ロドスへ侵入!、、、しなきゃよかった 作:アークナイツと東方にドはまり
『頭を撃たれた』
痛い…
痛い痛い…
痛い痛い痛い…
……いたいいたいいたいイたいイたいイタいイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイっ!
脳が破損した
思考が働かない
身体が動かせない
「あんだけ豪語してたわりに一発で死んだな」
「ちょっと隊長っ!俺の間近で撃たないでくださいよ!血が飛ぶじゃないですかっ!」
「ハハッ、すまんすまん、こいつの警戒心が意外と強くてな」
攻撃された
致命的な攻撃を受けた
『死』
死、死、死死死死死死死死死死死死死…
「しかしこの便利屋、なんか可笑しなこと言ってましたね、数穴開けたぐらいでは死なないって。」
「ただの虚勢だろ?頭に穴開けて生きれる奴がこの世のどこにいるってんだ、実際にこうやって死んでるわけだしなぁっ!」
なぜ?なぜなぜ?なぜなぜなぜなぜなぜなぜ?
なぜ撃たれた?
なぜ蹴られている?
「そうですかね…?」
「なんだ?なにか気になることでもあるんか?」
死…死、しshiシ、死?駄目だ、まだ…
『生きなきゃ…』
そうだ、起きなきゃ…
立ち上がらなきゃ…
「いや、確か上の連中、こいつを殺す時は注文付けてませんでしたっけ?」
「…確かに、珍しく燃やし尽くせって念を押してた記憶がありますよ、隊長」
「馬鹿だなお前ら、そんなのどうせこいつが滅茶苦茶反感買っただけのことだろ?
どーせ、自分で片付けられないから俺たちにめんどくさい方法を命令したに決まってる」
治そう
治れ、治れ治れ…
治れ治れ治れ…
「にしては切羽詰まってたような…」
「めんどくせぇこと気にする奴らだなぁ~、ほら、これでいいだろ」
パンっ、パンっ、パンっ
痛覚を感知
肺の損傷を確認
心臓の損傷を確認
これは…『敵の攻撃』だ
「ほら、さっさと次行くぞ、まだ仕事は終わってねぇんだ」
「燃やさなくていいんすか?」
「安い金で働かせる阿保の要望を聞く理由はないな、それにどうせここはすぐ戦場になるんだ。
死体の一つや二つ転がっていようとどうと言うことはねぇだろ、『あー、こちら第3部隊、報告だ、障害は排除した、繰り返す、障害は排除した、よって次の作戦に移行する。お前ら暇なら先に始めてていいぜ』」
…敵だ…敵なんだ…
てててててて、てき…
てきだ、てき…的だ笛だ嫡だ滴だ摘だテキだ
『敵がいる』
「隊長、次はどこだ?」
「あ?お前、作戦案見てねぇのか?」
「俺は難しいこと覚えるのが苦手だ。」
「…毎度のことだが、お前は力が強いのに馬鹿なことが傷だな。」
敵…敵敵敵…敵は…
そうだ、敵は殺す、敵は殺さなければならない!殺して!殺して!殺しつくして…
『…なんで?』
…なんで敵は殺す?
…なんで敵を殺さなくちゃいけないの?
「いいか、一度しか言わないからよく聞けよ」
…思い出した…敵だからだ
敵だから奪う
敵だから奪われる
「現地で先行部隊と合流した後…」
また、奪われるの?
また?また、またまたまた?また奪うっていくの?
また…奪うのか…
「手始めに、便利屋の関係者を殺す」
ふざけるな
「まぁ、多分これには少しでも情報の漏洩を防ぐって意味合いがあるんだろうな」
リーダーである男は歩く、前を向き、ただ普通に歩く。
警戒心もなく、本人からしたらいつも通りの不真面目に、ただ前を歩く。
これがもし、後ろを見ていたり、もう少しの警戒心があったり、自分の上司の言葉にもう少しだけでも違和感を覚えていたのなら、彼は気付けていた。
彼らは気付いたはずだ。
「どちらにしろ、沢山ぶち殺すから変わらないんだがなぁ~」
音もたてずのゆらりと立ち上がる、脳を撃った便利屋と呼ばれる青年に。
しかし、彼らは気付かない。
全ては問題なく終わったと思い込む彼らは生き返ったことにすら気付かない。
だからこそ、これはすでに正しく機能した結末の一つだったのだろう。
「お前ら、暴れてもいいがくれぐれも優先順位だけは間違え…っ!?」
リーダー格の男の後ろにいた四人の仲間は、声を上げる間もなく生き返った便利屋に即死させられた。
一人は首を360度曲げられ…
一人は心臓に穴が開き…
一人はナイフによって脳天一撃…
そしてリーダー格の男はというと、何が起きたかも分からぬまま、抵抗する力を遮るように突進され、地面へと倒れ伏したのだった。
腰首の痛みから閉じた視界に光を入れる。
「あ…あぁ…」
途端、『何が起きたのか』認識できなかった男の表情は、たった『三つ情報』から恐怖の色へと染まる。
動きを止めるために刺した両足のナイフ
男からしたらトドメを刺したはずなのに、生きて馬乗りになる俺。
そして、振り上げた殺意だけが込められた拳。
「死ね」
痛みが教える現実に、理解すら出来ない結果に、予想できる最悪の未来
便利屋は男に考える間も与えず、何度も、何度も、何度もっ!…顔面に向けて拳を振り下ろした。
ごふっ、
がふっ、
かはっッ、
声を上げる暇すら与えず、気絶させる余裕も与えず、逆らう隙すら与えず、振るわれるその拳。
便利屋は正確に、一番頑丈な場所に、何度も殴れるよう、その拳は振るっていく。
あからさまな奇襲であれど、逃げることの出来ない現状をもって、男に実力差を教え込むに充分のものだった。
「ひぃィっ!?許し…」
大きく振り上げた瞬間で、男がとっさに唯一動かせた手を顔の前に出すことで許しを乞う。
が、再度、俺は問答無用でその手ごと殴り始めた。
指の全てが潰れようが、鼻が螺曲がろうが、頬の骨が歪もうが、歯のほとんどが折れようが、唇が裂けにさけ血みどろになったとしても、男の眼球の端が真っ赤に染まろうとも、…
支配的な暴力で、便利屋は男の心に圧倒的な恐怖に叩き込んだ。
「…」
グチャ、
グチュ、
グチョ、
辺りは生々しい音だけが響き渡る。
男の血が粘液性を持って便利屋の手にこべりつくが、反抗する意思を、逃げようとする意思を、謝罪しようとする意思すらをも、許されていないことを悟らせるべく振るい続けるその拳。
気絶できない絶妙な力加減で、与えられる気付けに丁度いい痛みとともに、男に許しがないことを悟らせる。
ドゴっ
ドチャっ、
バギュッ、
この暴行は永遠に渡り行われるんだぞ、と。
この恐怖は怨嗟のように続いていくんだぞ、と。
この最悪はお前らから始めたんだから終わりなんてないんだぞ、と。
『どうすればこの恐怖が止まるのか』
便利屋の狙いなのか、俺は男の思考からそれ以外の全てを放棄させた。
どう謝ればこの地獄は終わるのか
どう償えばこの最悪は消えるのか
どうすればこの状況を変えれるのか
そんな方法なんて実際はないのだが、恐怖を煽ることで男の生存本能に解を導きださせる
生きたいのかすら分からなくなっているだろうが、ひたすらに解を求めさせ続ける。
(こいつはもしかして…全て…聞いていたのか?)
何分たっただろうか?
再度便利屋が拳を大きく振り上げたとき、男はとっさに出せうる限りの大声で叫んだ。
「ざ、ざいじょがらっ!おまへらあっ、ごろすよていだった!」
便利屋の拳が止まる。
「う、うえがらあっ、ほうしろとじかっ!きはさへてないんはっ!ほんどうあっ!」
止まったことで確信を得た思考が全てを話す。
本当であるからこそ、嘘偽りだと便利屋に感じさせないために必死に話す。
「…作戦内容は?」
突如としてされた質問。
これは助かる道への光明か、
男は状況の変化に対してそう喜んでしまい、一瞬だけ答えるのが遅くなってしまった。
「いがぁっ!?」
便利屋は男から余裕を取るため、肘の間接を折った。
人としての心はなく、見たものからはただ修羅としか感じぬよう、180度綺麗に折った。
「アアアァっッ…ッ!」
あまりの鋭い痛みに男は叫ぶ
うずくまることが許されない男は叫ぶしかない
涙と血でぐちゃぐちゃの視界の中、膝見つけられた恐怖が便利屋の振り上げられた拳で戻る。
男に残っていた最後の楽観的思考は壊された
「ご、ごのぢぐをっ!お、おどすこどでっ!ぜ、ぜいふぐするさくぜんだったんあっ!」
「…なぜ?ここだ?狙うなら狙うで他にも適した「え、えいぎょうりょぐでいへあっ!ごこがぁっ、いひばんっ!づよがっあっ!
だ、だかはっ!こほがっ、え、えらばれだんだ!」
「…っ!」
告げられた事実。初めて便利屋が表情に感情を見せた。
「なら…っ!なら何でっ!あんな大層な契約を結ぶ必要があったっ!」
切羽詰まったその表情は、さっきまでとはまるで別物。
あまりに人間らしく、怒りが全てというより、悲しみによるもの。
しかし、視界すらまともに働かない男からしたら、満たされた恐怖でそれに気付けない。
だからこそ、知ってか知らずか、男は便利屋にとって最悪の事実を吐く。
「ゆ、ゆいいづのっ!ふ、ふあんようぞあっ!の、のぞぐのがぎまりぃになぁっであっ!」
便利屋の動きが止まる。
男の言葉は確信をついたのか、便利屋は掴み揺らしていた胸ぐらを止める。
「まさか…全て…俺を殺すために…?」
男は気付かないが、便利屋の表情は無となる
「いや…でも…だとしたら…」
「っ?」
「俺が…?…また、俺が…っ!?」
そして移り変わる悲痛に満ちた表情
「…そうだ…確認…しなきゃ…」
便利屋の呟きは男には聞こえない。代わりに、視界で掲げられた拳の影が写る。
「命は助けてやる、答えろ」
停止した状況と、変わった様子に、未来を期待するだけ。
「それはあいつも知っているのか?」
男は困惑する。便利屋の示すあいつが誰に当たるのか分からなかったからだ。
男が知るのは作戦のみ、ゆえに便利屋に上層部と面識があるかも知らない。
しかし候補はある。
それは便利屋にとって身内とも言える存在。
名義場は便利屋との仲介人である、攻め落とそうとした地区の第一責任者
便利屋が『地区長』と呼ぶもの
だが、先程も言った通り、男が知るのは作戦内容のみ。
誰が関わり、誰が暗躍し、誰が望んだのかなんて知り得ない。
人を殺すことに快楽を覚える男にとってそんなことはどうでもいいことだったのだ。
だからこそ、内にある恐怖で嘘がつけなかった男は素直に答えてしまう。
「知らな」
言い終える前に男は頭はつぶされた。
年相応に鍛えられた拳によって叩きつぶされていた。
幾度の戦場を経験したであろう男の生は、ここで呆気なくも終わりを告げたのだった。
「……あァっ…アぁ…っ!」
そんなプロを容易くも殺めた便利屋は、その死体のうえで汚れた己の手を見る。
「まただっ…また俺は…っ!」
後悔からか、悲しみを嘆くように、苦しみを拭うように、汚れた手で握り拳を作る。
懺悔でもしたいのか、震えた声で嗚咽を吐きながら、何かを守るようにその場でうずくまる。
「もぅ…もうっ……もうっ!」
死にたいほどの罪悪感は、頭を撃たれても死ねない便利屋にとって苦しみ以外の別物ではない。
行き場がないからこそ、それはこべり付き、離れることを許さず、便利屋の心を蝕んでいく。
生き地獄を経験させられる。
死ぬことが許されない彼だからこそ、生きて地獄を経験させられる。
そして、その結果を示すように…
遠くの方で、爆発音が鳴り響いた。
「…行かなきゃ…」
反響した音から距離を無意識にあぶり出し、最悪を予想するも、期待する心から万が一の可能性を視野に入れる。
便利屋は目的だった大金に目もくれず、自分の居場所へと…駆け出した
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では次回をお楽しみに