ロドスへ侵入!、、、しなきゃよかった   作:アークナイツと東方にドはまり

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感想ありがとうございます。



ロドスって、、、怖い

「貴方、、、なんでダクトから出てきたのですか?」

 

不法侵入の言い逃れができない状況。

目の前では"ワイフー"(胸に付けた職員カードより)と言う名の女性が機嫌な目を俺に向けていた。

 

唖然とするしかない現実。

加えて、格好つけて恥を去らしてしまった悲しい事実。

 

「っ、うぐっ、えっぐ、もう嫌だぁぁぁ~~~(泣)」

 

うつ伏せになって顔を隠すほど、俺の涙腺は大崩壊を起こした。

 

「なんなんだよぉっ!あんた、なんでばったり入ってくるんだよぉぉっ(泣)!」

「えっ!?なんで急に泣き出すんですかっ!?」

「ダクトは汚いし虫だらけだしぃっ!上司は上司で無理難題押し付けてくるしぃっ!カッコつけたら運悪く見られるしっ!もう嫌だァァァァっ(泣)!」

「えっ!?えっ!?、、、えっ!?」

「その上、給料が1000とかやってられるかよぉぉぉぉぉぉおいおいおい(泣)」

「と、と、と、取り敢えずっ、な、泣き止んでっ!」

 

無き声が製造所を包む。

一見、端から見ればこの状況はワイフーさんが従業員を泣かしているかのよう。

誰かに見られたなら立場が上な彼女は怒られるに違いない。

 

ワイフーさんはそう思ってか否か、泣き止ませるために不用心にも不審者の俺のそばへと近寄ってしまった。

それが俺の罠とも気づかずに。

 

「ほんとゴメン。」

 

肩に手が触れる瞬間、俺はガバッと起き上がりワイフーさんに抱きついた。

そして、抱きつく瞬間腰から抜き取ったスタンガンをワイフーさんの腰に押し当てる。

 

「ギァッ!?」

 

俺のインナーは絶縁性。スタンガンの電気は彼女だけを痺れさせた。

体重が自分の体にのし掛かる。

 

「お~い、誰だぁ?さっきから五月蝿いギャピッっ!?」

 

俺の泣き声といい、スタンガンの立てたバチバチ音。

奥の方にいた男の従業員がこちらの様子を案の定覗き込んできたので、男なら容赦の必要はないと、回転蹴りを首に喰らわせ気絶させた。

 

「、、、はぁ~っ。」

 

俺は状況打破と安全確保が出来た現実に安堵し、優雅ではない尻餅を付く。

 

「ア"ァあ"ぁ~っ、、、めっっっっちゃ、疲れた。」

 

予定にないさっきの攻防で意外と体力と精神力を結構消費したのか、口から風呂上がりのおっさんレベルに気の抜けた声が出る。

 

「もぉ~、運悪すぎだろぉ~こんなのぉ~っ、」

 

体は無意識と横になってしまった。

 

(このまま寝てしまいたい、、、。)

 

ピピピピピっ♪

「っと、休んでる場合じゃない、さっさと移動しないと。」

 

しかし、監視カメラに付けたジャミング機器の小さいアラームに、さっさとここを脱出しなければと、意識が切り替えさせられる。

 

「となれば、まずはこの二人を隠さないと。」

 

地面に頃がるは気絶した男性職員とワイヤーさん。

このまま放置もいいが、流石にもう少しは自分の存在が

を隠しておきたい。

 

俺は二人を積まれた段ボールの影へと運ぶ。

 

(って、待てよ、ここからは貿易所のより製造所のユニフォームの方がいいか。)

 

ここらからはダクトとかは使わず、まるっきし敵の本部で変装して行動する。

そうとなれば、貿易所のホコリだらけな服装では変な目で見られてしまう。

 

と言うことで、男性職員の服とカードを拝借することとした。

 

「、、、おぉ~、事後みたい。」

 

パンイチの男の隣に、それなりに美人な女性が一人。

自分でやったことだが、流石に男女が夜に行う"アレ"をしたみたいだ。

 

見つかったら大変だと段ボールで隠す俺は相当優しいね。

 

なんとなく達成感に包まれた俺は、より精度の高い変装として、辺りから医療道具と書かれた段ボールをキャリーに乗せて製造所を出た。

 

「こ、こんにちわ~。」

 

一応、通り過ぎ行く人たちに適当な挨拶を交わす。

 

「こんにちわ。あら?その荷物、医療棟まで?大変ねぇ~。」

「い、いえいえ、仕事ですから。」

 

案顔を知られてないから疑われる可能性もあったが、案外大丈夫らしい。

 

(まぁ、仕事場の職員全員の顔と名前覚えてる奴なんてそうそういないか。)

 

不安が晴れると軽くなる足。

 

(よしっ、これならゆっくり行くとしよう♪)

 

余裕が出来た思考はスキップをするほどに調子に乗る。

その姿はご機嫌な従業員。

改めて考えると、このときほどロドスに溶け込んだ時はなかっただろう。

 

(こりゃあ楽勝だぜ、ふっふふ~ん♪)

 

だがしかし、それは間違いなく、してはいけない油断だった。

 

 

「え?」

 

いつもの俺なら気づけたはずだ。

前から歩いてくる剣を持った白銀の狼女は危険だと言うことに。

いくら遠回りになることになっても踵を返さなければならないことに。

 

なにがあったのかって?

 

それはな、丁度通り過ぎると言う所で、あろうことか狼女は、首を跳ねる勢いで自前の剣で切りかかってきたのだ。

 

(、、、、、、あ、っっっぶねぇぇぇぇっ!?)

 

絶体絶命のピンチ。スローモーションのように視界がクリアになる。

が、しかし、スキップをしていたのが功を奏したのか、キャリーごと前に倒れ、後頭部の髪の毛を数センチ失っただけで済んだ。

 

ヒュンっ、と剣の空を切る音と同時に、キュン、と股間が引き締まるのが分かる。

 

(はっ!?殺気っ!?)

 

研ぎ澄まされた股間が背後から命の危機を感じさせる。

 

横に回転すると、殺気まで倒れてたところに剣が突き刺さった。

 

「おや、避けられてしまった、、、。」

(ひ、ヒィィィィィィィィっ!!?!??!!)

 

次の攻撃にもすぐに対応出来るよう慌てて起き上がる。

依頼主の情報にはのっていなかったが、仕事場で剣を持ち、有無を言わさず襲いかかってくる辺りまともな人間ではないだろう。

 

あの阿保どもめ!危険人物まとめられるなら狂人リストもまとめやがれ!

 

「君、何者だい?あ、ボクはラップランドって言うんだ、よろしくね。」

 

ドラマとか本とかで、美人に殺されるなら本望、とか言ってる奴いるが、今なら分かる。

それは両者狂人だから成り立つことだ!俺みたいな常識人にはたまったもんじゃねぇ!

 

「な、なんでいきなり襲ってくるんですかっ!?」

(ちくしょう、バレたのかっ!?バレてしまったのかっ!?)

 

頭をフル回転させて、現状を理解する。

だが、情報が足りなすぎて対処のしようがない。

 

「ん?なんでって、、、分からないのかい?」

(バレた、、、いや、違うはずだ、バレたならもっと大騒ぎになるはずだ、つまりこれは個人事。)

「わ、分かりません、、、。」

 

もしかして気絶させた男がこの人の彼氏だったのか、、、?

 

「君から血の匂いががするからさ。」

(、、、あ、違うわこれ、)

 

良かった~、もし彼氏彼女とかだったら罪悪感で土下座するところだった。

しかし、血の匂い、か、、、

 

「け、怪我でもしてますか?」

「怪我?違う違う、この匂いはそんなのじゃない。

そう、この匂いは、、、人殺しの匂い。」

 

不味い。

 

「君からは私と同様の匂いがする。

この世に生を受けてから死は隣合わせ。

生きるためにはなんでもして、目的のためなら血を流すことを惜しまない。」

 

これは不味い。

 

「でも、君からはどうも不思議な感じがするんだよね。ボクは生まれてこの方、血の匂いを嗅ぎ違えたことはない。なのに君にはこんなに近くまで寄らないと嗅ぎ分けられない。

まるで罪は浄化したかのような感じがする。」

 

非常にこれは不味い。

 

「君は何者だい?」

 

この人の胸がチラリズムしてしまう、、、っ!

 

「、、、し、知りたいのなら、な、なんで斬りかかって来たのですか?」

「剣で語った方が早いだろう?」

 

っと、ハニートラップに引っ掛かっている場合じゃない。

さっさと命のためにも逃げなければ。

 

ラップランドさんは迫ってきたかと思えば、今度は数歩下がり、剣へと手を伸ばす。

 

「わ、私には!貴方が何を言っているか分かりません!

そしてどうやら邪推しておりますが、私はただの一社員です!」

 

このままではまた戦闘へと移行する危険性がある。

相手の流れに呑まれてはいけない。

 

「こここ、こ、この事は!上に報告することになりますからそのおつもりで!」

 

勢いだけで流れを掴む。

 

「それではっ!さよぉーーならっ!」

 

斬りかかられないように、さっさと退散する。

追いかけられないのは幸運で、一つの危機を逃れた俺は、ようやく冷静に思考を保てるようになる。

 

そんな思考が産み出した現状の解答はこうだった。

 

"ロドスって怖い。"

 

 

 

 

 

 

 

「、、、逃げられてしまったね。」

 

ラップランドは苦笑しながらも少し抜けている剣を鞘へと戻す。

そして、徐に懐から携帯を取り出した。

 

「あ、もしもし、ドクター?ボクだよ。」

 

連絡先は自身の上司。

 

「ん?文句は受け付けないぞって?違う違う、テキサスと同じ時間帯に配属してくれたことに文句はないよ。

どちらかと言えば、有り難うとハグをしてもいいぐらいさ。」

 

笑いながら上司と話すその声には、明らかにテンションに比例してうわずんだ様子が見て取れる。

 

「じゃあなんの用事かって?ちょっと面白いことがあってね。報告した方がいいと思って。」

 

その微笑み方にすらその様子は明らかだ。

説明の途中で嬉しそうに笑う姿には流石の上司も疑いをかける。

 

「勘違いじゃないのかって?どうだろうね、それはドクターの判断に任せるよ。ボクは報告の責務を果たしただけさ。」

 

しかし、彼女はそんな疑われることを気にも止めず、話し続ける。

 

「ん、ん、それじゃ、あとは任せるよ。」

 

携帯を握り、新たな戦いに身を投じる期待から彼女は身を震わせる。

 

「あぁ、楽しみだな、あの拭いきれない濃厚な匂い。」

 

静かな熱い殺気は辺りへ巻き散らかされる。

 

「出来るなら戦いたいなぁ。」

 

ラップランドの職員もどきの動きを真似るようにするスキップは、殺気がなければ年相応に少女の姿そのものだった。

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