万丈「俺もわけわかんなくてよ。俺の今のおふくろにボトルを近づけたら龍の形のレリーフ?みてえのが出来上がって、さらに親父に近づけたら青い粒々が出てきてフルボトルになったんだ。」
戦兎「ちなみに両親の"個性"は?」
万丈「おふくろは火を吹くし、親父は鱗みてえなのが生えてるな。ってそんなことはどうでも良いだろ!」
戦兎「どうでも良くねえよ。なるほど、2人から半分ずつエレメントを抽出できるのか。興味深い。」
万丈「あーもう話進まねえ!俺が進めるぞ!」
戦兎「あーちょっと待って!」
万丈「そんで雄英高校の入試の日にラビットフルボトルとタンクフルボトルを持ってる戦兎に遭遇したってわけで…」
戦兎「ところでなんでお前は存在できてるんだ…?」
万丈「それは本編みろよ。ってことでどうなる第二話!」
戦兎「あーそれ俺のセリフ!!!」
∫exp[-πx²/4]dx=2話
戦兎「で、なんでお前は存在出来てる?お前は存在しちゃいけないはずだ。」
万丈「おいそりゃどういうことだよ!俺には生きる権利すら与えられねえってのか!?」
万丈は戦兎を追い詰める。ちなみに現在地は雄英高校の校門前だ。
戦兎「そういうことじゃねえよ。新世界を作った時にお前の記憶は失われてなきゃいけない。俺と違ってお前はエボルトがいてもいなくても…いや、ちょっと待て、そうか、お前はエボルトの遺伝子を生まれた時から持ってたな。だから元々生まれるはずだったお前と今のお前は別個体として認識されているのか!」
万丈「俺には全くわかんねえ…。てか今から入試だろ?勉強とか実技とか大丈夫なのか?」
やれやれ、と言う顔をしながら万丈は本校舎へと足を運びながらそう言った。
戦兎「俺を誰だと思ってるんだ?天ッ才物理学者の桐生戦兎だぞ?勉強とか朝飯前だな!」
万丈「自分で天才とか言うんじゃねえよ気持ち悪い。ってか実技どうすんだよ。俺が"個性"持ってねえってことはお前も持ってねえよな。」
戦兎「ライダーシステムがあるだろ?ライダーシステムが。」
そう言って戦兎はビルドドライバーを取り出した。
万丈「あ〜なるほど。じゃねえよなんで持ってんだ。俺が新世界に来た時には持ってなかったぞ!」
戦兎「自分で作ったに決まってるでしょうが。いや〜大変だったんだぞ?この11年間、遊ぶ暇もなく研究部屋とかドライバーとかを作るの。しかも数少ないお小遣いと材料で無駄に時間かかったし…」
ビルドドライバーに頬擦りをし、自分の発明品にうっとりとしながら自慢げにそう言う戦兎。
万丈「あっそ。ってことは俺のベルトとクローズドラゴンもあるんだな?くれよ。」
そう言いながら手を差し出し、物欲しそうに戦兎を見る万丈に戦兎は
戦兎「いや、ないに決まってんだろ。そもそもお前がいるって思ってなかったしそんなもん作ってねえよ。」
と呆れた顔で言い放った。
万丈「じゃあどうやって戦えって言うんだよ!」
戦兎「そのドラゴンフルボトル持って最初みたいに殴って戦いなさいよ。相手はガーディアンみたいなもんなんだからいけるっしょ。」
万丈「それもそっか。」
戦兎「ま、その前にお前は筆記で落ちるかもな。じゃ、頑張れよ」
そう言って戦兎は万丈の前を歩いて入試会場へ向かった。
万丈「俺だってやるときはやるんだよ!!!」
戦兎「やる時はって、ズボンのチャック全開で言われてもな〜」
万丈「マジかよ!?」
万丈は自分のズボンのチャックを確認する。案の定社会の窓が全開であった。そんな馬鹿丸出しの万丈に周囲の人は笑ったり、『アイツ落ちるわ』などという冷やかしの目を向けられていた。しかし万丈はそのことを気にする様子もなく
万丈「いつから開いてた!おい待てよ戦兎ぉぉぉ!!!」
と叫んで戦兎の後をつけて行った。
戦兎side
戦兎「えーっと、実技試験会場はAか…。ここだな。」
筆記試験を余裕で終えた戦兎はビルドドライバーを腰に巻きつける。そしてポケットから2本のフルボトルを取り出して、シャカシャカと振りながら会場へと向かっていた。難解な数式を纏う彼に皆が注目している。
戦兎「さあ、実験を始めようか!」
そして彼はそのボトルを交互に刺す。
【Rabbit!Tank!Best Match!!!】
ベルトから待機音が流れ、戦兎は
【Are you ready!?】
戦兎「変身!!!」
その掛け声とともにスナップライドビルダーが戦兎に向かって合体した。それと同時に見ていた人々は驚きざわめく。
【鋼のムーンサルト!!!ラビットタンク!!!イェーイ!!!】
戦兎「勝利の法則は決まった!」
仮面ライダービルドこと桐生戦兎は右手で右複眼をなぞった後、指を兎の形にして開いた。新世界に仮面ライダービルドが再誕したが、あまりの場違いさと変身音のひょうきんさに周囲の人々はみんな、呆然として彼を見つめていた。
戦兎「ちょっと何ぼーっとしてんの。せっかく正義のヒーロー、仮面ライダービルドが再誕した瞬間なのに。」
周りの人を指さしながらそういう戦兎に1人の少年が向かっていった。髪の毛がつんつんしていて年中苛立っていそうな少年、爆豪勝己である。最近緑谷出久に反抗されていたからか、あるいは緑谷が雄英の試験を受けるからなのか、はたまたただ戦兎の場違いなうるささに我慢できなくなったのかは分からないが、とにかくストレスを発散しようとしているのだろう。
爆豪「おいてめえ!!さっきからうっせえんだよ!!!少し黙ってーー」
プレゼント・マイク「ハイスタートォォォ!!!」
爆豪が戦兎に迫り文句を言い終わる前にこちらも場違いな爆音で開始の合図がなる。
戦兎「スタートだってさ。あんまりストレス溜めてると将来禿げるぞ。じゃあな」
そう言って戦兎は爆豪の頭をぽんぽんと軽く叩いた後、
爆豪「あのボトル野郎ッ…!!」
その一言を残して爆豪は自身の"個性"、爆破を使って前線へと飛び出していった。
戦兎「おっ、早速一体目発見!」
1Pのロボットを発見した戦兎は右脚のタンクローラーシューズのキャタピラー部分でロボットの装甲を剥ぎ取り、左腕でロボットの中枢にまでダメージを与え破壊する。
戦兎「さっすがビルド!思ってたよりも手こずらなかったな。」
と言って左脚で3P仮装敵を吹き飛ばす。流石にガーディアン同様にロボット相手に苦戦する様子も見られず、手玉に取るようにロボットを着々と破壊していく。気づけば開始4分で35Pまで来ていた。
戦兎「そうだ、これの調子も試さないと。」
戦兎がそう言うと、ビルドドライバーからパイプが出現し、ビルドの武器であるドリルクラッシャーが生成された。
戦兎「おっ、ちょうどいいや。そこの2Pにッ…!」
偶然そこにいた2P仮装敵の装甲をドリルクラッシャーで貫く。さらにドリルを回転させながら引き抜くと、簡単に仮装敵は破壊されてしまった。
戦兎「うん、コイツもバッチリだ!さっすが俺!」
うっとりしながらドリル型の刀身を逆向きにコネクトランサーへ差し込み、ガンモードへ切り替え、そこにいた1P仮装敵へ連射。貫かれた仮装敵はボロボロに崩れ去った。
戦兎「これで38Pっと。このペースでいけば確実に合格は出来るな。あとは万丈の方だけど…」
その時、地面が大きく揺れた。周囲の人は慌てふためき逃げてゆく。人々が逃げてきたその先に超巨大ロボット、ロボ・インフェルノが立ちはだかる。
戦兎「おっとと。なるほど。ついにお出ましってわけか。それにしてもデカイな…。どっから金が出てんだあれ…?」
エボルトとの戦いを制した戦兎には恐怖よりも大きさや値段の方が気にかかる対象となっていた。戦兎はビルドドライバーやその他もろもろの材料費のせいで金欠なため、むしろ値段の方が気になるようである。
戦兎「いや、それよりアイツを倒さないと。ポイントがなくてもみんなの邪魔になってるし…」
その時、戦兎は一人の少女を見つけた。巨大な瓦礫に阻まれ、逃げる場所がなくなっていた。耳郎響香である。耳郎を見つけた戦兎はすぐに駆けつけた。
戦兎「おいお前!大丈夫か!待ってろ!今助けてやる!」
耳郎「いや、あんたこそ逃げなよ!ここにいたらあんたまで…!」
戦兎「だからと言って助けない理由にはならないだろ!」
戦兎はドリルクラッシャーで瓦礫を崩し、耳郎を救出した。しかしロボ・インフェルノはもうそこまでやってきている。
戦兎「とりあえずお前は危ないから逃げてろよ!俺は今からアイツを倒す」
耳郎「倒すってどうやって…!?」
戦兎「まあ任せときなって。」
そう言うと戦兎はボルテックレバーを回した。そして右足で思いっきり地面を踏み抜く。突然いなくなった戦兎に耳郎は驚いたものの、すぐに地面が上昇してきて戦兎が出現。それと同時に座標が出てきてロボ・インフェルノはx軸に固定された。
【Ready Go!!!Vortex Finish!!!イェーイ!!!】
ジャンプして空中でキックの構えに入ったのち、グラフの形に沿ってロボ・インフェルノに突進する。右足のキャタピラー、無限軌道装置を回転させて装甲を剥ぎ取りながらロボ・インフェルノを自身の体で貫いた。貫かれたロボ・インフェルノは故障し爆散。周囲にその残骸が撒き散らされた。
耳郎「すっご…。」
戦兎が着地すると同時にプレゼント・マイクが『終了』と爆音で試験終了を知らせた。
戦兎「試験終わったみたいだな。怪我したところとかないか?」
耳郎の元は行き、腰を抜かしていた耳郎に手を差し伸べる。
耳郎「うん。大丈夫。ありがと。」
耳郎は戦兎の手を掴み立ち上がる。それと同時に腰にセットしていたエンプティボトルが紫色に光った。
戦兎「これは…」
耳郎から紫色の粒子が出現し、エンプティボトルに収納される。再度紫色にボトルが光り、新たなフルボトル、バットフルボトルへと変化した。
戦兎「バットフルボトル…。そうか、もう11年か。あのときから…」
蝙蝠。そのレリーフを見た戦兎はこのフルボトルを使って変身する仮面ライダー、内海のことを思い出していた。
耳郎「なんなの?それ。」
戦兎「ん?ああ、いや、なんでもない。俺の“個性”だよ。」
耳郎に現実へと引き戻された戦兎は耳郎にとって普段起こらない事象を“個性”と誤魔化した。そして戦兎はボトルをベルトから引き抜き、変身を解除する。
戦兎「それじゃ、俺は用があるからこれで…ーーー」
耳郎「ちょ、ちょっと待って!!!あ、あんた…もしかして…」
初めて戦兎の素顔を見た耳郎は驚いて顔を二度見して、戦兎の腕を掴みひきとめた。耳郎は明らかに戦兎のことを知っているような顔をしている。
戦兎(もしかして俺のこと知ってるのか…?そんなことがまさか…)
戦兎と万丈以外は誰も前世界のことを知らない。しかし耳郎の出現によって、その限りではない………のかもしれない。耳郎の顔を見て戦兎はそう思わされたのだった。