戦兎『おいおい!何乗っ取ってんの!あらすじするのは俺の役目でしょうが!って言うかなんで俺が電話かけてまでこんなこと言わなきゃならねえんだよ!』
万丈「そりゃ今は俺が主人公だからな!それにお前前回何もしてねえじゃんか。」
戦兎『うっ、それに関しては何も言えねえ…。』
万丈「というわけで仮面ライダークローズで"主役"の俺は、職場体験でリューキュウ事務所っつうところに行ったんだけどよ。そこにインターン生の波動ねじれとプロヒーローのリューキュウがいたんだ。」
戦兎『リューキュウって確かドラゴンの奴じゃなかったか?だったらドラゴンフルボトルが…』
万丈「取れたけど、なんつうか元々あったロードラゴンフルボトルに粒が入ったって、完璧なドラゴンフルボトルになったって感じだな。そして力を試すとか言われて初っ端からリューキュウと戦うことになったから俺は仮面ライダークローズに変身!あの試合はマジで良い勝負だったぜ…。結局相打ちだったけど」
戦兎『相打ちかよ!そんなんじゃクローズチャージはまだまだか…。』
万丈「相手はNo.9のプロヒーローだぞ?むしろ褒められるべきだろ!それにお前だって強化アイテムなかったらあんとき俺に勝ててなかったんだし…」
戦兎『分かった分かった!褒めてやるよ。筋肉バカにしては良くやったな』
万丈「一言余計なんだよ一言!とにかく、その後なんやかんやあって職場体験四日目、俺たちリューキュウ事務所はヴィラングループを突撃を行う準備をしていたのだった!ってなわけでどうなる第28話!」
正午になろうとする少し前。昼ごはんを食べ終えた万丈たちは敵アジト近くの場所で最終確認をしていた。
リューキュウ「いい?クローズ、ネジレチャンの2人は拉致されている人たちの保護を。それが終わり次第、私の元へ来なさい。戦闘も最低限にね。私は先にボスのウルススを捕らえに行くわ。」
『了解!』と2人は勢い良く返事をし、リューキュウは軽くニコッと微笑んだ。
リューキュウ「それじゃあ…突撃!!!」
一気に真剣な顔つきになったリューキュウから号令がかかり、彼ら3人は敵のアジトに乗り込んだ。リューキュウは真正面からドアを蹴り破り、
リューキュウ「リューキュウ事務所です!強盗、窃盗、拉致監禁、人身売買及び殺人の容疑であなた方を逮捕します!」
と大声で叫ぶ。その場にいた一味2人は突然のことにぎょっとし、彼らはすぐさま鋭い爪を手の甲から生やした。
ねじれ「リューキュウ!ここは私たちが!」
万丈「おう!」
ねじれがそう声をかけ、万丈も『ここは任せろ』と言わんばかりに応える。
リューキュウ「任せたよ!」
リューキュウは彼らの相手を生徒2人に任せ、奥の部屋へと消えていった。
万丈「んじゃさっさと片付けますか!」
万丈は笑いながらドラゴンフルボトルを振っている。ビルドドライバーを腰に巻き付け、そしてクローズドラゴンにフルボトルを差し込み、そのままビルドドライバーに押し込んだ。
【Wake up!Cross-Z Dragon!!! Are you ready!?】
万丈「変身!」
ファイティングポーズを取って叫ぶと、スナップライドビルダーが合体した。
【Wake up burning!!!Get Cross-Z Dragon!!!Yeah!!!】
そして万丈は仮面ライダークローズへと変身する。しかしその派手な変身音でヒーローに気づいたのか、さらにヴィランが奥の方からやってきた。計15名ほど。確認ヴィラン総数の大半がやってきており、その全員が違法サポートアイテムを着用している。
ねじれ「気をつけて!アイツら武器持ってる!」
万丈「んなこと俺には関係ねえ!」
相手が刃物を持っているにも関わらず敵の中に突っ込んでいく。ヴィランの一人が万丈を迎え撃とうとナイフを突き刺してきたが、万丈は右手でヴィランの手を払い、左腕で腹を殴り返す。するとヴィランはオエッと唾を吐きながら怯んだ。防護服を着ていながら、彼らにそこまでの防御力はないようだ。
万丈「お前ら弱えな!筋肉つけろ筋肉!」
万丈マスクの下で笑いながらどんどんとヴィランを迎撃する。その様子を見て驚きを隠せないねじれ。口がポカンと開いている。
ヒーロー経験ではねじれの方が一歩先を行っているはずなのだが、戦闘経験では万丈の方が優れている。そのためこう言う現場では万丈の方が強いのだ。
ねじれ「その調子だよクローズくん!」
しかしねじれの方も負けてはいない。ねじれるウェーブを上手く使い、ヴィランを傷付けることなく捕獲していく。彼女は捕まえることに特化しているのだ。
万丈「これで最後だ!」
拳に蒼炎を纏い、最後のヴィランを殴り飛ばした。するとヴィランは壁に衝突し気絶。あっという間に15名のヴィランを戦闘不能状態まで持っていった。
万丈「これで終わりか!案外サクッと終わったな。」
ねじれ「ちょっとクローズくん!戦闘は最低限って言われてなかった!?なんでみんな気絶してるの!」
万丈「いや、えっとこれはアレだよ!アレ!」
良い仕事をしたと言わんばかりの雰囲気を出す万丈。そんな彼をねじれはヴィラン拘束を行いながら叱りつけた。焦って言い訳を言おうとするもなかなか良いのが思いつかずにいた。
彼が戦ったヴィランはみな気絶まで追いやられてしまっている。明らかにやり過ぎだ。
ねじれ「まあ良いよ。それより私たちの仕事は拉致されている人たちの保護。急ぐよ!」
万丈「分かった!」
そして万丈たちはあらかじめ得た情報を元に拉致された人たちのいる部屋へと走り込んだ。そこには監禁されていた人が数名、手足を縛られた状態で震えていた。万丈らは拘束を解き、速やかに出口まで案内する。
「助かった!ありがとうヒーロー!」
万丈「感謝は後だ!みんなはあっちの方に…」
その時、地面が大きく揺れた。『なんだ!?』と万丈は叫び、二人は外に出た。なんとドラゴンになったリューキュウと5mの大熊が格闘しているではないか。おそらくあの巨大な熊がヴィランのボス、ウルススだろう。リューキュウは拉致された人たちを気遣っているためか、なかなか本気を出せずに押し切れていない様子。
リューキュウ「クローズ!拉致された人たちは!?」
万丈「全員助けた!あとはソイツだけだ!」
リューキュウは万丈に問いかける。そしてその答えを聞くとニヤッと微笑んだ。
リューキュウ「了解!一気に畳み掛けるよ!ねじれ!」
ねじれ「うん!」
他を気にする必要が無くなったリューキュウは取っ組み合いになっているウルススの手を払い退け、顔面を鷲掴みにすると、一気に地面へと押し付けた。
ねじれ「ちょっと痛いよ!
ねじれは足から波動を放出して空を飛び、真上からねじれる衝撃波を叩きつけた。ウルススは力が残っていないのか、"個性"が解け、180cmほどの人間に戻ってしまった。
ウルスス「流石はNo.9ヒーロー。強いな。今までヒーロー共は全員葬ってきたってのに、やられちまったよ。」
リューキュウ「にしては妙に落ち着いてるわね。」
ウルスス「そりゃ想定内だからな。」
追い詰められているにも関わらず妙に落ち着いているウルスス。しかし彼にはもうなす術はないと思われたが、奴はポケットからとあるものを取り出した。
万丈「お前ッ、そのボトルをどこで手に入れた!!!」
なんとそれはハンマーのレリーフが刻印された紫色のフルボトル、ハンマーロストフルボトルだった。それを持っていることに憤りを覚えた万丈はすぐに飛び出し、奪おうとするもねじれに止められた。
ウルスス「俺を殺せたら教えてやる。」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべながらハンマーロストフルボトルのキャップを回し、自身の左腕に突き刺した。ネビュラガスに包まれ、だんだんと異形の者へ変貌するウルスス。彼はもはや人間ではない。スマッシュ、それも意識のあるハードスマッシュだ。
万丈「コイツ、スマッシュになりやがった…!」
リューキュウ「クローズ!何か知ってるの!?"個性"じゃないようだけど…」
万丈「アレはスマッシュ。要はバケモンだ。それも相当の強さの…」
まさかこの新世界でスマッシュと戦うことになるとは思わなかった万丈。驚きながらもスマッシュについて軽く説明する。
しかし今回のスマッシュは普通の個体ではなく三羽ガラスと同じハードスマッシュ。クローズチャージにならなければ倒すのは難しいが、当然スクラッシュドライバーなんてものは持っていない。しかもハザードレベルは当時より下。相手は"個性"も使えることを考えると勝機は絶望的。
万丈「クソッ、こんな時戦兎なら…」
ふと戦兎の方が脳裏に浮かんだが、頭をブンブンと横に振って戦兎のことを忘れる。アイツがいなくても守れる。戦兎ばかりに頼るわけにはいかない。
万丈「今、あのスマッシュを倒せるのは俺しかいねえ…。あのエボルトだってぶっ潰してきたんだ。こんなことで挫けてちゃ戦兎に笑われちまう。やるしかねえ!」
ねじれ「ちょっ、クローズくん!!!」
1人、意気込んで突っ込んでいく万丈。そんな彼をねじれが止めようとするもリューキュウがそれを阻止した。ねじれはリューキュウの方へ振り向き、不安な顔で
ねじれ「止めなくて良いんですか!?」
と叫んだ。しかしリューキュウは笑って言う。
リューキュウ「ええ。大丈夫。あのスマッシュとやらついてはクローズの方が理解してるみたいだし、何より今、あの子に必要なのは彼自身がウルススに打ち勝つこと。そうだと思わない?」
ねじれ「でも!」
リューキュウ「大丈夫。いざとなったら私も参戦するから。」
心配するねじれをそう言って慰めるリューキュウ。これも彼の成長に必要なことだと考えているのだろう。そんな万丈はというと…
万丈「俺はもっともっと強くなる!」
と、蒼炎を纏った右腕でウルススを殴りつけて飛びかかった。そして右足でウルススを蹴り飛ばし、アジトの壁に打ち付けた。万丈は蒼く燃えるその拳でウルススを圧倒。反撃の暇も与えない。更にビートクローザーまで取り出し、敵を滅多斬りにする。とにかく無我夢中だ。でも出鱈目じゃない。一日目の反省を活かしながら闘っている。
ウルスス「何故だ…。なぜ勝てない…!」
怒りを露わにしながら反撃するも、万丈には効かない。いや、効いているがアドレナリンの分泌量が多いせいでそんなこと気にも留めていられないのだ。
万丈「俺が挫けなきゃなァ!絶対負けねえんだよッ!!!」
どんどんとウルススを追い詰める。加えてスチームブレードまで取り出し、右手にビートクローザー、左手にスチームブレードを持ち、二刀流の状態でダメージを与えていく。
万丈「これで終わりだ!!!」
今度はスチームブレードのバルブを180度回転させ、刃に冷気を纏わせた。
【Ice Steam!!!】
その刃でウルススを斬りつけると、足元から凍りついてしまった。そのまま万丈はスチームブレードを地面に放り投げ、もう一つのドラゴンフルボトルをビートクローザーに突き刺し、3回グリップエンドを引っ張った。
【Special Tune!ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!Mega Slash!!!】
ウルスス「やられてたまるか…こんなところでお前如きに!!!」
暴れもがくもどうしようもないウルスス。
万丈はクローズドラゴンとビートクローザーに刺さっている2本のドラゴンフルボトルから供給される莫大なエネルギーをビートクローザーに集中させ、剣先からドラゴン型の斬撃を放つ。凍りつき、なす術もないウルススはその斬撃をモロに喰らい、緑色の爆発が起こった。
ねじれ「もしかして…倒しちゃったの…?」
目の前で起こっていることが信じられないねじれ。一年の職場体験の時期にこれほどの力を持つなど、ねじれは愚かビッグスリーさえあり得なかった。
万丈「言ったろ。絶対負けねえって。」
倒れているウルススに万丈が近づくと、ウルススの左腕からハンマーロストフルボトルが排出され、ウルススがスマッシュ体から人間体に戻っていった。しかしウルススはまだ気絶したままだ。
ねじれ「すごいよクローズくん!!!よくやったねぇ!!!」
嬉しさのあまり、ねじれは万丈に抱きつく。万丈は少し恥ずかしいのか、ねじれを引き剥がした。
リューキュウ「流石は私が見込んだ子ね。やるじゃん。」
万丈「当ったり前だろ?鍛えてない奴に負けるわけねえからな。」
変身を解除し、筋肉を誇張させながらそう言う万丈。しかし褒められて満更でもないようだ。
リューキュウ「ところであのスマッシュって言うのはなに?君は化け物って言ってたけど…」
万丈「ああ、アレはバケモンだ。詳しい仕組みはわかんねえけど、人体実験を受けたり、このロストフルボトルを腕に刺したりするとアレになる。俺たちが使ってるボトルは安全だから刺したりしても大丈夫だけどな。」
ハンマーロストフルボトルを拾いながらそう言う万丈。ついでにウルススにロストフルボトルをかざすと黄色の粒子が流れ出て、クマフルボトルが生成された。
ロストフルボトルについて、悪用されぬように収集していた万丈と戦兎だが、ついに悪用する者が現れてしまった。これは由々しき事態である。
リューキュウ「なるほど。とにかくそのボトルは警察に預かっていてもらいましょう。そのヴィランと一緒にね。」
万丈「了解っす。あ、とりあえず戦兎にもこのこと伝えねえと…」
ポケットからスマホを取り出し、戦兎に電話をかける。事の一部始終を戦兎に話すと『恐らくたまたまロストフルボトルを拾ったんだろう。それに"個性"の影響でハザードレベル2.0を超える人間も前世界より増加してることが分かってる。まあ色んなことが重なってのハードスマッシュだ。今回のはレアケースだな。』と戦兎は評していた。
しばらくして警察がヴィランとハンマーロストフルボトルを引き取りにやってきた。無事にヴィランは逮捕。ハンマーロストフルボトルは厳重に保管しておくそうだ。とりあえずこれ以上悪用される心配はないだろう。
リューキュウ「さ、今日は疲れただろうし事務所に帰って休憩でもしましょうか。明日からはまたパトロールだけどね。」
ねじれと万丈の頭を撫でながらリューキュウは微笑んだ。
一波乱あったが、これで万丈の職場体験も終わりを迎える。