無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~ 作:ねむ鯛
お母様の様子が変わりないことをチラリと確認して、遙か下方の地面に墜落していったドゥークを追うために翼を広げる。
数多のエネルギーを種火の闘気に
弱点は混ぜ物をするために闘気の純度が下がることでしょうか。まあそれも『空の息吹』のおかげで魔素の割合が増えているので補えるレベルです。
『
「クソッ!!
「随分悠長ですね?」
「なッ!?」
次の瞬間には起き上がって呻いていたドゥークの眼前に着地。
『
戦撃なしだと打撃の方が有効ですね。
ドゥークはすぐさま飛び起きて手を突き出し、不可視の攻撃を飛ばしてくる。まだまだ元気な様子。……よく見ればさっき付けた腹と脇腹の傷が塞がっている。
再生能力でしょうか?硬い上に再生持ちなんて面倒ですね……。
……うん?……回避して受け流す上に再生持ち? なんの話ですか?
「死に晒せクソガキ!!」
「それはもう何度も見ました」
『
「ンだと!? まさか見えるのか!?」
「いいえ。でも見えなくとも予測はできますよ?」
不可視の攻撃は、腕を伸ばしてからその直線上に着弾する。着弾までの時間を計る機会は何度もあったので、攻撃の正確な速度を割り出すことが出来ました。
軌道は直線で、速度は割れている。なら例え見えなかろうと対処するのは容易い。
「そんなもン、簡単にできてたまるか……!!」
「経験の成せる技です」
「ガキのクセに……!!」
苛立ちを隠すことなく腕を突き出すドゥーク。連続で発射される不可視の攻撃を回り込みながら回避していく。
攻撃の正体は衝撃波、正確には圧力でしょうか?
ドゥークが切っていた大枝の切断面が押し広げられ、裂けるようになっていました。不可視の攻撃の着弾面も押しつぶされたようなもの。
大剣に纏わされた圧力はぶつかった対象に大きな衝撃を与え、少しでも刃が食い込めばそこから切断面を押し広げていく。シンプルですがパワーでひたすら圧倒する、防ぎにくい強力な能力です。
ですが私の『
ソウルボードに『普人種』が復活したことで私自身の力も格段に上昇しています。技では元々勝っていました。このまま押し込みます。
距離が近くなったところで攻勢に移る。
不可視の攻撃を叩き切り、一気に肉薄。そこでドゥークが大剣を地面に突き刺し圧力を解放することで、砂埃を巻き上げた。
「なッ!?」
「これで見えねェだろ!!」
……へえ、目つぶしですか。今まで使ってこなかった手です。侮りを捨てたのでしょうか。しかし私には『空間把握』があります。
「見えなくても問題ありません」
攻撃の軌道を感知。砂埃の中正確に振り下ろされた大剣を全身のバネを使い、力任せにカチあげる。どうやらドゥークにも見えていたようですね。
「くそがッ!!」
「【
吠えるドゥークに踏み込んで始動の方手突き。左右に2連続で薙ぎ払い、頭上から力強く叩きつけた。地面すれすれから両手で突きあげる。体が浮いたところにゴルフようなのフルスイングで吹き飛ばした。受け身も取れずに幾つも木々をなぎ倒して進んでいく。自然破壊もするなんて、さすがコアイマですね……。
「ぐう!? さっきからポンポンポンポン吹き飛ばしやがって……!!俺はお手玉じゃねェんだぞ!! それに自然をぶっ壊してんのはお前だろうがッ!!」
「うるさいですね……。【
「!!?」
ドゥークの体のど真ん中に『急降下』を併用した突きが叩き込まれる。ほぼ同時に顔面、右手、左手、右足、左足にも突きの衝撃が襲いかかった。
超高速の同時六連突き。難易度も高く、闘気の消費も大きい。
たまらずドゥークはお手玉のように吹っ飛んでいった。かなりのダメージを与えた手応えはありましたが、致命傷までには至っていません。硬さと再生力のせいで連撃では致命傷にはなりにくいと考え、単発の攻撃とほぼ変わらない【
ならば……。
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
地面を転がりながら木々をへし折り、ようやく起き上がったドゥークは追撃に備えて辺りを警戒する。そのまま数秒の時間が流れた。近くに何かが居る気配はない。
「来ねェのか……? クソッ!!」
時間が出来れば考えるのは天帝の子供についてだった。
最初は眼中にも無かった。弱体化した天帝のおまけ程度にしか考えていなかった。それが実際に戦ってみるとどうだ?
技術では完全に負けていた。単純なスペックでゴリ押ししていたが、それも先ほど覆された。ガキといえども天帝の血を引くと言うことか……。
だが、引くわけにはいかない。ここには仲間にも伝えず勝手に来ている。成果も出せずに逃げ帰ったなどと知られれば、どんな目を向けられるか……。
――――ブウゥゥゥゥゥゥン……。
だが、天帝は傷ついている。折角のチャンスだ。クソガキさえ突破できれば天帝を殺せる……。そうすれば目的のものも手に入り、祈願成就につながる。あと一歩、後一歩なんだ。
――――ブウゥゥゥゥゥゥン……。
「うるせえな!人が真剣に考えて……。なンだ……こりゃ……」
邪魔な音に釣られて上空を見上げれば、雲の下で巨大な蒼い何かがゆっくりと回転している。
あれは……巨大な槍か? 槍が回転しているのか……?それに回転はゆっくりじゃ無い。そう見えているだけで、よく見れば信じられないほど高速で回転しているのがわかる。
あれはあのガキの力なのか?でかすぎる……!!
――――ヒイィィィィィィン……。
上空から聞こえる音が高くなった。回転速度がさらに上がったのだ。それに呼応して風が集まってきている。まるでサイクロンだ。ここからでも空気が引き寄せられているのがわかる。
あんなの食らえばひとたまりも無い。体がいくら頑丈だといえど、耐えられはしない。
こんなの、どうやって防げば……!!
巨大な蒼のサイクロンが落下を開始。こちらに迫ってくる。呆然と見上げることしか出来ない。
範囲が広すぎて逃げることなど不可能。まだ終われないねェのに……!!
「くそがァッ!!」
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
ドゥークを一撃で仕留めるため、大技の準備をする。そのため、大樹よりも上空に飛び上がった。
眼下を見下ろせばドゥーク発見する。鳥の目はよく見えますね。『
「《緑陣:
五つに増えた魔術陣が一つに重なり、巨大な魔術陣を作り上げる。
「《緑嵐陣:
風の力をまとった『
風は成長を続け、『
お母様と戦ったときの物より、二回りは大きい。
周囲を警戒していたドゥークが流石にこちらに気づくがもう遅い。
「これで終わりです……!!【
蒼のサイクロンを背後に携え、ドゥークに向けて落下していく。逃がしはしない……!!
渾身の力を込めて『
「【
風と同化した巨大な闘気の槍が伸びていく。迫る地上は闘気の蒼に染め上げられた。
その範囲は極大。威力は絶大。逃れられるものなどなし。
「くそがァッ!!」
吠えたドゥークが大剣を突き出す。全力の圧力がのったコアイマの一撃。込められた力は大剣の周囲の景色が歪んで見えるほど。
だが天災の前には全てが小さすぎた。
「はあ……ッ!!はあ……ッ!!」
『
抗うことも逃げることも出来ずにドゥークはサイクロンに飲み込まれた。
地上はむき出しの地面が見えるだけ。
動く物はない。私の勝ちです。
お母様の元に帰りましょう……。
人化は元々『普人種』解放のタイミングと被せるつもりだったんですが、今では北大陸で人化して良かったと思ってます。ここまで長過ぎ……。