仲を深めた理事長代理を送り狼するなんてトレーナーさん最低ですねファル子のファンになります
すごい短いです

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代理の評判を聞いて妄想していたネタ。
アオハル杯と代理のサポカイベントをそれぞれ一周ずつしかしていないので細かいところはご容赦ください。


ほろ酔いの樫本理子理事長代理をホテルに連れ込んで夜を明かす話

 フロントで受け取った鍵で扉を開け、中に入った。脱衣場のあるスペースを横切ると、また扉がある。二重扉になっているのは防音対策だろうか。自動精算機が先に支払いを済ませるように急かしてくるが、今は支払いなどしている場合ではない。あなたは自動音声を無視して2つ目の扉を開けた。

 部屋の中はそこそこ広く、スペースでいえば大人二人程度なら普通に寝られるだろうと思えた。あなたが部屋を見渡すと見つかるのは電子レンジやポットといった一般的なものから、天井で光るムーディーなブラックライトやカラオケマシン、マッサージチェアといった変わったもの、更には

 

 「あれって……」

 

 いわゆる「グッズ」を売る自動販売機であった。

 部屋の窓は外が見えないように戸が閉まっており、完全にプライベートな空間を作り出している。なんとなくピンクな内装を見ながら「このままでは雰囲気にあてられてしまうかもしれない」と考えたあなたは思考をそこで打ち切り、自分によりかかったままの「彼女」のことを最優先に動くことにした。

 

 

 「ほら理子さん、ベッドに着きましたよ」

 

 「んん……」

 

 樫本理子。出張で旅立った秋川理事長の代理としてトレセン学園にやってきた女性だ。チームでの対立や彼女の過去など紆余曲折はあったが、驚くべきか個人としてはあなたと樫本は良き同僚・友人のような関係になっていた。

 この日あなたは学園での勤務後、樫本を居酒屋に誘った。それまで牧場やラーメン屋などに一緒に出かけることはあったものの、出先でも酒を飲むところは見たことがなかったからだ。断られることも考えていたあなただったが、樫本は手帳を開き軽く目を通したあと「では、行きましょう」と快く了承したのだった。

 

 ふたりきりの飲み会はなごやかに進んだ。他愛ない近況の話から始まり、トレーナーとしての育成論の意見交換などもしながらも、酒が進むとお互いのプライベートな話に発展し、あなたとしては実りのある飲み会であった。

 「この会話、彼女のトレーニングにも活かせるかもしれない……」といつものひらめき能力を発揮しようとしていたあなただったが、ふと樫本の方を見るといつもと様子が違った。会話に熱中しているときには気づかなかったが、酒が回ってきているようだ。肌は紅潮し、目はとろんとして視線もあまり定まっていないように見える。完璧なようで抜けているところのある彼女だ、酒の飲める自分に合わせて知らずにハイペースで飲んでしまったのだろう。あなたは苦笑しながら「とりあえず今日はお開きにしましょう」と言って会計を済ませ、彼女と店を出た。

 

 飲み会も終わったのだし帰ろうかと駅に向かい始めたあなただったが、一緒に歩く樫本のことがどうも心配になってきた。ふらふらと千鳥足でしか歩けていない。直後転びかけたのを見て、あわてて体を支えた。どう見ても飲みすぎである。

 

 「大丈夫ですか、理子さん」

 

 「ええ……」

 

 彼女の酩酊具合はかなり深そうだ。とりあえず肩を貸してまた歩き始めたが、不安は強まっていった。このままでは危ないかもしれない。運動が苦手な彼女のことだし、駅に着いたらバランスを崩してホームに転落なんてことに。ならばタクシーで送るか?いや、彼女の住所も知らないし、荷物を探るというのもどうも……。

 あなたがうんうん唸りながら悩んでいると、樫本が突然一点を指さして、夢見心地な顔のまま言った。

 

 「休憩しましょう」

 

 

 

 樫本をベッドに寝かせ、自動精算機に戻って会計を済ませたあなたは、ため息をついた。なぜこうなったのか。たしかにこのホテルは彼女が指定してきたものだが、酩酊状態で理解力が欠けている女性をホテルに連れ込むというのは、明らかな送り狼ではないか。いやしかしあのまま彼女を放ってはおけない。一緒に泊まるわけではなく隣にもう一つ部屋も取っているし……。

 誰に向けるわけでもない言い訳を終えたあなたは、樫本の様子を見に部屋に戻った。大きなベッドに寝かせられた彼女はすでに寝息を立てている。あなたは先程とは違い安堵のため息を吐いた。さっさと自分も寝てしまおうとあなたが部屋を出ようとすると、ベッドの方から「う……」と苦しげな声が聞こえた。

 

 「理子さん?」

 

 あなたが声をかけてみるも、樫本に目覚める様子はない。そのまま寝かせていても問題はなさそうだ。しかし、トレーナーとしてウマ娘たちを様々な面からケアするあなたの目には、彼女の表情が留まった。

 

 「色々と、ストレスが溜まっているんだろうか」

 

 樫本の眉間にはしわが浮かび、目はこころなしか固く閉じられていた。まるで、目の前に何か見たくないものがあるかのようだ。

 

 「……」

 

 あなたはそれに悲しさを覚えた。眠りというのは、誰にも邪魔のできない穏やかなものであるべきだ。だというのに、彼女はいまそれを享受することができていない。トレーナーとして……いや、男として見過ごせない事態だ。何か彼女のためにしてあげられることはないだろうか。

 

 

 そう考えると、自然とあなたの手は彼女の方に伸びていた。その手はまっすぐ樫本の額にたどり着き、軽く撫で始めた。

 

 (何やってんだ)

 

 自分の行動に驚き、手を引っ込めようとしたあなただったが、それもすぐ止めた。樫本の表情が少し和らいだように見えたからだ。あなたはしばらく悩んだ末、そのまま彼女の額と髪を撫で続けた。撫でるたびに取れていく眉間のしわを見て、あなたはこれまた無意識に小さな声で歌い始めた。

 

 「ねんねん、ころりよ……」

 

 上司相手に子守唄というのもおかしな話である。しかし、あなたにはこれが最適なように思えた。それがどのような感情からもたらされたのかは、あなた自身にもよくわかっていなかった。

 

 

 やがて、樫本の表情からは険しさが取れ、穏やかな寝息を立てるようになった。自分が役立てたのだろうか。安らかな寝顔を見て安心したあなたは微笑む。

 しかしいつの間にかどうにも眠たい。体を動かすのがおっくうだ。

 

 (眠い……)

 

 今日飲んだ酒が回ってきたのか、自分で歌った子守唄による催眠効果なのかもしれないが、あなたにはこの眠気で隣の部屋に移り、会計を済ませてベッドに移るという行為がとうてい無理なように思えてきた。このまま彼女と同じベッドで寝てしまおうかとも思ったが、それは流石にだめだと理性が告げてくる。段々と不確かになっていく意識を気力でもって動かし、あなたは近くのマッサージチェアになんとか腰掛けた。そして目を閉じるとすぐに寝入ってしまった。

 




 「ん……」

 翌朝、樫本はすっきりとした気持ちとともに目覚めを迎えていた。ここまで快調な朝はいつぶりかも彼女自身に覚えがない。理由もわからないまま不思議な気分であたりを見回した。おめでとう、樫本は眠るあなたを見つけた。

 「……?……!!」

 やってしまった。そういうことなのだろう。なんということだ。私はトレーナーどころか社会人失格だ!樫本は頭を抱え冷や汗を流し始めた。

 「よ、酔った勢いで一夜を共にしてしまうなど……!」

 「あれ、理子さん……?痛つつ……」

 「!!」

 樫本とは違い二日酔いになってしまったあなたが、最悪のタイミングで目覚めてしまった。

 「〇、〇〇トレーナー……っ!」

 「あ、起きてたんですね、昨日は……」

 「せ、責任を取ります!」

 「え?」

 「一夜の過ちとはいえシてしまったことには変わりません、私も社会人です、自分の過失には責任を取らないといけません、まずは書類を用意してから式場を、いやご両親への挨拶、いえ、その前に貴方の意志を確認しないといけませんし……(グルグル)」

 「理子さん……」

 このあとめちゃくちゃ説明した。 おわり

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