永劫無尽の魂源輪廻《ウロボロス》〜また転生したと思ったら人じゃなくて鳥でした!?周りが危険なので前世の種族特性を引き出して生き残る。あれ、無理?なら鍛えた武術と必殺技を使います〜   作:ねむ鯛

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第31羽 パルクナット

 

 フレイさんに着いて行って調査ポイントとやらを巡り、最後の確認もし終わった後。何も収穫はなく茜色の空の元、帰路につくことになりました。

 

 私はフレイさんの頭の上に乗せられていた。私バランスボールサイズなんですが、もしかして貴女はスーパーマ〇ラ人ですか?

 いや、まあレベルが高かったら私くらいの重さは問題ないと思いますが。

 そんな益体もない事を考えていたら声を掛けられました。

 

「それにしてもあのグレーターワイバーンが龍帝の息子だとは驚いたね」

 

 ――そういえばあの子は龍帝に言いつけるなんて言ってましたが、大丈夫なんでしょうか。いきなり龍帝が飛んできたりとかしないですよね?

 

 そんな疑問を持ったことをログさんが気づいてくれたのか答えてくれます。

 

「まあ大丈夫だと思うぜ。前に暴れ回ってた龍帝の子供だっていう飛竜を誰かが討伐したときも何もなかったし」

 

「聞いた話によると龍帝は強さに関して結構シビアらしいんだな。負けるのが悪いみたいな感じで」

 

 ――なるほど、強さを大事にするドラゴンっぽい考え方ですね。

 

 と、そんなことを考えているうちに着いたようです。

 

「さあ、ここが私達が拠点にしている街、パルクナットだよ」

 

 目の前には城門。馬車など人が出入りしているのが見えます。地面にはクッキリと馬車の車輪の跡がついています。見るに交通量は結構多い方ですね。かなり発展している街だと見ました。

 フレイさんの頭に乗ったまま城門に近づいていけば、人の出入りを確認している複数の門番さんが立っていました。

 

「お?フレイ、どうしたんだそいつ」

 

 近づいてきた門番さんの一人に翼をフリフリします。こんばんわー。

 

「へぇ、かわいいじゃん」

 

 伸ばしてくる手を翼でパシリとはたき落とします。

 殿方が婦女子にみだりに触れるなんてはしたないですよ。自重してください。

 

「おっと、触っちゃダメだったか。ごめんな」

 

 門番さんの言葉に問題ないと首を振ります。

 

 ――いえ、お母様譲りの羽毛が魅力的なのはわかりますので。私もなんどももふもふさせて貰いました。……会いたいなあ。

 

「悪いねガード。今日偶然拾った子なんだけど、どうも男はダメみたいでさ。あたいしか撫でさせてくれないんだ」

 

 苦笑したフレイさん。

 当たり前です。子供ならともかく男の人に気安く触らせるなんてあり得ません。これでも武家とはいえ貴族の娘だったこともあります。

 すると門番のガードさんはうんうんと唸り始めました。

 

「なるほどね。いや、それにしても残念だな~。折角こんなに綺麗な翼なのに……」

 

「おいおい、ガード。馬鹿いってないで早く仮登録の書類を持ってきてくれよ。こいつの許可証がないといつまで経っても街に入れないだろうが」

 

「へいへいっと」

 

 急かすようにしてログさんが自分の肩を槍で叩きました。ガードさんは詰め所らしき場所に引っ込んでいきます。

 しばらくして書類とペン、それと木箱を持ったガードさんが戻ってきました。

 ササッと書類を書いている間にフレイさんが説明をしてくれます。

 

「魔物のあんたが街に入るには人の後見人がいるんだけど、それには従魔という形を取るしかないんだ。あたいに従っているという事になるけど大丈夫?」

 

 問題ありません。頷きます。

 

「それと一応許可を得てるっていうわかりやすい目印がいるんだけど……」

 

 そう言って木箱から取り出したのは首輪でした。

 うぐ、それはできれば遠慮したいなと……。そんな願いを込めてフレイさんを見上げます。

 

「ふふっ、冗談だよ。あんたは感情がわかりやすくてかわいいね」

 

 ――むう……。そんなにわかりやすいでしょうか。

 

「ほら、このスカーフを着けておけば問題ない」

 

 自分の顔を確認するように翼で触っていると、フレイさんが次に取り出したのは白のスカーフ。自分でできない私の代わりに優しく巻き付けてくれました。

 

「うん似合ってるね。ガード、これいくらだい?」

 

「新品だから300ゴールドだ。この子はタダのスワロー種だから審査もいらないし、書類の発行と合わせて1000ゴールドだな」

 

「結構行くな……。ほら」

 

「おう、ちゃんと受け取ったぜ」

 

 お金も払って貰いました。後でしっかりお返ししないといけませんね。

 そうしてようやく通行の許可が。

 城門をくぐればワッと広がる人の活気が眩しいくらい。

 遠くまで続く大通りとそれに隣する数々の建物。人が住んでいる場所にようやくやって来たんですね……。今までは森の中で魔物と戦ったり、魔物と戦ったり、魔物と戦ったり……。やはり相当にハードなのでは?

 

 遠い目をしていると、なにやら美味しそうな匂いが屋台から……。

 お肉のあぶられる匂いとソースの香りが絡まって辛抱たまりません……!!思わずお腹が鳴ってしまいます。

 

「ん?あれが食いたいのか?……しょうがないなぁ」

 

 ――良いのですか!?

 

「目がきらめいてる……。おっちゃん、そのオーク串三本おくれ」

 

「はいよ!!」

 

「見ろよ、さっきからあのフレイが金出してるぞ」

 

「明日には空から飛龍でも降るんだな……」

 

「聞こえてるよ、あんた達……」

 

 フレイさんがログさんとターフさんを睨み付けていますが、私はそんなことはつゆ知らず。

 目はフレイさんの手の中にある串焼きに釘付けです。……ゴクリ。

 

 ありがとうございます。空を飛んでフレイさんから串を受け取ろうとしますが……。

 

「おっと」

 

 避けられてしまいました……。お預け、こんな絶望がこの世にあるでしょうか。ヤハリニンゲンハシンジルベキデハナカッタ……。

 

「待て待て待て、そんな悲しそうな顔するなって。ほら、こっちこい」

 

 そう言ってフレイさんは右手を差し出してきました。……留まれということでしょうか。鉤爪で傷つけないようにそっと降り立ちます。

 

「はい、口開けな」

 

 そう言って串を口元に近づけてきました。

 これはまさか、あーんですか!?こ、こんな大通りで!?は、恥ずかしいです……!!

 オロオロしているとフレイさんの表情が段々不機嫌になってきました。

 

「なんだい、あたいの手からは食べられないって言うのかい?」

 

 プスッとした表情のフレイさんを前にして食べないなんて選択肢はありません。

 

 ――い、いただきます。

 

 今にも肉汁とタレ溢れそうな串にパクつきます。

 

 ――こ、これは!!

 

 口の中でとろける豚肉の旨みと、とろりとしたタレの甘みが調和し口の中で広がっていきます!

 美味しいよぉ。箸が止まりません。箸持てないですけどそんなことどうでも良いです!!

 

 普通の鳥だったらこれを食べると体に悪いですが、私は魔物なので問題ありませんね!!

 

「本当にうまそうに食べるね」

 

 そう言ったフレイさんも私がかじった後の串を口に運んで行きます。

 それは……、まあ、美味しいので、ヨシ!!気にしたら負けです。

 

「ほら、口にタレが付いてるよ」

 

 夢中で食べた後、フレイさんにハンカチで顔を拭かれてしまいました。お恥ずかしい……。

 

「なんだか和むんだな」

 

「それな」

 

「でもボクたちの分は普通にないんだな……」

 

「それな……」

 

 そうして歩いているうちに一際大きな建物の前にやって来ました。ここがどこかはわかりませんが、私は人類の事情は全くわからないのでもうお任せしています。はい。

 

「ここが冒険者ギルドだ。冒険者ってのが俺達みたいに魔物を倒したり調査したりする奴のことを指す。んで、ギルドってのがそれを依頼して、報酬を払ってくれる所だ」

 

 説明ありがとうございますログさん。

 

「あたい達はギルドに行ってくるから、あんたはあっちの獣舎で待っててくれる?登録が完了してない魔物を入れるのはあんまりよろしくなくてね。あとで呼びに来るから」

 

 ――わかりました。

 

 頷いて横にあった建物に飛んでいきます。

 

 ――お邪魔しま~す。

 

 ウエスタンドアを押して入れば既にいた魔物達から一気に視線が。

 様々な魔物がいる中、一際大きな狼のような魔物が声を掛けてきました。

 

『おいおい嬢ちゃん。ここはあんたみたいな子供が来る場所じゃないぜ』

 




来たるテンプレの予感……!!

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