天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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molecular weight of Hexanol=102話

エボルト「長かった…ここまでくるのに11年もかかっちまったなぁ」

 

ついにエボルトは仮面ライダーエボル、コブラフォームとして覚醒を果たした。その身体から溢れ出すエネルギーは死柄木やデストロの本能を震撼させる。

 

死柄木「それが…本当の力ってわけか」

 

エボルト「試してみるか?」

 

死柄木「望むところだ」

 

死柄木は猫のように素早い動きでエボルトに襲いかかる。数ヶ月はろくに休むことすらままならないままマキアと戦い続けた。そんな極限状態で死柄木の人間としての身体能力は大幅に上がっている…はずだった。

 

エボルト「どうしたどうした?そんなんじゃ俺には勝てないぞ?」

 

エボルトは地球外生命体。そんな彼に人間の枠組みに囚われた彼の攻撃はひょいひょいとかわされる。触れられれば勝ちなのに、全く触れない。

 

死柄木「クソッ、コイツ…!」

 

スターク時代に一度だけ戦ったことはあるが、その時はまだ通用しそうな気がしていた。しかし今の彼は戦いにすらなっていない。まるで空気を手で捕まえようとしているようだった。

 

エボルト「流石にこれじゃあ面白くないなぁ。ハンデをやるよ」

 

そういうとエボルトは避けるのを急にやめ、死柄木の右腕をガシッと掴み、彼の手のひらを胸に当てがった。

 

エボルト「お前も知っての通り、俺に"崩壊"は効かない。何故だか分かるか?」

 

死柄木「…どうでもいい。手ェ離せ」

 

死柄木は振り解こうとするも、まるで埋め込まれているかのように手が動かない。

 

エボルト「お前やオーバーホールの"崩壊"が俺に効かないのは、触れられた瞬間にその部分の細胞だけを分離させたり、そもそも身体の細胞を流体化させたりしているからだ。死柄木といえど水を"崩壊"させることは難しいからなぁ。とはいえ、前者の方法だとごくわずかだが俺にダメージが入る。ほんの少しとはいえ細胞が消えるわけだからな。」

 

死柄木「聞いてもないのに長々と…何がしたい?」

 

エボルト「まあそう早るな。今からゲームをしよう。お前の"崩壊"と俺の攻撃、耐えられなくなった方が負け…どうだ?いいゲームだろ?しかも特別サービス付きだ。俺はデコピンで済ませてやるよ」

 

死柄木「クソ野郎…!」

 

怒りの影響からか、どんどん崩壊の威力が上がる。しかしエボルトにはほとんど効かない。ジワジワと攻撃が入っているはずだがその感覚すらない。

 

エボルト「じゃあまずは一発目だ!」

 

死柄木「グァァァァァッ!」

 

エボルトは右手で死柄木の左腕を軽くデコピンで突いた。その瞬間、まるで狙撃銃で貫かれたかのような痛みが身体に走った。肩付近の骨は砕かれ、脱臼を起こしている。

 

エボルト「ホラ、もう一発!」

 

今度はおでこに向かってデコピンを撃ち込む。

 

死柄木「ウグ…頭が…ッ!」

 

頭蓋骨を撃たれた衝撃か、記憶が蘇る。死柄木弔ではなく、志村転弧だった頃の記憶が。物理的な衝撃と精神的な衝撃で頭がイカれてしまいそうになる。

 

エボルト「おっと…流石に手加減はしてやらなきゃなァ。まだ死なれちゃ困るんだ」

 

死柄木「ゴファッ…ガハッ…ゴホッ…」

 

エボルトは軽口を叩きながら腹部に二度ジャブを入れる。デコピンだけという縛りルールを破ってしまったが、そんなことを気にするほど死柄木は正気ではない。今はただ、トラウマと痛みで気絶しそうになっているのを強制的に攻撃で起こされ続けている。気が気ではない。

死柄木の頭の中には走馬灯が駆け巡っていた。

 

死柄木(あぁ…昔もこんな理不尽あったっけな…)

 

ヒーローを見てはいけない。自己を否定する父親。あの家も家族も…全部嫌いだった。だから俺は…全て壊した。気に入らないもの全て壊してきた。…そうか。簡単だ。こんな理不尽…

 

死柄木「…全部ぶっ壊せばいい…」

 

薄気味悪いニヤけた面で口から溢れたその言葉がトリガーになった。

 

エボルト「なんだ…?破壊のスピードが上がってる…?」

 

それは"個性"の覚醒を促す。凌げていたものが凌げなくなりつつある。高々フェーズ1ではあるが、エボルトの再生力に拮抗するほど極めた"個性"の力…。それを体感して確信した。

 

エボルト「そうか…!ようやく()()()()()()()4().()0()()()()()かァ…死柄木弔!!!」

 

エボルトは掴んでいた死柄木の腕を離し、腹部を蹴飛ばした。死柄木はいくつもの建物を貫通しながら吹き飛ばされる。しかしエボルトはそんな彼を気にも留めず高笑いし続け興奮していた。

 

デストロ「素晴らしい力だ…!たった一蹴りでそこまでの力を…!」

 

エボルト「ま、これは本来の力のたった2%にすぎないがな。」

 

デストロ「…君が仲間で良かったよ」

 

デストロはエボルトに歩み寄る。こんな破壊兵器が敵だったら…それだけでまさにストレスだと、そう思っていた。

 

エボルト「仲間…?俺はお前たちの仲間になった覚えはない。あくまで互いの利益のためだと言ったんだ。俺はこいつが手に入った今、解放軍なんかどうでもいい。」

 

エボルトはベルトをトントンしながらそう言った。その言葉にデストロは肩を震わせる。

 

デストロ「なっ…君はヴィラン連合を裏切り我々解放軍の味方につくと…」

 

エボルト「俺はそんなこと口にした覚えはないんだがなぁ?」

 

デストロ「…まさか…裏切るというのか…!」

 

デストロの身体がだんだん大きくなっていく。次第にストレスは膨れ上がる。100%のストレス解放と同時に彼は戦闘体制に入る。

嘲るエボルトにストレスが溜まる。しかし確かにデストロはエボルトが味方につくなどと言葉にしたことはなかった…。最終的にお茶を濁されたのは覚えているものの、協力してくれたのは事実で、ヴィラン連合をここまで追い詰めたのも事実だ。だが…裏切り者には罰をつけなければならない。

 

デストロ「150%!負荷増幅鋼圧機構!クレストロ!!!」

 

彼が秘密兵器を起動し装着。荷重ストレスと高密度エネルギーで強化された巨大な拳をエボルトに振るう。しかしそれをエボルトは左手で抑えのける。

 

エボルト「死柄木に死なれちゃ困るが、お前にはもう用済みだ。少しくらい暴れたってイイよなァ?」

 

そういうと、エボルトは左手でガシッとデストロの拳を抑えつけながらエボルテックレバーを回す。すると右足に星座早見盤を模した領域が展開。空間ごとエネルギーをその右足にギュッと圧縮する。

 

デストロ「やっやめろッ…離せッ…!!!」

 

第九のメロディーが響き渡る。鼓動が波打つ。彼には逆らってはいけない。根源的恐怖。いや、恐怖なら私もパワーに変える。なのに何故私はこんなにも…このイかれた狂気に、全てに自由をもたらす破壊力に、魅入られたしまっているのだろうか…

 

【Ready Go!!!Evoltex Finish!!!Chao!!!】

 

死の宣告が流れてからは一瞬だった。右足に溜まったエネルギーをエボルトがライダーキックと共にはるか彼方へと蹴飛ばした。初速はマッハを優に超える速度だ。衝撃も凄まじい。もはや生き死にも分からないが、まあどうでもいい。このベルトを復元しただけでもう彼の役割は終わったのだ。

 

エボルト「はぁ…これだから人間は愚かなんだ。言ってもいないことを勝手に信じ込み行動する。お前よりかは死柄木の方がマシだな。」

 

ぱんぱんと手をはたきながら吹き飛ばした死柄木の方へと歩いてゆく。

 

まさに他を圧倒する力。ヴィラン連合も解放軍も小さく見えてしまうほどの強大な力を身をもって体感した。間違いなく殺される。このバケモノに…。そう思った瞬間、地面に強烈な地響きが周囲を襲った。

 

エボルト「ん?なんの音だ…?」

 

エボルトは音のした方向を見る。そこにいたのは…地を這う悪魔、ギガントマキアだった。

その巨体はもうわずか数キロの距離にまで迫っていた。異能解放軍と数多のトゥワイスがあのバケモノに対抗しているが、それを無視してここまで歩んでいる。

 

エボルト「さて…どうしたもんか…」

 

死柄木はもうまともに戦闘できる状態ではない。とはいえアレを止めなければ死柄木はピンチだ。

 

エボルト「ドクター。こういう時はどうすりゃいいんだっけ?」

 

ドクター『んー本来ならハザードレベル4に達した死柄木とギガントマキアを戦わせる算段じゃったが…。幸い死柄木は気絶しておらんみたいだし、少しすれば戦えるようにはなるだろう。少しは手を貸してやれエボルト。』

 

エボルト「やれやれ…手のかかるやつだなぁ…」

 

彼ははぁ…とため息を吐く。まあ仕方ない。これもギガントマキアに死柄木を認めさせるためだと自分に言い聞かせる。

 

ドクター『くれぐれも善戦程度にしとくんじゃぞ。お主が後継として認められては意味がない』

 

エボルト「分かってるって。」

 

エボルトはブチッと通信を切って通信機を握りつぶした。指示されたのが少しムカついたのだろうか。いずれにせよ面倒なことになったのは間違いない。

 

エボルト「ま、気楽に行こう!幸い、ここには今誰もいないみたいだし…少しはリハビリと行くか。」

 

そう言って取り出したのは蒼き龍のボトルだった。

 

Dragon!!!Rider System!!!

Evolution!!!】

 

コブラのボトルの代わりにドラゴンエボルボトルを刺してエボルテックレバーを回転させる。龍の口が上下に動くと同時にEVライドビルダーが展開。青のドラゴンハーフボディと元のベースボディが黒い霧と共に展開される。

 

【Are you Ready?】

 

エボルト「変身」

 

その掛け声と共にライドビルダーが合体。身体中が青黒い霧に覆われると同時に金色のフレームが自転する。

 

Dragon!!!Dragon!!!Evol Dragon!!!

フーッハッハッハッハッハ!!!】

 

そこに現れたのは、クローズのような素体を持つ禍々しきエボルトがいた。仮面ライダーエボル、ドラゴンフォームの降臨である。

 

エボルト「フェーズ2…完了…!」

 

マスクの下で龍が微笑んだ。

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