子毒をお気に入りしてくれた方を見たのでBNWのWを置いときます
日本ダービー
それを見に来た親子のウマ娘
子の方は来る前、駄々を捏ねていたにも関わらず
レース場を見
出場するウマ娘を見
走る姿を見
流れる熱い実況を聞
見聞したすべてに惹かれた
そして親は言い放った
「こんな泥臭いモンに出ないで、チケット」
親の教育方針は親の嫌う全てを見せることだった
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事実、親の影響は子に継がれる
ウィニングチケットは
レースを嫌い
ウマ娘を嫌い
実況を嫌い
騒ぎ立てる観客を嫌い
走ることを拒絶した
それは血の繋がり故だが、言いつけもあった
だが、他のウマ娘を嫌ってしまった故にバスケやサッカーなどのチーム競技には向かなかった
そこでの親の発言は酷かと言えば、人によるか
「じゃあ、チケットはなんでウマ魂を授けたのかしらね?」
ウマ娘はヒトより優れた存在だからこそ名を残せるものだが、毛嫌いしてはその夢も潰える
無論、そう育てあげたのは親であるが、脳も体も成長してない子らに制御しろとは酷というものだ
親の自業自得、しかも無自覚というものだから
無知は罪というものか
”ならば走らせよう”
そういった結論はまたしても親だった
レースなら個人競技だ
チームを組む必要はない
踏む芝の感覚は我慢しろ
ヒトやウマ娘の歓声は耳を塞げ
徹底的に叩き込まれたウィニングチケットの姿はもはや、ガワの可愛らしい姿とは裏腹にボコボコと嫌悪を煮え滾らせていた
踏む芝は身の毛がよだつウジに見え
歓声は雑音
実況なんて以ての外だ、耳鳴りが酷くなる
果てにはなぜ、自分がこの場にいるのか、疑問が頭を占めるほどに
「チケット」
自分を心配するように、観客席から声がした
「……何?」
「帰ったらすぐお風呂入ってね、汚いから」
「……わかった」
女性の言葉は、もう聴こえない
”本日の日本ダービー、天候に恵まれ各ウマ娘も意気揚々とゲートに向かいます”
あれほど忌み嫌った日本ダービーに、自分はいた
”本日の注目はBNWの三バですかね”
ただ走っていただけで、BNWと持て囃された
気分が悪くなる
”Bのビワハヤヒデ、Nのナリタタイシン、Wのウィニングチケットですね!”
気持ちが悪い、こんなヤツらと並べるな
”さぁ各ウマ娘、ゲートに収まりました”
さっさと終わらせたい
明日が、明後日が、終わった未来が待ち遠しい
死にたい
”さぁ今スタート!”
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”ウィニングチケット!今1着でゴール!素晴らしい熱戦でした!!”
黙れ、雑音
”ビワハヤヒデの粘りのある直線を退き、外側からのナリタタイシンを抑えての1着でした!”
ビワハヤヒデは頭を下に向け、唸る
ナリタタイシンは遠くを見、呆然としていた
「チケット、こっちに寄らないで。汚いわ」
わたしはひていされつづけている