Ace Combat the DESTINY 『シン・アスカが飛ぶ空』 作:アママサ二次創作
空。青い、空。視界を一匹の鳥が飛んでいく。猛禽類だろうか。プラント育ちのシンには、ただ鳥だとしか認識できなかった。
自分が寝転がっていたようなので、取り敢えずムクリと身体を起こす。自分が何をしていたのか、思い出すことが出来ない。身体を起こして周りを見渡すと、どうやら自分は森の中にいるようであった。ぼうっとした頭のままシンは身体を動かす。
と。立ち上がった瞬間にガツンと頭を殴られたような衝撃が走った。頭の中を映像と音、五感が走り抜けていく。
自分に背を向けるかつて自分が操縦していたモビルスーツと、それに斬りかかるピンクのモビルスーツ。既にシールドごと片腕を失ったモビルスーツにはそれを防ぐ手立てが無くて。
『ルナァァァァ!!』
そうだ。かつて自分が共に戦ったモビルスーツには、自分の大切な人が乗っていたのだ。
だから自分は、それを押しのけて前に飛び出した。そして。
「俺は……死んだ?」
インパルスをかばってコックピットをジャスティスのサーベルで切り裂かれて。自分はディスティニーと共に死んだ、はずで。
「何で、生きてるんだ……?」
思わずそうこぼしたシンは、自分の両手を上げてそれを見つめる。ちゃんとそこにある。それに、その向こうに見える木も空もそこにちゃんとある。
「天国、っていうの? これ」
そう言ってふらりと立ち上がったシンの後ろで、がさりと落ち葉を踏みしめる音が響いた。
「なあ、あんた、てかその背なら子供か。お前、コーディネーターって知ってるか?」
何を意味のわからない事を、とどこか遠く思いながらシンは声の方を振り返る。そしてそこに見知った、けれどもう絶対に見ることが無いはずの顔を見つけて絶句する。一方振り返ったシンのフードの下の顔を見て、後ろに立っていたオレンジの髪を短く刈り上げた人物も息を呑んだ。
「お前……シン、か?」
「ハイ、ネ?」
そこにいたのは。かつてはあんなにも美しく整えられていたオレンジの長髪をバッサリと切って短髪にしているものの、その声と顔は忘れない。死んだはずのモビルスーツパイロット、ハイネ・ヴェステンフルスその人が、そこにいた。
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「ふーん、なるほどねえ」
2人が互いに想像だにしない対面を果たした後。取り敢えずとハイネはシンを連れて下山して麓の街へと移動し、手近なカフェに入った。シンの方はハイネがいることに困惑した様子だったが、いつもどおりすぎるハイネの行動にあっけに取られるままについてきた形になる。
「あの、ハイネ……」
「ん、食わないのか?」
「あ、うん。じゃなくて!」
ガタンッ、と、やはり自分の記憶が間違っているとは思えないとシンは勢いよく立ち上がる。そんなシンに咀嚼していたサンドイッチを飲み込んだハイネは、端的に彼の求めている答えを与えた。
「一回死んでるよ。俺も、お前も」
「やっぱり……俺も……。え……?」
自分の知っている記憶と、今現在自分が対面している事実の齟齬に。そしてハイネの、『シン自身も死んでいる』という発言に、シンは更に混乱してハイネに詰め寄ろうとするが、かつて共に戦ったときにすら見せられたことの無いハイネの引き締まった空気に気圧されて言葉を失った。
(死んだ? 俺が? 確かにあのとき……。でも、今こうやって……。やっぱりここは死後の世界なのか? ハイネもいるし……。でもなんでハイネはそれならそうと言わないんだろうか)
自分の分のサンドイッチを食べ終わったハイネは、混乱しているために食が進まないシンの分のサンドイッチまで軽く平らげる。ハイネが食べ終わる頃にようやくハイネを問い詰める決心をしたシンは顔を勢いよく上げるが、それより先に立ち上がって
「よし、行くか」
と言ったハイネに先を越されてしまった。
「行くって、どこに?」
「お前に色々説明出来る所。何が起きたのか知りたいんだろ」
そう言ってハイネは、先に席を離れて会計に向かってしまう。シンはハイネが奢ってくれたオレンジジュースを慌てて飲み干すと、彼の後を追った。
店を出てすぐに、ハイネの隣に並ぶようにしてシンは尋ねる。
「ハイネ、ここ、地球だよな。ってことは連合の領土だろ? なんでこんなところにいるんだよ」
「シン。これからお前に説明することを聞いたらお前は絶対に『ありえないだろ』って思うはずだ。だから一回で納得させて時間をかけないために、今その証拠のある場所に向かってる。俺の言いたいことわかるか?」
「え、っと大人しく説明を聞けってこと?」
「今向かってる場所につくまでは待っててくれ、ってことだ」
ハイネがそう言うのなら、とシンは取り敢えず黙っていることにした。本来のシンであれば反発したかもしれないが、ハイネはシンにとってもよい先輩パイロットであり、また信頼できる仲間であった。だからこそ反発は少なく、またシンが現状に混乱していること、そしてハイネの纏っている空気が数ヶ月前とは全く異なっていることもシンが強気に出づらくなる要因となっていた。
やがて2人は、街の外れの大きな屋敷に到達する。古い街並みながらも規模としては一般的な民家が多く見えるその街で、広大とも言えるほどの面積を持ったその屋敷は奇妙な違和感を感じさせた。まるで、そこにあってはいけないものがそこにあるかのような。
その門を空けてハイネは扉のところまで遠慮なく進んでいく。そしてドアについていた呼び鈴を鳴らすと、しばらくして扉を開けて初老の女性が顔を出した。
「あら、ハイネ君。今朝到着するというのに遅かったから心配してたのよ」
「お久し振りですレノアさん。パトリック様も?」
「ええ。あの人ったらここには来たくないとか言ってるけど、やっぱり気に入っちゃってるのよ。今は奥でみんなで話してるわ。あら、そちらの方は?」
そこでようやく、レノアと呼ばれた初老の女性が後ろで所在なさげにしていたシンに気づき、視線を向けて尋ねてくる。
「彼は俺と同郷の……同じ艦のパイロットでした。今日こちらにやってきたので連れてきました」
そうハイネが答えると、レノアが痛ましそうに眉をひそめた。
「まあ、その方が。わかったわ、皆にも伝えておくわね。さ、入って」
「失礼します」
レノアにペコリと頭を下げたハイネが、シンを手招きする。ついでに、そこに荷物を置いていたのかドアの隅に寄せられていたトランクを建物へと運び込んでいた。
建物を入ると、外の大きな豪華な見た目とは違って廊下の大きさなどは至って平均的な民家と遜色ないものだった。ただそれを抜けた先には大きな広間が存在しており、その奥には2階へと続く豪華な階段があって吹き抜けになっている。また壁一面には、けっこうな数の扉が設置されていた。
「さてと。皆様に会う前に取り敢えず説明しとくぞ」
こっちだ。そう言ってハイネは、広間の隅、観葉植物の影に隠れるように設置された壁にある入力装置を操作する。するとその隣の壁が上に動き出し、その下にドアが現れた。その隅だけ証明が暗くなっていて見ても気づかなかったのだが、ハイネが装置を操作したときから証明がともりはっきりと見えるようになっている。
その扉を開けてハイネが入るのについてシンも部屋に入る。部屋は広めの書斎のような場所となっており、窓はないものの煌々とした明かりが灯って室内を照らし出している。
「書斎?」
「というわけでもないんだけどな」
そう言ってハイネは壁の一角にぶら下がっていた地図の前まで移動した。それを、シンは地図だと認識できなかった。
ぼちぼち書いていきますこちらも。
トリガーの空を飛ぶ理由がエースコンバット7内で全くはっきりしないので、皆様のアイデアを頂きたいです。文章でいただける場合には活動報告の『エースコンバット アドバイス用』の記事へお願いします。 作戦中のトリガーの行動基準に関して(作戦任務達成のために犠牲はいとわない、とか、仲間と帰ることを目的とする、とか、周囲をよく見て動くべき所へ動く、とか)は、また後日お聞きします。
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飛ぶことが好きだから
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空が好きだから
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自分の出来る方法で軍に勤めているだけ
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戦いが好きだから