万丈「もし三羽ガラスとかがいたら3本持ってたりするかもな!」
戦兎「もし他のビルドメンバーがロストフルボトルを持ってたとしたら、ロストフルボトルが10本存在することに…。nascitaに行った翌日に出会った紗羽さんもロストフルボトル持ってたしあり得るかもな。」
万丈「だったらアイツらが何してるか探ればいいんだろうけど…アイツら何してっかわかんねえし、そもそも生きてるかどうかもわかんねえしなぁ。」
戦兎「そりゃ生きてはいるだろ。多分かずみんたちは北都…じゃなくて、東北の方とかで畑耕してんだよ。元々農家だったし。」
万丈「だったら行こうぜかずみんとこ!」
戦兎「行くわけないでしょうが!第一行ったとしても俺らのことわかんないだろ?」
万丈「確かに…。」
戦兎「まあアイツらはアイツらで元気にやってるよ。ってなわけでどうなる第11話!」
In(59880)≈11話
相澤「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった。」
とある日の午後12時50分。相澤から本日の訓練となる人命救助訓練についての概要を聞かされた。今までの戦闘訓練とは異なる救助訓練。生徒達はガヤガヤと騒ぎ始めるが、相澤の睨みによってすぐに静かになった。
相澤「今回、コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始。」
相澤はそう言って手元にあるボタンを押す。コスチュームが壁から出てきて、各々必要に応じてコスチュームを取り、更衣室へと向かった。
もちろん戦兎はコスチュームなど必要ない…というより持っていないのだが、とりあえず体操服ではなく、いつものトレンチコートだったりスニーカーだったりを身につけている。彼曰く『体操服よりこっちの方が天才感が出る』とのこと。
飯田「バスの席順でスムーズに行くよう番号順に2列で並ぼう!」
飯田は張り切ってホイッスルを吹きながらみんなに指示していた。しかし残念ながらバスの座席は二つずつ並んでいるタイプではなく、飯田の行為は意味がなかった。そんな中、蛙吹が緑谷に話しかけた。
蛙吹「私思ったことをなんでも言っちゃうの緑谷ちゃん。」
緑谷「あ!?ハイ!?蛙吹さん!」
蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの“個性"、オールマイトに似てる。」
突然“ワン・フォー・オール"の核心を突いてきた蛙吹。緑谷はギョッとして冷や汗を流す。
戦兎「確かに…。パワーという点でも似てるけど、“個性"に準拠してないボトルが生まれるって意味でも2人は共通してる…」
緑谷「ボ、ボトル?」
戦兎「ああ、もう知ってると思うんだけど、俺は“個性"から抽出した成分が入ってるフルボトルで戦うんだ。そのフルボトルは基本的に特定の“個性"に反応して、その"個性"に準拠した成分が抽出されるようになってる。」
戦兎はラビットフルボトルを手に取りながら説明する。
戦兎「でもオールマイトと緑谷だけなんかおかしいんだよ。2人は基本超パワー的な増強型の“個性"…。抽出されるならゴリラフルボトルとかが適切だ。でも何故からオールマイトからはスパイダーフルボトル、緑谷からはヘリコプターフルボトルが生成された…。」
今度はスパイダーフルボトルとヘリコプターフルボトルをポケットから取り出した。
切島「確かに共通点もあるかも知れねえけど、オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるアレだぜ。しかし増強型のシンプルな“個性"はいいな!派手で出来ることが多い!俺の"硬化"は対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなぁ。」
緑谷「僕はすごくかっこいいと思うよ!プロにも十分通用すると思うし。」
切島「プロなー!やっぱヒーローも人気商売みてえなところあるぜ!?しかしまあ、派手で強えっつったら轟と爆豪、あとは戦兎だよな!」
芦戸「『変身ッ!』ってやって変身するの、さらにヒーロー感あって人気めちゃくちゃ出そうだよね!」
蛙吹「逆に爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ。」
蛙吹がそう言った途端、爆豪が身を乗り出してきて反応した。
爆豪「んだとゴラ!!!出すわ!!!」
蛙吹「ホラ。」
上鳴「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ。」
爆豪「テメェのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
戦兎「お前もそこまでボキャブラリーないだろ?『コラ!』とか『殺すぞ!』とかばっかだしな〜。」
瀬呂「確かにそれしか言ってねえ!」
爆豪「うるせえ醤油顔!テメェらもぶっ殺すぞ!」
緑谷は雄英生徒や戦兎たちに爆豪がイジられている様子を見て、驚きが隠せなかった。
八百万「低俗な会話ですこと。」
麗日「でもこういうの好きだ私!」
飯田「爆豪くん君本当口が悪いな!」
爆豪達がギャーギャーと騒ぎすぎたのか、相澤先生がついに口を開いた。
相澤「もう着くぞ。いい加減にしとけよ…。」
「「「ハイ!!!」」」
ドスの効いた低い声でそう言う相澤。バス内は多少静かになったものの、お喋り自体が止むことはなかった…。
「「「すっげーーー!!USJかよ!!?」」」
バスに乗ることしばらくしてついた施設はあらゆる設備が存在しており、その規模に生徒達は驚かざるを得なかった。
13号「水難事故、土砂災害、火事…etc.あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も…
(((USJだった!!!)))
災害救助で目覚ましい活躍をするスペースヒーロー、13号はそう語った。
麗日は特に彼女に憧れや尊敬の念を抱いているようである。
相澤「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせのはずだが…」
13号「先輩、それが…通勤時に
相澤「不合理の極みだなオイ。」
相澤はオールマイトに呆れてため息を吐くも、「仕方ない、始めるか。」と仕切り直した。
13号「えー始まる前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ…」
どんどんと増えていく小言の数に生徒の顔がどんよりとしてきた。
13号「みなさんご存知だとは思いますが、僕の“個性"は"ブラックホール"。どんな物でも吸い込んでチリにしてしまいます。」
緑谷「その"個性"でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」
13号「ええ。しかし簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそう言う"個性"がいるでしょう。」
その言葉を聞いて戦兎は青羽のことを思い出す。人を助ける為に使うと誓った力で人の命を奪ってしまうというあの悲劇を。
13号「超人社会は“個性"の使用を資格制にし厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる"いきすぎた個性"を個々が持っていることを忘れないでください。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転!人命の為に“個性"をどう活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。救ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。以上!ご静聴ありがとうございました!」
13号は語り合えると深々とお辞儀をした。生徒たちからは『素敵!』や『ブラボー』のような声が上がり、戦兎も改めてヒーローとは、仮面ライダーとはどうあるべきかを考えさせられた。
相澤「そんじゃあまずは…」
相澤が話し始めようとしたその時、USJ中央の噴水近くに突如として黒くて小さなモヤのある球体が現れた。それは段々と広がり、その中から手のようなものがズイッと飛び出す。その違和感を感じた相澤。咄嗟に
相澤「一かたまりになって動くな!!!」
と言い放った。突然のことに生徒達が戸惑い始めた瞬間、それは急速に広がり、そこから大勢の人がゾロゾロと出てきた。
相澤「13号!生徒を守れ!」
切島「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
相澤「動くな!あれはヴィランだ!!!」
ゴーグルを着用し、真剣な顔つきでそう言った。
そこにいたのは途方もない悪。戦兎が幾度となく感じてきた悪意そのものだった。
黒霧「13号にイレイザーヘッドですか…。先日
死柄木「どこだよ…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…。オールマイト…平和の象徴…いないなんて…。子供を殺せば来るのかなぁ?」
ニタっと不気味に笑む死柄木。
彼の悪意はまだ幼く、まるで赤子のような、それでいてなにか悪寒が走るような悪意であったように感じられた。
切島「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!?」
八百万「先生、侵入者用センサーは?」
13号「もちろんありますが…!」
轟「現れたのはここだけか学校全体か…。なんにせよセンサーが反応しねえなら向こうにそういうことができる奴がいるってことだな。」
戦兎「携帯もダメだ。全く繋がらない。おそらく電波の対策もされてる。」
ビルドフォンで通信を試みるもできない模様。流石にビルドでもコレばかりはどうにもならない。
相澤「13号!避難開始!上鳴、お前なら連絡できるかもしれないからとりあえず試せ!」
上鳴「了解ッス!」
緑谷「先生は!?一人で戦うんですか!?イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の“個性"を消してからの捕縛だ!正面戦闘は…」
相澤「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」
そういうと相澤はみんなを残して一人、ヴィランの大群の中に飛び込んでいった。流石プロヒーローと言ったところか、一人でも有象無象の敵を殲滅していく。
上鳴「やっぱ連絡できねえ!戦兎とおんなじで建物の外に行くと電波がシャットダウンされちまってどうにも…。」
13号「外からの支援は絶望的ですか…」
上鳴の報告を受け、この状況をプロヒーロー2名、生徒21名で乗り越えなければいけないと多くの人が悟った。が、戦兎は違った。
戦兎「だったら物理的に脱出すればいい。」
戦兎はビルドドライバーを腰に巻き、フルボトルを2本取り出した。
【Panda!Rocket!Best Match!!!Are you ready!?】
戦兎「変身!」
【ぶっ飛びモノトーン!!!ロケットパンダ!!!イェーイ!!!】
戦兎は仮面ライダービルド、ロケットパンダフォームへと変身すると、左腕を上に上げ、左肩のBLDロケットショルダー、左腕のスペースライドアーム、左手のBLDロケットグローブのロケットパーツを全て合体させて
13号「凄いです戦兎くん!そのまま…」
その時だった。戦兎の頭上付近に宙に黒いモヤが出現。ちょうど戦兎がそこを通過しようとした時、そのモヤから黒くて太い腕がズバッと飛び出し、戦兎の首を掴み引き摺り込んだ。
相澤「しまった、一瞬の瞬きの隙に…!」
黒霧「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこのヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして。」
そのまま黒霧は下方の生徒達の元へ行き、そう宣言した。
一方で戦兎はと言うと…
死柄木「おいおい威勢のいいガキ。今脱出されたら困るんだよ。」
引き摺り込まれた後、なんとかその黒くて太い腕からは逃れたものの、敵に四方八方を囲まれてしまった。
死柄木「お前も聞いてただろ?俺たちはオールマイトを殺しにやってきたんだ。」
戦兎「そんなことはさせない!俺たちが阻止する!」
死柄木「ヒーローの卵…かっこいいなぁ。しかしコイツを見てもそんな大口が叩けるか?対平和の象徴、改人"脳無"!」
死柄木がそう言った途端、3mのある巨体を持つ脳がむき出しの敵、脳無が戦兎を襲い出す。
途方のない悪との戦いが再び幕を開けた瞬間だった。