万丈「お前いつのまにかフェニックスフルボトルなんか手に入れてんだよ!」
戦兎「エンデヴァーと会った時にコソッと回収しといたんだよ。ほら、第17話で出会ったでしょうが。」
万丈「知らねえそんなこと!」
戦兎「そして俺は爆豪にまあまあ追い詰められるも必殺技を発動させて爆豪に勝利!そして始まる決勝戦で戦兎と万丈は戦うことになる。」
万丈「でも俺のクローズの方が強かったけどな!戦兎はガードしてばっかだったし。」
戦兎「認めざるを得ないのがなんだかな…。なんだかんだで変身解除まで追い詰められたのは事実だし…。」
万丈「そんで俺がお前が落とした強化アイテム取ったとした時に白い粒が出てきて…。そういやアレってなんなんだよ」
戦兎「バカだから今話しても理解できなさそうだし、そう言うことは全部後回しにして、俺のかっこいい変身から始まる第22話、ご覧あれ!」
万丈「バカって言うなよバカって!」
戦兎「…さあ、実験を始めようか。」
シュワシュワと音の鳴るボトルを降り終え、少し傾けた後、戦兎は起動タブであるシールディングタブを引き起こして起動。今度はきちんと接続部のRT-SPコネクターが底から飛び出してきた。そしてラビットタンクスパークリングを勢いよくベルトにセットする。
【RabbitTankSparkling!!!】
音声が勢いよく鳴り響く。そしてボルテックレバーを握り、グルグルと回転させるといつもとは少し変わったスナップライドビルダーが展開され、ビルドの素体が形成される。
【Are you ready!?】
戦兎「変身!!!」
その掛け声と共にスナップライドビルダーが戦兎に向かって合体した。
【シュワッとハジける!!!
RabbitTankSparkling!!!イェイイェーイ!!!】
パチパチと弾ける小さなバブルを纏い、登場したのはラビットタンクフォームが刺々しくなったような姿をしたビルドである。そう、仮面ライダービルド、ラビットタンクスパークリングフォームだ。
プレゼント・マイク『瀕死寸前の戦兎がまさかまさかの再変身!しかもなんかいつもより違うみたいだぞー!?』
万丈「う、嘘だろ…?変身しちまったよ…。」
予想だにしない展開に目を見開き、驚きが隠せないような顔をする万丈。
以前、万丈は北都との戦争が始まる際に喧嘩のような形で、このフォームの戦兎と戦ったことがあった。しかしその時の強さに手も脚も出なかったのだ。
万丈「こりゃ負ける気しかしねえ…。」
と、落胆が隠せない万丈。しかしそれでも勝つしかない。やるしかないのだ。そう言い聞かせ、万丈は戦兎に向かって行く。
蒼炎を纏い、右ストレートで殴りかかるも戦兎はその拳を左手で握って攻撃を阻む。そして右腕でボディーブローを喰らわせ万丈を怯ませた後、
万丈「一歩も動かずにこの強さかよ!」
戦兎「そりゃあ俺は天才物理学者だからな。」
万丈「関係ねえよ!そんなこと!」
と叫びながら投げ飛ばしたビートクローザーを再び召喚。再び襲いかかってくるが戦兎はなんとドリルクラッシャーと四コマ忍法刀の2本を召喚。万丈が振りかざす剣をドリルクラッシャーで受け止めると、四コマ忍法刀で2回斬撃を加えて応戦する。さらに万丈がやられた隙に右脚で蹴り、タンクローラーシューズの無限軌道装置でクローズの装甲を削って大ダメージを与えてまたもや吹き飛ばされる。
戦兎「今度はこっちの番だ!」
と言うと戦兎は
戦兎「フィナーレだ!」
戦兎はボルテックレバーを回し、必殺技に必要なエネルギーを生成する。すると万丈のすぐ近くにワームホールのような歪んだ図形が出現。穴からは大量のラピッドバブル、インパクトバブル、ディメンションバブルが吹き出しており、それらとともに万丈はワームホールに引き込まれた。
【Ready Go!!! Sparkling Finish!!!】
戦兎は空高く飛び上がると、万丈が吸い込まれている特異点へと勢いよくキック。万丈と戦兎は衝突し、その衝撃波が観客席にも届く。そして万丈は戦兎のスパークリングフィニッシュで強制変身解除を余儀なくされ、そのまま場外の壁へと吹き飛ばされ背中を強打。万丈は地面に倒れてしまった。
圧倒的勝利。これが爆豪の言う“完膚なきまでの完全勝利”と言うやつなのだろう。客はおろか、プロヒーローや雄英教師までもが口を開け、放心状態である。アレほどうるさかった歓声もまるでなかったかのように、会場は静寂に包まれた。
ミッドナイト「ば、万丈くん場外…。桐生くんの勝ち…!」
改めてミッドナイトが宣言すると、意識を取り戻したかのように観客の声が復活した。
プレゼント・マイク『大どんでん返しで万丈を圧倒ゥー!!!勝ったのは一年A組、桐生戦兎ー!!!』
ラビットタンクスパークリングを引き抜き、変身を解除する。運ばれて行く万丈を見ながら、強くなったなと再確認した戦兎だった。
ミッドナイト「それではこれより表彰式に移ります!」
雄英体育祭は閉会式に移り、表彰式が行われた。一位の台には桐生戦兎、二位には回復した万丈龍我、三位には大人しく佇む轟焦凍、そして…
爆豪「ンンン!!!ンガ!ンガガガガ!!!」
怒り心頭で何故か拘束される爆豪が立っていた。
ミッドナイト「メダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!」
オールマイト「私がメダルを持ってk」
ミッドナイト「我らがヒーロー、オールマイトー!!!」
思いっきり台詞が被った2人。ミッドナイトは『ごめんね』と手のひらを合わせて軽く謝る。
オールマイト「轟少年、三位おめでとう。左を使ったのは何か理由があるのかな?」
轟「…緑谷と戦兎が俺が抱えてたヤツ全部ぶっ壊して来て、戦ってる間は勝つこと以外どうでもよくなってた。でもそれじゃあダメだ。まだ精算しなきゃならねえモノがたくさんある。」
オールマイト「何があったか、深くは聞かないが、君ならきっと精算できるさ。」
オールマイトは轟に銅メダルを授与し、ハグして背中をポンポンと優しく叩く。そして今度は爆豪の前に立ち、暴れ狂う爆豪をじっと見る。
オールマイト「おっとこりゃあんまりだな…。」
口につけられた猿轡を外すとオールマイトの手を噛む勢いで爆豪が話し始めた。
爆豪「おいクソボトル舐めプ野郎!!!テメェやっぱ舐めプしてんじゃねぇか!!!あのボトル使えねえっつったのになんで使えてんだ!!!意味ねえっつってんだろうが!!!おい!なんとか言えゴラ!!!殺すぞ!!!」
もはや惨憺たる表情の爆豪。
実は爆豪、気絶から目が覚めて会場に戻ったのが戦兎がちょうどラビットタンクスパークリングを使っていた時であり、その時からずっと暴れていた。しばらくは切島や瀬呂が爆豪を抑えていたが制御が効かなくなり、最終的にヴィラン用の拘束具を相澤に付けられていた。
オールマイト「まあまあ落ち着きなさい。不本意かもしれないが雄英体育祭3位は目を張る成績だ。」
爆豪「うるせえオールマイト!テメェらが何を言おうがなんの意味もねえ!俺が認めなきゃゴミなんだよクソが!!!」
オールマイト「うむ、相対評価に晒されるこの世の中で不変な絶対評価を持ち続けられる人は多くない。受け取っとけよ。恥の証としてな。」
オールマイトに暴言を吐き続ける爆豪。メダルはいらないと叫びまくるも、オールマイトが無理矢理首にかけた。次は万丈の方へ歩いて行き、語りかける。
オールマイト「万丈少年、二位おめでとう。戦兎少年に負けたのは悔しいだろうがいい勝負だったよ。これから一緒に伸ばしていこうな。その力。」
万丈「そのつもりだ。No.1のアンタも戦兎も超えて、立派なヒーローになる。そのためのもんだからなコレは。」
オールマイト「その心意気だ少年。私も超えられないよう頑張らなきゃな。」
ベルトを握りしめながらそういう万丈に銀のメダルを首にかける。そして最後は戦兎の方へ歩み寄った。
オールマイト「桐生少年、一位おめでとう。見事な伏線回収だった!それにしても最後のあのボトル、爆豪戦では使えなかったようだったが何があったのかな?」
戦兎「俺にも詳しいことは分かりませんけど、万丈のおかげで最後のボトルが使えた。アイツの特殊な力が何か影響してるかも…。」
万丈の特殊な力。それすなわちエボルトの遺伝子である。元々、ラビットタンクスパークリングはパンドラボックスの残留物質から作られたモノである。そしてそのパンドラボックスの正体は、エボルトに酷似している力が詰まっているブラッド星の核である。つまり残留物質自体もエボルトに似たエネルギーであると推測でき、そのエネルギーを持つ万丈から残留物質のような物質が生成されたのだと考えればある程度の納得はできる。
ただしコレに“個性"が関与しているかどうかは謎である。“個性"のある者からフルボトルが抽出できるというルール自体はあまり変わらない。美空のような事例もあるにはある。万丈にも“個性"という“個性"は特に見当たらないため、おそらく美空のようなケースだろう。
そう戦兎は考えていた。
オールマイト「とにかく君は強大な力を手に入れた。その力でこの世の中を守ってくれよ。」
戦兎は金メダルを授与され、軽く抱擁された。
オールマイト「さァ、今回は彼らだった。しかし皆さん、この場の誰にもここに立つ可能性はあった。ご覧いただいた通りだ。競い、高め合い、さらに先へと登っていくその姿。次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている。てな感じで最後に一言、好敵手と書いて友と読む。皆さんご唱和下さい。せーの!」
「「「Puls Ultr」」」
オールマイト「お疲れ様でしたー!!!」
観客がノリノリになって一斉に『Puls Ultra』と言いかけたが、オールマイトの口から出たのはなんと『お疲れ様でした』という言葉であった。オールマイト、実はあまり空気が読めないのかもしれない。
ブーイングの嵐の中、激しかった体育祭が終わりを告げた。
相澤「おつかれっつうことで、明日・明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ。以上!」
雑な感じでHRを終えた相澤はさっさと職員室へ戻った。そしてみんなは騒めきだし、今回の雄英体育祭の反省会を始めた。そんな中轟が戦兎の方へと近づいてくる。
轟「ちょっといいか?戦兎。頼みがある。」
戦兎「いいけど早めにな。俺やりたいことあるし。それで頼みって?」
轟「ボトルのことだ。お前前に中身の入ってないボトルかざして成分抜き取ってたよな。その空のボトル一本貸してくれねえか。」
戦兎「いいけど…」
そういうと戦兎は鞄の中をゴソゴソと漁って、エンプティボトルを取り出して手渡した。
戦兎「ほらよ。ってかこれなにに使うつもりなんだ?流石に成分入ってなきゃ使えn」
万丈「戦兎!!!帰るぞ!」
『使えない』と言おうとしたところで万丈がいきなりA組のドアを開け、戦兎の所へとずかずか歩いてきた。
戦兎「な、なんだよ急に!」
万丈「特訓すんだよ特訓!今度こそは負けねえからな!」
戦兎「ちょっと待てよ!おい!待てってば!」
そう言うと戦兎の言うことも聞かずに手を引っ張って戦兎を外に連れ出していった。
轟「な、なんなんだアイツ…」
緑谷「戦兎くんはいつもあんな感じだから…。」
1人取り残されてしまった轟にそう声をかける緑谷。この2人の距離も、体育祭のお陰で若干縮まっているようだ。
ーーー東京 某日 某所
「たっだいま〜♪」
夜も更けてきた頃、1人の男が陽気にドアを開けて部屋に入る。そこは薄暗いバーで、いつもは黒霧がウェイトレスをやっている。しかし今日はそうではなかった。
「ハァ…。客人か…?それとも敵か…?」
そこでは刃物を持ち、まるで忍者のような風貌をしている男が死柄木を地に伏せさせ、ナイフを突きつけていた。カウンターにいる黒霧も左腕から出血し、動けなくなっている。
「おいおい。何事だ?俺が遊びに興じている間に何があった?」
死柄木「新入りか!ちょうど良い。助けろ!見たら分かるだろこの状況!」
「新入り…仲間か?」
「そうなるな。でも俺は生憎疲れててねえ。ヒーロー殺しステインさんとは戦いたくないんだよ。」
ヒーロー殺しステイン。それが死柄木を地に伏せさせている男のヴィラン名だった。
ステイン「お前はどっちだ。偽物か…本物か…それとも…徒らに"力"を振りまく犯罪者か…。」
「さあな。そんなこと聞いてどうする。殺すのか?俺を?」
"新入り"はそう言った瞬間、ステインの背後に回り込み、頭部に銃を突きつけて左腕でステインの首を固定した。
「見たら分かるだろ?俺に刃物は効かない。お前に俺は殺せないんだよ。所詮お前は"ヒーロー"殺しに過ぎない。赤黒血染というただの人間だ。」
ステイン「お前…どこからその名前を…!」
「今知った。当然お前の“個性"も業績も知ってる。この俺にとって情報集めなんざお手のもんだ。」
余裕綽々という雰囲気をしている"新入り"。しかしステインはそれでも刃物を横に動かし、死柄木の顔にへばりつく手を切ろうとしてくる。その瞬間、死柄木は右腕でガシッと刃物の刃を掴む。
死柄木「ちょっと待て待て…。この掌はダメだ。殺すぞ。」
カサカサでシワシワの肌の顔から鋭く光る死柄木の眼光は、ステインをゾッとさせるのには十分だった。
死柄木「信念?んな仰々しいもんないね…。強いて言えばオールマイトだな。あんなゴミが祀り上げられているこの社会を滅茶苦茶にブッ潰したいなァとは思っているよ!」
そう言った瞬間、バッと跳んで離れるステイン。"新入り"も強く拘束していなかったようで、すぐにステインは距離を取ることができた。
ステイン「それがお前か…。お前と俺の目的は対極にはあるようだ。だが…『現在を壊す』。この一点に於いて俺たちは共通している。」
死柄木を睨みながらそういうステイン。
「現在を壊す…ねえ。面白いこと言うじゃねえか。死柄木。こいつメンバーに加えるのか?」
死柄木「俺は嫌だね。こんなイカレ野郎がパーティーメンバーなんて。」
黒霧「死柄木弔。彼が加われば大きな戦力になる!交渉は成立した!」
その言葉にはぁ…とため息をついた死柄木。気に食わないようだが、一応は加えるという体にするようだ。
その後、ステインと黒霧はステインを保須市に返すためにどこかへ行ってしまった。
死柄木「そうだ。そうなるともうお前は"新入り"じゃなくなるな。本名教えろ。」
「教える時になったら教える。それまでは新入りで通してくれ。」
死柄木「ダメだ。教えろ。ただでさえ正体も明かしてくれないんだ。それぐらいサービスだろ。」
「んじゃあ新 入男とかで良いだろ。」
死柄木「絶対に本名じゃないだろ。ふざけんな。」
本名以外を言わせるつもりのない様子の死柄木。しかしそれでもふざける"新入り"。新入 学だとか新 入子とか、明らかに変な名前しか言わない。死柄木はそれに疲れたのか、それとも出血で頭が回っていないのか、
死柄木「もういい。じゃあヴィラン名教えろ。」
と大きなため息をついてそう言った。
「それも教えるわけにはいかねぇ。シンイリとかでいいだろ。」
死柄木「そのまんまじゃねえか。もういいよ。疲れた。それでいいや。よろしくなシンイリくん。」
死柄木は頭をポリポリと掻きながら怠そうにあくびをする。眠たいのか、寝室に行こうとしたが、『ちょっと待て』と引き止められた。
シンイリ「もし今後新メンバーが入っても俺が雄英生ってことは言うな。ソイツらから素性がバレたら俺の計画が台無しになっちまう。」
死柄木「素性って、そもそも名前も顔も何も晒してねえくせにバレるわけねえだろ。お前何者なんだよ」
シンイリ「何者…か。俺はただのゲームメーカーだ。それ以上でも以下でもねえよ。ま、仲良くしようじゃねえか。相棒♪」
シンイリは死柄木の肩にポンと手を置き、不気味な声で語る。そんな彼の手を払い除けると
死柄木「うるさい。誰がお前の相棒だ。そんなものなったつもりはないぞ。邪魔だどけ。」
と言い返し、死柄木は奥の部屋へ消えてしまった。
シンイリ「やれやれ…。ヴィラン名か…。教えてもいいけど、まだ
誰もいない部屋で1人そう呟くシンイリ。
彼がヴィランとして表に出るのはいつになるのだろうか…。