲へと衝撃を撒き散らし、地竜の巨体が空間の奥へと転がっていった。

 

 しかし私はそれを追わず、天井へと目を向けていた。

 

 ――……石や砂が落ちてくる。あまり、力任せに攻撃すると坑道が崩壊してしまうかもしれませんね。私は霊体化すれば難なく抜け出せますが……。

 

 未だこの空間から離れようとしている3人にちらりと視線を向ける。すると、彼らはビクリと体を震わせて慌てた様子で移動速度を上げようと四苦八苦し始めた。

 

 ――怖がられている……? ……彼らは確実に生き埋めでしょうし、鉱夫の方たちも困るでしょう。目的の鉱石も掘れなくなってしまいます。ここからの戦闘行為は細心の注意が必要ですね。

 

 ……とにかく、彼らを巻き込まないように私も奥へ移動しましょう。

 




ちょっと短いですがお許しください……。
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