※この小説は処女作です。
そのためお見苦しい点が多くあります。ミスやアドバイスがあれば是非是非下さいm(_ _)m
これからはもっと面白い作品を作れるように頑張って活動していきます。
══神威島ダック寮══
2人部屋で2人の男子生徒が世間話をしていた。
話の内容は昨日の授業のことや今日の夕食についてなど、くだらないことをゆっくりと話している。
「暇だね〜」
椅子に座っている。キャップを被っている黄色の髪をした少年がそう呟く。
「そうだな、最近やることも無いしなカケル」
ベットに座っていた相済茶色の髪をした少年も、カケルが言った言葉に返事をする。
「ウォータイムも当分できそうにないし、最近は授業ばっかだし」
「まぁしょうがないさ、この前あんな事件があったんだから」
1ヶ月前、神威大門に突如「ワールドセイバー」というテロリスト集団が乗り込んできて、学校で一波乱起きた。
それが原因で学校を去る生徒が数多く居て、今現在の在校生は前より3/4まで減ってしまった。
そしてセカンドワールドにも甚大な被害をもたらし、当分ウォータイムの出撃ができなくなってしまったのだ。
コンコンッ
「ん? 多分スズネ達じゃないの?」
「あぁ、どうぞ」
「やっほ、お二人さん何しとるん?」
ドアから顔を出したのは、大阪訛りの少女金箱 スズネ。
「別に、ただ暇してただけだ」
「入ってきなよ」
「お言葉に甘えて入るで」
スズネの後ろに居た少女も中に入ってきた。
その少女は、「ワールドセイバー」の事件で解決へと導いた生徒の一人であり、この第一小隊の現エースプレイヤー。
「失礼します」
少女は綺麗に15度会釈した。
「いらっしゃいイオリ」
2人はカゲトラの向かいのベットに腰を寝かせる。
「2人は何をしてたんだ?」
「うちらはさっきまでユノ達と恋バナしてたで」
「何言ってるんですか、私らもさっきは世間話してたじゃないですか」
ミハルはジト目でスズネにツッコム。
「えっそうだっけ?」
とぼけるスズネを無視しミハルを言った。
「アラタ君達が居なくなって暇になりましたね」
「そうだね、生徒もかなり減っちゃったしその分寂しいしね」
「あぁそうだな」
イオリはおもむろに立ち上がり、カゲトラの机に向かう。
机の端に飾ってある写真を手に取る。
「カゲトラ君、ここの写真に写っている女の子は誰ですか?」
写真には神居大門の門で写真を撮っている4人が写っている。
カゲトラとカケル、そしてスズネの横に黒髪でセミロングの女子生徒が笑顔でピースをしている。
「おっ懐かしいな〜 それうちらが2年に上がった時に撮った写真やないか」
「ほんとだ、懐かしいね」
「前までこの第一小隊に居たプレイヤーだよ」
カゲトラの若干声のトーンが下がったのがイオリにはわかった。
スズネとカケルとは反応が明らかに違っていた。どこか悔やんでいるようにも見える。
イオリはこの話を振るのはやめた方がいいと思ったが、それ以上に話しを聞きたいと気持ちが膨らみ気付いた時には口を開いていた。
「その人の話聞かせて下さい」
カゲトラ達は一瞬驚いた顔をしたが、笑顔で話し始める。
――――――――――――――――――――――――
╍ ╍ 数ヶ月前╍ ╍
ジャングルの湿地帯で汎用量産機のジラント達が、DCオフェンサーとDCエリアを追い詰める。
二機はゆっくりと後退して行く。
「隊長!! これピンチなんとちゃうか!?」
スズネはかなり焦った様子でカゲトラに問いかける。
ジラント達の猛攻撃でDCエリアルの両肩に搭載されているキャノン砲に弾が当たる。
「くっ!! あ〜もう鬱陶しいわ!」
DCオフェンサーはJ3ビームマシンガンで応戦するが、数が数なため状況は変わらない。
「スズネ! とにかく今は耐えるぞ、あと少しで到着するとカケルからの言われている」
「了解!」
ジラントが4機カゲトラ達に近ずいてくる。
「来たでぇ、4機どないする?」
「……カケル!」
「今着いた!!」
スズネが上を見上げるとそこにはクラフトキャリアが上空を旋回していた。
「ミハル降下準備」
「出来てます」
ミハルは落ち着いた声音でそう答える。
「降下開始」
クラフトキャリアの下から、青と白をベースにしたジョーカーMk-Ⅱが降下してくる。
ジョーカーは上空でJ3ビームマシンガンをジラントに向けて撃つ。
上から見てガラ空きだったジラント達は、ミハルの攻撃でブレイクオーバーする。
後方にいたジラント達はアサルトライフルを向け集中砲火するが、ミハルは銃を捨て大きな鎌を取り出す。
それを振り回し弾を全て跳ね返す。
「スズネ今だ!」
「了解」
ミハルの攻撃でジラント達があたふたしている隙に、カゲトラとスズネは隙だらけのジラントに攻撃をする。
「隊長!」
ミハルの声とともにカゲトラはアタックファンクションをする。
〘アタックファンクション:ハイパーエネルギーボム〙
カゲトラはジラント達に向けて放つ、上にいたミハルはハイパーエネルギーボムの弾道を予想し下に向けて斬撃を放つ。
斬撃とハイパーエネルギーボムが衝突し爆破する、そしては爆破で周りの土が舞い上がり煙幕状態になる。
「2人とも体制を立て直していくぞ!」
『了解!!』
――――――――――――――――――――――――
ウォータイムが終了し、カゲトラ達はコントロールポットから出る。
「ほんま今日も疲れたで〜」
手を伸ばしながらスズネはそう言う。
「今回はかなり大変だったね」
カケルは苦笑いしながらスズネに言う。
「元はと言えば、スズネがあそこで突っ込むからだ。もっと慎重に行動しろ」
「そうだよ、後スズネの機体のダメージが思った以上に高そうだし」
「スズネさんは無茶しすきです。周りを見て行動もして下さい」
「ひぃ〜そないに言うんくってもええやろ」
三人からの集中砲火でスズネは轟沈寸前。
「前まで優しかったミハルが、最近だとうちのオカンよりも怖い」
涙目でそう訴えるが、ミハルの目は完全に凍えきっていた。
「スズネさん、轟沈させますよ」
先程よりも声音がワントーン下がった声でそう言った。
この一言で黙るスズネだった。
「おーい、2人とも早く来ないと置いてくぞ」
既にカゲトラとカケルはそれなりに2人から離れていた。
「あっ待って、早く行かへんとジンはんにドヤされる」
――――――――――――――――――――――――
今回の作戦のことについて怒られた4人は、ブリーフィング室から足早に出ていく。
「また今回も宿題を出してくれるなんて……」
両手でかなりの厚みのある課題を持ってスズネは愚痴る。
「ん? てかなんでミハル達は私よりも少ないのよ」
「それは日頃の行いです」
ミハルはスズネが投げてきた会話のボールを、思いっきり投げ返す。
「そないにストレートに言わんといてな」
「ミハルはスズネだけに容赦ないよね」
「だな」
そんな2人を見てカゲトラ達は遠目から見て笑う。
「なぁミハル様、お願いします課題を助けて……」
「嫌です」
「そこをどうか」
「嫌です」
「おっ……」
「嫌です」
ミハルは容赦なくスズネの退路を潰していく。
――――――――――――――――――――――――
教室に戻ると既にクラスメイトは全員帰ったようだった。
窓から外を見ると夕日で空が真っ赤に染っているのが見えた。
「CKかなり溜まってきたから、スワローに行こうや」
「確かに最近ご無沙汰だからいいかもな」
珍しくカゲトラは乗り気だった。
「いいですね」
「僕は……ちょっとLBXの修理でCKが必要だからやめとくね」
カケルは申し訳そうに言う。
「ならば、カケルさんの分は私が払います」
「えっ? いいの?」
「はい、いつもLBXを最高のコンディションにしてくれるお礼です」
「ありがとうミハル!」
鼻歌を歌いながら荷物をしまっていくカケルを見て、スズネ達は暖かみ目で見ていた。
――――――――――――――――――――――――
校門を出るとそこにはアラビスタ同盟軍の生徒が数人屯っていた。
ミハル達を見つけるとアラビスタ生徒達は近づいてきた。
「よォハーネス第一小隊」
どこか嫌味を含んだ声で話をかけてくる。
「ん? なんなんあんたら」
「今回はやられたよ。まさか空から奇襲を仕掛けてくるなんて」
その一言で何をしにアラビスタの生徒が来たのか察するカゲトラとミハル。
「だからなんだ」
「おうおう、俺達は喧嘩をしに来たんじゃないんだぜ。そんなに喧嘩腰になるなよ」
「そうだよそうだよ、ただのお礼を言いに来たまでだよ」
「だが今回はやられたが、次はお前らの番だ」
『!?』
「どいう意味だ?」
「言葉の通りだよ。ハーネスなんて弱小国とはあと数日でおさらばだ」
「なんやてあんたら!! 喧嘩売っとんとちゃうか!?」
スズネが一歩足を踏み出す。
「スズネ止めろ!!」
カゲトラの静止で何とか落ち着くスズネ。
「気にせず行こうカゲトラ」
「そうですよ隊長、こんな蛆虫みたいな連中と話していると時間の無駄です」
「うっ蛆虫って…」
ミハルのキツい言葉の刃がアラビスタ生徒達に向かって切りつける。
「おっお前上級生に向かってなんて口の利き方なんだ!!」
(えっ上級生なのこの人達!?!?)
心な中で驚くカケルを置いてき、ミハルは言葉を続ける。
「はっあなた達みたいな幼稚そうな人が年上とは、ちょっと悲しくなってきますね。ここは神居大門です…最高のLBXプレイヤーを生み出す場なのに、貴方達のような人がいるとこの学校の品に係わります。早くこの学園から去るのをオススメします」
ミハルが言葉の刃を言い終える頃には、アラビスタ生徒にカゲトラ達も言葉を失っていた。
「早く行きましょ隊長」
「あ、あぁ」
放心状態のアラビスタ生徒を置いていき、4人はスワローに向かう。
――――――――――――――――――――――――
スワローに着くなり4人入口に一番近い窓側の4人席に座る。
店内を見回してみるとちらほら神居大門の生徒が見える。
「はぁ〜さっきのはほんまなんだったんやろうなぁ」
「わかんないね、あんな風に他クラスと人達に話をかけてもらうことが初めてだしね」
「あんな人達気にしなくてもいいですよ」
「あ〜ミハルがあんな乱暴な言葉を使うなんて……」
スズネはさっきの話を持ち出す。
「あのことは忘れて下さい!!」
真っ赤な顔を両手で隠しながら訴えるミハルだが、スズネは面白がって話を続ける。
「あないに面白いこと忘れるなんて無理やわ」
口を抑えながらも笑い声が漏れているスズネを見て、カケルは苦笑いをする。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
話をかけるタイミングを伺っていたマスターが、ご注文を聞いてくる。
「うちチョコレートパフェ」
「俺はコーヒー」
「私はダージリンで」
「う〜ん……トマトスパゲティで」
それぞれ注文を終えるとマスターはカウンターに戻っていく。
「カケルはトマト好きやな〜」
「そこも姉譲りだな」
照れくさく笑うカケル。
それぞれか頼んだものが届き4人は駄べりながら時間を過ごしていく。
「私ちょっと御手洗に行きますね」
「いってら〜」
御手洗を済ましトイレから出ると、
「……ハーネスを!?」
「っ!?」
ついハーネスと聞いてしまったからミハルは物陰に隠れる。
「ほんとだよ、明日のウォータイムでアラビスタはハーネスを潰すらしい」
「お前それどこ情報なんだよ」
「ブリーフィング室でジョーダン先生とムサシさんが話してるのを聞いちゃったんだよ」
「でもなんで今様なんだか……」
「最近のハーネスが活発に動いてるからじゃないの」
「確かに、今潰しとかないと後々面倒にもなるしな」
「後ここだけの話なんだけど、ハーネスの第一小隊隊長である'乾 カゲトラ'をLOSTさせるらしいぜ」
(えっどういうことなの!?)
ガタンッ
アラビスタ生徒の発言でミハルは驚きを隠せなかっく、物音を出してしまった。
どうやらアラビスタ生徒達は会話に夢中でこちらには気づいてないようだった。
(今のうちに席に戻って皆に伝えないと)
急いで席に戻ったミハル。
「おっお帰りぃ〜」
「皆さんちょっと話したいことがあるので、ここを出ましょう」
「は? いきなりどうしたんミハル」
ミハルの真剣な顔で何かを察したカゲトラはミハルの言う通りにする。
――――――――――――――――――――――――
寮に戻った頃には夕日は完全に沈んでいた。
「っでわざわざ部屋まで戻ってなんの話しなんや?」
ベットに腰をかけてミハルに問う。
ミハルは先程アラビスタ生徒達の会話の内容をカゲトラ達に話す。
話を聞き終わると、スズネは勢いよく立ち上がる。
「なんやて!?!?」
「ねぇその話本当なんだよね??」
「はい、確かに言ってました」
ミハルはカゲトラの方を見ると、深く考えているようだった。
無理もない、自分が相手から狙われているのだから。
「奴らがうちらを狙ってくるのはしゃないけど、何故カゲトラも狙うんや」
「それは私にもわかりませんが、明日のウォータイムでは必ずハーネスも隊長も守ります」
「ミハルありがとう、だが別に守ってもらう必要は無い」
ミハルの提案にカゲトラはバッサリと切る。
「いいか、明日のウォータイムでは絶対ハーネスは取らせないぞ」
「それはもちろんだけど…」
スズネは言葉に詰まる。
「相手側のと戦力差があまりにも大きすぎるよ。アラビスタは数百機の数で、こっちは十数機って……」
「どう考えても負け戦になる…か……」
「でも、負けと確定した訳でもないですよね」
ミハルの一言で3人は下げていた頭を上げる。
「奴らはわざわざこっちのホームステージに来るのんですよ」
「……地形を駆使すればこっちが有利だな」
「それにこっちにはジン先生も居ますし」
「確かにジンはんが居れば100人引きやな!」
「勝機が見えてきたね」
カケルは嬉しそうに言う。
「よっしゃー やったるでェ!!!」
「明日のブリーフィングの時にみんなに伝えよう」
「そうだね」
「とにかく今日はみんなそれぞれ出来ることをしよう」
『了解!!』
――――――――――――――――――――――――
「……ということですジン先生」
ブリーフィング室にはジンと第一小隊に各小隊の隊長が揃っていた。
「おい、アラビスタが今日攻めに来るのかよ!!」
「そや、カゲトラが言った通りや」
ギンジロウの質問に代わりに答えるスズネ。
「そんな! 今からどうこう出来ることではありませんわ!!」
「おいおい、オトヒメやる前から諦めんのかぁ?」
「なっ私は今の状況を分析して言ったまでですわ」
「だから、諦めてんやろその言い分は」
「いい加減に……」
「ちょ2人とも落ち着いて」
どんどんとヒートアップする2人を止めようとするが、2人はカケルの制止を無視して今にでも戦争を起こしそうな勢いだった。
「落ち着け! ギンジロウ.オトヒメ」
シスイの言葉で何とか戦争は起きずに済むが、状況は何も変わらない。
「ジン先生何か考えがありますか?」
「……あぁ」
ジンの返事で皆は目線を向ける。
「今回はハーネス本拠地防衛作戦。2班に別れてもらい、片方は第一小隊で君らは本拠地の防衛。その他の小隊はハーネス周辺の防衛を頼む」
「うちらが最後の砦か……」
「はっ第一小隊が出る枠はないぜ! その前に俺らがアラビスタのヤツら全員ぶっ飛ばしてやる」
「ギンジロウの言う通り、本拠地に来る前に全機撃破を頼むぞ、だが危険を感じたらエスケープスタンスをしろ、LOSTだけは必ず避けてくれ」
『了解!!!』
皆はブリーフィング室から出てコントロールポットに向かうのだった。
――――――――――――――――――――――――
ウォータイムが開始しハーネスは早速それぞれの持ち場に着く。
第二小隊〜第四小隊はハーネス付近のジャングルと砂漠の境目でアラビスタを待ち伏せする。
第一小隊はハーネスの本拠地でカゲトラは建物の上でHM18マシンガンを構える。
「はっアラビスタの野郎共、来るならさっさと来いや!! こっちは暇で暇でしょうがないぜ」
やる気満々のギンジロウとは打って変わって、オトヒメは早く終わって欲しいの一心だった。
「全機に告ぐ、アラビスタ同盟軍のLBXを発見」
木の上でスナイパーライフルで遠くを見ていたシスイは通信で話す。
「やっとお出ましか〜」
「さっ早く終わらせましょ。今日は'少女スパイX'がやるのですから」
「テッペイ.シズカ思いっきり暴れるぞ」
「了解!」
「えぇ、仰せのままに」
「シェリー.スイ私達もやりますわよ」
「了解です」
「ハーネスの恐ろしさを知らしめてやります」
スコープ越しで敵のLBXを見ていると、綺麗な隊列を組んで大群で砂漠を行進している。
「俺の合図で一斉に攻撃するぞ」
『了解!!!』
そしてアラビスタとの距離が50mに入った時。
「今だ!!」
シスイの合図とともに、全機木の陰から出てきて一斉射撃が始まる。
作戦は見事に成功し、アラビスタのLBXを少なくとも10機以上はブレイクオーバーさせれた。
アラビスタのプレイヤー達は奇襲作戦の失敗で戸惑い焦るが、キースの命令で全機撃ち返す。
「オトヒメ! 敵の攻撃が激し過ぎます!! 少し下がって下さい」
シェリーは応戦をしながらも前に居るオトヒメに伝える。
「そうですが、ここで食い止めなくては」
「シェリーの言う通りだ。全機応戦しつつ後退する」
アラビスタ側はハーネスが後退したのを知り全機で総攻撃をしながら前進する。
「きゃっ!!」
敵の銃弾がスイのセイレーンに当たる。
「スイ大丈夫ですが!?」
「……はい何とか」
「隊長。もっと後退しないと……」
ムネモリが小さい声ながらもシスイに伝える。
「……全機ジャングルの奥に行くぞ! ギンジロウ敵の意識を少しだけこちらからズラしてくれ」
「おけ!」
《必殺ファンクション:オーシャンブラスト》
巨大な球体型の水の塊を敵に放つ。
そして大爆発が起き、それは本拠地に居るカゲトラ立ちにも聞こえた。
「大丈夫なんか。他の皆は」
「大丈夫だ。きっとな」
心配そうなスズネに優しい言葉を投げるカゲトラだが、本当は自分も不安でいっぱいだった。
「……か、カゲトラすまねぇ」
通信でギンジロウの声が聞こえ、突如謝罪が降かかる。
「敵のLBXを数機そっちに行っちまった」
「了解!」
ギンジロウと通信が途絶え、それと同時に敵の姿が見える。
カゲトラは建物の上で隠れ、ミハルとスズネは近くの遮蔽物に身を隠す。
「敵の数は……6機ですか……」
「俺の攻撃を合図として、2人は一気に奴らに接近し攻撃しろ」
「了解です」
「了解や! さぁ楽しましてもらうで」
敵にLBXは、徐々にハーネス本拠地のフラッグに近づく。
そしてカゲトラは奴らがフラッグに入った瞬間、マシンガンの銃弾を奴らに浴びせる。
素早くジョーカーとDCエリアルはジラント達に近づき、ジョーカーソウルを振り回し同時に3機撃破する。
スズネはDCエリアルのアームで1機のジラントの腕を掴み、それを他のジラント達に向け投げつけ丁度3機が揃った時に両肩に着いているキャノン砲で3機同時撃破を成し遂げる。
「こんなん楽勝や」
「です……」
ミハルが言葉を言い終える前に、ジャングルの奥から複数の銃弾が飛んでくる。
「えっまた来たんかい!?」
「2人とも下がれ!!」
ミハルとスズネは急いで近くの遮蔽物に身を隠すが、攻撃はますますすざましくなる。
「隊長!! 敵の数がますます多くなってきてます!」
「なんやあいつらゴキブリみたいに増えてくるやんか」
「クソっこのままだと押し負ける」
ミハル達はかなりまずい状態になりなすすべがない。
コツンッ
ジョーカーの脚になかが当たり、下を向いてみるとそこにはスモックグレネードが一個だけ転がっていた。
ミハルはそれを見てヒラメキ、カゲトラに指示をする。
「わかったミハル」
「その作戦が決まれば、この状況を変えれるって訳やな」
「はい」
敵の猛攻が収まった瞬間を測る。
ほんの一瞬ジラント達がリロードのため攻撃が収まった瞬間、ジョーカーはグレネードをアラビスタに向け投げつける。
カゲトラがマシンガンでグレネードを撃ち抜き、中の煙幕が一気にそこら中に広まる。
「今です」
《アタックファンクション:炎崩し》
《必殺ファンクション:デスサイズハリケーン》
2人の攻撃でその場に居たアラビスタ同盟軍のLBXの半数以上をブレイクオーバーに持ち込むことが出来た。
「よっしゃ! 何とかかなりの数を減らせたで」
「この流れに乗って一気に片付けるぞ」
『了解!!』
ドンッ
銃声とともにDCオフェンサーの左腕が落ちてきた。
「えっ?」
そして遅れてDCオフェンサーが落ちてくる。
「隊長大丈夫ですが!?」
「どうしたんや!?!?」
「……分からないが遠くの方でスナイパーがいるかも」
先程の数よりその倍のアラビスタのLBXがジャングルから姿を現す。
前線のジラント達はアサルトライフルをミハルのジョーカーに向ける。
「やっやばい!!」
ミハルが気付く前にジラント達は撃ってくる。
銃声をするが何故かジョーカーには弾が当たっていなく、ミハルが前を向くと……
「くっ!!!」
「スズネさん!!」
スズネのDCエリアルが盾としてジョーカーを守ってくれた。
スズネのDCエリアルは特別な装甲をしているが、流石の総攻撃にずっと耐えることは出来ない。
「ミハルにいつも世話になってるからね、たまにはうちもいいとこ見せへんと」
「くっ……とりあえず引きましょう」
何とか物陰に隠れれたが、わかっての通りDCエリアルはかなり酷い損傷をしている。
「すみませんスズネさん」
「別に謝るなや」
「プッチっ……よォハーネス第一小隊隊長のカゲトラ」
外部通信から、アラビスタ同盟軍のエースプレイヤーの白牙 ムサシが話をかけてける。
「……なんだムサシ?」
「大人しく投降すれば見逃してやる。断るなら今すぐお前らを潰す。さぁどうする?」
「……断るに決まってるだろ」
ムサシはカゲトラの返しに鼻で笑う。
「だろうな、そう思ったよ。ではさようなら乾 カゲトラ」
通話が切れ、その瞬間先程とは比べ物にならない攻撃が降りかかる。
「かなりまずいですねこの状況……」
「なんか打開策はないのかい!?」
カゲトラ達が考えていると、いきなり目の前で大爆発が起きそしてギンジロウ達がミハル達の前に立場だからる。
「ギンジロウ!?」
「助けに来ましたわ」
「すまない。食い止められなかった」
「ふっここで集結するか……ハーネス」
ムサシはスコープ越しでハーネスのLBXを見ながらそう呟く。
「全機に告ぐ長期戦は不利だ。そのため短期決戦で行くぞ!! 一気に決着をつけに行くぞ!!!」
『了解!!!!!』
ムサシの指示でアラビスタのLBX達は一斉に突っ込む。
「こっちも負けてらんねぇなぁ、カゲトラ指示をくれ」
「全機、必ずこの戦いを勝利で納めるぞ!! 突撃!!!」
『了解!!!』
ギンジロウの目の前に3機のジラントが立ちはだかるが、ギンジロウがDCブレイバーでハンマーを振りかざそうとするが、いきなりその3機LBXの横からセイレーンが飛んできた。
《アタックファンクション:ライトスピア》
青色の槍上のビームが3機に刺さりブレイクオーバーする。
「はぁ!? おい! 邪魔すんなよ!!」
「あら、私はただ敵を排除したまでですよ」
キンジロウとオトヒメはこの状況下でも口喧嘩を始める。
そんな2人にヴェルネルがアーミーエッジを構え、3方向から攻めてくる。
ギンジロウはアイアンハンマーをセイレーンに向け横に振り、セイレーンはそれに乗っかりそのまま上にセイレーンを投げる。
セイレーンは持っていた槍の武器を1機のヴェルネルに向け投げ見事に貫く、もう2機のヴェルネルをアイアンハンマーで一撃で倒す。
2人は昔から仲が悪いが、何故かチームワークとなると息がぴったりなのだ。
片腕が無くなったカゲトラのDCオフェンサーは、ジラント4機に囲まれる。
「クソっやばい…」
ジョーカーは次々とアラビスタのLBXを撃破していく、そしてピンチのカゲトラを見つけ助けに行こうとするが……
「キャッ!?」
近くで爆破が起きジョーカーは吹っ飛ばされる。
目の前を見てみるとそこに2機のジラントが居た。
「ギンジロウさん、隊長がピンチなので……」
「すまねぇ、こっちもこっちでていいっぱいなんだ!!」
他のメンバーも見てみるとそれぞれ、少なくとも1人につき2機も着いてるため援護は無理そうだった。
「こうなったらさっさとこいつらを片付ける!!」
ジョーカーは立ち上がり思いっきり走り出しジラントに突っ込む。ジョーカーソウルを振り下げるかギリギリのことろで避けられ、代わりにアーミーエッジで一撃貰う。
「クソっ!」
ジラント達のコンビネーションプレイが強く、ミハルは珍しくかなり追い込まれていた。
(このままじゃまずい!!!)
突然ミハルの視界がおかしくなる。自分以外のLBX達の動きが止まっているように見える。
そしてジョーカーはもんスピードでジラント2機の背後に周り切り刻む。ジラント達はブレイクオーバーした。
そのプレイヤーは何が何だか分からなかった。
急いでカゲトラを助けに行こうとした瞬間、急に視界がいつも通りに戻るが、ミハルに急激な頭痛が襲いかかるが、そんなのを気にせずにカゲトラの周りにいるジラント達を撃破する。
アラビスタのLBXの数はかなり減っており、こちらが優勢になるが……
「きゃあっ!?」
いきなりマキシマムがブレイクオーバーし、続けてテッペイもブレイクオーバーする。
「すみません隊長」
「テッペイ!! 誰だ!」
ギンジロウは森の奥を見るが敵の姿が見えなかった。
シスイがスナイパーライフルで見てみると300m離れた距離に一風変わったカラーのヴェルネルがライフルをシスイに向けていた。
「!?」
シスイは気づきギリギリ弾がかすめた程度で済んだ。
「隊長大丈夫ですが!?」
「あぁ」
「カゲトラそろそろ決着をつけないとまずいぞ」
「あぁ、行くぞ2人とも」
『了解』
カゲトラの問にギンジロウとミハルが返す。
《必殺ファンクション:オーシャンブラスト》
《アタックファンクション:ハイパーエネルギーボム》
《必殺ファンクション:デスサイズハリケーン》
3機同時のファンクションで近くにいたアラビスタ同盟軍のLBXは全てブレイクオーバーした。
「おいおい、こんなに強いのかよハーネスって……」
アラビスタ生徒の1人が呟く。
「……全機に告ぐ、撤退だ」
ジョーダンは戦況を見て正しい判断を下す。
『了解』
ジョーダンの支持によりアラビスタ同盟軍のLBXはハーネスの本拠地から離れていく。
「……よっしゃぁー!!」
「何とか守り抜けましたわ」
「そうだな。ミハル」
「なんですか?」
「……さっきはありがとう」
カゲトラの言葉でミハルの顔は真っ赤になる。通信だけでよかったと安堵する。
「…いえいえ」
ジャングルの奥に、1機のジラントがスナイパーライフルをハーネス側に向けていた。
「カゲトラだけでもLOSTさせてやる!!」
引き金に手をかける。
ミハルは急に嫌な予感がし、ジャングルの方を見ると一筋の光が見えた。それだけでミハル何かを察してカゲトラの方へとLBXを走らせる。
「隊長! 危ない!!」
「ん?」
バンッ!!
「!?」
『!?!?!?』
この銃声で全員ジャングルの方を向くが、カゲトラだけは違った。
カゲトラの意識はミハルのジョーカーに合った。
「ミ…ミハル!!!」
ジョーカーを見ると胸部に弾丸が貫き、そこから火花が飛び散る。
「そんな!? ミハル!」
「クソッタレ、誰だ今撃った奴は!?」
「ギンジロウ.オトヒメジャングルの方へと見に行ってくれ」
シスイの指示で2人はジャングルへと行く。
ジョーカーは脚から崩れ落る。
「すみません隊長……」
ミハルは申し訳なさそうにカゲトラに謝る。
「隊長のお側でずっと居たかったのですか……」
ミハルが言葉を言い終える前に、ジョーカーは爆発した……
――――――――――――――――――――――――
ウォータイムが終わりコントロールポットから急いで出ると、放送で「ハーネス所属 清水 ミハルさん、至急ブリーフィング室に来て下さい」とアナウンスが流れる。
そして入口の方を見るとそこには日暮先生がミハルを待っている。
「…………」
ミハルは口を開かずに日暮先生の方に向かう。
「みっミハル!!」
カゲトラ達はミハルに向かって走るが……
「……バイバイ」
ミハルはぎこちない笑顔でカゲトラに言葉を伝える。その言葉の裏に'来ないで'と含んだように感じたカゲトラ達は、その場で立ち止まり日暮先生に連れて行かれるミハル見るのだった。
――――――――――――――――――――――――
ブリーフィング室に来るとそこにはジンだけが居た。
アイコンタクトで日暮はその場から去る。
「まずひとつ、ハーネスを守ってくれて感謝する」
ジンはそう言いながら頭を下げてくる。
「あっいや、いえいえ皆の力で守れたものなので」
ミハルは謙虚そうにジンに言う。
「こんな事になって早々悪いんだが。バトル中に見せたあの動きはなんだ?」
質問にミハルは頭を抑えたる。
「私にも分からないんです。バトル中はハーネスや皆を守ることで一杯で他のことは考えていませんでした」
「あの時になんか変な症状は起きなかったか?」
「え〜と、あっ周りのLBX達の動きが止まっているように見えました」
顔に隠しきれないほど動揺するジン。
「!?」
「何か知ってるんですか?」
ジンの反応で何かを察する。
「いや、詳しいことはまだ知らないが、その現象の名前はオーバーロード」
「オーバーロード……」
オウム返しで繰り返すが、ミハルは全く訳が分からなかった。
「すまない、これについてはミハルが言っていた現象以外分からないんだ」
申し訳なさそうに言うジンを見たミハルは、手を小さく振り。
「いえいえ、大丈夫です」
「……これからどうするんだ?」
2人の間に沈黙が流れたが、ジンがその沈黙を破りミハルに話す。
「いえ、まだ何も考えていません……けど一旦家に帰ろうと思います」
「そうか、知り合いのLBX会社がテストプレイヤーを探しているんだが、どうかな?」
「…………ありがとうございます。ですが辞めときます」
「そうか…」
ジンはミハルが断った理由を薄々分かっていた。
「では、ジン先生今までお世話になりました」
「こちらこそだ。今までありがとう」
「失礼します」
一礼しブリーフィング室から退出する。
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寮までの帰路をゆっくりと歩いていくミハル。
「寮長戻って参りました」
寮に戻ってくる無いなや、ハキハキした声で寮長に叫ぶ。
「ふむ、お帰りミハル」
カウンターからこちらに来た寮長であるトメさんは、ミハルをつま先から髪まで一度見る。
「聞いたよ日暮先生から」
トメさんは軽く頭を下げ……
「お勤めご苦労様」
っと優しい笑顔で言う。
「こちらこそです。短い間でしたが色々お世話になりました。今日中に寮を出ます」
「今日出るのかい?」
「はい、出来るだけ早くでないと……」
言葉に詰まったがトメさんはゆっくりと頷く。それは何を言いたいかわかるよの意思表示だった。
再度一礼し自分の部屋へと足を向ける。
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自室から帰る支度をして船の時間が迫っていたから足早に寮を出る。
港に来ると既に船が止まっており、ミハルは急いで中に入る。
船の後部に来て、神居大門を遠目から見つめる。
「沢山の思い出をありがとうございました神居大門」
最敬礼を神居大門に向けて頭を下げる。
「……ミハル!」
商店街の方を見るとそこには、カゲトラとスズネにカケルがこちらに向かって走ってきた。
「えっ!?」
「うちらに別れの挨拶もなしに島を出るんか!!」
「そうだよミハル、最後の挨拶くらいさせてよ」
スズネとカケルはミハルにそう訴える。
ミハルは肩を小刻みに震わせながら口を開く。
「わっ私はお別れが一番嫌いなんです! 早いうちに出ていけば悲しさが薄くなると思ったんですけど……」
泣きながら言うもんだから、後半は何を言っているのか聞き取れないくらいだった。
「別れじゃないだろう!!」
スズネとカケルの後ろで黙っていたカゲトラは大きく口を開く。
「また戻ってこいミハル!」
「隊長……」
「あの時俺を守ってくれたんだ。次は俺が守るから必ず戻ってこい」
「……はい、では行ってきます」
今できる精一杯の笑顔を作りカゲトラ達に向けて、別れの言葉ではなく'行ってきます'を言った。
「バイバイやで」
「またね〜」
手を振る3人が見えなくなるまでミハルは手を振り続けた。
そして神威島が見えなくなるまで、島を見つめ続けた。
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「いっいいお話ですねぇ〜」
「おっイオリが号泣してとるで」
話を聞いてイオリは顔をクシャクシャにしながら涙を流していた。
「わだじ、涙脆いんでずよォ」
「はははっ」
苦笑いしながらもイオリにティッシュを渡す。
「ありがどうございまず」
「その人今何をしてるんでしょうね…」
イオリの質問にはカゲトラが一言で答える。
「知らないな……だが必ずここに帰ってくるよミハルは……」
「そうやな」
「うん、必ず帰ってくる」
3人はしみじみしながらそう言うのだった。
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╍ ╍ 神威船╍ ╍ ╍
「数日ぶりの神威島だァー」
赤髪の天パ少年は神威島を見ながらそう言う。
「まさか上陸許可書で校長のハンコが必要だったなんて……」
愚痴を溢す少年のポッケからCCMが転がり落ちる。
「あれ? 俺のCCMは??」
セミロングの少女がCCMを拾い少年の方に足を動かす。
「あの〜」
「ん?」
「これ君のですか?」
「あっそうだァ!! いや〜まじで助かったよ」
少年は大きなリアクションを取りながらお礼を言う。
「まじサンキューな」
「いえいえ」
「君は……神居大門の転入生かなんか?」
「まぁそんな所です」
「へぇ〜俺の名は'瀬名 アラタ'」
「……私の名は…'清水 ミハル'です」
(終)